大阪の人気水族館「海遊館」といえば、多くの人がジンベエザメを思い浮かべるのではないでしょうか。世界最大の魚類であるジンベエザメは、海遊館の象徴的な存在として知られています。しかし、「海遊館にジンベエザメがいない」という情報を耳にしたことがある方もいるかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか?
この記事では、海遊館のジンベエザメの現状や歴史、展示されていない時期がある理由、そして海遊館ならではの魅力的な生き物についても詳しく解説します。ジンベエザメファンはもちろん、海遊館を訪れる予定の方にとって役立つ情報をお届けします。
海遊館にジンベエザメはいない?
結論から言うと、2025年4月現在、海遊館には2頭のジンベエザメが飼育展示されています。メスの「遊(ゆう)ちゃん」とオスの「海(かい)くん」です。ただし、「いない」という噂が広まる理由があります。
以前はいたけど今はいない?
海遊館では、ジンベエザメの展示は継続的に行われていますが、個体の入れ替えが定期的に行われています。現在飼育されているジンベエザメは、実は代々同じ名前を引き継いでおり、「遊ちゃん」は4代目、「海くん」は8代目になります。
直近では2024年10月に、海遊館で飼育していたオスのジンベエザメ「海くん」が太平洋へ放流され、代わりに高知県にある海遊館の研究所で飼育していた新しいオスのジンベエザメが「太平洋」水槽に搬入されました。このような入れ替えの時期には一時的にジンベエザメが1頭のみになることもあるため、「ジンベエザメがいない」という情報が広まることがあります。
展示されていない理由
海遊館でジンベエザメが一時的に展示されなくなる、あるいは頭数が減る主な理由は以下の通りです:
- 大きく成長したジンベエザメの放流:ジンベエザメは成長すると体長10~12m(最大20m)にもなります。海遊館の「太平洋」水槽は巨大ですが、あまりに大きくなったジンベエザメにとっては窮屈になるため、ある程度の大きさになると研究データを収集した後、自然の海に帰します。
- 生態研究のための放流:海遊館では北海道大学などと共同で、2011年からジンベエザメの回遊経路調査を実施しています。放流時にはジンベエザメに「衛星タグ(データロガー)」を装着し、海での行動を調査します。これは絶滅危惧種であるジンベエザメの保護・保全に繋げるための重要な取り組みです。
- 新たな個体の搬入準備期間:新しいジンベエザメを搬入する際には、水槽の調整や準備期間が必要な場合があります。
海遊館では、ジンベエザメを含む大型海洋生物の飼育・研究のために、高知県土佐清水市に「大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター」を設置しています。ここで健康管理や調査を行ったジンベエザメが海遊館に搬入されることがあります。
なぜ話題になるのか?
ジンベエザメは、その巨大な体と優雅な泳ぎで多くの人を魅了する海遊館の象徴的存在です。2025年現在、日本で2頭のジンベエザメが見られるのは海遊館だけという貴重性もあり、「ジンベエザメがいない」という情報はすぐに話題になります。
また、海遊館は開館当初からジンベエザメを展示しており、その歴史の長さから、多くの人にとってジンベエザメは海遊館の代名詞となっています。「太平洋」水槽で悠々と泳ぐジンベエザメの姿を一目見ようと訪れる方も多く、その存在の有無は大きな関心事なのです。
ジンベエザメは今どこに?
現在、海遊館の「太平洋」水槽ではメスの「遊ちゃん」とオスの「海くん」の2頭のジンベエザメが泳いでいます。しかし、過去に海遊館にいたジンベエザメたちはどこへ行ったのでしょうか?
他の水族館にいる可能性
海遊館から他の水族館にジンベエザメが移動することはあまり一般的ではありません。大型のジンベエザメを安全に輸送するには特殊な設備や技術が必要なためです。
ただし、海遊館の研究所である「以布利センター」に移されることはあります。ここで健康管理や調査を行ったジンベエザメが、再び海遊館に戻ってくることもあります。
自然界への放流例
海遊館では、大きくなったジンベエザメを自然に帰す取り組みを積極的に行っています。放流の際には、小型の記録装置(データロガー)を装着して、自然の海での回遊経路の調査を行うことがあります。
例えば、2024年10月には、全長5.9mまで成長した「海くん」に記録装置を装着して太平洋へ放流しました。このような取り組みは、まだまだ生態に謎が多いとされるジンベエザメの研究に貢献しています。
海遊館では、ジンベエザメが日本には春から秋にかけて来遊することは分かっていますが、どこから来てどこへ行くのかはまだ明らかになっていません。この謎を解明することが、絶滅危惧種に指定されているジンベエザメの保護・保全につながると考えています。
海遊館以外で見られる場所
2025年4月現在、日本でジンベエザメを観察できる水族館は以下の3か所です:
- 海遊館(大阪府):メスの「遊ちゃん」とオスの「海くん」の2頭を飼育展示。日本で唯一2頭のジンベエザメがいる水族館です。
- 沖縄美ら海水族館(沖縄県):オスのジンベエザメ1頭(ジンタ・体長8.8m)を飼育展示しています。
- いおワールドかごしま水族館(鹿児島県):水槽の深さが5mのため、ジンベエザメの体長が5.5mに達すると海に帰しています。
なお、石川県の「のとじま水族館」でも2匹のジンベエザメを飼育していましたが、2024年1月の能登半島地震で水族館の設備が被害を受け、残念ながら2頭とも亡くなってしまいました。
ジンベエザメは大きな水槽が必要で、飼育が難しい生き物です。各水族館の状況により展示状況が変わることがあるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
ジンベエザメは何匹いた?
海遊館では開館当初からジンベエザメを展示してきましたが、これまでに何匹のジンベエザメが飼育されてきたのでしょうか?
これまでの飼育記録
海遊館で最初に飼育されたジンベエザメはメスの「遊ちゃん」でした。その後、オスの「海くん」も加わりました。海遊館では代々同じ名前を受け継いでおり、2025年4月現在では、「遊ちゃん」は4代目、「海くん」は8代目となっています。
ジンベエザメは水族館で飼育されていた個体も、もともとは自然の海で生活していたものです。多くは定置網に偶然入り込んだ(迷入した)個体を保護して飼育されています。
例えば、2024年10月に搬入された現在の「海くん」は、同年7月に高知県土佐清水市の定置網に入網し、翌日に以布利センターに搬入されました。以布利センターでは餌付けや健康管理に伴うトレーニング、血液検査などを行い、状態が安定してから海遊館に搬入されました。
一度に何匹いたのか?
海遊館では基本的に「遊ちゃん」と「海くん」の2頭体制で展示を行っています。日本の水族館の中で2頭のジンベエザメを同時に見ることができるのは、2025年4月現在では海遊館だけです。
ただし、新しいジンベエザメの搬入時や放流前には一時的に3頭になることもあります。これは非常に貴重な光景で、訪れた人にとっては特別な体験となります。
展示履歴から見るジンベエザメの変遷
海遊館でのジンベエザメの展示は、自然環境と研究を重視した形で進化してきました。最初期には単に大型魚類の展示という側面が強かったものの、次第に保全や研究の要素が強くなっています。
特に2011年以降は北海道大学との共同研究として回遊経路調査を本格的に開始し、放流個体にデータロガーを装着するなど、科学的知見の収集に力を入れるようになりました。2023年には神戸大学・海洋政策科学部とも共同でジンベエザメに「カメラロガー」を装着する取り組みも始まっています。
このような変遷からは、単なる展示施設から研究機関としての側面を強化していく海遊館の姿勢が見て取れます。ジンベエザメの飼育を通じて得られるデータは、絶滅危惧種であるジンベエザメの保護に役立てられています。
海遊館にしかいない生き物とは?
海遊館は、ジンベエザメ以外にも貴重な生き物の飼育展示で知られています。その中でも、特に海遊館でしか見ることができない生き物はどのようなものがあるのでしょうか?
他の水族館では見られない特徴的な生き物
海遊館で最も特筆すべき「海遊館にしかいない生き物」としては、イトマキエイが挙げられます。イトマキエイは南日本から東シナ海、南シナ海、ハワイにかけて分布する大型のエイの仲間で、頭部の両端にある”糸巻きのような”頭ビレが特徴です。
イトマキエイは外洋で生活しているため、いつ、どこで見られるかわかっておらず、自然界でその生きた姿を観察する機会は多くありません。水族館での飼育例もほとんどなく、現在、長期飼育に成功し生態解明のためのデータ収集を行っている水族館は世界で海遊館のみとなっています。
また、2022年には世界初となるイトマキエイの妊娠を確認したことも発表されました。これはイトマキエイの生態解明において非常に重要な発見です。
その他にも、海遊館では独自の繁殖に成功した生き物がいます。2023年には、海遊館で繁殖した「タテスジトラザメ」「ヤッコエイ」「オヤビッチャ(スズメダイの仲間)」が、公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)より「初繁殖認定」を受けました。
飼育・展示が難しい理由
イトマキエイのような特殊な生き物の飼育が難しい理由はいくつかあります:
- 生態に関する情報の少なさ:外洋に生息する生き物は基本的な生態さえも解明されていないことが多く、適切な飼育環境を整えるための情報が限られています。
- 採集の困難さ:イトマキエイのように定置網への迷入が稀な種は、そもそも飼育するための個体を確保することが難しいです。
- 大型水槽の必要性:遊泳性が強い大型魚類は、それに見合った大きさの水槽が必要です。海遊館の「太平洋」水槽は深さ9メートル、水量約5,400トンという巨大な規模を誇りますが、このような設備を持つ水族館は世界的にも限られています。
- 輸送の難しさ:遊泳力の強い魚は輸送が非常に難しいです。海遊館ではイトマキエイの輸送のために、船の甲板に直径8mの大型水槽を設置するなどの工夫をしています。
飼育スタッフのこだわりと取り組み
海遊館では珍しい生き物の飼育・研究において、いくつかの重要な取り組みを行っています:
- 高知県での研究施設の運営:海遊館は高知県土佐清水市に「大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター」を設置しています。黒潮海流が接岸するこの地域は、研究対象となる大型海洋生物が定置網に迷入する可能性が高いためです。
- 地元漁業関係者との協力体制:地元の漁業関係者と密接に連携し、定置網に迷入した貴重な魚類の収集・研究を行っています。
- スペシャリストの育成:海遊館では長年にわたり大型魚類の飼育技術を蓄積し、専門知識を持ったスタッフを育成しています。特に健康管理のためのトレーニング技術は高度なものです。
- 研究機関との共同研究:北海道大学や神戸大学など研究機関と共同で調査研究を行い、科学的知見の収集と情報共有に努めています。
- 最新設備の導入:大型水槽や輸送システム、健康管理のためのモニタリング設備など、最新の技術を積極的に取り入れています。
これらの取り組みにより、海遊館は単なる展示施設ではなく、海洋生物の研究・保全において重要な役割を果たしています。「海にいる生き物を守るのは、海について知ることから始まる」という理念のもと、貴重な生き物を展示し、その生態を研究・公開しているのです。
海遊館の人気展示とおすすめルート
海遊館は約620種、3万点もの生き物が展示されている世界最大級の水族館です。広大な施設を効率よく回るためのルートと、見逃せないポイントを紹介します。
見逃せない注目ポイント
海遊館で特に人気の高い展示エリアは以下の通りです:
- 「太平洋」水槽:海遊館の中心に位置する深さ9メートル、水量約5,400トンの巨大水槽です。ジンベエザメはもちろん、世界で唯一展示されているイトマキエイ、アカシュモクザメなど多種多様な魚が泳いでいます。複数階にわたって観察できるので、さまざまな角度から楽しめます。
- 「海月銀河」(クラゲ展示):幻想的な雰囲気の中でクラゲたちがゆらゆらと泳ぐ姿は、多くの来館者を魅了します。ミズクラゲ、アカクラゲ、サカサクラゲなどさまざまな種類のクラゲを観察できます。
- 「モンタレー湾」エリア:カリフォルニア沿岸に生息するアシカやワモンアザラシを見ることができます。特に「ミゾレ」という名前のワモンアザラシは、その丸々とした体とかわいらしい仕草でSNSでも人気です。
- 「南極大陸」水槽:ペンギンが元気に泳ぐ姿を観察できます。雪が降る演出もあり、南極の環境を再現しています。
混雑を避ける回り方
海遊館は土日祝日や大型連休期間に混雑します。特に11時~15時の時間帯は来館者が多いので、この時間を避けるか、効率的に回るコツを押さえておくとよいでしょう。
- 開館直後に入館する:開館時間の10時(季節により変動あり)に合わせて入館すれば、比較的空いている時間帯に展示を楽しめます。
- 事前にeチケットを購入する:海遊館は日時指定制なので、eチケットを事前に購入しておくと、チケット窓口での待ち時間を短縮できます。
- 逆回りのルートで回る:多くの来館者は入口から時計回りに進みますが、反時計回りに進むと人の流れに逆らうため、やや混雑を避けられる場合があります。
- お食事タイムを狙う:お食事タイムの時間帯(ジンベエザメは毎日10時30分と15時)は多くの人がその展示に集まるため、他のエリアは比較的空いていることがあります。
海遊館公式サイトの「海遊館ニュース」では、毎月の混雑予想が公開されています。訪問計画を立てる際に参考にするとよいでしょう。
ジンベエザメ以外の見どころ
海遊館の見どころはジンベエザメだけではありません。以下のような楽しみ方もおすすめです:
- お食事タイム:海遊館では様々な生き物の「お食事タイム」が設けられています。ジンベエザメのほか、ペンギンやアシカなどの食事の様子を飼育員の解説付きで見学できます。これらは単なる給餌ではなく、健康管理のためのトレーニングも兼ねています。
- バックヤードツアー:有料・予約制ですが、通常は見ることのできない水槽の裏側を見学できるツアーが人気です。「太平洋」水槽では3種類のバックヤードツアーが行われており、ジンベエザメの餌やりを裏側から見ることもできます。
- 「夜の海遊館」:17時以降の「夜の海遊館」では、昼間とは異なる生き物たちの姿を観察できます。照明を落とした幻想的な雰囲気の中、ジンベエザメやイトマキエイがゆったりと泳ぐ姿は昼間とはまた違った魅力があります。
- 企画展・パネル展:海遊館では定期的に特別展示やパネル展が開催されています。海洋生物に関する最新の研究成果や、保全活動に関する情報などが展示されることがあります。
- オリジナルフード:館内のカフェでは「ジンベエソフト」や「ジンベエ弁当」など、海の生き物をモチーフにしたユニークなメニューを楽しめます。
所要時間は駆け足でも60分、ゆっくり観賞するには90分以上かかりますので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
水族館における大型魚の飼育事情
ジンベエザメのような大型魚を水族館で飼育することは簡単ではありません。さまざまな課題と対策があります。
ジンベエザメを飼うのが難しい理由
ジンベエザメを水族館で飼育することが難しい理由は主に以下の点です:
- 巨大な体サイズ:ジンベエザメは成魚になると体長10~12m(最大20m)にも達します。これほどの大きさの生き物を適切に飼育できる水槽は世界でも限られています。
- 成長の速さ:ジンベエザメは比較的速いペースで成長するため、水槽のサイズがすぐに不足する可能性があります。
- 生態に関する情報の少なさ:ジンベエザメは生態に謎が多い魚です。野生での繁殖方法はまだ完全には解明されておらず、寿命についても70~130年と諸説あります。適切な飼育環境を整えるための知見が不足しています。
- 絶滅危惧種としての配慮:ジンベエザメは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧種」に指定されています。展示目的だけでなく、保全や研究の観点からの取り組みが求められます。
水槽サイズと餌の問題
大型魚の飼育において最も重要な要素の一つが水槽のサイズです。海遊館の「太平洋」水槽は深さ9メートル、水量約5,400トンという巨大な規模を誇りますが、それでも自然界で自由に泳ぐジンベエザメに比べれば限られた空間です。
沖縄美ら海水族館では、ジンベエザメが海中で垂直になって捕食する習性を考慮して、水槽の深さを10mにしています。いおワールドかごしま水族館では、水槽の深さが5mのため、ジンベエザメの体長が5.5mに達すると海に帰すという方針を取っています。
また、餌の問題も重要です。ジンベエザメは主にプランクトンや小魚を食べます。特殊な食性に合わせた餌を継続的に確保し、適切な量と栄養バランスを維持することが必要です。海遊館でのジンベエザメのお食事タイムでは、ひしゃくでエサを流し込み、ジンベエザメが大量の海水と一緒に吸い込む様子が見られます。
ストレス軽減と健康管理の工夫
大型魚を健康に飼育するためには、ストレスの軽減と適切な健康管理が不可欠です。海遊館では以下のような工夫を行っています:
- 適切な水質管理:大型水槽では高度なろ過システムを導入し、常に最適な水質を維持しています。
- 健康管理のためのトレーニング:ジンベエザメに対して健康チェックなどのための特殊なトレーニングを行っています。このトレーニングは輸送時やデータ収集時にも役立ちます。
- 定期的な健康診断:血液検査などを通じて健康状態を常にモニタリングしています。
- 専門スタッフによるケア:大型魚の飼育に精通した専門スタッフが24時間体制で管理しています。
- 研究機関との連携:北海道大学など研究機関と連携し、最新の知見を飼育に活かしています。
- 他の生物との共生:「太平洋」水槽ではジンベエザメだけでなく、様々な魚を一緒に飼育し、より自然に近い環境を再現しています。
これらの取り組みにより、海遊館では長期間にわたってジンベエザメを健康的に飼育することに成功しています。また、飼育下でのデータを蓄積し、将来の保全活動に役立てています。
ジンベエザメに会いたい人向け情報
ジンベエザメに会いたい方のために、現在見られる水族館の情報やおすすめの施設について紹介します。
現在見られる水族館まとめ
2025年4月現在、日本でジンベエザメを観察できる水族館は以下の3か所です:
- 海遊館(大阪府)
- 飼育しているジンベエザメ:メスの「遊ちゃん」とオスの「海くん」の2頭
- 見どころ:深さ9メートル、水量約5,400トンの「太平洋」水槽で、2頭のジンベエザメが泳ぐ姿を観察できます。日本で唯一2頭のジンベエザメを同時に見られる水族館です。
- お食事タイム:毎日10時30分と15時
- 沖縄美ら海水族館(沖縄県)
- 飼育しているジンベエザメ:オスのジンベエザメ1頭(ジンタ・体長8.8m)
- 見どころ:水量7,500立方メートルの「黒潮の海」大水槽で、ナンヨウマンタと一緒に泳ぐ姿が観察できます。水槽の深さは10mあり、ジンベエザメが垂直になって捕食する姿も見られます。
- いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)
- 飼育しているジンベエザメ:「ユウユウ」という名前のジンベエザメ(2019年に捕獲された10代目)
- 見どころ:「黒潮大水槽」でジンベエザメの泳ぐ姿を観察できます。水槽の深さが5mのため、体長が5.5mに達すると海に帰す方針を取っています。
- お食事タイム:毎日10時15分から
水族館での展示状況は変更される場合があります。訪問前に各水族館の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
時期限定の特別展示情報
ジンベエザメ自体の特別展示はあまり多くありませんが、以下のような関連イベントが行われることがあります:
- バックヤードツアー:海遊館では「太平洋」水槽のバックヤードを見学できる特別ツアーを実施しています。ジンベエザメの餌やりを裏側から見ることができるプログラムもあります。事前予約制で、別途料金がかかります。
- 研究成果の展示:海遊館では定期的にジンベエザメの研究成果を紹介するパネル展などを開催しています。
- 季節限定イベント:夏休みなどの長期休暇期間中に、ジンベエザメをテーマにしたイベントが開催されることがあります。
各水族館の公式サイトやSNSをチェックすると、最新のイベント情報を入手できます。
国内外のおすすめ水族館
ジンベエザメ以外にも魅力的な展示がある国内外の水族館を紹介します:
- 海遊館(大阪府):ジンベエザメだけでなく、世界で唯一イトマキエイの展示に成功している水族館です。「太平洋」水槽を中心に14の大水槽があり、約620種、3万点もの生き物を観察できます。
- 沖縄美ら海水族館(沖縄県):「黒潮の海」大水槽ではジンベエザメとナンヨウマンタが一緒に泳ぐ姿を観察できます。巨大アクリルパネルからの眺めは圧巻です。
- アトランタ水族館(アメリカ):世界最大級の水族館で、複数のジンベエザメを飼育しています。海洋生物の保全と研究にも力を入れています。
- ジョージア水族館(アメリカ):アメリカ最大の水族館で、複数のジンベエザメを含む多様な海洋生物を展示しています。
- SEAアクアリウム(シンガポール):東南アジア最大の水族館で、ジンベエザメやマンタなど大型魚の展示も充実しています。
これらの水族館は、単に珍しい生き物を見せるだけでなく、海洋環境の保全や研究活動にも積極的に取り組んでいます。訪問の際には、展示だけでなく、それらの取り組みにも注目してみてください。
まとめ
この記事では、海遊館のジンベエザメに関する様々な情報を紹介してきました。主なポイントを振り返ってみましょう:
- 2025年4月現在、海遊館にはメスの「遊ちゃん」(4代目)とオスの「海くん」(8代目)の2頭のジンベエザメが飼育展示されています。
- 「海遊館にジンベエザメがいない」という情報が広まる理由は、定期的な入れ替えや研究目的の放流があるためです。
- 海遊館では、大きくなったジンベエザメを海に帰す取り組みを行っており、放流時には記録装置を装着して回遊経路の調査も実施しています。
- 日本でジンベエザメを観察できる水族館は、海遊館(大阪府)、沖縄美ら海水族館(沖縄県)、いおワールドかごしま水族館(鹿児島県)の3か所です。
- 海遊館は、世界で唯一イトマキエイの飼育展示に成功している水族館として、他の水族館にはない特色があります。
- 海遊館でジンベエザメを見るなら、お食事タイム(毎日10時30分と15時)がおすすめです。この時間帯にはジンベエザメが口を大きく開けて餌を食べる様子を観察できます。
- ジンベエザメのような大型魚の飼育には、適切な水槽サイズ、水質管理、健康管理など様々な課題と工夫があります。
海遊館は単なる展示施設ではなく、海洋生物の研究・保全にも積極的に取り組んでいます。特にジンベエザメやイトマキエイなど、生態に謎が多い大型魚類の研究は、将来の海洋環境保全において重要な役割を果たすでしょう。
ジンベエザメをはじめとする海の生き物たちに会いに、ぜひ海遊館を訪れてみてください。その巨大な姿と優雅な泳ぎは、きっと忘れられない感動を与えてくれるはずです。
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