広島・宮島の弥山(みせん)にある「霊火堂(れいかどう)」をご存じでしょうか。お堂の中では、1200年前に弘法大師空海が灯したと伝わる「消えずの火」が、今も静かに燃え続けています。
この記事では、霊火堂とは何か、消えずの火の由来や見どころ、行き方までをわかりやすくまとめました。2026年5月に起きた火災の最新状況についても、あわせてお伝えします。

宮島・霊火堂とは?まず知りたい基本情報
霊火堂は、宮島の弥山にある大本山大聖院(だいしょういん)のお堂のひとつです。ご本尊として不動明王をまつり、お堂の中では「消えずの火」と呼ばれる霊火が燃え続けています。
霊火堂の読み方と場所
「霊火堂」は「れいかどう」と読みます。正式には「不消霊火堂(きえずのれいかどう)」とも呼ばれ、その名のとおり消えない火を守るお堂です。
場所は弥山の山頂手前、弥山本堂のすぐそばにあります。瀬戸内海を見下ろす高い場所に建っていて、参拝とあわせて景色も楽しめるスポットでした。
ご本尊と「不消霊火堂」という名前
霊火堂のご本尊は不動明王です。厳島神社の別当寺だった大聖院が管理しており、宮島の信仰の中心のひとつとして長く親しまれてきました。

「霊火堂」と「厳島神社」は別の場所。海の上の大鳥居が有名な厳島神社は海辺、霊火堂は山の上にあります。
「消えずの火」1200年の由来|弘法大師空海の伝説
消えずの火は、弘法大師空海が修行のときに灯したと伝わる火です。それ以来、約1200年にわたって絶やされることなく燃え続けてきたとされています。
大同元年(806年)の修行で灯された火
言い伝えによると、大同元年(806年)、空海はこの地で100日間にわたる「求聞持修法(ぐもんじしゅうほう)」という修行を行いました。そのときに焚かれた護摩(ごま)の火が、消えずの火の起源とされています。
記録のうえで1200年燃え続けたことを完全に証明するのは難しいものの、宮島では古くからそう伝えられ、人々の信仰を集めてきました。
広島・平和の灯の元火になった
消えずの火は、平和の象徴としても知られています。広島市の平和記念公園にある「平和の灯(ともしび)」の火種のひとつとして、この消えずの火が使われたと伝えられています。
消えずの火は、ただ古いだけの火ではありません。空海の修行に始まり、平和への祈りにもつながる「祈りの火」として、多くの人に大切にされてきました。
大茶釜のお湯と霊火堂の見どころ
霊火堂の見どころは、何といっても消えずの火と、その火にかけられた大きな茶釜です。お堂に入ると、ゆらめく炎と立ちのぼる湯気が、独特の雰囲気をつくり出していました。
万病に効くと伝わる霊水
消えずの火にかけられた大茶釜のお湯は、古くから「霊水」と呼ばれてきました。地元では、この湯を飲むと万病に効くと言い伝えられています。
これはあくまで宮島に伝わる言い伝えであり、医学的な効果を示すものではありません。参拝の楽しみのひとつとして、その由来を知っておくとよいでしょう。お堂にはひしゃくと紙コップが用意され、手ぶらでも湯をいただけました。
弥山七不思議のひとつ
消えずの火は、弥山に伝わる「七不思議」のひとつにも数えられています。1200年間絶えることのない火という不思議さが、訪れる人の心をひきつけてきました。


【2026年5月】霊火堂が全焼|消えずの火は無事
2026年5月20日、霊火堂が火災により全焼しました。多くの人に親しまれてきたお堂が焼け落ちたことに、観光客や地元から落胆の声が上がっています。
火災の概要と「消えずの火」が守られた理由
報道によると、この火災でお堂は全焼したものの、けが人はいませんでした。近くのロープウェーは一時運休となりました。
そして最も気がかりな消えずの火は、無事に守られています。火種は複数の場所で分けて管理されており、別の場所に「分灯」されていたため、火そのものは絶えずに残りました。



お堂は燃えても、火は消えなかったんですね。「消えずの火」という名前のとおりです。
2005年にも全焼していた歴史
実は霊火堂が火災に見舞われたのは、今回が初めてではありません。2005年にも全焼しており、そのときも消えずの火はろうそくに移して堂の外へ運び出され、無事に守られました。
2005年の火災のあとはお堂が再建されています。今回も再建が期待されますが、2026年5月時点で具体的な予定は発表されていません。今後の情報を見守りたいところです。
火災により、現在は霊火堂のお堂を見ることはできません。弥山や大聖院を訪れる際は、最新の拝観状況を公式サイトなどで確認してから出かけましょう。
霊火堂への行き方・アクセス
霊火堂は弥山の山頂近くにあり、ロープウェーと徒歩を組み合わせて向かうのが一般的でした。本州側からはフェリーで宮島へ渡ります。
宮島口からロープウェー・徒歩のルート
大まかなルートは次のとおりです。
- 宮島口からフェリーで宮島へ渡る(約10分)
- 厳島神社や紅葉谷公園を経て、ロープウェー乗り場へ
- ロープウェーで獅子岩駅まで上がる
- 獅子岩駅から山道を歩いて約20分で霊火堂周辺へ
山道は上り下りがあるため、歩きやすい靴で向かうのがおすすめです。
拝観時間・料金の目安
霊火堂自体の拝観に料金はかからず、これまで年中無休で公開されていました。公開時間の目安は8時から17時ごろまででした。
ただし、フェリーやロープウェーには別途料金がかかります。火災後は状況が変わる可能性があるため、訪問前に必ず最新情報を確認してください。


霊火堂についてよくある質問
- 消えずの火は本当に1200年燃え続けているのですか?
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弘法大師空海が大同元年(806年)の修行で灯した火が起源と伝えられ、以来1200年燃え続けているとされています。ただし、これは宮島に古くから伝わる言い伝えです。
- 大茶釜のお湯は本当に飲めますか?
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これまではお堂にひしゃくと紙コップが用意され、自由に飲むことができました。万病に効くという言い伝えがありますが、医学的な効果を示すものではありません。
- 火災のあと、霊火堂は見られますか?
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2026年5月20日の火災でお堂は全焼したため、現在は見ることができません。再建の予定は2026年5月時点で発表されていません。訪問前に公式の最新情報をご確認ください。
- 消えずの火は火災で消えてしまったのですか?
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消えていません。火種は複数の場所で分けて管理され、別の場所に分灯されていたため、火そのものは無事に守られました。
まとめ|宮島・霊火堂と消えずの火
宮島・弥山の霊火堂は、弘法大師空海が灯したと伝わる「消えずの火」を1200年にわたって守り続けてきたお堂です。大茶釜の霊水や弥山七不思議など、見どころも豊富でした。
- 霊火堂は弥山にある大聖院のお堂で、ご本尊は不動明王
- 消えずの火は空海が806年に灯したと伝わる火
- 2026年5月20日に全焼したが、火そのものは分灯で無事
- 2005年にも全焼しており、そのつど火は守られてきた
お堂は焼けても、消えずの火は受け継がれています。再建の知らせを待ちながら、宮島と弥山の長い祈りの歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。









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