新幹線に「個室」ができると聞いて、グリーン車とどう違うのか気になっていませんか。移動中に人目を気にせず過ごしたい、電話やオンライン会議をしたい、家族と気兼ねなく話したい。そんな場面で候補になりそうですが、料金や買い方の情報は散らばっていて、まとめて見比べにくいのが実情です。この記事では、2026年10月1日に登場する新幹線の個室について、グリーン車との違い・区間別の料金の目安・予約方法・向いている場面を整理しました。読み終えるころには、自分の移動で使う価値があるかどうかを判断できるはずです。
新幹線の個室はいつから?2026年10月1日にデビューします
結論から言うと、新幹線の個室は2026年10月1日に営業を開始します。東海道・山陽新幹線を走るN700Sの一部編成に設けられ、グリーン車のさらに上位に位置づけられる座席です。JR東海とJR西日本が2026年6月に発表しました。
ポイントは数の少なさです。1編成につき、用意されるのはたった2室。まずは全体像から押さえていきます。
名称は「Supreme Class(スプリームクラス)」
今回登場するのは、単に「個室」という名前の座席ではありません。グリーン車の上に新設された上級クラスの総称がSupreme Class(スプリームクラス)で、そのうち完全個室のタイプが2026年10月に先行して始まります。
グリーン車が「座席のグレードを上げるもの」だとすれば、こちらは「空間そのものを買うもの」に近い発想です。扉で仕切られた部屋を貸し切る形になるため、周囲の視線や話し声を気にせずに過ごせます。
1編成にたった2室|7号車と10号車に1室ずつ
設置されるのは7号車と10号車で、それぞれ1室ずつです。同じ「個室」でも、号車によって広さと利用人数が違います。
| 号車 | 利用人数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 10号車 | 1人 | 1人での移動を想定した個室 |
| 7号車 | 2人まで | 窓2つ分の広さがある個室 |
1編成に2室しかないため、走る列車の本数を考えても席数はごくわずかです。繁忙期や人気の時間帯は、発売と同時に埋まることも想定しておいたほうがよいでしょう。
走るのは東海道・山陽新幹線の一部列車
個室があるのはN700Sのうち改造・新造された一部編成に限られます。列車の種別としては、のぞみのほかひかり・こだまにも設定される予定です。すべての列車に付いているわけではないので、乗りたい列車に個室があるかどうかは予約時の確認が必要になります。

グリーン車と個室は何が違う?決定的な3つの差
いちばんの違いは、扉で仕切られているかどうかです。グリーン車は座席のグレードが高いものの、空間としては大部屋のまま。個室は物理的に区切られているため、静けさの質がまったく変わります。
| 項目 | 普通車指定席 | グリーン車 | 個室 |
|---|---|---|---|
| 空間 | 大部屋・2列+3列 | 大部屋・2列+2列 | 扉で仕切られた個室 |
| 周囲の視線 | 気になる | やや気になる | ほぼ気にならない |
| 照明・空調 | 車両単位 | 車両単位 | 自分で調整できる |
| 入室 | 自由 | 自由 | 電子錠を解錠 |
| 買う対象 | 座席 | 座席 | 部屋 |
扉と電子錠で仕切られる
個室には電子錠付きの扉があり、交通系ICカードやQRコードで解錠して入ります。ホテルの客室に近い仕組みで、いったん入ってしまえば通路からの視線は届きません。
この構造がもたらす効果は、静けさだけではありません。パソコンの画面をのぞかれない、荷物を置いたまま少し席を離れやすいなど、心理的な負担が減る点も大きな違いです。
照明・空調・車内放送の音量まで調整できる
個室では、照明の明るさや空調を自分の好みに合わせられます。車内放送の音量も調整できるため、眠りたいときに放送で起こされる場面を減らせます。
設備面では、専用のWi-Fi環境と、脚を伸ばせるレッグレスト付きのリクライニングシートが備わります。窓側にはテーブルもあり、作業をしながら移動する使い方にも対応しています。
グリーン車は「快適な座席」、個室は「自分で環境を決められる部屋」。この違いを理解すると、料金差の意味も見えてきます。
買うのは「席」ではなく「部屋」
もうひとつの違いが、料金の考え方です。グリーン車は1人ずつ座席を買いますが、個室は部屋の使用権を確保する形になります。7号車の2人用は、1人が個室の料金を負担すれば、同行者は同じ列車に乗れる乗車券と特急券があれば一緒に入れる扱いです。
つまり2人で使うほど、1人あたりの負担は下がります。ここは料金を検討するうえで見落とせない点です。
料金はいくら?区間別の目安とグリーン車との差
発表されている料金は、東京〜新大阪でおよそ4万2,100円からです。これは乗車券と特急券を含んだ、大人1人あたりの総額にあたります。区間と個室のタイプで金額が変わるため、代表的な例を並べます。
| 区間 | 10号車(1人用) | 7号車(2人まで) |
|---|---|---|
| 東京〜名古屋 | 約32,660円 | 約47,060円 |
| 東京〜新大阪 | 約42,100円 | 約60,790円 |
| 東京〜博多 | — | 約90,670円 |
| 静岡〜東京 | 約20,430円 | — |
1人で使う場合(10号車)
1人用の個室は、東京〜新大阪でおよそ4万2,100円。同じ区間ののぞみのグリーン車がおよそ2万円弱であることを踏まえると、単純な差額は2万円を超える計算になります。
この差をどう見るかは、移動時間の使い方しだいです。2時間半ほどの移動を集中できる作業時間に変えられるなら、出張先で作業場所を確保する手間や費用と比べる価値はあります。逆に車内で眠るだけなら、割高に感じられるでしょう。
2人で使う場合(7号車)
7号車の個室は窓2つ分の広さがあり、2人まで利用できます。東京〜新大阪でおよそ6万790円ですが、これは料金を負担する1人分の金額です。同行者は同じ列車に乗れる乗車券と特急券を別に用意する形になります。
そのため、2人で移動するなら1人あたりの実質的な負担は1人用より近づきます。会話をしながら移動したい場合や、周囲に聞かれたくない話をする場合には、こちらが候補になります。
短い区間ほど割高に感じやすい
静岡〜東京のように1時間ほどの区間でも、およそ2万430円がかかります。個室の料金は距離だけで決まるわけではないため、乗車時間が短いほど1時間あたりの負担は大きくなります。
逆に東京〜博多のような長距離では、5時間近くを自分の部屋で過ごせる形になります。使うかどうかを迷ったときは、金額そのものより「その時間で何をするか」で判断すると決めやすくなります。
予約はネット限定|発売日と入室方法の注意点
予約で最も注意したいのは、駅の窓口では買えないという点です。個室はインターネット予約のEX予約・スマートEX限定の販売で、みどりの窓口や券売機では扱われません。
発売は2026年9月15日から
発売開始は2026年9月15日の午前5時30分。営業開始日の10月1日に乗る場合は、この時点から予約できることになります。1編成に2室しかないため、狙う日時が決まっているなら発売直後の確保が現実的です。
- EX予約またはスマートEXの会員登録を済ませているか
- 解錠に使う交通系ICカードを登録しているか
- 乗りたい列車に個室の設定があるか
- 2人で使うなら、同行者の乗車券と特急券を別に用意できるか
入室は交通系ICカードやQRコードで
当日は、EX予約に登録した交通系ICカード、またはQRコードを使って扉を解錠します。紙のきっぷを車掌に見せる従来の流れとは違うため、登録したカードを当日持っているかどうかが重要になります。
カードを忘れた、登録を変えたといった事態を避けるため、予約時に使うカードを決めておくと安心です。
乗り遅れたときの扱いは通常の指定席と異なる可能性がある
個室は部屋を確保する商品なので、変更や払いもどしの条件は通常の指定席と同じとは限りません。予約の画面に表示される条件を購入前に読んでおくと、当日に慌てずに済みます。
移動の前後に時間の余裕を持たせておくことも、結果的にいちばんの対策になります。
東京駅で待ち時間ができたときは、改札内で飲み物を買える場所を知っておくと動きやすくなります。

どんな場面に向く?向かないケースも整理
個室が生きるのは、移動時間を「別の用途」に変えたいときです。単に快適に座りたいだけならグリーン車で足ります。判断の軸は快適さではなく、閉じた空間が必要かどうかにあります。

向いている場面
- 移動中にオンライン会議や通話をしたいとき
- 画面を見られたくない資料を扱うとき
- 着いてすぐ動けるよう、しっかり休んでおきたいとき
- 2人で気兼ねなく話しながら移動したいとき
- 記念日や節目の旅で、移動そのものを楽しみにしたいとき
とくに通話は、普通車でもグリーン車でもデッキに立って話すのが基本です。個室ならその移動が不要になるため、乗車時間をまるごと使えます。
向かない場面
- 1時間以内の短い区間(1時間あたりの負担が大きくなる)
- 出発時刻が直前まで決まらない移動(2室しかなく確保が難しい)
- 3人以上のグループ(定員が2人までのため)
- 駅の窓口できっぷをまとめて手配したい場合
3人以上で移動するなら、グリーン車で並びの席を取るほうが現実的です。座席を回転させて向かい合わせにできる点も、複数人ではグリーン車の強みになります。
なお、車内で食事をとりたい場合の考え方は個室でも変わりません。においの強いものは避けるなど、基本のマナーは共通です。

23年ぶりの復活|昔の個室と2027年度の「半個室」
今回の個室は、まったく新しい発想というわけではありません。東海道新幹線にはかつて個室があり、2003年9月以来、23年ぶりの復活にあたります。
100系にあった「グリーン個室」
かつて走っていた100系には、2階建て車両の1階部分にグリーン個室が設けられていました。1人用から4人用まであり、当時としては珍しかった電話やテレビを備えた部屋もありました。
ただし、部屋にすると同じ面積で運べる人数が減ります。利用が集中する東海道新幹線では効率の面で課題が残り、2階建て車両は2003年9月に姿を消しました。今回の復活は、通信環境やビジネスの働き方が当時と大きく変わったことが背景にあります。
2027年度には「半個室」も登場予定
Supreme Classには、完全個室のほかに半個室タイプも予定されています。開始は2027年度で、10号車に6席が設けられる計画です。
半個室は、通路と座席のあいだに鍵付きの扉を設ける形。体を包み込むように大きく倒れるバックシェル型の座席が採用されます。完全個室より席数が多いため、こちらのほうが手に取りやすい選択肢になりそうです。
よくある質問
- 個室は当日でも空いていれば買えますか
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空席があればネット予約から購入できますが、1編成に2室しかないため当日に残っている可能性は高くありません。日時が決まっているなら、発売開始のタイミングで確保するのが確実です。
- みどりの窓口では買えないのですか
-
個室はEX予約・スマートEXでの販売に限られます。窓口や券売機では扱われないため、会員登録を済ませておく必要があります。
- 子どもと一緒に使えますか
-
7号車の個室は2人まで利用できます。人数の数え方や小児の扱いは購入時の案内に従うことになるため、予約画面の条件を確認してください。3人以上での移動には向きません。
- グリーン車との差額はどのくらいですか
-
東京〜新大阪で比べると、のぞみのグリーン車がおよそ2万円弱、1人用の個室がおよそ4万2,100円です。差額は2万円を超えます。移動時間をどう使うかで、この差の意味は変わってきます。
- 個室の中で通話をしてもいいですか
-
扉で仕切られた空間なので、デッキに移動せずに通話できるのが個室の利点のひとつです。ただし完全な防音室ではないため、声の大きさには配慮したほうが安心です。
- 山陽新幹線でも使えますか
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JR西日本も同じサービスを導入するため、山陽新幹線に直通する列車でも利用できます。東京〜博多の設定もあります。
まとめ
新幹線の個室は2026年10月1日に登場し、東海道・山陽新幹線のN700S一部編成で利用できます。1編成に2室だけという希少さと、扉で仕切られた空間という性質が、グリーン車との決定的な違いです。
料金は東京〜新大阪でおよそ4万2,100円から。予約はEX予約・スマートEX限定で、2026年9月15日の午前5時30分から発売されます。窓口で買えない点と、解錠に交通系ICカードを使う点は、事前に押さえておきたいところです。
迷ったときの判断軸は「移動時間を何に使うか」です。作業や通話、あるいはしっかり休むことに使うなら価値があり、ただ座って移動するだけならグリーン車で十分といえます。
料金や設定区間は今後変わる可能性があります。実際に予約する前に、JR東海・JR西日本の公式サイトで最新の情報を確認してください。

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