「カフェインレスコーヒーって、本当に体にやさしいの?」と気になっていませんか。
カフェインの量を抑えたコーヒーとして人気のカフェインレスですが、まったく副作用がないわけではありません。タンニンによる鉄分吸収の妨げや、クロロゲン酸による胃への刺激など、知っておきたいポイントがいくつかあります。
この記事では、カフェインレスコーヒーの副作用と、デカフェ・ノンカフェインの違い、安全な選び方、妊娠中の飲み方の目安まで、公的機関の情報を交えながらわかりやすくまとめます。
結論:カフェインレスコーヒーは1日の上限を気にせず楽しめる飲み物ですが、空腹時の飲みすぎや鉄分摂取直後の摂取は控えめに。製法は「水処理」または「超臨界二酸化炭素」のものを選べば、安心して続けやすくなります。
カフェインレスコーヒーに副作用はある?知っておきたい3つの注意点
カフェインレスコーヒーは、レギュラーコーヒーに比べてカフェインによる不調が起きにくい飲み物です。とはいえ、コーヒーにはカフェイン以外の成分も含まれているため、飲み方によっては気になる症状が出ることもあります。
知っておきたいポイントは、おもに次の3つです。
- タンニンが鉄分の吸収を妨げることがある
- クロロゲン酸が胃を刺激することがある
- カフェインはゼロではなく微量に残っている
順番に見ていきましょう。
(1) タンニンが鉄分の吸収を妨げることがある
カフェインレスコーヒーに含まれるタンニンは、ポリフェノールの一種です。鉄分と結びついて吸収を妨げる性質があるため、貧血気味の方は飲むタイミングに注意したいところ。
鉄分を多く含む食品(レバー、ほうれん草、赤身の魚や肉など)を食べた直後にコーヒーを飲むと、せっかくの鉄分が吸収されにくくなります。鉄剤を服用中の方も同じです。
(2) クロロゲン酸が胃を刺激することがある
クロロゲン酸はコーヒー特有のポリフェノールで、胃酸の分泌を促す働きがあります。後述するように健康面で注目される成分でもありますが、空腹時に濃いコーヒーを飲むと胃もたれや胃の痛みを感じる方もいます。
とくに胃が弱い方や、もともと胃酸過多の傾向がある方は、空腹時の摂取は避けたほうが無難です。
(3) カフェインはゼロではなく微量に残っている
「カフェインレス」という言葉は「カフェインゼロ」を意味するわけではありません。全日本コーヒー公正取引協議会では、カフェインを90%以上除去したものを「カフェインレスコーヒー」と定義しています。
つまり、わずかですがカフェインは残っています。カフェイン過敏症の方や、医師からカフェインを完全に避けるよう指示されている方は、原料からカフェインを含まない「ノンカフェイン」飲料(麦茶、ルイボスティーなど)を選んだほうが安心です。
気になる症状が続く場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談してください。
「カフェインレス」「デカフェ」「ノンカフェイン」の違い
店頭やネット通販では、似たような表記が並んでいて迷うことがあります。意味の違いを整理しておきましょう。
| 呼び方 | 意味 | カフェイン量 | 原料の例 |
|---|---|---|---|
| カフェインレス | カフェインを90%以上除去したもの | 微量に残る | コーヒー豆 |
| デカフェ | カフェインを取り除いたもの(カフェインレスとほぼ同義) | 微量に残る | コーヒー豆 |
| ノンカフェイン | そもそもカフェインを含まないもの | 含まない | 麦、ルイボス、たんぽぽなど |
ポイントは「コーヒー豆を使っているかどうか」です。コーヒーらしい香りや味を楽しみたいならカフェインレスやデカフェ、カフェインを完全に避けたいならノンカフェイン飲料、と覚えておくと選びやすくなります。
「カフェインレス」と「デカフェ」はほぼ同じ意味
「デカフェ」は英語の「decaffeinated」から来た言葉で、「カフェインを取り除いた」という意味です。日本での流通上は、カフェインレスコーヒーと同じ条件(90%以上除去)の製品にこの呼び方が使われています。
ネスカフェやスターバックスなど、ブランドによって表記が違うだけで、中身の考え方は同じと捉えて差し支えありません。
「ノンカフェイン」はコーヒー豆以外の原料
ノンカフェインは、最初からカフェインを含まない原料を使った飲み物です。たんぽぽコーヒーや黒豆コーヒー、玄米コーヒーなどがこれにあたります。
「コーヒー」という名前はついていても、コーヒー豆ではなくたんぽぽの根や黒豆を焙煎したものなので、味わいはコーヒーとは別ものです。コーヒーの香りを楽しみたい方は、まずはカフェインレスやデカフェから試してみるとよいでしょう。
カフェインレスコーヒーで注目されているクロロゲン酸の働き
カフェインレスコーヒーには、コーヒー由来のポリフェノールであるクロロゲン酸が豊富に含まれています。先ほど胃への刺激の話で登場した成分ですが、適量であれば健康面で注目される働きが知られています。
あくまで「期待される働き」であって、病気の予防や治療を保証するものではありません。研究が進んでいる代表的なポイントを紹介します。
抗酸化作用が期待されている
クロロゲン酸には、体内で発生する活性酸素の働きを抑える抗酸化作用が報告されています。活性酸素は呼吸の過程で誰の体内でも作られるもので、増えすぎると細胞にダメージを与えるとされています。
ポリフェノールが豊富な食品を日常的にとり入れることは、バランスのよい食生活の一部として参考になります。
食後の血糖値対策として研究が進んでいる
クロロゲン酸は、食後の血糖値の上がり方に影響することが研究されている成分です。食後にコーヒーを飲む習慣のある方は多いですが、カフェインレスなら夕食後でも睡眠への影響を気にせず取り入れやすいのが利点です。
ただし、糖尿病の治療中の方や血糖値が高めと指摘されている方は、自己判断せず主治医の指示に従ってください。
美容面でも注目されている
クロロゲン酸は、美容に関心のある方にも知られているポリフェノールです。化粧品成分として配合されることもあり、肌の健やかさにつながる成分のひとつとして研究が進んでいます。
もちろん、コーヒーを飲むだけで肌の悩みが解決するわけではありません。日々の保湿やバランスのよい食事、十分な睡眠と組み合わせて、無理のない範囲で楽しむのがおすすめです。
クロロゲン酸を効率よくとりたいときのコツ
クロロゲン酸は焙煎の熱で減少しやすい性質があります。クロロゲン酸を意識して取り入れたいときは、深煎りより浅煎りや中煎りのコーヒーを選ぶのがコツです。
一方で、タンニンの量を抑えたいときは深煎りが向いています。目的に合わせて焙煎度を選び分けるとよいでしょう。
1日何杯まで?妊娠中の飲み方の目安
カフェインレスコーヒーの1日の摂取量については、健康な大人なら厳しい上限を気にする必要はほとんどありません。妊娠中の方は、あわせてカフェイン量の目安を確認しておくと安心です。
健康な大人は1日400mgがカフェインの目安
農林水産省の情報では、健康な成人のカフェイン摂取量は1日400mg程度までが目安とされています。レギュラーコーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約90mgなので、4杯前後がひとつの目安です。
これに対して、カフェインを90%以上除去したカフェインレスコーヒーの場合、同じ400mgのカフェインを摂取しようとすると40杯以上必要になる計算です。現実的にそこまで飲むことはまずないので、カフェインの量を気にして本数を制限する必要はほぼありません。
妊娠中はWHO・EFSAの基準を参考に
妊娠中はカフェインの影響を受けやすくなるため、海外の公的機関がカフェイン摂取量の目安を示しています。日本では国としての明確な上限値は定められていませんが、これらを参考にする考え方が一般的です。
| 機関 | 妊婦のカフェイン摂取目安 |
|---|---|
| 世界保健機関(WHO) | 1日300mgを超えるなら制限を推奨 |
| 欧州食品安全機関(EFSA) | 1日200mg以下なら胎児への健康リスクは生じないとされる |
| カナダ保健省 | 1日300mg未満を推奨 |
カフェインレスコーヒーなら1杯あたりのカフェインは数mg程度です。たとえばカフェイン97%カットの製品(150ml)だと、1杯あたりおよそ2.7mg。レギュラーコーヒーの30分の1以下なので、妊娠中でも比較的取り入れやすい飲み物といえます。
とはいえ、妊娠中の体調は人それぞれです。気になることがあれば、かかりつけの医師や助産師に相談したうえで楽しむようにしましょう。
安心して選ぶための3つのカフェイン除去方法
カフェインレスコーヒーを選ぶときは、パッケージや公式サイトで「カフェイン除去の方法」をチェックすると安心です。代表的な3つの方法があり、それぞれ風味や安全性に違いがあります。
| 除去方法 | 特徴 | 安全性 | 味への影響 |
|---|---|---|---|
| 水処理法 | 水だけで成分を抽出してカフェインを除く | 高い | 風味を保ちやすい |
| 超臨界二酸化炭素処理法 | 気体と液体の中間状態のCO2でカフェインだけを抽出 | 非常に高い | 旨味成分を残しやすい |
| 有機溶媒処理法 | 薬剤を使ってカフェインを除く | 日本ではほぼ流通なし | ― |
水処理法(スイスウォータープロセスなど)
生豆を水に浸してコーヒー成分を一度溶け出させ、活性炭フィルターでカフェインだけを取り除く方法です。「スイスウォータープロセス」「マウンテンウォータープロセス」といった名称で呼ばれることもあります。
化学薬品を使わないため安全性が高く、コーヒー本来の香りや風味が残りやすいのが特徴。「自然な味わいのカフェインレスを選びたい」という方に向いています。
超臨界二酸化炭素処理法
気体と液体の両方の性質を持つ「超臨界二酸化炭素」を使って、カフェインだけを選択的に抽出する方法です。スターバックスのディカフェなどで採用されています。
旨味成分を残しながら効率よくカフェインを除けるのが利点。設備にコストはかかりますが、安全性も非常に高い方法とされています。
有機溶媒処理法(日本ではほぼ流通なし)
有機溶媒を使ってカフェインを除く方法で、コストが抑えやすいのが特徴です。海外では一部で採用されていますが、日本国内で流通しているカフェインレスコーヒーでこの方法が使われている製品はほとんど見られません。
海外旅行先などで購入する場合は、パッケージの除去方法表示を確認しておくと安心です。日本のスーパーや大手通販で販売されている製品は、水処理または超臨界二酸化炭素処理がほとんどなので、過度に心配する必要はありません。
市販でおすすめのカフェインレスコーヒー
ここからは、スーパーや通販で手に入りやすいカフェインレスコーヒーをタイプ別に紹介します。インスタント・ドリップ・スティック・ご褒美用と、シーンに合わせて選びやすいラインナップです。
毎日気軽に楽しめるインスタント・ドリップタイプ
毎日続けて飲むなら、コストパフォーマンスと手軽さを重視したいところ。スーパーでも手に入りやすい定番3つを紹介します。
ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス
水のはたらきだけでカフェインを97%カットしたインスタントタイプ。お湯に溶かすだけで本格的な香りが楽しめます。瓶入りに加えて、詰め替え用のエコ&システムパックも展開されているため、ゴミを減らしながら続けやすいのも魅力です。
モンカフェ カフェインレス(ドリップタイプ)
片岡物産が販売するモンカフェのドリップコーヒーシリーズのカフェインレス版。カフェインの量をしっかり抑えながら、コーヒー本来の深いコクとバランスのよい苦味を楽しめます。フィルターがコーヒー粉に直接触れない構造なので、雑味が出にくいのもポイント。ブラックでもカフェオレでも飲みやすい味わいです。
ブレンディ カフェラトリー スティック 濃厚クリーミーカフェラテ デカフェ
味の素AGFが販売するスティックタイプのカフェラテ。カフェインを93%カットしたコーヒーに、濃厚でクリーミーなミルクをブレンドしています。お湯を注ぐだけでふんわりとした泡が立ち、自宅で手軽にカフェ気分を味わえます。甘さがあるので、ホッと一息つきたい時間にぴったりです。
自分へのご褒美やギフトにぴったりなタイプ
少し贅沢な一杯が飲みたい日や、コーヒー好きへの贈り物には、カフェチェーンが手がけるカフェインレスがおすすめです。
スターバックス ディカフェ ハウスブレンド(粉 140g)
店舗で人気のハウスブレンドを、二酸化炭素抽出法でカフェインオフにしたレギュラーコーヒー(粉タイプ)。トフィーやココアを思わせる風味とほのかな甘み、バランスのよいコクが特徴で、ペーパードリップでじっくり淹れる本格派にぴったりです。パッケージもスタバらしくおしゃれなので、妊娠中の友人へのちょっとした贈り物にも選びやすいでしょう。
カフェインレスコーヒーをもっと楽しむためのヒント
せっかくお気に入りのカフェインレスコーヒーを見つけたら、淹れ方や保存にも少しこだわると、最後の一杯までおいしく飲み切れます。
豆や粉のコーヒーは、湿気と光に弱いので密閉容器に入れて冷暗所で保管するのがおすすめ。コーヒーの保存については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

外出先で楽しみたい場合は、カフェチェーンのカフェインレスメニューも便利です。サンマルクカフェのカフェインレス対応メニューはこちらで詳しく解説しています。

子連れでカフェタイムを楽しみたい方は、コメダ珈琲店の離乳食情報も参考になります。

よくある質問
- カフェインレスコーヒーは毎日飲んでも大丈夫ですか?
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体調に問題がなければ、毎日続けても基本的に問題ありません。ただし空腹時の飲みすぎや、食事の鉄分とタイミングが近すぎる飲み方は控えめに。気になる症状があれば医師や薬剤師に相談してください。
- 妊娠中でもカフェインレスコーヒーは飲めますか?
-
カフェインの量はレギュラーコーヒーの30分の1以下程度なので、適量であれば取り入れている方も多くいます。WHOは妊婦のカフェイン摂取量1日300mg超で制限を、EFSAは200mg以下を推奨しているので、ほかの飲食物と合わせて目安内に収めましょう。気になることがあれば主治医に相談を。
- カフェインレスとデカフェに違いはありますか?
-
日本で販売されているコーヒー製品では、ほぼ同じ意味で使われています。どちらも「カフェインを90%以上除去したコーヒー」を指すと理解して差し支えありません。
- カフェインレスコーヒーは胃に優しいですか?
-
カフェインの量が少ないので、レギュラーコーヒーよりは胃への刺激が穏やかです。ただしクロロゲン酸など胃酸の分泌を促す成分は残っているため、空腹時は避けて食後にゆっくり楽しむのがおすすめです。
まとめ
カフェインレスコーヒーは、カフェインの量を抑えながらコーヒーの香りや風味を楽しめる飲み物です。最後にポイントを振り返ります。
- 知っておきたい注意点はタンニンによる鉄分吸収の妨げ・クロロゲン酸の胃への刺激・微量のカフェインが残っていることの3つ
- 「カフェインレス」と「デカフェ」はほぼ同義。「ノンカフェイン」は原料からカフェインを含まない別物
- クロロゲン酸の働きは、抗酸化・血糖値・美容の面で注目されている
- 健康な大人は1日の本数を気にする必要はほぼなし。妊娠中はWHO・EFSAの目安を参考に
- 選ぶときは水処理法か超臨界二酸化炭素処理法の製品が安心
毎日のリラックスタイムや、夕食後のひととき、妊娠中のホッと一息つきたい時間に、自分に合ったカフェインレスコーヒーを取り入れてみてください。お気に入りの一杯が見つかると、暮らしの質が少し豊かになりますよ。

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