【2025年版】コートはいつから着る？気温15℃・10℃・5℃別の正解｜男女別コーデも解説

朝晩の空気がすっかり冷たくなってきて、クローゼットからコートを引っ張り出そうかどうか迷う季節がやってきました。「でも、周りの人はまだジャケット姿だし、自分だけコートだと季節感がずれてるって思われないかな…」そんな不安を感じたことはありませんか？

実は、コートをいつから着始めるか、そしていつまで着続けるかという問題は、多くの人が毎年悩む共通のテーマなんです。価格も決して安くないアウターだからこそ、タイミングを見極めたいですよね。

寒さを我慢してジャケット一枚で過ごしたり、逆に暖かすぎるコートを着て汗をかいてしまったり。そういった失敗を繰り返すのは、もうおしまいにしましょう。

この記事では、気象庁の統計データを参考にしながら、「気温」という明確な基準を使ったコート選びの方法を詳しくお伝えします。なんとなくの感覚ではなく、具体的な数字を基準にすることで、毎朝の服装選びがグッと楽になりますよ。

この記事を読み終える頃には、こんなことができるようになります。

• コートを着るべき気温の目安が明確になる
• 気温に応じた最適なコートの種類が選べる
• 秋から冬、そして春にかけてのコートの切り替えタイミングが分かる
• 男性・女性それぞれに合った着こなしのコツが身につく
• 朝の忙しい時間に服装で悩む必要がなくなる

気温という客観的な指標を味方につけて、今年こそ自信を持ったコート選びをしていきましょう。

コート選びの最重要ポイント！見るべきは「最低気温」という真実

さて、コートを着るかどうか判断するとき、あなたは天気予報のどこをチェックしていますか？多くの方が「最高気温」を見ているのではないでしょうか。実は、ここに大きな落とし穴があるんです。

本当に注目すべきなのは「最低気温」です。なぜかというと、私たちの一日は朝から始まるからです。通勤や通学で家を出る朝の時間帯、そして帰宅する夜の時間帯こそ、一日の中で最も気温が低くなります。日中の暖かさだけを基準にコートを選んでしまうと、朝晩の移動時間に寒い思いをすることになってしまうんですね。

確かに昼間は暖かくても、朝家を出るときに震えながら駅まで歩くのは辛いもの。そして夜遅く帰宅するときの冷え込みも、体調を崩す原因になりかねません。だからこそ、「朝、家を出るときに快適かどうか」を判断の軸にするのが正解なんです。

ここからは、最低気温を基準にしたコート選びの具体的な目安をご紹介します。次の表を見てください。これさえ覚えておけば、もう迷うことはありません。

この3つの温度帯を頭に入れておくだけで、コート選びが驚くほどシンプルになります。では、それぞれの気温帯について、もっと詳しく見ていきましょう。

最低気温15℃になったら薄手コートの出番！秋を楽しむ軽やかスタイル

最低気温が15℃を下回る日が増えてきたら、そろそろコートの季節到来です。日中はまだポカポカと暖かくても、朝晩はTシャツやシャツ一枚では肌寒さを感じるようになります。ジャケットやカーディガンでも対応できる温度帯ではありますが、より季節感を演出するなら薄手のコートがぴったりなんです。

具体的にはいつ頃の季節？

東京を例にとると、10月中旬から11月上旬あたりがこの気温帯に該当します。街路樹の葉が色づき始め、秋の深まりを実感する頃ですね。朝の通勤時間に吐く息が白くなり始めたら、まさにこのタイミングです。

ただし、年によって気温の変動があるので、カレンダーよりも実際の気温を基準に判断するのが賢明です。最近は10月でも真夏日になることもあれば、急に冷え込む年もありますからね。

この時期にぴったりなコートの種類

15℃前後の気温では、軽やかな素材感のコートが活躍します。真冬用のしっかりしたウールコートを着てしまうと、重たすぎて季節感がずれてしまいますし、日中に汗をかいてしまう可能性も。この時期は、見た目にも軽やかで、着脱しやすいコートを選ぶのがポイントです。

まず定番中の定番が「トレンチコート」です。もともと軍用のレインコートとして開発されただけあって、防風性と機能性に優れています。ベルトでウエストマークすればきちんと感が出ますし、ラフに羽織ってカジュアルに着こなすこともできる万能アイテムです。ベージュやカーキといった定番カラーなら、どんな服装にも合わせやすいですよ。

次におすすめなのが「ステンカラーコート」。トレンチコートよりもシンプルで、前立てが比翼仕立てになっているのが特徴です。装飾が少ない分、すっきりとした印象になり、ビジネスシーンでも活躍します。オンオフ兼用で使いたい方には特におすすめですね。

カジュアル派の方には「マウンテンパーカー」も良い選択肢です。アウトドアブランドから出ているものは、防風性や撥水性に優れているものが多く、急な雨にも対応できます。休日のアクティブなお出かけにぴったりです。

最近人気が高まっているのが「コーディガン」。カーディガンのように気軽に羽織れるコート感覚のアイテムで、柔らかな素材感が魅力です。リラックスした印象を与えたいときや、在宅ワークからちょっと外出するときなどに重宝します。

男女別で見る具体的なコーディネート

では、実際にどんな組み合わせで着こなすのが良いのでしょうか。性別や好みのスタイルによって、いくつかパターンをご紹介します。

女性向けの着こなしアイデア

きれいめなスタイルがお好きな方は、薄手の長袖ニットやシルクブラウスをインナーに選んでみてください。その上からベージュやネイビーのトレンチコートを羽織れば、上品な印象に仕上がります。ボトムスはテーパードパンツやプリーツスカートなど、きちんと感のあるアイテムを合わせると統一感が出ますよ。足元はローファーやショートブーツで季節感をプラスしましょう。

カジュアルなコーディネートを楽しみたい方には、ボーダーカットソーやロゴ入りTシャツをインナーに使うのがおすすめです。マウンテンパーカーやステンカラーコートを合わせて、デニムパンツやチノパンでまとめれば、リラックス感のある休日スタイルの完成です。スニーカーを合わせて、動きやすさも確保しましょう。

男性向けの着こなしアイデア

ビジネスカジュアルなシーンでは、白やブルーのドレスシャツの上にステンカラーコートを羽織るのが王道です。ウール素材のスラックスを合わせれば、洗練された通勤スタイルになります。色はネイビーやチャコールグレーといった落ち着いたトーンを選ぶと、どんなシャツにも合わせやすいです。

休日のカジュアルスタイルなら、無地のカットソーやオックスフォードシャツに、トレンチコートをラフに羽織ってみてください。インナーにパーカーを挟んでレイヤードスタイルにするのもおしゃれです。ボトムスはデニムやチノパンで、足元はスニーカーやデザートブーツを合わせると、こなれた印象になります。

最低気温10℃は冬の始まり！厚手ウールコートへの切り替えタイミング

最低気温が10℃を下回るようになってくると、空気の冷たさが一段と増してきます。朝の通勤時に吐く息が白く見えるだけでなく、手先や耳の冷たさが気になり始める頃です。薄手のコートだけでは防寒が不十分に感じられるようになり、本格的な冬支度が必要になってきます。

この気温になるのはいつ頃？

東京近郊では、11月中旬から12月にかけて最低気温10℃以下の日が増えてきます。木枯らしが吹き始めるのもちょうどこの時期で、冬の訪れを肌で感じられるようになります。イルミネーションが街を彩り始め、年末に向けて慌ただしさが増してくる季節でもありますね。

この時期は寒暖差が激しい日もあるので、朝は冬物コートが必要でも、日中は暑く感じることもあります。脱ぎ着しやすいコートを選ぶか、インナーで調整できるようにしておくのがコツです。

保温性重視のウール素材が活躍する季節

気温10℃以下になったら、見た目にも暖かみのあるウール素材のコートの出番です。ウールは保温性が高く、それでいて通気性もあるため、冬のアウターとして理想的な素材なんです。少し価格は張りますが、品質の良いウールコートは何年も着続けられるので、長い目で見ればコストパフォーマンスも優れています。

代表的なのが「チェスターコート」です。テーラードジャケットの丈を長くしたようなデザインで、フォーマルな場面からカジュアルな休日まで幅広く対応できます。一着持っておけば、さまざまなシーンで活躍する万能アイテムです。サイズ選びのポイントは、肩のラインがしっかり合っていること。ジャストサイズを選べば上品に、あえてオーバーサイズを選んでこなれ感を出すのもトレンドです。

「ダッフルコート」も冬の定番です。トグルと呼ばれる独特の留め具と、大きなフードが特徴的で、カジュアルで親しみやすい印象を与えます。学生っぽく見えることを心配される方もいますが、上質なウール素材のものを選び、シンプルなデザインを選べば大人の着こなしにもマッチします。ネイビーやキャメルといった定番カラーが使いやすいですよ。

「Pコート」(ピーコート)は、もともと海軍の制服として採用されていたコートです。そのため防寒性と防風性に優れており、実用性は抜群。ショート丈のものが多いので、動きやすく、電車通勤の方にも扱いやすいアイテムです。ダブルブレストのデザインがクラシックで、きちんと感を演出してくれます。

首元までしっかり暖かい「スタンドカラーコート」も人気です。襟が立ち上がったデザインで、マフラーなしでも首元をカバーできるのが魅力。すっきりとしたシルエットのものが多く、スマートな印象を与えたい方におすすめです。

インナー選びも重要になってくる季節

この時期は、コートだけでなくインナーの選び方も防寒対策のポイントになります。ニット素材のトップスを取り入れて、保温性を高めましょう。

女性向けのスタイリング例

フェミニンなスタイルがお好きな方には、タートルネックのニットワンピースがおすすめです。その上からチェスターコートを肩掛けするように羽織れば、こなれた印象になります。足元はロングブーツやショートブーツで防寒もばっちり。色の組み合わせは、グレーのワンピースにキャメルのコート、ブラックのワンピースにネイビーのコートなど、落ち着いた配色が大人っぽく仕上がります。

マニッシュな雰囲気を楽しみたい方は、ハイゲージ(細かい編み目)のニットにスラックスやテーパードパンツを合わせて、Pコートを羽織ってみてください。シンプルながら洗練されたカジュアルスタイルが完成します。アクセサリーはシルバー系でまとめると、よりクールな印象になりますよ。

男性向けのスタイリング例

ビジネスシーンでは、スーツやジャケパンスタイルの上に、ネイビーやチャコールグレーのチェスターコートを羽織るのが定番です。コートの着丈は膝上くらいが標準的で、スーツの裾が少し見えるくらいの長さが美しいバランスとされています。革靴はブラックかダークブラウンを選べば、全体が引き締まります。

休日のリラックススタイルには、ケーブルニットやスウェットパーカーの上にダッフルコートを合わせてみてください。暖かみのある冬らしいコーディネートになります。ボトムスは太めのデニムやコーデュロイパンツで、ブーツを合わせれば、カジュアルながらも大人の余裕を感じさせるスタイルが完成します。

最低気温5℃以下の真冬はダウンで完全防備！機能性を最優先に

最低気温が5℃を下回ると、それはもう本格的な真冬の寒さです。外を歩いていると顔が痛くなるような冷たい風が吹き、手袋やマフラーなしでは耐えられない季節になります。ウールコートだけでは心もとなく、特に風が強い日は体感温度がさらに下がります。この時期は見栄えよりも、まず暖かさを最優先に考えましょう。

一年で最も寒い時期

東京近郊では、12月下旬のクリスマス前後から2月にかけてが、この極寒期間に該当します。1月から2月上旬が寒さのピークで、朝の気温が氷点下になる日も珍しくありません。雪が降る日もあるため、防寒性だけでなく、撥水性のあるコートを選ぶのも賢い選択です。

最強の防寒アイテムたち

この気温帯では、機能性を最優先に考えたアウター選びが重要になります。おしゃれさも大切ですが、まずは寒さから身を守ることを第一に考えましょう。

防寒性の王様といえば「ダウンコート」、もしくは「ダウンジャケット」です。羽毛(ダウン)を詰めた構造で、軽いのに驚くほど暖かいのが最大の特徴。近年は、ビジネスシーンでも違和感なく着用できる、すっきりとしたデザインのものも増えています。選ぶ際は「フィルパワー」という数値をチェックしてみてください。これはダウンのふくらみ度合いを示す指標で、数値が高いほど保温性に優れています。600フィルパワー以上あれば、十分な暖かさが期待できますよ。

「ボアコート」や「ムートンコート」も真冬の人気アイテムです。見た目にも暖かそうで、ファッション性の高さが魅力。ただし、ボリューム感があるため、インナーはすっきりとしたアイテムを選ぶとバランスが取りやすくなります。タイトなニットやシンプルなシャツを合わせるのがおすすめです。

カジュアルなスタイルがお好きな方には「中綿入りモッズコート」も選択肢に入ります。ミリタリーテイストのデザインで、ライナー(内側の取り外し可能な裏地)付きのものなら真冬でも十分暖かいです。ロング丈のものが多いので、下半身までしっかりカバーできます。

インナーの重ね着テクニックも駆使しよう

真冬は、コートだけでなくインナーの工夫も大切です。機能性インナー(いわゆるヒートテックのような発熱素材のインナー)を一枚着込むだけで、体感温度が大きく変わります。また、レイヤードスタイル(重ね着)を上手に活用すれば、暖房の効いた室内と寒い屋外との温度差にも柔軟に対応できます。

女性向けの防寒スタイル

機能性インナーの上に厚手のニットを着て、さらにダウンコートを羽織れば、寒さ知らずの最強防寒スタイルが完成します。ニットはオーバーサイズを選ぶと今っぽく、かつ動きやすさも確保できます。ボトムスは、ダウンのボリューム感とバランスを取るため、細身のパンツやタイトスカートを選ぶとすっきり見えます。黒のスキニーパンツに厚手のタイツを重ねて、ショートブーツを合わせれば、防寒性とおしゃれさを両立できますよ。

男性向けの防寒スタイル

フランネルシャツやチェックシャツの上にニットを重ね、その上からダウンジャケットを羽織るレイヤードスタイルがおすすめです。屋外では暖かく、暖房の効いた室内や電車の中ではダウンを脱いで調整できるので実用的です。ボトムスは厚手のデニムやウールパンツを選び、足元は防寒性のあるブーツやスニーカーで固めましょう。黒やネイビーのダウンジャケットなら、どんな色のインナーとも相性が良いです。

春先のコートはいつまで？季節の移り変わりと上手な切り替え方

冬が終わりに近づくと、今度は「コートをいつまで着るか」という新たな悩みが生まれます。いつまでも冬の重たいコートを着ていると、季節感がずれて見えてしまいますし、日中の暖かさで汗ばんでしまうこともあります。春の訪れを感じたら、コートも軽やかなものへシフトしていきましょう。

厚手コートから薄手の春コートへ切り替えるタイミング

冬物のウールコートやダウンコートから、春コート(スプリングコート)へ切り替える目安は、「最高気温が15℃を安定して超えるようになった頃」です。最低気温がまだ10℃前後でも、日中の日差しが強く暖かければ、厚手のコートでは暑すぎると感じるようになります。

東京では3月頃から、ダウンコートを着ている人が減り、トレンチコートなどの軽やかなコートを着る人が増え始めます。ただし、この時期は「三寒四温」といって、寒い日と暖かい日が交互にやってくる不安定な気候です。数日前まで暖かかったのに、急に真冬並みの寒さが戻ってくることもあります。そのため、天気予報を毎日チェックして、柔軟に対応することが大切です。

春コートの定番は、秋にも活躍したトレンチコートやステンカラーコートです。これらは春秋兼用で使えるので、コストパフォーマンスも優れています。色は、春らしい明るいベージュやライトグレーを選ぶと、季節感が出て良いでしょう。

春コートもそろそろ不要？完全に脱ぐタイミング

春コートが完全に不要になるのは、「最低気温が15℃を安定して上回るようになった頃」が目安です。この頃には日中の気温も20℃を超える日が増え、コートを着ていると明らかに暑く感じるようになります。

時期としては4月下旬から5月上旬のゴールデンウィーク前後が一般的です。この頃になると、コートではなく、テーラードジャケットやカーディガン、パーカーといった軽めのアウターで十分対応できるようになります。日によっては半袖でも過ごせる陽気になることもありますね。

ただし、朝晩の冷え込みがまだ残る日もあるので、薄手のカーディガンやストールをバッグに入れておくと安心です。冷房が効きすぎた室内での羽織りものとしても使えますよ。

種類別に徹底解説！定番コートの特徴と賢い選び方

ここまで気温別にコートの選び方を見てきましたが、「結局、どのコートがどんな特徴なのか、もう一度整理したい」という方もいるかもしれません。ここでは、代表的なコートの種類とその特徴を改めてまとめます。それぞれの個性を理解すれば、あなたのワードローブ計画がより明確になるはずです。

トレンチコート

もともとは第一次世界大戦時にイギリス軍が塹壕(トレンチ)で着用していた軍用コートです。そのため、防水性や防風性に優れた機能的なつくりになっています。ベルトでウエストをマークできるデザインが特徴で、きちんと感を出すこともできれば、ベルトを緩めてラフに羽織ることもできます。

選ぶときのポイントは、着丈と色です。着丈は、ロング丈(膝下)とショート丈(腰)があり、身長や体型、好みのスタイルによって選びましょう。背が高い方はロング丈が映えますし、小柄な方はショート丈の方がバランスが取りやすいです。色は、ベージュが定番中の定番ですが、ネイビーやカーキ、ブラックも人気があります。最初の一着なら、どんな服にも合わせやすいベージュかネイビーがおすすめです。

ステンカラーコート

トレンチコートに似ていますが、より装飾が少なくシンプルなデザインです。前立てが比翼仕立て(ボタンが隠れる仕様)になっているものが多く、すっきりとした印象を与えます。ビジネスシーンでスーツの上から羽織っても違和感がなく、オフの日にはカジュアルな服装とも相性抜群です。

トレンチコートとの使い分けとしては、よりフォーマルでビジネス寄りのシーンが多い方はステンカラーコート、カジュアルにも着回したい方はトレンチコートという選び方もできます。素材は、コットンやポリエステル混紡のものが春秋用、ウールのものが冬用として使えます。

チェスターコート

19世紀のイギリス、チェスターフィールド伯爵が愛用していたことから名付けられたコートです。テーラードジャケットの丈を長くしたようなデザインで、襟がV字に開いているのが特徴。フォーマル度が高く、羽織るだけで大人っぽく洗練された印象になります。

選び方のコツは、肩のラインと着丈です。肩がしっかり合っているジャストサイズを選ぶと、きちんとした印象になります。逆に、あえてオーバーサイズを選んでリラックス感を出すのも、最近のトレンドです。着丈は、ロング丈が主流ですが、身長に合わせて選びましょう。色は、ネイビー、グレー、ブラック、キャメルが定番で、どれも使いやすいです。

ダッフルコート

ベルギーのダッフルという町で作られた厚手の毛織物を使っていたことが名前の由来です。木製や角製のトグル(留め具)と、ロープ状の紐、そして大きなフードが特徴的なデザイン。カジュアルで親しみやすく、若々しい印象を与えます。

大人が着こなすポイントは、素材とサイズ感です。安価なものは子供っぽく見えがちなので、上質なウール素材を選ぶことが大切。また、オーバーサイズすぎると幼い印象になるので、ジャストサイズか、やや大きめ程度に抑えるのが良いでしょう。色は、ネイビーやキャメル、グレーが大人向きです。

Pコート(ピーコート)

海軍の制服として採用されていたコートで、英語ではPea Coatと書きます。防寒性と防風性に優れており、短めの着丈で動きやすいのが特徴です。ダブルブレスト(ボタンが二列に並ぶデザイン)で、しっかりとした印象を与えます。

選ぶときは、着丈とフィット感に注目しましょう。ショート丈が主流なので、背が低い方でもバランスが取りやすいです。ただし、タイトすぎるとボタンが引っ張られて不格好になるので、インナーを着込んでも余裕のあるサイズを選びましょう。色は、ネイビーが定番ですが、チャコールグレーやブラックもおすすめです。

ダウンコート・ダウンジャケット

羽毛(ダウン)を中綿として詰めたコートで、軽量かつ高い保温性が最大の魅力です。もともとはアウトドア用として開発されましたが、最近ではタウンユースに適したデザイン性の高いものも増えています。

選ぶ際の重要ポイントは、ダウンの品質です。「フィルパワー」という数値が高いほど、少ない量のダウンで高い保温性を実現できます。600フィルパワー以上が高品質の目安です。また、ダウン(羽毛)とフェザー(羽根)の比率も重要で、ダウンの比率が高いほど暖かく軽量になります。表地の素材も、防水・防風性のあるものを選ぶと、雨や雪の日にも対応できて便利です。

着ぶくれが気になる方は、ステッチ幅が狭いもの(細かくキルティングされているもの)や、ウエストがシェイプされたデザインを選ぶとすっきり見えます。

コート選びのよくある疑問をすっきり解決！Q&A集

ここまで読んで、おおよそのコート選びの基準は理解できたと思いますが、まだ細かい疑問が残っている方もいるかもしれません。読者の方からよく寄せられる質問をピックアップして、Q&A形式でお答えします。

東京以外の地域に住んでいます。どう考えれば良いでしょうか？

基本的な考え方は全く同じで、「最低気温」を基準にしてください。ただし、地域によって気温の推移は大きく異なります。

例えば北海道の札幌では、10月上旬には最低気温が10℃を下回る日が出てきます。つまり、東京より1か月から1か月半ほど早く、冬物コートが必要になるんです。逆に、九州の福岡や沖縄の那覇では、真冬でもダウンコートが必要ないこともあります。

お住まいの地域の気候を把握するには、スマートフォンの天気予報アプリを活用するのがおすすめです。毎朝、最低気温と最高気温をチェックする習慣をつけると、自然とコート選びの感覚が身についてきます。また、気象庁のウェブサイトでは、過去の気温データも閲覧できるので、「去年のこの時期はどうだったか」を確認することもできますよ。

コートを着るにはまだ早いけど、肌寒さを感じるときはどうしたら良いですか？

最低気温が15℃から18℃くらいの微妙な時期は、コート以外の羽織りものが大活躍します。この温度帯は「コートだと暑いけど、何も羽織らないと寒い」という、まさに悩ましいゾーンなんですよね。

そんなときにおすすめなのが、以下のようなアイテムです。テーラードジャケットは、きちんと感を出したいビジネスカジュアルシーンに最適。Gジャン(デニムジャケット)は、カジュアルな休日のお出かけにぴったりです。厚手のカーディガンは、柔らかい印象で、オフィスカジュアルにも使えます。パーカーは、リラックスした雰囲気を出したいときに便利ですね。

また、大判のストールも非常に便利なアイテムです。肩から羽織ったり、首に巻いたりと使い方は自由自在。使わないときはバッグに入れておけるので、朝晩の温度差が大きい日に重宝します。カシミヤやウールのストールなら、保温性も高く、秋冬のファッションアイテムとしても優秀です。

コートの色選びで迷っています。何色を選ぶのが正解ですか？

初めてコートを買う方や、着回しやすさを重視したい方には、ベーシックカラーをおすすめします。以下の4色は、どんな服装にも合わせやすく、流行に左右されにくい定番色です。

ブラック(黒)は、最もフォーマルで引き締まった印象を与えます。ビジネスシーンでも安心して着用でき、どんな色のインナーとも相性抜群です。ただし、全身が黒っぽくなりすぎないよう、インナーやボトムスに明るい色を取り入れるとバランスが良くなります。

ネイビー(紺)は、黒よりも柔らかく、知的で誠実な印象を与えます。日本のビジネスシーンでも非常に人気が高く、スーツとの相性も抜群です。カジュアルな服装にも合わせやすいので、オンオフ兼用で使いたい方に最適です。

ベージュやキャメルは、明るく優しげな雰囲気になります。トレンチコートの定番色でもあり、春秋のコートとして特に人気があります。顔周りを明るく見せる効果もあるので、華やかな印象を与えたい方におすすめです。

グレーは、上品で都会的な印象を与える色です。ライトグレーからチャコールグレーまで幅があり、明るめのグレーは春らしく、濃いめのグレーは冬らしい雰囲気になります。モノトーンコーデが好きな方に特におすすめです。

これらのベーシックカラーなら、流行に左右されず数年にわたって着続けられます。二着目以降は、好みの色にチャレンジしてみるのも楽しいですよ。

一着だけコートを買うとしたら、どれがおすすめですか？

もし予算の都合で一着だけ選ぶなら、長いシーズン使える「トレンチコート」か「ステンカラーコート」をおすすめします。これらは秋と春の両方で活躍しますし、デザインがシンプルなので、きれいめからカジュアルまで幅広く対応できます。

ただし、あなたの住んでいる地域や、ライフスタイルによって最適な選択は変わります。寒冷地にお住まいで真冬の防寒が最重要なら、ダウンコートの方が実用的かもしれません。逆に、温暖な地域なら薄手のコート一着で十分かもしれません。

まとめ：気温という客観的な基準で、コート選びはもっと楽しくなる！

長い記事をここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。コートをいつからいつまで着るか、という永遠のテーマについて、気温を基準にした具体的な答えをお伝えしてきました。

最後にもう一度、大切なポイントをおさらいしましょう。

まず、判断基準は「最低気温」です。最高気温ではなく、朝晩の寒さに注目することが快適な一日を過ごす秘訣でした。

最低気温が15℃前後になったら、トレンチコートなどの薄手コートの出番です。秋の深まりを感じながら、軽やかなコートスタイルを楽しみましょう。

最低気温が10℃前後まで下がったら、ウール素材の冬物コートへ切り替えるタイミングです。チェスターコートやダッフルコートで、本格的な冬のおしゃれを満喫してください。

最低気温が5℃以下になったら、ダウンコートなどの本格防寒コートの出番です。機能性を最優先に、寒さから身を守りましょう。

そして春先、コートを脱ぐタイミングは、最高気温が15℃を安定して超えるようになった頃です。厚手コートから春コートへ、そして最終的にはジャケットやカーディガンへと、季節に合わせて切り替えていきましょう。

もちろん、寒さの感じ方は人それぞれです。体質や年齢、その日の体調によっても変わってきます。ここでご紹介した気温の目安は、あくまで多くの人が快適に過ごせる一般的な基準です。

何よりも大切なのは、あなた自身が「寒い」と感じたら我慢しないことです。周りの目を気にして無理をする必要はありません。天気予報の気温を参考にしながらも、自分の体感を信じて、その日のベストな一枚を選んでください。

この記事が、あなたの毎日の服装選びを少しでも楽にし、快適でおしゃれな毎日を送るお手伝いになれば、これ以上嬉しいことはありません。

さあ、今日の最低気温は何度ですか？天気予報をチェックして、あなたにぴったりのコートを選んでお出かけしましょう！