甘茶とは?花祭りのお茶の効能と正しい飲み方

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「甘茶ってどんなお茶?普通のお茶と何が違うの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

甘茶は、砂糖を一切加えていないのに驚くほど甘い、日本古来のお茶です。ノンカフェイン・ゼロカロリーで、花祭り(灌仏会)の行事にも使われてきました。

この記事では、甘茶の由来や原料、期待される効能、正しい淹れ方、そして飲む際の注意点までまとめて紹介します。

目次

甘茶とは?花祭りで使われる日本古来のお茶

甘茶(あまちゃ)は、アジサイの仲間である「アマチャ」の葉を加工して作るお茶です。緑茶や紅茶とはまったく異なる植物が原料で、砂糖なしでも自然な甘さを楽しめるのが最大の特徴でしょう。

ノンカフェイン・ゼロカロリーという点も見逃せません。カフェインを控えたい方や、甘いものを飲みたいけどカロリーが気になる方にぴったりなお茶ですね。

甘茶の茶葉と淹れた甘茶のイメージ

甘茶と花祭り(灌仏会)の関係

甘茶が最もよく知られているのは、仏教行事の灌仏会(かんぶつえ)、通称「花祭り」の場面です。

毎年4月8日のお釈迦様の誕生を祝う行事で、花御堂に安置された誕生仏に甘茶を注ぎかけます。これは、お釈迦様が生まれたときに龍が天から甘露(甘い雨)を降らせたという伝説に由来しています。

花祭りは全国の寺院で行われており、参拝者に甘茶がふるまわれることも多いです。お寺で甘茶を飲んだことがきっかけで興味を持つ方も少なくありません。

甘茶の原料と産地

甘茶の原料は、ユキノシタ科(アジサイ科)アジサイ属の「アマチャ」という植物です。ヤマアジサイの変種にあたり、日本が原産地になります。

関東、中部、伊豆諸島などに自生しており、主な生産地は長野県・富山県・岩手県です。国内の年間消費量は約50トンほどで、大量生産されるお茶ではありません。

甘茶と他のお茶との違い

甘茶は一般的なお茶とは原料も味も大きく異なります。ここでは、混同されやすい「甜茶(てんちゃ)」との違いも整理しましょう。

甘茶と甜茶の違い

名前が似ているため混同されがちですが、甘茶と甜茶は別のお茶です。

項目甘茶甜茶
原料アマチャ(アジサイ属)甜葉懸鈎子など(バラ科ほか)
原産地日本中国南部
甘味成分フィロズルチンルブソシド
カフェインなしなし
主な用途花祭り・健康茶・甘味料花粉症対策で人気

どちらもノンカフェインで自然な甘みがありますが、原料・産地・甘味成分がそれぞれ異なります。

甘茶の甘さの秘密「フィロズルチン」

甘茶の甘さの正体は、フィロズルチンという天然の甘味成分です。その甘さは砂糖の約400〜1,000倍ともいわれています。

興味深いのは、アマチャの生の葉にはほとんど甘みがないこと。葉を揉んで細胞を壊し、酵素の働きで配糖体が分解されることで、はじめてフィロズルチンが生成されて甘くなるのです。

砂糖と違ってカロリーがほぼゼロのため、糖尿病の方の甘味料としても古くから活用されてきました。

甘茶に含まれる成分と期待される効能

甘茶にはフィロズルチン以外にも、さまざまな成分が含まれています。期待される働きを成分ごとに整理しました。

成分期待される働き
フィロズルチン・イソフィロズルチン天然甘味成分。砂糖代替として利用
タンニン抗酸化に関わるポリフェノールの一種
サポニンリラックスや穏やかな気分に関連するとされる成分
ルチンポリフェノールの一種で、めぐりのサポートが期待される

古くから漢方の分野では、甘茶は以下のような目的で利用されてきました。

  • 抗アレルギー:季節の変わり目のムズムズ対策として注目されている
  • 口腔ケア:口臭や歯周の健康維持に役立つとされている
  • 胃腸のサポート:おだやかな整腸作用が期待されている
  • リラックス:サポニンの働きで気分を落ち着けるとされている
  • 漢方薬の矯味:苦い漢方薬の味を和らげる甘味料として使用

甘茶は医薬品ではなく、あくまで食品(お茶)です。体調に不安がある場合は、医療機関に相談しましょう。

さらに、甘茶の煮出し液は虫よけや入浴剤としても昔から使われてきた歴史があります。飲むだけでなく、暮らしのなかで幅広く活用されてきたお茶といえるでしょう。

甘茶の作り方(茶葉の加工手順)

自宅でアマチャの葉から茶葉を作る方法を紹介します。手順はシンプルですが、発酵の工程が甘みを引き出すカギになります。

STEP
葉を摘む

アマチャの葉を摘みます。収穫の適期は7〜8月ごろです。

STEP
手で揉む

摘んだ葉を手でしっかり揉み込みます。汁が出るまで揉むことで、細胞が壊れて甘味成分の生成が始まります。

STEP
発酵させる

揉んだ葉に霧吹きで水をかけ、容器に入れるか濡れた布をかぶせて1〜2日間おきます。この発酵の過程でフィロズルチンが生成され、甘みが出てきます。

STEP
天日干しで乾燥

発酵が終わったら、天日でしっかり乾燥させます。これで甘茶の茶葉が完成です。

意外と手順は少ないですが、発酵を省くと甘みが出ないので注意してください。

甘茶の淹れ方と飲み方

甘茶を美味しく安全に飲むためには、茶葉の量とお湯の比率がとても大切です。

急須で淹れる場合(少量向き)

STEP
茶葉を用意する

茶葉を約1gはかり、急須に入れます。

STEP
お湯を注ぐ

沸騰したお湯を少し冷まし(90℃前後)、400mlほど注ぎます。

STEP
蒸らす

フタをして5分ほど蒸らしたら完成です。

やかんで煮出す場合(大人数向き)

茶葉2〜3gをお茶パックに入れ、1リットルの沸騰したお湯に入れて4〜5分煮出します。パックを取り出したらできあがりです。

いずれの方法でも、1リットルあたり2〜3gが適量の目安です。長時間煮出すとタンニンが多く出て苦味が強くなるため、煮出しすぎには気をつけましょう。

急須で甘茶を淹れているイメージ

甘茶を飲むときの注意点

甘くて飲みやすい甘茶ですが、濃すぎる甘茶は中毒症状を引き起こす危険があります。正しい飲み方を知っておきましょう。

注意

茶葉を入れすぎたり、少量のお湯で濃く抽出すると、嘔吐などの中毒症状が出ることがあります。厚生労働省は、乾燥葉2〜3gを1リットルの水で煮出すことを推奨しています。

実際に過去には、花祭りの行事で濃い甘茶を飲んだ子どもたちが集団で嘔吐した事例が複数報告されています。

  • 2009年:岐阜県の保育園で園児119人中28人が嘔吐
  • 2010年:神奈川県の花祭りで小学1年生99人中45人が嘔吐

いずれも食中毒菌は検出されず、濃すぎる甘茶が原因とされました。

そのほか、以下の点にも注意が必要です。

  • 飲み過ぎに注意:タンニンの影響でお腹がゆるくなることがある
  • アジサイの生葉は食べない:アジサイ属の生の葉には自然毒が含まれる。必ず発酵・加工した茶葉を使用すること
  • お子さまに与える場合は薄めに:大人より少なめの茶葉で淹れると安心

参考:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:アマチャ」

甘茶はどこで買える?

甘茶の茶葉は、以下のような場所で購入できます。

  • 薬局・ドラッグストア:漢方コーナーに置いてあることが多い
  • 漢方薬局・漢方専門店:品質の良い茶葉が手に入りやすい
  • ネット通販:Amazonや楽天などで「甘茶」「アマチャ」と検索すれば見つかる
  • お茶専門店:取り扱いがある店舗もある

一般的なスーパーではあまり見かけないお茶なので、ネット通販が手軽に入手しやすい方法です。少量パック(30g〜50g程度)から試せる商品も多く販売されています。

まとめ

甘茶についてのポイントをおさらいしましょう。

  • 甘茶はアジサイ属の「アマチャ」の葉を発酵・乾燥させたお茶で、ノンカフェイン・ゼロカロリー
  • 甘さの正体はフィロズルチンという天然成分で、砂糖の約400〜1,000倍の甘みがある
  • 花祭り(灌仏会)でお釈迦様の誕生仏にかけるお茶として古くから親しまれている
  • 漢方では抗アレルギーや整腸、口腔ケアなどの目的で利用されてきた歴史がある
  • 1リットルあたり茶葉2〜3gの適量を守ることが安全に楽しむポイント

甘茶はスーパーではなかなか見かけませんが、ネット通販や漢方薬局で手軽に購入できます。まずは少量パックから試して、自然な甘さを味わってみてはいかがでしょうか。

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