もう迷わない!ボタン電池のサイズ・種類・互換性の全知識|LR44とSR44は代用できる?

当ページのリンクには広告が含まれています。

「腕時計の電池が切れたから交換したいけど、型番が小さくて読めない…」
「子どものおもちゃ用にLR44を買おうとしたら、SR44というのも売ってる。これって何が違うの?」
「パソコンのマザーボードに使われているCR2032って、どんな電池なんだろう?」

腕時計やリモコン、電子体温計、キーレスエントリーなど、私たちの暮らしを支える数多くの小型機器。その動力源となっているのがボタン電池です。でも、いざ電池交換をしようとホームセンターや100円ショップの売り場に行くと、驚くほどたくさんの種類が並んでいて、どれを選べばいいのか分からなくなってしまった…そんな経験、ありませんか?

見た目はほとんど同じなのに、パッケージに書かれている型番は全然違う。サイズが同じように見えるなら、安い方を買っても大丈夫なのか、それとも何か問題があるのか。そんな疑問を抱えたまま、結局よく分からないまま購入してしまう方も多いでしょう。

でも、安心してください。実は、ボタン電池の型番には国際的に統一されたルールがあって、そのルールさえ理解してしまえば、誰でも簡単に適切な電池を選べるようになるんです。

この記事では、ボタン電池の型番を読み解く方法から始まり、それぞれの種類が持つ性能の違い、多くの人が気になる互換性の問題、購入時のチェックポイント、さらには意外と知られていない正しい保管方法や安全な廃棄方法まで、ボタン電池に関するあらゆる情報を初心者の方にも分かりやすく、徹底的に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、もう二度と売り場で迷うことはなくなるはずです。それでは、ボタン電池の世界を一緒に探検していきましょう!

目次

まずはここから!よく使うボタン電池3種の早わかりガイド

詳しい説明に入る前に、特に使用頻度が高い代表的なボタン電池3種類の特徴を一覧で確認しておきましょう。あなたが探している電池がどれに該当するか、ざっくりとイメージを掴んでみてください。

型番の例主な名称主な用途特徴
LR44アルカリボタン電池おもちゃ、電卓、小型ライト、集音器など安価で100円ショップでも購入できる
パワーがあり、瞬間的に大きな電流が必要な機器に向いている
使用に伴って電圧が徐々に下がっていく
SR44酸化銀電池腕時計(アナログ・デジタル)、精密測定器など寿命が尽きる直前まで電圧が安定している
長期間にわたって正確な動作が求められる精密機器向き
LR44より価格は高め
CR2032リチウムコイン電池PCマザーボード、リモコン、電子体温計、キーレスエントリーなど薄型で自然放電が非常に少なく長持ちする
3Vという高い電圧を持つ
幅広い温度範囲で安定して動作する

ちなみに、一般的には厚みがあるものを「ボタン電池」、薄くて平たいものを「コイン電池」と呼び分けることが多いですが、これらは実は通称にすぎません。正確には、後ほど詳しく説明する材料(種類)によって分類されているんです。

ボタン電池の型番(名前)の仕組みを理解しよう!読み方を完全マスター

さて、ここからは謎の暗号のように見える型番の読み解き方を詳しく解説していきます。実は型番というのは、国際規格やJIS(日本産業規格)に基づいて付けられていて、「アルファベット(電池の種類)」と「数字(電池のサイズ)」という、とてもシンプルな2つの要素で構成されているんです。

具体例として「CR2032」という型番を見てみましょう。

CR → Cがリチウム、Rが円形(Round)を意味する「種類」の記号
2032 → 直径が20mm、厚さが3.2mmであることを示す「サイズ」の記号

このように、型番さえ読めれば、その電池がどんな電池なのか一目で分かるようになっているんです。便利ですよね!

アルファベット部分が表すのは「電池の種類・性能」

型番の最初に書かれている1文字または2文字のアルファベットは、電池の「プラス極」「マイナス極」「電解液」に使用されている化学物質、つまり電池の種類を表しています。この種類によって、電池の電圧や放電の仕方といった性能特性が決まってくるわけです。

主なアルファベット記号は以下の通りです。

L → アルカリ電池を意味します(公称電圧1.5V)
S → 酸化銀電池を意味します(公称電圧1.55V)
C → リチウム電池を意味します(公称電圧3V)
P → 空気亜鉛電池を意味します(公称電圧1.4V)

そして2文字目に付いている「R」というのは、”Round”(円形)を意味する記号なんです。つまり「LR」なら「アルカリで円形」、「SR」なら「酸化銀で円形」という意味になります。

数字部分が表すのは「電池のサイズ(寸法)」

アルファベットに続く数字の部分は、電池の物理的なサイズ、つまり直径と厚みを示しています。ここには主に2つのルールが存在していて、どちらのルールが使われているかは電池の種類によって異なります。

4桁の数字パターン(例:CR2032)

これはIEC(国際電気標準会議)という国際規格の命名ルールで、主にリチウムコイン電池(CR)で採用されています。読み方は非常にシンプルです。

最初の2桁 → 電池の直径(mm)
後ろの2桁 → 電池の厚み(mm)を10倍した数値

つまり「CR2032」であれば、直径が20mm、厚さが3.2mm(32÷10)のリチウムコイン電池という意味になります。とても分かりやすいですね!

2桁の数字パターン(例:SR44、LR44)

こちらはJIS(日本産業規格)の規格番号で、主に酸化銀電池(SR)やアルカリボタン電池(LR)で使われています。

4桁の数字とは異なり、この2桁の番号自体には特に規則性がありません。番号ごとにサイズが個別に定められているんです。

41番 → 直径7.9mm、厚さ3.6mm
43番 → 直径11.6mm、厚さ4.2mm
44番 → 直径11.6mm、厚さ5.4mm

ここで重要なポイントがあります。「SR44」と「LR44」の数字部分が同じ「44」になっているのは、この2つのサイズ(直径11.6mm、厚さ5.4mm)が完全に同じであることを意味しているんです。だからこそ、物理的には入れ替えが可能なんですね。ただし、後ほど詳しく説明しますが、サイズが同じだからといって安易に代用するのは危険です。

徹底比較!LR・SR・CR・PR、それぞれ何が違う?種類別の性能と得意分野

型番の読み方が分かったところで、次はそれぞれの電池が持っている性能の違いと、どのような機器に向いているのかを詳しく見ていきましょう。適切な電池を選ぶことが、機器の性能を最大限に引き出し、長く使い続けるための重要なポイントになります。

酸化銀電池(SR) – 精密機器のための信頼のパートナー

腕時計や電子体温計、精密な測定器など、正確な動作が長期間にわたって求められる機器に使用されるのが酸化銀電池です。公称電圧は1.55Vとやや高めに設定されていて、最大の特徴は、寿命が尽きる寸前まで電圧がほぼ一定に保たれる「安定した放電特性」にあります。

価格は他のボタン電池と比べるとやや高めですが、その分、信頼性が非常に高く、精密機器には欠かせない存在となっています。時計が1秒たりとも狂わないのは、この安定した電圧供給のおかげなんです。

得意な機器:腕時計全般、電子体温計、各種精密測定器、デジタルカメラなど
電圧特性:使い始めから使い終わりまで安定
寿命の目安:腕時計で約2~3年、使用頻度によって変動

アルカリボタン電池(LR) – パワフルでコストパフォーマンス抜群

おもちゃや電卓、小型のLEDライトなど、瞬間的に大きな電流を必要とする機器で広く使われているのがアルカリボタン電池です。安価で入手しやすく、100円ショップでも購入できるのが大きな魅力です。

電圧は使い始めが最も高く(約1.5V)、使用に伴って徐々に低下していく特性があります。酸化銀電池(SR)とサイズが同じものが多く存在するため、混同されやすい電池でもあります。

得意な機器:音声付き絵本、電子おもちゃ、電卓、小型LEDライト、集音器など
電圧特性:使用につれて徐々に低下
寿命の目安:使用機器によって大きく異なるが、おもちゃで数ヶ月~1年程度

リチウムコイン電池(CR) – 薄型・長寿命のオールラウンダー

パソコンのマザーボードの時刻保持、自動車のキーレスエントリー、各種リモコンなど、長期間にわたって電池交換が難しい、または面倒な場所で大活躍するのがリチウムコイン電池です。

公称電圧は3Vと、他の電池の約2倍の高い電圧を持っているのが特徴です。さらに、自然に電力が失われる「自己放電」が極めて少ないため、未使用の状態で保管しても長期間性能が保たれます。機器に入れた状態でも5年以上の長寿命が期待できる優れものです。

得意な機器:テレビやエアコンのリモコン、車のキーレスエントリー、電子手帳、PCのマザーボード(CMOS電池)、電子体温計など
電圧特性:高電圧で長期間安定
寿命の目安:リモコンで3~5年以上、PCマザーボードで5~10年程度

空気亜鉛電池(PR) – 補聴器専用のスペシャリスト

主に補聴器専用として使われる、やや特殊な電池です。電池に貼られたシールを剥がすことで、空気中の酸素を取り込んで発電を開始する独特な仕組みを持っています。

非常に高いエネルギー密度を誇りますが、一度シールを剥がして発電を始めると途中で止めることができず、使用していなくても空気に触れている限り放電し続けます。そのため、寿命は数週間から1ヶ月程度と短めです。

得意な機器:補聴器専用
電圧特性:使用開始から寿命まで比較的安定
寿命の目安:シール剥がし後、約2週間~1ヶ月程度

最重要ポイント!互換性の疑問を徹底解説 – LR44とSR44は代用できるの?

「LR44とSR44はサイズが全く同じだから、時計に入っている高価なSR44の代わりに、安いLR44を使ってもいいんじゃないか?」これは、多くの方が一度は考える疑問であり、同時に最も注意が必要なポイントでもあります。

結論:物理的には入るが、代用は強く非推奨

結論から先に言いますと、LR44とSR44はサイズが同一のため、物理的に入れ替えることは可能です。しかし、代用することは強く非推奨です。特に、SR44が指定されている精密機器(腕時計など)にLR44を使用することは、機器の誤動作や故障に繋がるリスクがあるため、絶対に避けるべきです。

なぜ代用してはいけないのか?電圧特性の違いが機器に与える影響

その理由は、先ほど説明した「電圧特性」の違いにあります。もう一度、おさらいしてみましょう。

SR44(酸化銀電池)は、寿命が尽きる直前まで、ほぼ1.55Vという安定した電圧を供給し続けます。これに対してLR44(アルカリ電池)は、使い始めこそ1.5Vと高めですが、使用するにつれてどんどん電圧が下がっていく特性があります。

腕時計のような精密機器の内部回路は、この「常に安定した電圧が供給される」ことを前提として設計されています。そこへ電圧が不安定なLR44を入れてしまうと、「時間が遅れたり進んだりする」「アラーム機能が正常に作動しない」「バックライトが点灯しなくなる」といった不具合が発生しやすくなります。

最悪の場合、機器の電子回路に予期しないダメージを与えてしまい、修理が必要になることもあります。数百円の電池代を節約しようとして、数万円の時計を壊してしまっては本末転倒ですよね。

逆に、LR44が指定されているおもちゃなどにSR44を使用する分には、性能上の問題はほとんどありません。ただし、SR44の方が高価なので、経済的なメリットは全くないでしょう。

基本原則として覚えておいてほしいのは、「その機器に最初から入っていた(または取扱説明書に指定されている)種類の電池を使う」ということです。これが最も安全で、確実な方法です。

時計用電池の「W」と「SW」の違いにも要注意!

さらに注意が必要なのが、時計用の酸化銀電池(SR)の型番末尾に付く「W」や「SW」という記号です。(例:SR626SW、SR626W)

W(High Drain) → デジタル時計など、アラームやバックライト、ストップウォッチ機能などで一時的に大きな電力を消費する多機能時計向けに設計されています。
SW(Low Drain) → 針が静かに動くだけのシンプルなアナログ時計など、消費電力が常に小さい時計向けに最適化されています。

この2つも互換性には注意が必要です。「SW」が指定されているアナログ時計に「W」タイプを使用すると、電池の持ちが想定より早く悪くなる可能性があります。逆に「W」が指定されているデジタル時計に「SW」タイプを使うと、バックライトを点灯させた際などに電力不足となり、時計が一時的に停止してしまう恐れがあります。

こちらも、取扱説明書や元々入っていた電池の型番を確認して、指定通りの電池を選ぶようにしましょう。

購入時はここをチェック!失敗しないための注意点とポイント

ボタン電池を購入する際、型番だけでなく、他にもチェックすべき重要なポイントがいくつかあります。ここでは、購入時の注意点を詳しく見ていきましょう。

使用推奨期限を必ず確認しよう

ボタン電池のパッケージには、必ず「使用推奨期限」が記載されています。これは、未開封の状態で保管した場合に、性能が保証される期限を示しています。期限切れの電池は性能が低下している可能性があるため、できるだけ期限までの期間が長いものを選びましょう。

特に100円ショップなどで購入する場合、在庫期間が長く、期限が迫っている商品が並んでいることもあります。複数のパッケージを比較して、最も期限が先のものを選ぶのが賢明です。

信頼できるメーカーの製品を選ぼう

ボタン電池は、メーカーによって品質や性能に差があります。特に精密機器に使用する場合は、信頼できる国内外の有名メーカーの製品を選ぶことをおすすめします。

主なメーカーと特徴

パナソニック(Panasonic)
国内トップクラスのシェアを誇る信頼のメーカーです。品質が安定しており、多くの精密機器メーカーが推奨しています。価格はやや高めですが、その分、安心して使用できます。特に時計用の酸化銀電池には定評があります。

マクセル(maxell)
日本の老舗電池メーカーで、パナソニックと並んで高い信頼性を持っています。豊富なラインナップと優れた品質管理が特徴です。互換表などのサポート情報も充実しています。

ソニー(SONY)
高品質なリチウムコイン電池で知られています。特にCR2032などは、PCマザーボードやキーレスエントリーなどで広く使用されています。

レナータ(Renata)
スイスの時計用電池専門メーカーです。高級腕時計のメーカーが純正品として採用していることも多く、品質は折り紙付きです。価格は高めですが、大切な時計には最適です。

100円ショップのプライベートブランド品
日常的に使用するおもちゃや電卓などには、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。ただし、高級時計や精密機器には避けた方が無難でしょう。

まとめ買いは慎重に

「安いからまとめて買っておこう」と大量購入するのは、あまりおすすめできません。ボタン電池は未使用でも徐々に自己放電が進み、性能が低下していきます。必要な分だけ購入して、使い切る方が経済的です。

こんな時どうする?ボタン電池のトラブルシューティングQ&A

電池交換の際によくあるトラブルと、その具体的な解決策をご紹介します。

Q. 交換したいけど、電池の型番が全く分からない場合は?

「古い電池をすでに捨ててしまった」「譲り受けた機器で電池が入っていなかった」など、参照すべき型番が分からない場合、自己判断でサイズを測って購入するのは非常に危険です。

ノギスやデジタルスケールで正確にサイズを測定できたとしても、それだけではLR(アルカリ)なのかSR(酸化銀)なのか、電池の種類までは判別できません。間違った種類を選んでしまうと、機器の故障に繋がる可能性があります。

このような場合の最善策は、その機器自体を家電量販店や時計店、あるいはメーカーのサポートセンターに持ち込んで、適合する電池を専門スタッフに調べてもらうことです。多くの店舗では、無料で調査してくれるサービスを提供しています。

Q. 海外製の機器に入っている電池、日本の製品で代用できる?

海外製の機器、特に輸入品の時計やおもちゃなどには、見慣れない型番の電池が入っていることがあります。しかし、心配は不要です。多くの場合、国内メーカーの電池と互換性があります。

この場合、電池メーカーの公式ウェブサイトに掲載されている「互換表」を活用しましょう。例えば、マクセルやパナソニックなどの大手メーカーのサイトでは、詳細な互換表が公開されており、海外メーカーの型番から対応する自社製品を簡単に探すことができます。

Q. 新しい電池に交換したのに、すぐに切れてしまう

これにはいくつかの原因が考えられます。

機器側の故障
長年使用している機器の場合、内部の電子回路が劣化して過剰な電力を消費している可能性があります。別の機器で同じ電池を試してみて、正常に動作するか確認してみましょう。

電池の接触不良
電池を入れる部分のバネや端子が汚れていたり、錆びていたりすると、正常に電力が伝わりません。綿棒などで端子部分を優しく掃除してから、再度電池を入れてみてください。

間違った種類の電池を使用
前述の通り、SR指定の機器にLRを使うと、すぐに電圧が低下して使えなくなることがあります。指定されている種類を再確認しましょう。

不良品の電池
まれに、製造段階での不良品が混入していることがあります。別のメーカーの新品電池で試してみることをおすすめします。

Q. 電池を入れる向きが分からなくなった

電池ボックスの中には、必ず「+」「-」の表示があります。これに従って、電池のプラス極(平らな面)とマイナス極(やや出っ張っている面)を合わせて入れてください。

もし表示が消えてしまっている場合は、バネが付いている側がマイナス極になるのが一般的です。ただし、取扱説明書で確認するのが最も確実です。

意外と知らない!電池の寿命を最大限に延ばすための正しい扱い方

ボタン電池を少しでも長持ちさせ、性能を最大限に引き出すために、交換時や保管時に気をつけたい重要なポイントをご紹介します。

交換時は素手で電池の両極を同時に触らない

ボタン電池は非常に小さいため、指でつまむと意図せずプラス極(平らな面)とマイナス極(少し出っ張っている面)を同時に触れてしまうことがあります。

この状態は「ショート(短絡)」と呼ばれ、人間の体を通じて微弱な電気が流れてしまいます。これにより電池の容量が無駄に消費され、本来の寿命より早く使えなくなってしまう原因となります。

交換の際は、できるだけ電池の側面(円周部分)を持つように心がけましょう。さらに理想的なのは、プラスチック製のピンセットや、清潔な手袋を使用することです。これにより、皮脂や汚れの付着による接触不良も防ぐことができます。

保管環境に気をつけよう

未使用のボタン電池を保管する際は、以下の点に注意してください。

高温・多湿・直射日光を避ける
熱や湿気は電池の劣化を早める大敵です。涼しくて乾燥した場所、できれば室温20度前後、湿度50パーセント以下の環境で保管するのが理想です。夏場の車内など、高温になる場所は絶対に避けましょう。

金属製品と一緒に保管しない
ネックレス、鍵、クリップ、コインなどの金属製品と一緒に引き出しやケースに入れると、接触してショートする危険があります。火災や破裂の原因となるため、絶対にやめてください。

購入時のパッケージに入れたまま保管
最も安全な保管方法は、購入時のパッケージ(ブリスターパック)に入れたままにすることです。これにより、金属との接触を防ぎ、湿気からも守ることができます。

冷蔵庫での保管は基本的に不要
「電池は冷蔵庫で保管すると長持ちする」という情報を聞いたことがあるかもしれませんが、ボタン電池の場合、これは必ずしも正解ではありません。冷蔵庫から出した際の温度差で結露が発生し、かえって電池を傷める可能性があります。常温での保管で十分です。

絶対に守ってほしい!ボタン電池・コイン電池の安全な捨て方

使い終わったボタン電池の廃棄方法は、通常の乾電池や一般ごみとは大きく異なります。誤った捨て方は火災の原因となり、非常に危険です。必ず正しいルールを守ってください。

なぜ一般ごみや燃えないゴミに出してはいけないのか?

ごみ収集車の中では、さまざまなごみが圧縮されます。その過程で、電池が他の金属ごみと接触したり、強い圧力で潰されたりすると、ショート(短絡)を起こして発熱・発火する危険性が非常に高いのです。

実際に、全国のごみ処理施設で発生している火災の原因を調査すると、その多くがリチウムイオン電池やボタン電池の不適切な廃棄によるものだという報告があります。収集作業員の方々の安全を守るためにも、正しい廃棄方法を守ることが重要です。

正しい廃棄方法の3ステップ

1. 絶縁処理をする
使い終わった電池のプラス極とマイナス極の両方に、セロハンテープやビニールテープをしっかりと貼り付けます。これにより、電気が流れない状態(絶縁状態)にします。必ず1個ずつ、丁寧に処理してください。複数の電池を一緒に包むと、電池同士が接触してショートする危険があります。

2. 回収協力店を探す
ボタン電池・コイン電池は、「ボタン電池回収協力店」に設置されている専用の回収缶に入れて処分します。協力店として登録されているのは、家電量販店、時計店、眼鏡店、補聴器販売店、カメラ店、ホームセンターなどです。

3. 回収缶に入れる
お近くの回収協力店を見つけたら、店舗に設置されている専用の回収缶(通常は黄色い缶)に、絶縁処理をした電池を入れます。この時、店員さんに声をかける必要はなく、そのまま投入して構いません。

回収協力店の探し方

お近くのボタン電池回収協力店は、「一般社団法人電池工業会」の公式ウェブサイトで簡単に検索できます。郵便番号や住所から、最寄りの協力店を地図付きで探すことができるので、非常に便利です。

正しい分別と廃棄は、火災事故を防ぐだけでなく、貴重な資源をリサイクルして環境を守ることにも繋がります。一人ひとりの小さな心がけが、大きな安全と環境保護に繋がっていくのです。

まとめ – もうボタン電池選びで迷わない!

ここまで、ボタン電池の種類の見分け方から、互換性の問題、正しい使い方、購入時のポイント、そして安全な廃棄方法まで、詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。

型番の構成
電池の型番は「種類を示すアルファベット」と「サイズを示す数字」の組み合わせでできています。この仕組みを理解すれば、型番を見るだけでどんな電池かが分かります。

種類による性能の違い
LR(アルカリ)は安価でパワフル、おもちゃなど大電流が必要な機器に向いています。SR(酸化銀)は電圧が安定しており、腕時計などの精密機器に最適です。CR(リチウム)は高電圧で長寿命、リモコンやPCのマザーボードなどに使われます。

互換性には要注意
サイズが同じでも、電圧特性が異なるため、安易な代用は避けましょう。特にSR指定の精密機器にLRを使うのは厳禁です。基本は「元々入っていた、または指定されている種類の電池を使う」ことです。

購入時のチェックポイント
使用推奨期限を確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。精密機器にはパナソニックやマクセルなどの国内メーカー、おもちゃには100円ショップ品でも十分です。

正しい扱い方
交換時は電池の側面を持ち、両極を同時に触らないように注意しましょう。保管は高温多湿を避け、金属製品とは別にして、できればパッケージに入れたままが理想です。

安全な廃棄
使用済み電池は必ずテープで絶縁処理をして、ボタン電池回収協力店の回収缶に入れましょう。絶対に一般ごみとして捨ててはいけません。

型番のルールと各電池の特性さえ覚えてしまえば、もうホームセンターや家電量販店の電池売り場で迷うことはなくなります。適切な電池を選んで正しく使うことで、大切な機器を長く、安全に、そして快適に使い続けることができるのです。

この記事が、あなたのボタン電池選びの心強い味方となれば幸いです。ぜひブックマークして、電池交換の際にお役立てください!


【免責事項】
この記事は、ボタン電池に関する一般的な情報提供を目的としています。電池の交換や廃棄の際は、必ずお使いの機器の取扱説明書、各電池メーカーの指示、および各自治体のルールに従ってください。誤った使用方法や不適切な廃棄による機器の故障、事故、損害などについて、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次