キッチンで毎日のように使うラップ。スーパーの棚に並ぶ「NEWクレラップ」と「サランラップ」を前にして、どちらを買えばいいのか迷ったことはありませんか。
価格もサイズもよく似ていて、パッケージの色以外に違いが見つけにくいのが正直なところです。実はこの2つ、フィルムの素材そのものは同じ種類。差が出るのは、意外にも「箱」の部分でした。
この記事では、NEWクレラップとサランラップの違いを、素材・耐熱温度・箱の構造・メーカーの4つの観点から整理します。どちらを選べばいいのか、使い方のタイプ別にも解説していきます。
NEWクレラップとサランラップの違いを一覧で比較
先に結論をお伝えすると、この2つの大きな違いは「箱と刃の構造」です。フィルムの素材や耐熱温度といった基本性能は、ほとんど変わりません。
| 比較項目 | NEWクレラップ | サランラップ |
|---|---|---|
| メーカー | クレハ | 旭化成ホームプロダクツ |
| フィルムの素材 | ポリ塩化ビニリデン | ポリ塩化ビニリデン |
| 耐熱温度 | 140℃ | 140℃ |
| 耐冷温度 | -60℃ | -60℃ |
| 電子レンジ | 使用可 | 使用可 |
| 刃の素材 | 植物由来のプラスチック | 金属(ブリキ) |
| 刃の形状 | V字型(クレハカット) | 直線状 |
| 巻き戻り防止 | フラップにニス加工 | フラップ構造 |
結論:素材と基本性能はほぼ同じ
どちらのラップも、フィルムにはポリ塩化ビニリデンという樹脂が使われています。頭文字をとってPVDCとも呼ばれる素材です。
この素材は、酸素や水分を通しにくい性質を持っています。そのため食品の乾燥を防いだり、においが移るのを抑えたりする用途に向いています。両者ともこの素材を採用しているため、包んだときの働きに大きな差は生まれません。
「クレラップは密着しない」「サランラップのほうが高性能」といったイメージを持っている方もいますが、フィルムの素材レベルでは同じ種類です。
違いが出るのは「箱」と「使い心地」
では何が違うのか。それは箱の設計と、刃の作りです。
NEWクレラップは刃がV字型になっており、中央から軽く切れる構造を採用しています。さらに刃そのものが植物由来のプラスチック製です。一方のサランラップは、金属製の刃を使った一般的な直線状のカッターを備えています。
切るときの感触、捨てるときの分別のしやすさ、ラップが箱に巻き戻ってしまったときのストレス。日々の使い心地を左右するのは、この箱まわりの差なのです。

素材と基本性能の違い
基本性能の面では、この2つに実質的な差はないと考えて問題ありません。メーカーが公表している数値を、順番に見ていきます。
どちらもポリ塩化ビニリデン(PVDC)製
家庭用ラップに使われる素材には、大きく分けて3つの系統があります。ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルです。
NEWクレラップとサランラップは、どちらもポリ塩化ビニリデンを採用しています。スーパーで見かける安価な「ポリラップ」などは、多くがポリエチレン製です。この素材の違いが、密着性や酸素を通しにくさの差につながっています。
- ポリ塩化ビニリデン:密着性が高く、酸素や水分を通しにくい。NEWクレラップ・サランラップが該当
- ポリエチレン:安価で軽い。密着性は控えめ。業務用や低価格帯に多い
- ポリ塩化ビニル:業務用スーパーの生鮮パックなどで使われる
耐熱温度・耐冷温度は同じ
メーカーの公表値では、どちらも耐熱温度が140℃、耐冷温度が-60℃です。電子レンジでの加熱にも、冷凍庫での保存にも対応しています。
ただし、耐熱140℃という数字には注意点があります。油分の多い食品を電子レンジで加熱すると、部分的に140℃を超えることがあるためです。カレーや揚げ物などを温め直すときは、ラップを食品に直接触れさせないよう、器のふちにかけるようにかぶせると安心です。
密着性・酸素バリア性の考え方
ポリ塩化ビニリデンは、器やお皿にぴたりと張りつく性質があります。この密着性のおかげで、切り口をふさいで乾燥を防ぐことができます。
また酸素を通しにくいため、包んだ食品が空気に触れる量を減らせます。冷蔵庫で保存するときに、においが移りにくいのもこの性質によるものです。両製品ともこの点は共通しており、使い分けを気にする必要はほとんどありません。
箱と刃の違い|使い心地を分けるポイント
ここが2つのラップを分ける最大のポイントです。同じフィルムでも、箱の設計思想はかなり違います。
NEWクレラップはV字の「クレハカット」+プラスチック刃
NEWクレラップの刃は、V字型に設計されています。クレハが「クレハカット」と呼ぶこの形状は、刃の中央にラップを押し当てることで、真ん中から左右へ切れていく仕組みです。
力を入れて一気に引く必要がないため、切り口がぐちゃぐちゃになりにくいのが特長といえます。刃の素材には植物由来のプラスチックが使われており、指が触れても傷つきにくい設計です。
サランラップの刃と箱の構造
サランラップは、金属製の刃を備えた一般的なカッター構造です。長年使われてきた形状で、慣れている方には扱いやすい設計といえるでしょう。
金属刃は薄く鋭いため、フィルムに引っかかりやすく、スッと切れる感覚があります。ただし刃の部分に指が触れると危ないので、小さなお子さんがいるご家庭では置き場所に気を配りたいところです。
巻き戻り防止・飛び出しガードの有無
ラップを使っていて地味に困るのが、切り口が箱の中に巻き戻ってしまう現象です。爪で端を探す作業は、忙しいときほどストレスになります。
NEWクレラップは、箱を閉じる2枚のフラップに特殊なニスを塗ることで、ラップが軽くくっついた状態を保つ工夫をしています。さらにロールが箱から飛び出すのを防ぐガードも備わっています。サランラップにもフラップによる押さえの構造はありますが、アプローチが異なります。

メーカー・サイズ・価格の違い
製造しているのは、それぞれ別の会社です。ラインナップの考え方にも少しずつ違いがあります。
クレハと旭化成ホームプロダクツ
NEWクレラップを製造しているのはクレハ。キッチン用品では「キチントさん」シリーズなども展開している化学メーカーです。
対するサランラップは、旭化成ホームプロダクツの製品です。同社は「ジップロック」や「クックパー」も手がけています。どちらも長く親しまれてきたブランドで、品質面での信頼性に差があるわけではありません。
幅・長さのラインナップ
家庭用としては、どちらも幅22cm前後と30cm前後を中心に、長さ違いのバリエーションが用意されています。小さめのミニサイズや、業務用の長尺タイプも選べます。
価格は販売店やタイミングで変動するため、一概にどちらが安いとは言えません。ドラッグストアの特売やまとめ買いによって、上下が入れ替わることもよくあります。
どっちを選ぶ?用途別の選び分け
基本性能が同じである以上、選ぶ基準は「自分がラップに何を求めるか」になります。3つのタイプに分けて整理しました。
電子レンジ加熱が多い人
結論から言えば、どちらを選んでも問題ありません。耐熱温度140℃という数値は共通しており、電子レンジ対応という点で差はないためです。
それよりも大切なのは使い方です。食品に密着させすぎず、ふんわりとかけること。油分の多いものは特に、ラップが直接触れないよう気をつけると安心して使えます。
一気に大量に使う人・切れ味重視の人
作り置きや下ごしらえでラップを何度も引き出す方は、切りやすさが効いてきます。
V字刃で中央から切れるNEWクレラップは、片手で押さえながら軽く切りたい場面に向いています。一方、金属刃のシャープな切れ味を好む方はサランラップが手になじむはずです。こればかりは好みの領域なので、一度両方使ってみるのが早道でしょう。
分別・捨てやすさを重視する人
使い切ったあとの処理を重視するなら、NEWクレラップに分があります。プラスチック製の刃は取り外しやすく、金属を外す手間がかかりません。
お住まいの自治体で刃の分別が求められている場合、この差は毎回の小さなストレスの違いになります。
- 切りやすさ・分別のしやすさ重視 → NEWクレラップ
- 金属刃の切れ味に慣れている → サランラップ
- とにかく安く使いたい → 特売やポリエチレン製も検討
- 基本性能で選ぶなら → どちらでも差はほぼなし

よくある質問
- NEWクレラップとサランラップ、体への安全性に違いはありますか?
-
どちらも食品衛生法の基準を満たした家庭用ラップとして販売されています。素材も同じポリ塩化ビニリデンのため、製品による差はありません。表示されている使用条件を守って使いましょう。
- 「サランラップ」は商品名ですか、一般名称ですか?
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サランラップは旭化成ホームプロダクツの登録商標です。日常会話でラップ全般を指して使われることもありますが、正式には特定の商品名にあたります。
- どちらのほうが密着しますか?
-
フィルムの素材が同じため、密着の仕組みに違いはありません。ただし包む対象の素材によって、張りつき方の感じ方は変わります。陶器やガラスにはよくつき、木製やざらついた面には密着しにくくなります。
- 電子レンジで溶けることはありますか?
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耐熱温度は140℃です。油分の多い食品を長時間加熱すると、部分的にこの温度を超えて変形する可能性があります。ラップを食品に直接触れさせず、器のふちにかけるようにすると避けやすくなります。
- 冷凍保存にはどちらが向いていますか?
-
耐冷温度はどちらも-60℃で、冷凍保存に対応しています。長期保存する場合は、ラップで包んだうえで保存袋に入れると、冷凍焼けを抑えやすくなります。
まとめ
NEWクレラップとサランラップの違いを整理してきました。最後に要点を振り返ります。
- フィルムの素材はどちらもポリ塩化ビニリデン(PVDC)で共通
- 耐熱温度140℃・耐冷温度-60℃も同じ。電子レンジ対応も共通
- 違いが出るのは箱と刃の構造
- NEWクレラップはV字刃と植物由来プラスチック刃を採用
- サランラップは金属刃によるシャープな切れ味
- メーカーはクレハと旭化成ホームプロダクツ
包む性能で選ぶなら、どちらでも大きな差はありません。毎日の使い心地や、捨てるときの手間で選ぶのが、いちばん納得のいく決め方です。
次にラップを買うときは、パッケージの裏側にある刃の素材表示をのぞいてみてください。これまで何気なく手に取っていた1本が、少し違って見えるかもしれません。

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