学士とは?意味と読み方をやさしく解説
学士とは、4年制大学を卒業したときに与えられる学位のことです。読み方は「がくし」で、いわゆる「大卒資格」と同じ意味で使われることが多い言葉です。
ふだんは「大学を出ました」と表現することが多いですが、履歴書や公的な書類では「学士」という正式な呼び方が登場します。まずは基本の意味から押さえていきましょう。
学士は、4年制大学の課程を修了したことを証明する「最初の学位」です。修士や博士の前段階にあたります。
学士(がくし)の基本的な意味
学士は、大学で定められた教育課程の単位を修めて卒業した人に授与される称号です。文部科学省が学校教育法で定める「学位」のひとつとして位置づけられています。
つまり「大学を卒業した=学士を取得した」と考えてほぼ間違いありません。卒業証書とは別に、学位記という形で授与されるのが一般的です。
学士は「学位」のひとつ|大卒資格との関係
「学位」とは、大学や大学院で専門分野の学業を修めたことを示す正式な称号です。学位には大きく分けて学士・修士・博士の3種類があります。
就職活動や転職活動で「大卒」と書く欄も、正確には「学士の学位を持っている」ことを意味しています。日常会話では大卒、書類上は学士と覚えておくと迷いません。
英語ではBachelor(バチェラー)
学士の英語表記は「Bachelor(バチェラー)」です。英文の履歴書や名刺、海外の大学院に出願する書類などでは、この表記を使います。
専攻分野によって「Bachelor of Arts(文学士)」「Bachelor of Science(理学士)」のように後ろに分野名が続くのが特徴です。海外では学位を略してB.A.やB.S.と書くことも多くあります。

学士・修士・博士の違いを比較表で整理
学士・修士・博士は、いずれも大学や大学院で授与される学位ですが、取得までの期間や場所、求められる専門性が大きく異なります。まずは一覧表で全体像をつかんでみましょう。
学士・修士・博士の比較表(取得期間・場所・英語名)
| 学位 | 取得場所 | 標準修業年限 | 英語名 | 略称 |
|---|---|---|---|---|
| 学士 | 4年制大学(学部) | 4年 | Bachelor | B.A./B.S.など |
| 修士 | 大学院(修士課程) | 2年 | Master | M.A./M.S.など |
| 博士 | 大学院(博士課程) | 3年以上 | Doctor | Ph.D.など |
医学部・歯学部・薬学部(6年制)・獣医学部のように、6年で学士となる課程もあります。学部によって標準年限が異なる点に注意しましょう。
学士から見たキャリアパスの違い
学士を取得した後の進路は、大きく分けて「就職」と「大学院進学」の二択になります。文系の多くは就職を選び、理工系では大学院に進んで修士まで取得するケースが目立ちます。
研究職や開発職を目指す場合、修士や博士の学位が応募条件になる求人も少なくありません。一方で、一般的な総合職や事務職では学士でほとんど対応できます。

「とりあえず大学を出ておけば大丈夫?」と聞かれることも多いですが、目指す職種によって最適な学位が変わるんですよ。
準学士・専門士・短期大学士との位置関係
学士の周辺には、似た名前の称号がいくつかあります。それぞれ授与される学校が異なるので、整理して覚えておきましょう。
- 短期大学士:短期大学(2〜3年)を卒業すると授与される学位
- 準学士:高等専門学校(高専)の本科を修了した人に与えられる称号
- 専門士:専門学校の専門課程(2年以上)を修了すると授与される称号
- 高度専門士:専門学校の4年以上の課程を修了すると授与される称号
このうち学位として扱われるのは学士と短期大学士で、準学士や専門士は「称号」という位置づけです。混同しやすいので、書類を書くときは特に気をつけたいポイントです。
学士の種類|「学士(文学)」「学士(理学)」など専攻分野で変わる
「学士」とひとくちに言っても、実際に授与されるときは専攻した分野の名前が括弧つきで添えられます。たとえば文学部を卒業すれば「学士(文学)」、理学部なら「学士(理学)」となります。
学士に付く「専攻名」の意味
括弧の中に書かれているのは、その人が大学で何を学んだのかを示す「専攻分野」です。これは1991年の学位規則改正で、各大学が独自に名称を決められるようになりました。
そのため、新しい学際的な学部が増えるとともに、専攻名のバリエーションも豊富になっています。「学士(環境情報学)」「学士(総合政策学)」のような名称も珍しくありません。
主な学士の種類一覧
代表的な学士の種類を、分野別に並べてみました。自分が取得した学士や、これから目指す学位がどこに位置するか確認してみてください。
- 人文系:学士(文学)、学士(哲学)、学士(史学)、学士(人文学)
- 社会科学系:学士(法学)、学士(経済学)、学士(経営学)、学士(商学)、学士(社会学)
- 理学系:学士(理学)、学士(数学)、学士(物理学)
- 工学系:学士(工学)、学士(情報工学)、学士(建築学)
- 医療系:学士(医学)、学士(歯学)、学士(薬学)、学士(看護学)
- 教育・芸術系:学士(教育学)、学士(芸術学)、学士(音楽)、学士(美術)
同じ大学でも学部によって異なる
同じ大学を卒業しても、所属していた学部が違えば授与される学士の種類も変わります。経済学部なら学士(経済学)、文学部なら学士(文学)といった具合です。
履歴書や名刺に学位を記載するときは、自分の卒業証書や学位記に書かれている正式名称を確認しましょう。略して「学士」とだけ書くこともできますが、専門性をアピールしたい場面では専攻名まで書く方が伝わります。


学士を取得する方法|大学卒業以外の道もある
学士を取得するもっとも一般的な方法は、4年制大学を卒業することです。ただし、それ以外にも学士を取得できるルートはいくつか用意されています。社会人の学び直しでも活用できる仕組みなので、知っておいて損はありません。
通常ルート:4年制大学を卒業する
大学に入学し、所定のカリキュラムに沿って単位を取得し、4年間(医・歯・薬・獣医は6年)で卒業すれば学士の学位が授与されます。これがもっともシンプルで、利用者の多いルートです。
必要な単位数は大学や学部によって異なりますが、おおむね124単位以上を取得することが卒業要件として設定されています。卒業論文や卒業研究を必須とする大学も多くあります。
大学評価・学位授与機構による学士取得
大学に通っていなくても、独立行政法人「大学改革支援・学位授与機構」を通じて学士の学位を取得する方法があります。短期大学や高等専門学校を修了した後、不足する単位を積み上げて申請するルートです。
修得した単位の証明書類と学修成果(レポート)を提出し、機構の試験に合格すれば学士の学位が授与されます。短大卒や高専卒の人が大学院進学を目指す際にも活用される制度です。なお、機構は2016年に旧「大学評価・学位授与機構」から名称が変わっています。
通信制大学・社会人大学院という選択肢
働きながら学位の取得を目指したい人には、通信制大学や夜間部のある大学が選択肢になります。通学型より学費が抑えられるケースも多く、自分のペースで学べるのが魅力です。
所定の単位を取得して卒業すれば、通学制の大学と同じ「学士」が授与されます。学位そのものに通信か通学かの区別は付かないため、就職や進学で不利になることは基本的にありません。
大学改革支援・学位授与機構のルートは、短大・高専卒の人や大学を中退してしまった人にとって有力な学び直し手段になります。仕事と並行して数年かけて単位を積み上げる人も多い制度です。
履歴書・職務経歴書での「学士」の正しい書き方
履歴書や職務経歴書では、わざわざ「学士」と書く必要はないケースがほとんどです。学歴欄に大学名と学部名を正しく書いておけば、学士であることは自然に伝わります。
学歴欄での書き方の基本
履歴書の学歴欄には、入学・卒業年月とともに「○○大学○○学部○○学科」と正式名称で記入します。略称や省略は避け、必ず公式な名称を使いましょう。
卒業の場合は「卒業」、まだ在学中なら「○年○月卒業見込み」と書きます。大学を退学した場合は「中途退学」と記載するのが一般的です。
「学士号取得」と書くべきか
通常の履歴書では「学士号取得」とまで書く必要はありません。ただし、大学改革支援・学位授与機構を通じて学士を取得した場合や、海外で学位を取った場合は、補足として記載するとわかりやすくなります。
研究職への応募や、学術団体への加入手続きなどでは「学士(○○)」と専攻分野まで書くと丁寧です。提出先によって使い分けるのがおすすめです。
英文履歴書ではBachelor of ○○
海外企業への応募や外資系企業の英文履歴書では、学士を「Bachelor of ○○」と表記します。文学部なら「Bachelor of Arts」、理学部なら「Bachelor of Science」が代表的です。
略記する場合はB.A.、B.S.のように記載します。専攻分野は「Bachelor of Arts in English Literature」のようにinでつなぐと、より具体的に伝わります。
学士に関するよくある質問
- 学士と大卒は同じ意味ですか?
-
ほぼ同じ意味として使われます。日常会話やカジュアルな書類では「大卒」、学位や正式な書類では「学士」と使い分けるのが一般的です。厳密には「学士」は学位の名称、「大卒」は学歴の区分という違いがあります。
- 大学を中退した場合は学士になりますか?
-
なりません。学士は所定の単位を取得して卒業した人に授与される学位です。中退した場合は「中途退学」という学歴になり、学士の学位は与えられません。ただし取得済みの単位を活かして、大学改革支援・学位授与機構経由で学士を目指すルートはあります。
- 学士は何年で取得できますか?
-
標準は4年です。ただし医学・歯学・薬学・獣医学などの6年制学部では6年かかります。早期卒業制度を導入している大学では3年で学士を取得できる場合もあります。
- 学士は何個でも取得できますか?
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取得できます。複数の大学・学部を卒業すれば、それぞれの学士が授与されます。社会人になってから別分野の学士を追加で取得する人もいます。
- 学士と学士号は違いますか?
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ほぼ同じ意味で使われます。「学士」が学位そのもの、「学士号」はその称号を指すニュアンスで使い分けられることもありますが、日常的にはどちらも同じ意味と考えて問題ありません。
まとめ|学士は大学卒業で得られる最初の学位
学士とは、4年制大学を卒業すると与えられる最初の学位で、英語ではBachelorと呼ばれます。修士・博士へと続く学位体系のスタート地点であり、私たちが「大卒」と呼んでいるものの正式名称でもあります。
学士には文学・理学・工学などさまざまな専攻分野があり、卒業した学部によって「学士(○○)」と専攻名が添えられます。また、大学評価・学位授与機構を通じたり、通信制大学を活用したりと、社会人になってからでも取得できるルートが整っているのも特徴です。
学士は単なる「卒業証明」ではなく、専門分野の基礎を修めたことを示す正式な学位です。履歴書や名刺に書くときは、卒業した学部に対応する正式名称を確認しておきましょう。









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