ローヤリティー諸島はどこ?地震が多い理由と島の基本を解説

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ニュースで「ローヤリティー諸島で地震」と聞いて、どこにある島なのか気になった方も多いのではないでしょうか。旅行先として耳にする機会は少なく、地図ですぐに場所を思い浮かべられる人はあまりいないはずです。

ローヤリティー諸島は、南太平洋のフランス領ニューカレドニアに属する島々です。この記事では、島の場所と日本からの距離、呼び名がいくつもある理由、2026年9月26日の地震でわかっていること、この海域で大きな地震が多い理由を順番にまとめました。『天国にいちばん近い島』の舞台として知られるウベア島など、島の暮らしや日本からの行き方もあわせて紹介します。

目次

ローヤリティー諸島はどこ?ニューカレドニアの東に並ぶ島々

ローヤリティー諸島は、オーストラリアの東の海に浮かぶフランス領ニューカレドニアの一部です。ニューカレドニアの本島にあたるグランドテール島の東側、およそ100km沖に、北西から南東へ島が並んでいます。

行政のうえでは「ロイヤルティ諸島州」として、ニューカレドニアを構成する3つの州のひとつになっています。ほかの2州は本島の北部州と南部州で、首都ヌメアは南部州にあります。ローヤリティー諸島の北東には、バヌアツの島々が続いています。

日本からの方角と距離

日本から見ると、ローヤリティー諸島はほぼ真南からやや東寄りの方角にあります。位置はおおむね南緯20〜22度・東経166〜168度のあたりで、東京からの距離は約7,000kmです。赤道をはさんだ反対側なので、季節は日本と逆になります。

時差は日本より2時間進んでいて、サマータイムはありません。日本で朝9時のとき、現地は11時です。今回の地震は日本時間の6時23分ごろに起きたので、現地では朝8時半ごろの出来事でした。

主な島はリフー・マレ・ウベア・ティガの4つ

諸島の中心になるのは、リフー島・マレ島・ウベア島・ティガ島の4島です。このほか南東の沖に、人の住んでいないウォルポール島があります。どの島もサンゴ礁が持ち上がってできた平らな島で、本島のような高い山はありません。

島面積人口(2019年)特徴
リフー島約1,207km²約9,200人諸島で最大。州の中心地ウェがある
マレ島約642km²約5,800人諸島の南側。今回の震源に最も近い島
ウベア島約132km²約3,400人細長い環礁の島。白い砂浜が長く続く
ティガ島約10km²約90人リフー島とマレ島の間にある小島

いちばん大きなリフー島は、面積が沖縄本島とほぼ同じです。諸島全体の人口は2019年の国勢調査で18,353人で、半分ほどがリフー島に住んでいます。

「ロイヤルティ」「ロイヤリティ」「ロワイヨテ」…呼び名が違う理由

「ローヤリティー諸島」「ロイヤルティ諸島」「ロイヤリティ諸島」「ロワイヨテ諸島」は、すべて同じ島々を指しています。英語の Loyalty Islands とフランス語の Îles Loyauté を、それぞれの立場で日本語に書き写した結果、表記がばらばらになりました。

表記主に使われている場面
ローヤリティー諸島気象庁の地震情報、それを伝えるテレビ・新聞のニュース
ロイヤルティ諸島百科事典やWikipedia日本語版など
ロイヤリティ諸島旅行会社・クルーズ会社の案内
ロワイヨテ諸島フランス語の発音に近い書き方。映画の解説などで見かける

地震のニュースで「ローヤリティー諸島」と書かれる理由

気象庁は、海外で起きた地震の震源を、あらかじめ決まった地名で発表しています。この海域の地名として使われているのが「ローヤリティー諸島」や「ローヤリティー諸島南東方」です。テレビや新聞は気象庁の発表をそのまま伝えるため、ニュースではこの表記が使われます。

一方で、旅行や観光の情報はほとんどが「ロイヤリティ諸島」や「ロイヤルティ諸島」の表記で書かれています。ニュースの表記のまま検索すると旅行情報が見つかりにくく、旅行の表記で探すと地震情報が出てきにくいのはこのためです。調べものをするときは、表記を変えて何通りか試すと情報が集まりやすくなります。

名前の由来は18世紀の交易船「ロイヤルティ号」

名前の由来は、1789年から1790年にかけて南太平洋を航海し、この島々に到達したロンドンの船「ロイヤルティ(Loyalty)号」だとされています。フランス語名の Loyauté も、英語の loyalty と同じく「忠誠」という意味の言葉です。

日本語で「ロイヤリティ」と聞くと、特許料や使用料を意味する royalty(R)を思い浮かべる方も多いかもしれません。島の名前はそれとは別の loyalty(L)です。旅行会社の「ロイヤリティ諸島」も、つづりは Loyalty です。

2026年9月26日の地震でわかっていること

2026年9月26日の日本時間6時23分ごろ、ローヤリティー諸島付近で大きな地震が起きました。気象庁の発表では、規模はマグニチュード(M)7.0です。気象庁は、この地震による日本への津波の影響はないと発表しています。以下は2026年9月26日時点で公表されている情報です。今後の発表で数値が見直されることがあるため、最新の状況は気象庁などの公式発表で確認してください。

発表された震源と規模

地震の規模や震源の位置は、発表した機関によって少しずつ数値が違います。それぞれの発表内容は次のとおりです。

発表元規模震源の位置など
気象庁(日本)M7.0南緯21.2度・東経168.5度。日本への津波の影響はなし
アメリカ地質調査所(USGS)速報M7.0→M6.6に更新マレ島の町タディンの東北東約80km、深さ約10km
ニューカレドニアの防災当局M7破壊的な津波の危険はないとしつつ、海面の変動に備えて海岸から離れるよう住民に呼びかけ

数値が機関ごとに違うのは、使っている観測点や計算方法が異なるためです。地震直後の値は速報で、後から詳しく解析して改められることもあります。USGSの値が7.0から6.6に変わったのも、こうした見直しによるものです。現地の報道によると、揺れはローヤリティー諸島のほか本島のグランドテール島でも感じられ、その後も余震が続きました。

「日本への津波の影響なし」はどう判断されるのか

海外で大きな地震が起きると、気象庁は地震の規模や場所から、日本の沿岸に津波が届くかどうかを調べて発表します。結果は「影響なし」「若干の海面変動があるかもしれないが被害の心配はない」「津波注意報・警報」のいずれかの形で伝えられます。

今回の発表文には「震源の近傍で津波発生の可能性があります」という一文もありました。これは震源に近いバヌアツやニューカレドニアの沿岸についての注意で、日本に津波が来るという意味ではありません。そのあとに続く「日本への津波の影響はありません」が、日本についての判断です。

ローヤリティー諸島から日本までは約7,000km離れています。過去にこの海域でM7.7の地震が起きたときは、日本沿岸に海面変動が届くまで8時間ほどかかると予想されていました。遠くの地震でも、発表の内容によっては時間をおいて影響が出ることがあるため、「影響なし」かどうかは公式発表で確かめるのが確実です。防災情報の種類や読み方は、次の記事にまとめています。

ローヤリティー諸島の周辺で大きな地震が多い理由

ローヤリティー諸島の周りで大きな地震が多いのは、プレートが沈み込む「バヌアツ海溝」の南端がすぐ近くにあるからです。地球の表面を覆うプレート同士がぶつかる場所は、世界中で地震が集中しています。ローヤリティー諸島の南東の海域は、まさにその境目にあたります。

バヌアツ海溝の南端とプレートの沈み込み

バヌアツ諸島の西側には、南北に長い深い溝「バヌアツ海溝(ニューヘブリディーズ海溝)」が走っています。ここでは、オーストラリアを乗せたインド・オーストラリアプレートが東へ動き、太平洋側のプレートの下に沈み込んでいます。海溝はローヤリティー諸島の南東で向きを東へ曲げ、その付近で規模の大きな地震がくり返し起きています。

ローヤリティー諸島そのものは、沈み込む側のインド・オーストラリアプレートの上にあります。沈み込む直前のプレートが曲げられて割れる地震もあり、2023年5月のM7.7は、このようにプレートの内部で起きた地震(正断層型)と分析されています。

海のプレートが陸側のプレートの下へ斜めに沈み込んでいく様子を断面で描いた、くすみカラーの北欧風イラスト。海面と島のシルエット、沈み込むプレートの境目を矢印の形で表現(文字・数字・ラベルなし)

日本の周りでも、太平洋プレートやフィリピン海プレートが沈み込んでいて、しくみは同じ「沈み込み帯」です。日本で地震が多い理由を地下のしくみから知りたい方は、次の記事も参考になります。

過去にこの海域で起きた主な地震

ローヤリティー諸島の周辺では、ここ10年ほどのあいだにもM7前後の地震が何度も起きています。日本では津波の被害は出ていませんが、「若干の海面変動」が予想されたこともありました。

発生日(日本時間)規模日本への影響など
2016年8月12日Mw7.2ローヤリティー諸島南東方で発生
2021年2月10日M7.7バヌアツとニューカレドニアで津波を観測。日本は若干の海面変動の予想
2022年3月31日Mw6.9ローヤリティー諸島南東方で発生
2023年5月19日Mw7.7バヌアツのタンナ島で0.61mの津波を観測。日本は若干の海面変動の予想
2026年9月26日M7.0日本への津波の影響はなしと発表

表の「Mw」は、断層のずれの大きさから求めるモーメントマグニチュードのことです。海外の地震の規模は、この値で示されることが多くなっています。海外の地震や噴火が日本に影響するしくみは、インドネシアの火山を例に次の記事でも解説しています。

どんな島々?暮らしと文化の基本

ローヤリティー諸島は、メラネシア系の先住民カナックの伝統的な暮らしが色濃く残る島々です。首都ヌメアのある本島に比べると開発は控えめで、サンゴ礁の海と森に囲まれた集落が点在しています。

住民の多くはカナック。島ごとに言葉も違う

諸島の住民の多くはカナックの人々で、村(トリビュ)ごとに首長を中心とした共同体を作って暮らしています。土地の多くは慣習にもとづいて共同体が受け継いでいて、外から来た人が勝手に立ち入ってよい場所ばかりではありません。

公用語はフランス語ですが、日常ではそれぞれの島の言葉も話されています。リフー島ではドレフ語、マレ島ではネンゴネ語、ウベア島ではイアイ語とファガウベア語が使われています。小さな諸島の中で、島ごとに言葉が違うのは珍しい特徴です。

お金はニューカレドニア全体で使われている CFPフランです。村を訪ねるときは「クチューム」と呼ばれる、あいさつと小さな贈り物で敬意を示す習わしがあります。観光で訪れる場合も、ツアーや宿の案内に従うのが安心です。

『天国にいちばん近い島』の舞台ウベア島

日本でローヤリティー諸島の名前が知られるきっかけになったのが、『天国にいちばん近い島』です。作家の森村桂が1966年に出版した、ニューカレドニアへの旅をつづった旅行記がもとになっています。

1984年には大林宣彦監督、原田知世主演で映画化されました。そのロケ地がウベア島で、以来「天国にいちばん近い島」はウベア島を紹介するときの決まり文句のように使われています。

細長い島に沿って白い砂浜がどこまでも続き、エメラルドグリーンのラグーンとヤシの木が並ぶ穏やかな海辺の風景。くすみカラーの北欧風イラスト(文字なし)

ウベア島は細長い環礁の島で、島の西側には白い砂浜が長く続いています。浅いラグーンは透明度が高く、ウミガメやマンタなどの生き物も見られます。ウベア島周辺の海は、2008年にユネスコの世界遺産「ニューカレドニアのラグーン」の一部として登録されました。

日本から行くには?ヌメア経由のルートと時差

日本からローヤリティー諸島へ行くには、まずニューカレドニアの首都ヌメアへ飛び、国内線か船に乗り継ぐのが基本のルートです。日本からの直行便はヌメアまでで、ローヤリティー諸島へ直接行く便はありません。

日本からヌメアまでは、エアカランの直行便が成田空港などから運航されていて、飛行時間は約8時間半です。国際線が着くのは郊外のラ・トントゥータ国際空港で、ヌメア市内までは車で1時間ほどかかります。

ヌメアからは、市内のマジェンタ空港から出る国内線で、リフー島・マレ島・ウベア島へそれぞれ40分前後です。リフー島とマレ島へは、ヌメアから高速船も運航しています。リフー島は大型クルーズ船の寄港地にもなっていて、クルーズの途中に立ち寄る人もいます。

日本からの移動のめやす
  • 日本→ヌメア(ラ・トントゥータ国際空港):直行便で約8時間半
  • 国際空港→マジェンタ空港(国内線):車で約1時間
  • マジェンタ空港→リフー島・マレ島・ウベア島:国内線で40分前後
  • 時差:日本より2時間進んでいる(サマータイムなし)

航空便や船の便数は、時期によって変わります。地震のあとは運航の予定が変わることもあるため、旅行を予定している方は航空会社や旅行会社の案内を確認しましょう。

よくある質問

ローヤリティー諸島とロイヤルティ諸島は同じ場所ですか

同じ場所です。英語の Loyalty Islands を日本語に書き写すときの表記の違いで、気象庁の地震情報では「ローヤリティー諸島」、旅行の案内では「ロイヤリティ諸島」がよく使われています。

ローヤリティー諸島は何という国に属していますか

フランス領ニューカレドニアに属しています。ニューカレドニアはフランスの海外の自治体で、ローヤリティー諸島はその中の3つの州のひとつ「ロイヤルティ諸島州」です。公用語はフランス語で、お金は CFPフランが使われています。

「ローヤリティー諸島南東方」とはどこのことですか

ローヤリティー諸島の南東側に広がる海域のことです。島そのものではなく、その沖の海底で地震が起きたことを表しています。バヌアツ海溝の南端にあたり、大きな地震がくり返し起きている場所です。

2026年9月26日の地震で日本に津波は来ますか

気象庁は、この地震による日本への津波の影響はないと発表しています(2026年9月26日時点)。今後の情報は、気象庁のホームページやテレビ・ラジオの発表で確認してください。

「天国にいちばん近い島」はどの島ですか

一般には、1984年の映画『天国にいちばん近い島』のロケ地になったウベア島を指すことが多いです。原作は森村桂がニューカレドニアへの旅をつづった旅行記で、ニューカレドニア全体を指して使われることもあります。

ローヤリティー諸島と日本の時差はどのくらいですか

現地のほうが日本より2時間進んでいます。サマータイムはないため、1年を通して2時間差です。日本時間の朝6時は、現地の朝8時にあたります。

まとめ

ローヤリティー諸島について、ポイントを振り返ります。

  • 南太平洋のフランス領ニューカレドニアに属し、本島の東およそ100kmに並ぶ島々
  • 主な島はリフー島・マレ島・ウベア島・ティガ島。日本からは約7,000km、時差は2時間
  • 「ローヤリティー」は気象庁の表記で、「ロイヤルティ」「ロイヤリティ」「ロワイヨテ」も同じ場所
  • 2026年9月26日のM7.0の地震について、気象庁は日本への津波の影響はないと発表
  • バヌアツ海溝の南端に近く、M7前後の地震がくり返し起きている海域
  • ウベア島は映画『天国にいちばん近い島』のロケ地として知られる

地震のニュースで初めて聞いた名前でも、場所と呼び名のしくみがわかれば、その後の情報を追いやすくなります。表記を変えて調べると、島の自然や文化の情報にもたどり着けます。

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