郡上市は岐阜県のどこ?読み方・行き方と水の町・郡上おどり

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ニュースや旅行の話題で「郡上市」という地名を見かけて、どこにあるのか、何と読むのか気になったことはありませんか。「郡上八幡」という名前は聞いたことがあっても、郡上市との関係まではよく分からないという人も多いはずです。

郡上市(ぐじょうし)は、岐阜県のほぼ真ん中、奥美濃と呼ばれる山あいにある市です。この記事では、場所と基本データ、名古屋や岐阜からの行き方、「水の町」と呼ばれる理由、城下町の成り立ち、約400年続くとされる郡上おどり、季節ごとの気候までを順に紹介します。

目次

郡上市は岐阜県のどこ?読み方と基本データ

郡上市は岐阜県の中央部、長良川の上流域に広がる市です。県庁のある岐阜市からは北へおよそ50〜60km、北は飛騨地方の高山市、西は福井県と接しています。市の中を長良川が南北に流れ、その支流の吉田川が中心街の郡上八幡を横切っています。

まずは基本的な情報を表にまとめます。人口は年ごとに変わるため、調査の時点を添えています。

項目内容
読み方ぐじょうし
所在地岐阜県の中央部(奥美濃)
誕生2004年3月1日(郡上郡の7町村が合併)
面積1,030.75平方キロメートル(岐阜県で2番目に広い市)
人口約3万9千人(2020年国勢調査)
主な川長良川・吉田川
中心街八幡町(郡上八幡)

読み方は「ぐじょうし」。郡上八幡とはどう違う?

「郡上」は「ぐじょう」と読みます。「ぐんじょう」や「こおりうえ」ではありません。旅行の案内でよく見る「郡上八幡(ぐじょうはちまん)」は、郡上市の中にある八幡町の城下町一帯を指す呼び名です。つまり郡上八幡は郡上市の一部で、市全体の名前ではありません。

長良川鉄道の駅名も「郡上八幡駅」、高速道路の出入口も「郡上八幡IC」となっているため、郡上八幡が市の名前だと思われがちです。郡上おどりや城下町の町並みの話題で出てくるのはたいてい郡上八幡のことで、スキー場や高原の話題では、市の北部にある高鷲町(たかすちょう)や白鳥町(しろとりちょう)の名前がよく出てきます。

2004年に7町村が合併して生まれた、県内で2番目に広い市

郡上市は、2004年3月1日に郡上郡の八幡町・大和町・白鳥町・高鷲村・美並村・明宝村・和良村の7町村が合併して生まれました。合併前の町村名は、今も市内の地域名として使われています。

面積は1,030.75平方キロメートルで、岐阜県の面積のおよそ1割にあたります。県内の市では高山市に次いで2番目の広さです。ただし、その大部分は山林で、人が暮らす集落は川沿いの谷あいに点在しています。合併した当時の人口は約4万2千人でしたが、2020年の国勢調査では約3万9千人となり、ゆるやかに減っています。なお、岐阜県は海に面していない「海なし県」のひとつです。

郡上市への行き方|名古屋・岐阜からのアクセス

郡上市は山あいにありますが、高速道路と高速バスが通っているため、名古屋からでも日帰りで行ける距離です。ここでは中心街の郡上八幡へ向かう場合を例に、主な行き方を紹介します。

車で行く場合(東海北陸自動車道)

車なら、東海北陸自動車道を使うのが基本です。郡上八幡へは「郡上八幡IC」で降り、市の北部の高鷲町やひるがの高原へは「高鷲IC」「ひるがの高原SA(スマートIC)」などが近くなります。名古屋市内から郡上八幡ICまでは、道路が混んでいなければおよそ1時間〜1時間半が目安です。

郡上八幡の城下町は道幅が狭く、一方通行の道もあります。町歩きをするなら、町の周辺にある観光用の駐車場に車を停めて、歩いて回るほうが気が楽です。郡上おどりの徹夜おどりの日や連休は道路も駐車場も混み合うので、時間に余裕をもって出かけましょう。

高速バス・長良川鉄道で行く場合

車を使わない場合は、名古屋から出ている高速バスが便利です。名古屋駅の近くから郡上八幡の「城下町プラザ」などへ直通で行けるため、乗り換えがありません。鉄道で行くなら、JRで美濃太田駅まで行き、第三セクターの長良川鉄道に乗り換えて郡上八幡駅へ向かいます。長良川鉄道は、名前のとおり長良川に沿って走る路線で、車窓から川の景色を楽しめます。

行き方主なルート所要時間の目安
車名古屋市内 → 東海北陸自動車道 → 郡上八幡IC約1時間〜1時間半
高速バス名古屋駅周辺 → 郡上八幡(城下町プラザなど)約1時間半〜2時間
鉄道名古屋駅 → JR(岐阜駅経由)→ 美濃太田駅 → 長良川鉄道 → 郡上八幡駅約2時間〜2時間半(乗り継ぎによる)

長良川鉄道は1時間に1本程度の時間帯が多く、乗り継ぎによって所要時間が大きく変わります。また、郡上八幡駅から城下町の中心までは歩くと20分ほどかかります。時刻表と運賃は、出発前に各社の公式サイトで確かめてください(2026年10月時点の目安です)。

山あいの川沿いを1両編成のローカル列車が走る秋の風景。くすみカラーの北欧イラスト風、シンプルな線画(文字・駅名・ロゴは描かない)

「水の町」と呼ばれる理由|吉田川・長良川と宗祇水

郡上八幡は「水の町」と呼ばれます。町の真ん中を吉田川が流れ、そのすぐ下流で長良川に合流します。町の中には用水路が張りめぐらされ、家の前や路地の脇を澄んだ水が流れています。山に囲まれた土地で湧き水が多く、昔から水が暮らしのすぐそばにあったことが、この呼び名の理由です。

夏になると、吉田川では子どもたちが橋の上から川へ飛び込む姿が見られ、郡上八幡の夏の風物詩として知られています。川の水がそれだけきれいで、町の人にとって身近な遊び場になっているということです。

名水百選に選ばれた宗祇水

郡上八幡の水を代表するのが「宗祇水(そうぎすい)」です。室町時代の連歌師・飯尾宗祇(いいおそうぎ)がこの湧き水のほとりに草庵を結んだという言い伝えから、この名前がつきました。1985年には、環境庁(当時)が選んだ「名水百選」のひとつに選ばれています。

宗祇水は今も地元の人の手で管理されており、湧き出た水は用途ごとに区切られた水槽に順に流れていく仕組みになっています。飲み水や野菜を洗う水など、上流から順に使い分けるという、水を大切に分け合ってきた暮らしの知恵が残っています。

水舟・用水が今も暮らしに残っている理由

郡上八幡には、湧き水や山の水を引き込んだ「水舟(みずぶね)」と呼ばれる水槽が、今も町のあちこちにあります。2段や3段に分かれた水槽の上の段で飲み水をくみ、下の段で野菜や食器を洗うという、宗祇水と同じ考え方の仕組みです。最後の段には鯉を飼っている家もあり、食べ残しを鯉が食べることで、水を汚さずに川へ戻すとされています。

町の中を流れる用水は、生活用水としてだけでなく、火事のときの防火用水としても使われてきました。用水沿いの細い路地「いがわこみち」では、用水の中を泳ぐ鯉を見ながら歩くことができます。水道が普及した今も、こうした水の使い方が受け継がれていることが、郡上八幡を「水の町」たらしめています。

城下町・郡上八幡の成り立ちと町並み

郡上八幡は、江戸時代に郡上藩の城下町として栄えた町です。町を見下ろす八幡山の上に郡上八幡城が建ち、その下に武家屋敷や町人の町が広がっていました。今も碁盤の目のような町割りや、格子戸の続く古い町並みが残っています。

木造で再建された郡上八幡城

郡上八幡城は、戦国時代の末に築かれたのが始まりとされる山城です。明治時代のはじめに城の建物は取り壊され、石垣だけが残りました。今の天守は、1933年に木造で再建されたものです。木造で再建された天守としては、現存するもののなかで日本最古とされています。

山の上に建つ城は、町のどこからでも見上げることができ、郡上八幡のシンボルになっています。秋の紅葉の時期や、雲海が出た朝に城が浮かんで見える景色は、「天空の城」として写真に収める人も多い眺めです。城の開館時間や入館料は季節で変わるため、訪れる前に郡上市の観光案内で確かめてください。

大火のあとに整えられた町並みと保存地区

郡上八幡の町並みは、昔のままの姿が残っているだけではありません。1919年(大正8年)に町の北側で大きな火事があり、多くの家が焼けました。その後の町の立て直しで、防火に役立つ用水を家々の前に通すなど、水を生かした町づくりが進められました。今の町並みには、こうした災害から学んだ工夫が刻まれています。

城下町の北側の一帯は、2012年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれました。古い建物を残すだけでなく、人が住み、商いをしながら町並みを守っている点が特徴です。こうした文化財を守る制度の全体像は、文化財保護法を解説した記事にまとめています。

郡上おどり|約400年続く盆踊りの特徴

郡上市の名前を全国に知らせているのが、夏の「郡上おどり」です。江戸時代に郡上藩の藩主が、身分の違いをこえて領民が親しめるよう踊りを奨励したことが始まりという言い伝えがあり、およそ400年の歴史があるとされています。

郡上おどりの最大の特徴は、見物するだけでなく、誰でも踊りの輪に入れることです。地元の人と観光客が同じ輪で踊ります。

7月〜9月の30夜と、お盆の徹夜おどり

郡上おどりは、1晩だけのお祭りではありません。例年7月中旬から9月上旬まで、郡上八幡の町なかで会場を変えながら30夜以上にわたって踊られます。2026年は7月11日から9月5日までの期間に、30夜開かれました。ふだんの日は夜8時ごろから10時半〜11時ごろまでです。

中でもにぎわうのが、お盆の8月13日から16日までの4日間に行われる「徹夜おどり」です。夜8時ごろから翌朝の4時〜5時ごろまで、夜通し踊り続けます。曲は「かわさき」「春駒(はるこま)」など10曲あり、曲ごとに振り付けが違います。2027年の日程は、郡上八幡観光協会などの公式発表で確かめてください。

重要無形民俗文化財とユネスコ無形文化遺産

郡上おどり(文化財としての名称は「郡上踊」)は、1996年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。さらに2022年11月には、全国41件の盆踊りや念仏踊りなどをまとめた「風流踊(ふりゅうおどり)」のひとつとして、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。

ユネスコの無形文化遺産は、建物や自然を対象にする「世界遺産」とは別の制度です。世界遺産が富士山や屋久島のような「場所」を守るのに対し、無形文化遺産は踊りや祭り、伝統の技といった「受け継がれる営み」を守ります。世界遺産の仕組みについては、次の記事で詳しく解説しています。

見る人も輪に入って踊れる

郡上おどりには参加費がなく、予約もいりません。踊りの輪に入るときは、まわりの人の手足の動きをまねしながら、少しずつ覚えていけば大丈夫です。浴衣に下駄で踊る人が多く、カランコロンという下駄の音も郡上おどりらしさのひとつになっています。

上手に踊れるようになると、保存会から「免許状」がもらえる仕組みもあり、何度も通って免許状を目指す人もいます。踊りを覚えておきたい人は、地元の保存会などが公開している踊り方の動画で予習していくと、当日の輪に入りやすくなります。

夏の夜、提灯の明かりの下で浴衣姿の人々が輪になって盆踊りを踊る城下町の通り。くすみカラーの北欧イラスト風、シンプルな線画(提灯や看板に文字は描かない)

郡上市の気候と季節ごとの過ごし方

郡上市は山に囲まれた内陸の土地なので、名古屋や岐阜市と比べると朝晩の冷え込みが強く、冬は雪が多くなります。南北に長い市なので、同じ郡上市でも南部の美並町と北部の高鷲町では気候がかなり違う点も覚えておきましょう。

夏は川の涼しさ、秋は紅葉と朝の冷え込み

夏の日中は暑くなりますが、川の近くや夜は涼しく感じられます。郡上おどりの夜に出かけるなら、浴衣でも羽織れるものを1枚持っておくと安心です。夏は鮎釣りの季節でもあり、長良川や吉田川には多くの釣り人が訪れます。

秋は10月下旬から11月にかけて山の木々が色づきます。昼は過ごしやすくても朝晩はぐっと冷えるので、薄手のダウンや上着を用意しておくとよいでしょう。秋の行楽先を探しているなら、月別に旅行先の選び方をまとめた記事も参考になります。

冬は北部を中心に雪が多い

冬の郡上市は、特に北部の高鷲町や白鳥町で雪が多くなります。この地域には複数のスキー場が集まっており、名古屋方面から日帰りで行けるスキー・スノーボードの行き先として知られています。高鷲町のひるがの高原には、降った雨が太平洋側と日本海側に分かれて流れていく「分水嶺(ぶんすいれい)」もあります。

冬に車で出かけるときは、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの冬用の装備が欠かせません。東海北陸自動車道では、雪の状況によって冬用タイヤの装着が求められたり、通行止めになったりすることがあります。出発前に道路情報を確かめてください。

岐阜県内でほかの行き先も探しているなら、県の南西部・養老町にある「養老天命反転地」も候補になります。水の町や城下町とはまったく違う、体を使って歩き回るアートの公園です。

よくある質問

郡上市は何県にありますか?

岐阜県です。県のほぼ中央、長良川の上流域にあり、北は高山市、西は福井県と接しています。

郡上市と郡上八幡は同じ場所ですか?

同じではありません。郡上八幡は郡上市の中の八幡町の城下町一帯を指す呼び名で、郡上市は八幡のほかに大和・白鳥・高鷲・美並・明宝・和良の各地域を含む広い市です。

名古屋から日帰りで行けますか?

行けます。車なら東海北陸自動車道でおよそ1時間〜1時間半、高速バスなら乗り換えなしで郡上八幡まで行けます。徹夜おどりの日や連休は混むので、時間に余裕をもってください。

郡上八幡が「食品サンプルの町」と呼ばれるのはなぜですか?

飲食店の店頭に並ぶ食品サンプルを事業として広めた岩崎瀧三が、郡上八幡の出身だからです。今も市内には食品サンプルを作る会社や工房があり、製作体験ができる施設もあります。

郡上おどりは踊れなくても参加できますか?

参加できます。参加費や予約はなく、まわりの人の動きをまねしながら輪に入れば大丈夫です。事前に踊り方の動画で予習しておくと、よりなじみやすくなります。

まとめ

郡上市(ぐじょうし)は、岐阜県のほぼ中央にある、2004年に7町村が合併して生まれた市です。面積は県内で2番目に広く、中心街の郡上八幡は、吉田川と用水が流れる「水の町」として、また郡上八幡城を見上げる城下町として知られています。名古屋からは車や高速バスで日帰りできる距離です。

夏は誰でも輪に入れる郡上おどり、冬は北部のスキー場と、季節によって違う顔を見せるのが郡上市の魅力です。出かけるときは、日程や交通、冬の道路状況を公式の情報で確かめてから計画を立てましょう。

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