【小学生の国語】物語文の読解が苦手でも大丈夫!登場人物の気持ちを読み解く3つのステップ

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「国語の物語文って、登場人物が何を考えているのか全然わからない…」
「長い文章を読んでいると、途中で何が書いてあったか忘れちゃう…」
「テストで読解問題をいつも間違えて、点数が伸びなくて困ってる…」

小学生のお子さんがいるご家庭では、こんな悩みをよく聞きます。読書が好きな子にとっては楽しい物語文でも、苦手意識を持っている子には、長くて退屈な文章に見えてしまうんですよね。

でも大丈夫です。安心してください。
物語文の読解って、実はスポーツやゲームと同じで、明確な「コツ」や「攻略法」があるんです。

この記事では、国語の物語文が苦手な小学生のみなさんと保護者の方に向けて、「どうして物語文が読めないのか」という原因をしっかり分析した上で、明日からすぐに使える具体的な読み方、そしてテストで実際に点数が取れる問題の解き方まで、できるだけわかりやすく説明していきます。

難しい専門用語は使いません。この記事を親子で一緒に読んでいただければ、「物語文って、思ったより簡単かも!」って感じてもらえるはずです。それでは、苦手を得意に変えていく第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

目次

どうして物語文が読めないの?小学生が引っかかりやすい3つの「つまずきポイント」

やみくもに問題集をたくさん解く前に、まず「どうしてうちの子は物語文が苦手なんだろう?」という原因を見つけることが何より大切です。実は、つまずいている理由のほとんどは、次の3つのパターンのどれかに当てはまるんです。

1. 登場人物に「入り込みすぎてしまう」

感受性が豊かなお子さんによく見られるのが、物語の世界に深く入り込みすぎてしまって、登場人物と自分を重ねてしまうパターンです。

「もし自分だったら絶対こうするのに」「こんなひどいこと言うなんて許せない!」というふうに、自分自身の気持ちで物語を読んでしまうんですね。その結果、問題で聞かれている「本文に書かれている登場人物の気持ち」とは違う答えを選んでしまうことになります。

共感力があるのは素晴らしいことなんですが、テストでは「自分の気持ち」ではなく「文章に書かれている登場人物の気持ち」を読み取る必要があります。

2. 「事実」と「気持ち」がごちゃ混ぜになってしまう

物語文は、「太郎くんが公園に行った」みたいな客観的な事実(出来事)と、「太郎くんはワクワクしていた」みたいな主観的な気持ち(心情)の2つの要素で作られています。

読解が苦手な子は、この2つをきちんと分けずに読んでしまうため、頭の中が混乱してしまうんです。「何が起きて、それによってどんな気持ちになったのか」を区別しながら読む意識を持つことが、まず第一歩になります。

3. 長い文章の途中で「迷子」になってしまう

物語文は、説明文とは違って、時間や場所がどんどん変わっていきます。

「さっきまで教室のシーンだったのに、気づいたら帰り道になってる…」
「この『Aさん』って、そういえば誰のことだったっけ…?」

こんなふうに、物語の流れについていけなくなって、文章の途中で自分がどこを読んでいるのかわからなくなってしまう。これも、よくあるつまずきの原因です。

【準備編】まずはここから!読解力がぐんと上がる「読み方」の基礎

本格的なテクニックに入る前に、物語文を読むときの「姿勢」をちょっとだけ変えてみましょう。たったこれだけの工夫でも、文章の内容が驚くほど頭に残るようになるんです。

鉛筆を持って「しるし付け」を習慣にしてみよう

国語のテストでは、問題用紙に書き込みをしてもOKなんです。これを活用しない手はありません。ただ目で文字を追うだけじゃなくて、鉛筆を動かしながら「しるし」をつけて読む習慣をつけてみましょう。

しるしをつけることで、文章の構造が見た目でわかりやすくなりますし、後から問題を解くときにも、答えの根拠になる部分をパッと見つけられるようになります。

じゃあ具体的にどこにしるしをつけるのか?それは次の「自分ルール」を作ることで、もっと楽しくなりますよ。

「自分ルール」を作ると、読解がゲームみたいになる!

どんなしるしをつけるかに、絶対的な正解はありません。お子さん自身が「これだとわかりやすい!」と思える、自分だけのルールを作ってみてください。ゲーム感覚で取り組むと、続けやすくなります。

登場人物の名前が出てきたら → 丸で囲む
時間・場所・季節を表す言葉が出てきたら → 四角で囲む
気持ちを表す言葉(うれしい、悲しい、くやしいなど)が出てきたら → 波線を引く
出来事(物語が大きく動くきっかけ)が起きたら → かっこでくくる
会話文「 」の中で、重要だと思ったセリフ → 直線を引く

最初は「面倒くさいな」って思うかもしれませんが、これが習慣になると、読解のスピードも正確さも飛躍的にアップします。

【基本ステップ編】登場人物の気持ちはここに隠れてる!心情を見つける「3つの鍵」

準備ができたら、いよいよ物語文の核心部分、「登場人物の気持ち」を読み解くための具体的な3つのステップ(鍵)に進んでいきましょう。この3つを押さえれば、物語文の見え方が変わってきます。

鍵(1):「出来事」の前後で気持ちは動いている

物語の中で登場人物の気持ちは、必ず何かの「出来事」をきっかけにして変わります。これは物語文における絶対のルールです。

出来事 → 気持ちの変化

このシンプルな流れは、すべての物語に共通する基本の型なんです。たとえば、

友達とケンカした(出来事) → 悲しくなった(気持ちの変化)
テストで100点をとった(出来事) → とてもうれしかった(気持ちの変化)
犬が病気になった(出来事) → 心配になった(気持ちの変化)

文章を読むときは、いつも「何か事件が起きたぞ。じゃあこの後、登場人物の気持ちはどう変わるんだろう?」って予測しながら読み進めるのがコツです。

鍵(2):気持ちは「言葉」だけじゃなく、いろんなところに表れている

国語が苦手な子は、「うれしい」「かなしい」みたいな直接的な言葉がないと、気持ちが読み取れないって思いがちです。

でも実は、上手な物語ほど、気持ちは直接的な言葉じゃなくて、登場人物の「表情」「行動」「セリフ」、そして周りの「情景」を通して表現されているんです。これらは気持ちを見つけるための、すごく重要なヒントなんですね。

表情の例:「顔が真っ赤になった」「唇をぎゅっと噛んだ」「空を見上げた」
行動の例:「うつむいて、とぼとぼと歩いた」「ガッツポーズをした」「ドアを強く閉めた」
セリフの例:「……別に」「やったあ!」「なんで、そんなこと言うんだよ!」
情景の例:「冷たい雨が降り始めた」「夕焼けが空を真っ赤に染めていた」「桜の花びらが舞っていた」

こういった描写を見つけたら、「これって、どんな気持ちを表してるんだろう?」って立ち止まって考える習慣をつけてみましょう。慣れてくると、言葉にされていない気持ちまで読み取れるようになりますよ。

鍵(3):「どうして?」と問いかける習慣をつける

気持ちの変化とその根拠が見つかったら、最後にもう一歩踏み込んで「どうして、そんなふうに感じたんだろう?」と理由を考えてみましょう。

どうして、悲しくなったの? → 友達にひどいことを言ってしまったから。
どうして、うれしかったの? → 毎日がんばって勉強した成果が出たから。
どうして、心配になったの? → いつも元気な犬がぐったりしているから。

この「どうして?」を考える習慣が、文章を深く理解する力、つまり本当の意味での「読解力」につながっていきます。表面的に読むのではなく、なぜそうなったのかという因果関係を意識することが大切なんです。

【実践問題編】テストで確実に点が取れる!問題タイプ別の攻略法

基本の3ステップをマスターしたら、いよいよテスト本番で使える実践的なテクニックです。物語文の問題には、いくつかの決まったパターンがあります。それぞれのタイプごとに「どこを見ればいいか」を知っておけば、もう迷うことはありません。

タイプ(1):「~というときの登場人物の気持ちを答えなさい」

最も頻繁に出題される、心情理解を問う問題です。このタイプの問題は配点も高いことが多いので、確実に押さえておきましょう。

まず、問題で指定された傍線部(「~というとき」)の直前か直後を探します。
「うれしい」「くやしい」といった直接的な気持ちの言葉がないかチェックします。
もし直接的な言葉がなければ、「表情」「行動」「セリフ」「情景」から気持ちを推測します。
答えは必ず本文中にあるので、自分の想像や経験で答えないように注意しましょう。

タイプ(2):「なぜ~と感じたのですか。理由を説明しなさい」

気持ちの「理由」を問う問題です。これも頻出パターンですね。

まず、「~と感じた」という気持ちの部分を確認します。
次に、その気持ちが生まれたきっかけとなる「出来事」を探します。気持ちが動くのは、必ず出来事の後でしたよね。
その「出来事」が、理由の答えになります。
「~だから。」「~のため。」という形で答えられるように、文章を整理しましょう。

タイプ(3):「登場人物はどのような性格ですか」

物語全体を通して、登場人物の人物像を問う問題です。部分的な読み取りではなく、全体を見る必要があります。

これは一部分だけ読んでも解けません。物語全体の「行動」や「セリフ」がヒントになります。
しるし付けでチェックした、その登場人物の行動やセリフを最初から見返してみましょう。
「いつも友達を助けている」→「やさしい性格」
「一度決めたことは、最後までやり通している」→「意志が強い性格」
このように、具体的な行動を根拠にして性格を判断します。

タイプ(4):「~とは、どのような様子ですか」

情景描写を問う問題です。登場人物の気持ちと密接に関係していることが多いんです。

傍線部に含まれる言葉の意味を考えます。(例:「しんと静まり返った教室」)
その様子が、登場人物のどんな気持ちを表しているのかを考えます。
(例)「しんと静まり返った教室」は、テスト前の「緊張感」や、ケンカの後の「気まずい雰囲気」などを表しているかもしれません。前後の文脈から判断しましょう。

タイプ(5):「『これ』『その』が指す内容を答えなさい」(指示語問題)

「こそあど言葉」とも呼ばれる、指示語の問題です。これは比較的簡単なサービス問題なので、確実に得点したいところです。

答えは、指示語の「すぐ前」にあることがほとんどです。
指示語を、前にある言葉や文に置き換えてみて、意味が通じるか確認します。
(例)「太郎くんは新しい自転車を買ってもらった。それは真っ赤な色をしていた。」
「それ」を「新しい自転車」に置き換えると、「新しい自転車は真っ赤な色をしていた。」となり、意味が通じます。だから答えは「新しい自転車」です。

これだけは絶対ダメ!読解問題で避けるべき失点パターン

最後に、どんなに読解力がついても、これをやってしまうと点数を失ってしまうという注意点をお伝えします。意外とやってしまいがちなので、気をつけてくださいね。

自分の意見や想像で答えてしまう

国語の読解問題の答えは、すべて本文の中に書かれています。これは絶対に覚えておいてください。
「私ならこう思う」「普通はこうでしょ」といった、自分の意見や想像は一切必要ありません。あくまで、本文に書かれていることを根拠にして答える、という鉄則を必ず守りましょう。

読解問題は「あなたの考え」を聞いているのではなく、「本文に書かれている内容を正しく読み取れているか」を確認しているんです。

問題文の指示を読み飛ばしてしまう

「十字以内で書きなさい」「本文中からそのまま抜き出しなさい」といった問題文の指示をよく読まずに答えてしまうのは、本当にもったいない失点です。特に字数制限や「書き抜き」の指定は、答える前に必ず指で確認するくらいの慎重さが必要です。

内容は合っているのに、指示を守らなかったために減点されるのは悔しいですよね。問題を解く前に、「何を聞かれているのか」「どう答えればいいのか」をしっかり確認する習慣をつけましょう。

もっと国語を得意にするために(保護者の方へ)

ご家庭での少しの工夫が、お子さんの読解力をさらに伸ばすきっかけになります。特別な教材を買わなくても、日常生活の中でできることがたくさんあるんです。

日常の会話で「どうしてそう思ったの?」と聞いてみる

テレビを見たり、本を読んだりした後に、「今の登場人物、どうしてあんなことしたんだと思う?」と、理由を尋ねる質問をしてみてください。自分の考えを言葉にする練習が、自然と読解力のトレーニングにつながっていきます。

正解・不正解を求めるのではなく、「そう考えたんだね」と受け止めてあげることで、お子さんも安心して自分の考えを話せるようになります。

短い物語からでOK!親子で音読してみよう

文章を読むのが苦手なお子さんには、まず「音読」がおすすめです。声に出して読むことで、目で文字を追うだけよりも内容が頭に入りやすくなります。親子で一行ずつ交互に読むなど、ゲーム感覚で取り組むと楽しく続けられますよ。

最初は教科書の短い物語や、絵本から始めても大丈夫です。大切なのは「楽しく続けること」です。

焦らず、長い目で見守る姿勢を大切に

読解力は、計算問題のようにすぐに成果が出るものではありません。今日お伝えした方法を試しても、すぐには結果に表れないかもしれません。
でも、正しい方法でトレーニングを続ければ、必ず力はついてきます。焦らず、お子さんのがんばりを認めて、長い目で見守ってあげてください。

「前よりも丁寧に読めるようになったね」「しるし付け、上手になったね」といった、小さな成長を褒めてあげることが、お子さんのやる気につながります。

まとめ

今回は、小学生が物語文の読解を得意にするためのコツやステップを詳しく解説しました。ポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

準備段階では、鉛筆で「しるし」をつけながら読む習慣をつけることが大切です。自分だけのルールを作ると、読解がゲームのように楽しくなります。

基本ステップでは、「出来事→気持ちの変化」という流れを意識すること、そして気持ちが隠れている「表情・行動・セリフ・情景」に注目することを覚えておきましょう。

実践では、問題のタイプ別に探し方のコツを知ることで、効率的に答えを見つけられるようになります。

そして注意点として、答えは必ず本文から探すこと、自分の想像で答えないこと、問題文の指示をしっかり確認することを忘れないでください。

物語文は、登場人物の気持ちに寄り添いながら、その変化の理由を解き明かしていく、まるで謎解きのようなワクワクする分野です。
この記事が、お子さんの「国語って、楽しいかも!」「物語文って、わかるようになってきた!」のきっかけになれば、これほどうれしいことはありません。

最初は難しく感じるかもしれませんが、今日ご紹介した方法を少しずつ実践していけば、必ず読解力は伸びていきます。焦らず、楽しみながら、一歩ずつ進んでいきましょう!

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