夏の気配を感じ始めると、職場や友人同士で「今年も暑気払いをやろうか」という話題が出てきます。でも、いざ幹事を任されると「暑気払いって普通の飲み会と何が違うの?」「いつ開催すればいいの?」「納涼会とはどう違うの?」と迷ってしまうものです。
暑気払い(しょきばらい)とは、夏の暑さや、それによる体のだるさ・食欲不振などの不調を追い払い、元気に夏を乗り切るための日本の伝統的な習わしです。現在は「夏の飲み会」を指すことが多く、開催時期は6月下旬〜8月上旬が目安。似た言葉の「納涼会」は“暑さの盛りに涼む”会で、暑気払いより少し後(7月中旬〜8月下旬)に開かれる傾向があります。
この記事では、暑気払いの意味から、混同されやすい納涼会との違い、開催に最適な時期の決め方、当日の過ごし方までをわかりやすく整理しました。幹事の実務(案内メール・挨拶・司会)については、それぞれ専門の記事にリンクを張っていますので、必要な部分だけ読み進めてください。
暑気払いとは?意味をわかりやすく解説
「暑気払い」という言葉を分解すると、その意味がよく分かります。暑気(しょき)は単なる「夏の暑さ」だけでなく、厳しい暑さによって引き起こされる体のほてり・疲労感・食欲の減退・だるさといった心身の不調も含みます。そして「払い」は、それらを追い払い、取り除くという意味です。
つまり暑気払いとは、これから迎える本格的な夏の暑さに備えて、さまざまな工夫で心身の熱を冷まし、元気に夏を乗り切るための知恵を指します。現在では「夏場の飲み会」というイメージが定着していますが、本来はもっと幅広く、体を冷やす季節の食べ物を味わったり、涼しい場所で過ごしたりすることも立派な暑気払いの一つです。
江戸時代から続く暑気払いの歴史
暑気払いの歴史は古く、江戸時代にはすでに庶民の間で広く行われていました。当時の人々は、薬草を調合した飲み物や体を冷やす食べ物を口にすることで、夏の暑さによる体調不良を予防していたといわれます。冷房設備のなかった時代、自然の恵みと知恵で暑さと向き合った精神が、現代の職場や地域での暑気払いという形で受け継がれているのです。
暑気払いと納涼会の違いとは?
暑気払いとよく似た言葉に「納涼会(のうりょうかい)」があります。どちらも夏のイベントですが、目的と開催のタイミングに違いがあります。この違いを理解しておくと、どちらの名称で企画すべきかが明確になります。
| 項目 | 暑気払い | 納涼会 |
|---|---|---|
| 目的 | これから来る暑さを打ち払う(予防的・積極的) | 夏の盛りの暑さをしのぎ涼む(対処的・情緒的) |
| 時期の目安 | 夏本番の前〜盛夏(6月下旬〜8月上旬) | 暑さがピークの頃〜晩夏(7月中旬〜8月下旬) |
| 雰囲気 | 「夏を乗り切るぞ」という活気あるイメージ | 「夕涼み」など、風流で落ち着いたイメージ |
| 言葉のニュアンス | 夏への準備・対策 | 夏の暑さからの一時的な癒やし |
納涼会の司会・進行の具体的な流れや台本例については、こちらの記事で詳しく解説しています。

暑気払いの時期はいつ?開催タイミングの決め方
暑気払いを開催すると決まったら、次に迷うのが「いつ開催するか」です。結論から言うと、暑気払いの時期は6月下旬から8月上旬ごろが目安です。カレンダーで厳密に決められたルールはありませんが、本来の目的が「これから訪れる暑さを乗り切る準備」であることを考えると、本格的な夏の前から真夏にかけての開催が自然です。
企業では、夏季休暇に入る前のタイミングで、社員の結束を深める目的で開催されるケースが多く見られます。暑さが本格化する前に体調管理の意識を高める、という意味合いもあります。
二十四節気を参考にすると「夏至〜処暑」
より趣のある日程選びをしたいなら、季節の移ろいを表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」を参考にするのがおすすめです。暑気払いにふさわしいとされるのは、夏至(げし)から処暑(しょしょ)までの約2か月間です。
- 夏至(2026年は6月21日)…一年で最も昼が長い日。本格的な夏の到来を告げる節目で、ここから暑気払いを意識し始めると季節感のある計画になります。
- 処暑(例年8月23日ごろ)…「暑さが峠を越えて後退し始める時期」。この頃までに開催すれば、「夏を乗り切った」という達成感も味わえます。
梅雨明けの時期も日程調整の目安になる
暑気払いは必ずしも梅雨明けを待つ必要はありませんが、じめじめした雨の日より、カラッと晴れた日に開催したいという方は多いものです。参考として、気象庁が公表している各地域の平年の梅雨明け時期を挙げます。年によって大きく変動するため、企画時には最新の気象情報を必ず確認してください。
| 地域 | 平年の梅雨明け(目安) |
|---|---|
| 沖縄 | 6月下旬ごろ |
| 九州南部 | 7月中旬ごろ |
| 九州北部・四国・中国・近畿・東海・関東甲信 | 7月19日ごろ |
| 北陸・東北南部 | 7月下旬ごろ |
| 東北北部 | 7月末ごろ |
多くの地域では7月下旬に梅雨が明ける傾向にあります。参加者の気分を盛り上げるためにも、梅雨明け予報をチェックしながら、晴天が期待できる日を狙って日程を組むのも効果的です。
暑気払いでは何をする?定番の楽しみ方
暑気払いの本質は、夏の暑さを和らげ、心身を整える工夫をすることです。昔ながらの食事を中心とした楽しみ方から、飲み会以外のアイデアまで、幅広く紹介します。
体を内側から冷やす、暑気払いの定番グルメ
暑気払いでは、体にこもった熱を冷ましたり、夏バテ予防に必要な栄養を補ったりする食べ物・飲み物が古くから親しまれています。お店選びやメニュー決めの参考にしてください。
| 種類 | 代表例 | ポイント |
|---|---|---|
| 旬の夏野菜・果物 | きゅうり・なす・トマト・ゴーヤ・スイカ・メロン | 水分が多く、体の熱を逃がしやすい。ビタミン・ミネラルも補給できる |
| のどごしの良い麺類 | そうめん・冷やし中華・冷たい蕎麦 | 食欲が落ちる夏でも食べやすい。ミョウガ・大葉など薬味を添えると◎ |
| スタミナ料理 | 豚肉の冷しゃぶ・うなぎの蒲焼き | ビタミンB群が豊富で、夏バテで失われがちな体力を補える |
| 冷たい飲み物 | ビール・麦茶・冷酒・ラムネ | キンキンに冷やして。夏の風情を感じられる定番 |
飲み会だけじゃない、多様な暑気払いのスタイル
暑気払いは、お酒を飲む宴会だけに限られるものではありません。シーンや参加者に合わせて、さまざまな楽しみ方があります。
屋外でアクティブに楽しむなら、ビアガーデンでの乾杯、河原でのバーベキュー、自宅の庭での流しそうめんなどが定番。地域の縁日や花火大会に浴衣で出かけるのも、風情ある粋な暑気払いです。
庭でのバーベキューを考えている方は、近所迷惑にならない準備のポイントもチェックしておくと安心です。

職場では、夜に全員が集まるのが難しくても工夫できます。ランチタイムにうな重やスタミナ弁当をみんなで味わったり、上司からアイスクリームやかき氷を差し入れたりするだけでも、立派な暑気払いになります。一人でゆっくり過ごすなら、風鈴を吊るす・玄関先に打ち水をする・お風呂にハッカ油を数滴垂らすといった方法で、手軽に涼を感じられます。
💡 ハッカ油は市販のスプレーを使うほか、自分で作ることもできます。作り方や選び方はこちらで解説しています。

会社の暑気払い、幹事が準備すること
会社の暑気払いで幹事を任されたら、企画から当日の運営まで計画的に準備することが成功の鍵です。ここでは要点だけを整理します。案内メールの文例や当日の挨拶・司会の台本といった実務は、専門の記事にまとめていますので、そちらも合わせてご覧ください。
お店選びで押さえるポイント
暑気払いの満足度は、会場となるお店選びで大きく左右されます。「美味しそう」だけでなく、次の観点で検討しましょう。
- 参加人数と個室…予想人数を収容でき、周りを気にせず盛り上がれる個室・半個室があるか。大人数なら早めの予約が必須
- アクセス…参加者が集まりやすく、帰宅も便利な場所か。地図URLを案内に載せると親切
- 予算に見合うコース…会費に見合う内容か。飲み放題の有無、料理の品数・ボリュームを確認
- アレルギー・食事制限への対応…事前に参加者へ確認し、お店と打ち合わせておくと当日のトラブルを防げる
案内メール・挨拶・司会は専門記事へ
お店が決まったら、参加者への案内メールを作成します。件名は一目で内容が分かるように(例:【〇〇部】暑気払い開催のお知らせ)、本文には時候の挨拶と開催趣旨、日時・場所・会費を「記書き」でまとめ、出欠の期日と連絡方法を明記するのがコツです。
当日は幹事が進行役を兼ねることも多いもの。開会・乾杯・中締め・閉会それぞれの挨拶や、スムーズな司会進行の台本は、次の2記事で立場・シーン別に詳しく紹介しています。事前に目を通しておけば、当日も慌てずに済みます。


暑気払いの服装マナーと基本のエチケット
幹事だけでなく、参加者全員が知っておきたい服装のマナーとエチケットも押さえておきましょう。
- 服装…社内だけの気軽な会ならクールビズ(ノージャケット・ノーネクタイ)でOK。ホテルや格式の高い店、社外の方が参加する場合はジャケットを持参すると安心。何より清潔感を第一に
- 会費の支払い…お釣りが出ないよう、ぴったりの金額を用意するのが基本のマナー。ポチ袋や封筒に入れて渡すとより丁寧
- 席次…入り口から遠い席が上座、近い席が下座。役職の高い方から上座に座っていただくのが一般的だが、場の雰囲気に応じて柔軟に
- ふるまい…「無礼講」と言われても会社の公式イベント。特定の人だけで固まらず幅広く交流し、飲み過ぎや羽目を外しすぎには注意する
暑気払いのよくある質問
- 暑気払いとはどういう意味ですか?
-
夏の暑さや、それによる体のだるさ・食欲不振などの不調を追い払い、元気に夏を乗り切るための日本の伝統的な習わしです。現在は「夏の飲み会」を指すことが多いですが、体を冷やす食べ物を味わうことなども含まれます。
- 暑気払いはいつ開催するのがベストですか?
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6月下旬から8月上旬ごろが目安です。厳密なルールはありませんが、本格的な夏を迎える前から真夏にかけての開催が自然です。二十四節気では夏至(6月21日ごろ)から処暑(8月23日ごろ)までが目安になります。
- 暑気払いと納涼会はどう違うのですか?
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暑気払いは「これから来る暑さを打ち払う」予防的な会で、納涼会は「夏の盛りの暑さをしのいで涼む」情緒的な会です。時期も暑気払いのほうがやや早めです。ただしビジネスの場ではほぼ同じ意味で使われることも多く、厳密な区別は必要ありません。
- 暑気払いでは何を食べたり飲んだりするのが定番ですか?
-
きゅうりやスイカなど水分の多い夏野菜・果物、そうめんや冷やし中華などのどごしの良い麺類、うなぎや冷しゃぶといったスタミナ料理が定番です。飲み物はビールや麦茶、冷酒などキンキンに冷えたものが好まれます。
まとめ:暑気払いで夏を元気に乗り切ろう
暑気払いは単なる飲み会ではなく、夏の暑さを打ち払い、みんなで元気に乗り切るための日本の知恵です。開催時期は6月下旬から8月上旬が目安で、旬の食材やスタミナ料理で夏バテを予防するのが本来の目的。納涼会とは「予防か涼みか」というニュアンスの違いがありますが、実際にはほぼ同じ意味で使われます。
幹事は、お店選び・案内メール・当日の挨拶や司会を計画的に準備することが成功の鍵。参加者もTPOに合った服装とマナーを心得て、全員で楽しい会を作りましょう。この記事を参考に、心に残る暑気払いで最高の夏のスタートを切ってください。

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