日頃お世話になっている上司に暑中見舞いを出したい。でも、宛名の書き方や言葉づかいで失礼にならないか不安になりますよね。
結論からいうと、上司への暑中見舞いは「立秋の前日までに届ける」「役職+氏名+様で宛てる」「感謝と相手を気づかう言葉で結ぶ」の3点を押さえれば十分です。はがきが基本ですが、職場の慣習によってはメールでもかまいません。
この記事では、送り先の選び方から、上司に使うと失礼になりやすい言葉、関係別の例文、上司から届いたときの返し方までをまとめました。
上司に暑中見舞いを送る前に決めておきたいこと
書き始める前に、「送るかどうか」「どの手段で、どこへ送るか」「いつまでに届けるか」の3つを決めておくと迷いません。
先に結論をまとめると、職場に出す習慣があるなら、はがきで7月中に届くように送るのが無難です。習慣がなければ無理に出さず、上司から届いたときに返事をすれば困ることはありません。迷っているうちに7月が終わりそうなら、立秋のあとに残暑見舞いとして出す方法もあります。それぞれの判断のしかたを、順番に見ていきましょう。
送るかどうかは職場の慣習で判断してよい
暑中見舞いは義務ではないので、出さなくても失礼にはあたりません。会社によっては、年賀状などの季節の挨拶状を社内では控える方針をとっているところもあります。
迷ったときは、同じ部署の先輩に「上司に暑中見舞いを出している人はいますか」と聞いてみるのが確実です。誰も出していない職場で一人だけ送ると、受け取った上司が返事に気をつかうこともあります。
一方で、異動で離れた元上司や、退職後もお世話になっている方には、近況を伝えるよい機会になります。毎日顔を合わせない相手ほど、一枚のはがきで近況を届ける意味は大きくなるでしょう。
はがきかメールか、送り先は自宅か会社か
送る手段と送り先は、上司との関係と住所がわかるかどうかで選びます。目安を表にまとめました。
| 送り方 | 向いている相手 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| はがき(自宅宛て) | 年賀状をやり取りしていて住所がわかる上司 | 住所を知らない場合、聞き出してまで自宅に送らない |
| はがき(会社宛て) | 自宅の住所を知らない上司・元上司 | ほかの人の目にもふれるので、私的な話題は控えめにする |
| メール | ふだんの連絡がメール中心の職場の上司 | 件名で暑中見舞いだとわかるようにする |
| 社内チャット | 気軽な挨拶が定着しているチームの上司 | 短い一言にとどめ、業務の連絡と混ぜない |
もっとも改まった形は、はがきを自宅に送る方法です。とはいえ自宅の住所は個人情報なので、知らなければ会社宛てで失礼にはなりません。会社宛ての場合は、夏季休業に重なると休み明けまで手元に届かないことがあります。職場のお盆休みの前に着くように出しておくと安心ですね。
送る時期は立秋の前日までに届くように
暑中見舞いは、二十四節気の小暑(7月7日ごろ)から立秋の前日(8月6日か7日ごろ)までに届くように送ります。立秋を過ぎたら「残暑見舞い」に切り替えましょう。
上司宛てなら、梅雨明けから7月下旬ごろに届くように出すと無理がありません。期限は投函した日ではなく、相手に届く日で数えるのがポイントです。年ごとの正確な日付や、夏の土用を目安にする考え方は次の記事で詳しく解説しています。

上司宛ての宛名と文面の書き方
宛名と文面には、上司ならではの決まりがあります。とくに敬称の付け方はまちがえると目立つので、先に押さえておきましょう。
守りたいのは2点だけです。宛名は「役職+氏名+様」の順に書くこと。文面は「見舞いの挨拶→相手の安否→感謝と近況→結び」の順に並べること。この2つができていれば、形式の面で失礼になることはまずありません。役職名は名刺や社内の組織図で正式な呼び方を確かめておくと、「部長代理」「課長補佐」といった肩書きの書き間違いも防げます。
宛名は「役職+氏名+様」の順で書く
上司の宛名は、役職を名前の前に置き、名前のあとに「様」を付けます。「部長様」「田中部長様」のように役職と「様」を重ねると、敬称が二重になるので避けましょう。会社宛ての場合は、会社名と部署名を省略せずに書きます。
会社宛ての宛名の例
株式会社〇〇 営業部
部長 田中一郎様
自宅宛ての場合は、役職を付けずに「田中一郎様」と氏名だけで書く形が一般的です。連名で出すときの書き方や、句読点・日付の細かいマナーは次の記事にまとめています。

文面は4つの要素で組み立てる
上司宛ての暑中見舞いは、次の4つを順に並べるだけで形になります。感謝の部分だけは、自分の言葉で書くのがおすすめです。
| 順番 | 書く内容 | 上司向けの書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 見舞いの挨拶 | 暑中お見舞い申し上げます |
| 2 | 時候と相手の安否 | 厳しい暑さが続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか |
| 3 | 感謝と自分の近況 | 日頃のご指導へのお礼と、元気に働いていることをひと言 |
| 4 | 結びと日付 | 相手の健康を願う言葉のあとに「令和〇年 盛夏」 |
目上の方には「暑中お伺い申し上げます」とする書き方もあります。ただ日本郵便の案内では、いまは目上の相手でも「お見舞い申し上げます」で問題ないとされています。上司宛ての文面では句読点を打たず、区切りは一字あけや改行で整えると改まった印象になりますよ。
表の2番目にある時候の言葉を、7月の上旬・中旬・下旬で選び分けたいときは、時期別の例文を集めた次の記事が参考になります。

上司に使うと失礼になりやすい言葉と言い換え
気持ちを込めたつもりの言葉が、上司には失礼に響くことがあります。暑中見舞いでうっかり使いやすいものを、言い換えとあわせて整理しました。
| 避けたい言葉 | 避けたい理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| ご苦労様です | 目上が目下をねぎらう言葉として受け取られやすい | いつもありがとうございます |
| 頑張ってください | 目上の人を励ます形になり、上から言っている印象になる | ご活躍をお祈り申し上げます |
| お体をご自愛ください | 「自愛」に体を大切にする意味が含まれ、意味が重なる | くれぐれもご自愛ください |
| お元気ですか | くだけた問いかけで、目上の方には軽く聞こえる | お変わりなくお過ごしでしょうか |
言葉選びのほかに、書く内容にも気をつけたい点があります。上司宛ての暑中見舞いで控えたいのは、次のような話題です。
- 仕事への意見や相談ごとは書かない。挨拶状は用件を伝える場ではありません
- 旅行や買い物の話は、自慢に聞こえない程度にとどめる
- 体調を崩したことなど、相手に心配をかける近況は控える
暑中見舞いは、用件のない便りです。だからこそ、日頃の感謝と相手を気づかう言葉だけで、十分に気持ちが伝わります。
上司との関係別|そのまま使える暑中見舞い例文
ここからは、上司との関係ごとに例文を紹介します。〇〇の部分を書きかえて使ってください。感謝の一文だけでも具体的な出来事に置きかえると、自分らしい一枚に仕上がります。
どの例文も、はがきの裏面に収まる5〜6行の長さにしています。文面を印刷する場合は、余白に手書きで1〜2行の一言を添えると、印刷だけの挨拶状より気持ちが伝わりやすくなります。たとえば「先月の研修ではお世話になりました」「秋の繁忙期もよろしくお願いいたします」のように、その上司との出来事にふれる一言がおすすめです。

直属の上司へ(基本の形)
暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さが続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
日頃は何かとご指導をいただき 心よりお礼申し上げます
おかげさまで 私も元気に仕事に励んでおります
暑さはこれからが本番です くれぐれもご自愛ください
令和〇年 盛夏
いちばん使いやすい基本の形です。3行目を「先日の〇〇の件では的確な助言をいただき」のように具体的にすると、上司の記憶に残りやすくなります。入社して間もない時期なら、4行目を「少しずつ仕事にも慣れてまいりました」に変えると自然です。
特にお世話になっている上司へ
暑中お伺い申し上げます
連日の猛暑ですが 〇〇部長にはお変わりなくご活躍のことと存じます
この春からの〇〇プロジェクトでは 終始あたたかいご指導をいただき 誠にありがとうございました
教えていただいた段取りの大切さを胸に 秋からの業務にもいっそう励んでまいります
暑さ厳しき折 どうかお体を大切になさってください
令和〇年 盛夏
書き出しを「暑中お伺い申し上げます」にして、改まった印象に寄せた例です。一緒に取り組んだ仕事の名前を入れると、型どおりの挨拶から一歩踏み込んだ文面になります。
異動・退職で離れた元上司へ
暑中お見舞い申し上げます
ご無沙汰しておりますが 〇〇様にはお元気でお過ごしのことと存じます
新しい部署でのお仕事はいかがでしょうか
〇〇様から教わった報告の仕方は いまも毎日の仕事で役立っております
またお目にかかれる日を楽しみにしております
どうぞ健やかに夏をお過ごしください
令和〇年 盛夏
退職された方に送るときは、3行目を「その後いかがお過ごしでしょうか」に変えます。離れてからは役職が変わっていることもあるため、宛名は「〇〇様」と氏名だけにしておくと安心です。
役員・社長など特に目上の方へ
暑中お伺い申し上げます
炎暑の折 〇〇専務におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
平素はひとかたならぬご高配を賜り 厚く御礼申し上げます
微力ではございますが ご期待にお応えできるよう一層精励してまいります
時節柄 何卒ご自愛のほどお祈り申し上げます
令和〇年 盛夏
ふだん接する機会が少ない相手ほど、近況は省いて感謝と結びを中心に短くまとめるのが無難です。「ご高配」は相手の配慮をうやまって言う言葉で、役員クラスへの挨拶状によく使われます。
夏季休暇をいただいたあとに送るとき
暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さが続いておりますが 〇〇課長にはお元気でお過ごしでしょうか
このたびは夏季休暇をいただき ありがとうございました
おかげさまで家族とゆっくり過ごし 英気を養うことができました
休み明けからは気持ちを新たに 業務に取り組んでまいります
まだ暑い日が続きますので どうかご自愛ください
令和〇年 盛夏
休暇中に仕事を引き受けてもらったお礼を兼ねる例です。職場で顔を合わせたときにも「休暇中はありがとうございました」と口頭で伝えておくと、より丁寧な印象になります。
メールや社内チャットで暑中見舞いを送るとき
ふだんの連絡がメール中心の職場なら、暑中見舞いをメールで送ってもかまいません。はがきより手軽なぶん、件名と長さに気を配るのがポイントです。送る前に、次の3点を確認しておきましょう。
- 件名は「暑中お見舞い申し上げます(営業部 山田)」のように、ひと目で挨拶だとわかる形にする
- 本文はスクロールせずに読める長さにまとめる
- 部署の全員への一斉送信は避け、一人ずつ宛てて送る
件名:暑中お見舞い申し上げます(営業部 山田)
〇〇部長
暑中お見舞い申し上げます。営業部の山田です。
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
日頃よりていねいにご指導いただき、本当にありがとうございます。
おかげさまで、新しい担当先にも少しずつ慣れてまいりました。
暑さはまだ続きそうです。どうぞご自愛ください。
なお、ご返信にはおよびません。
営業部 山田太郎
メールは画面で読むものなので、読みやすさを優先してふだんどおり句読点を使って大丈夫です。最後に「ご返信にはおよびません」と添えると、忙しい上司に返事の手間をかけずに済みます。
社内チャットで送る場合は、改まった文面にせず「暑い日が続きますので、お体に気をつけてお過ごしください」程度の一言にとどめます。業務のやり取りと同じスレッドには混ぜないようにしましょう。取引先あてのメールや、夏季休業のお知らせを兼ねた文例は、ビジネス向けの暑中見舞いをまとめた次の記事にあります。

上司から暑中見舞いが届いたときの返し方
上司から先に暑中見舞いをいただいたら、なるべく早く返事を出しましょう。はがきにははがきで、メールにはメールで、いただいたのと同じ手段で返すのが基本です。
返事の組み立ては、送るときの4つの要素とほとんど同じです。違うのは、見舞いの挨拶のすぐあとに、いただいたお便りへのお礼を入れる点だけ。目上の方から先にいただいたことへの「恐縮しております」という一言を添えると、返事らしい文面になります。
立秋を過ぎていたら残暑見舞いで返す
返事を書くころに立秋を過ぎていたら、「暑中お見舞い」ではなく「残暑お見舞い申し上げます」で書き始めます。お礼・近況・気づかいの順番は、暑中見舞いのときと変わりません。
毎日顔を合わせる上司なら、返事を出すのに加えて「暑中見舞いをありがとうございました」と直接お礼を伝えると、よりていねいです。返事が遅れて残暑見舞いの時期も過ぎそうなときは、無理にはがきを出さず、口頭でのお礼に切り替えてもよいでしょう。
上司への返事の例文
暑中お見舞い申し上げます
このたびはご丁寧な暑中見舞いをいただき ありがとうございました
こちらから先にお便りすべきところ 恐縮しております
〇〇部長もお元気そうで 何よりと存じます
おかげさまで私も変わりなく 仕事に励んでおります
暑さが続きますので くれぐれもご自愛ください
令和〇年 盛夏
立秋以降に返すときは、1行目を「残暑お見舞い申し上げます」に、日付を「令和〇年 晩夏」に変えます。残暑見舞いに切り替える時期や、上司・目上の方に宛てた残暑見舞いの文例は次の記事で紹介しています。

上司への暑中見舞いでよくある質問
- 上司に暑中見舞いを出さないと失礼になりますか?
-
失礼にはなりません。季節の挨拶状は出すかどうかを自分で決めてよいもので、社内では控える方針の職場もあります。上司から届いたときに、きちんと返事を出せば十分です。
- 上司が複数いる場合、全員に出すべきですか?
-
出すなら、同じ立場の上司にはそろえて送るほうが角が立ちません。課長には送って係長には送らない、といった差がつくと気にする方もいます。全員の自宅住所がわからないときは、全員を会社宛てにするなど、手段もそろえておくと安心です。
- 上司が喪中のときは出してもいいですか?
-
出してかまいません。暑中見舞いはお祝いではなく、暑さを気づかう季節の挨拶だからです。ただし、亡くなってから四十九日までの忌中は避け、明けてから送りましょう。はがきの絵柄や文面は、落ち着いたものを選ぶと安心です。
- 年賀状のやり取りがない上司に、急に暑中見舞いを出しても大丈夫ですか?
-
問題ありません。暑中見舞いは年賀状とは別の挨拶なので、どちらか一方だけ出してもかまいません。相手に返事の負担をかけたくなければ、末尾に「ご返信のお気づかいはなさいませんように」と添えておきましょう。
- 一度送ったら、毎年送らないといけませんか?
-
毎年続ける決まりはありません。翌年から出さなくなっても失礼にはあたりません。ただ、上司から暑中見舞いが届いた年は、返事を出すようにしましょう。
まとめ
上司への暑中見舞いで押さえておきたいポイントを振り返ります。
- 送るかどうかは職場の慣習に合わせ、送るなら立秋の前日までに届くように出す
- 宛名は「役職+氏名+様」。「部長様」のような二重の敬称は避ける
- 「ご苦労様」「頑張ってください」など、目上に向かない言葉は言い換える
- 感謝の一文は、具体的な仕事の場面にふれて自分の言葉で書く
- 上司から先に届いたら、早めに同じ手段で返事を出す
まずは関係の近い例文をひとつ選び、感謝の一文だけ自分の言葉に書きかえてみてください。それだけで、型どおりの挨拶が「あなたからの一枚」に変わります。

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