お月見をしようと思っても、「何をどこに、どう並べればいいの?」と手が止まってしまうことはありませんか。三方(さんぼう)もススキも家になく、団子の積み方もうろ覚え、という方は少なくないはずです。
この記事では、お月見の飾りに必要なものと、置く場所・並べ方・月見団子の数と積み方を順番にまとめました。ススキが手に入らないときの代わりや、100均と家にあるもので揃える方法、片付けのタイミングまでわかります。基本は「団子・ススキ・秋の収穫物」の3つだけ。道具が揃っていなくても、今夜から飾れます。
お月見の飾りは「団子・ススキ・秋の収穫物」の3つが基本
お月見の飾りは、月見団子・ススキ・秋の収穫物(里芋や果物など)の3つが基本です。細かな作法は地域や家庭によって違い、全国共通の厳密な決まりはありません。まずはこの3つを、月が見える場所に並べることから始めましょう。
3つの飾りに込められた意味
月見団子は、満月に見立てた丸い形をしています。秋の実りへの感謝を込めて、月にお供えするものです。
ススキは、実った稲穂に見立てて飾られてきました。お月見の時期にはまだ稲刈りを終えていない地域も多く、形の似たススキを代わりにしたとされます。葉の縁が鋭いことから、魔除けの意味を重ねる考え方もあります。
秋の収穫物は、その年の実りをそのまま月に見せるお供えです。十五夜は「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれ、里芋を供える地域があります。ほかに栗・柿・ぶどう・梨など、旬の果物を添える家庭も多いです。
最低限これだけ揃えればOK
本格的に揃えようとすると、三方や花瓶、秋草など準備するものが増えていきます。忙しい日は、次の表の「最低限」の列だけで十分お月見らしくなります。
| 飾るもの | 最低限 | 余裕があれば |
|---|---|---|
| 月見団子 | 市販の団子を平皿に数個 | 手作りして15個をピラミッド状に積む |
| ススキ | 1〜3本を空き瓶に挿す | 秋の七草の花と一緒に花瓶に生ける |
| 秋の収穫物 | 果物を1種類 | 里芋・栗・柿・ぶどうなどを数種類 |
| 台 | お盆や平皿 | 三方に白い紙を敷く |
十五夜の日付や「中秋の名月」と呼ばれる理由など、行事そのものについては次の記事で詳しく解説しています。

飾る場所と配置のルール
飾る場所は、月が見える窓辺やベランダが基本です。月にお供えする行事なので、月から見える位置に置くのがいちばん大切なポイントです。配置の左右は伝統的な考え方がありますが、住まいに合わせて調整してかまいません。
月が見える場所に、月に向けて置く
昔の家では、縁側に台を出して飾るのが一般的でした。今の住まいなら、月の昇る方角が見える窓辺がその代わりになります。十五夜の月は、夕方に東の空から昇ってきます。
窓際に小さなテーブルや台を置き、その上に飾りを並べましょう。月が見えない部屋に飾る場合でも、月の方角に向けて置けばお月見の雰囲気は十分に出ます。
団子とススキの左右の置き方
伝統的な配置としてよく紹介されるのは、月から見て左側に自然のもの、右側に人の手で作ったものを置く方法です。日本では古くから左を上位とする考え方があり、自然の恵みを上位に置くという意味合いがあります。
飾る人の側から見ると、左右が逆になる点に注意してください。こちらから見て右側にススキや果物、左側に月見団子を置く形です。
床の間がない家・マンションでの飾り方
床の間や縁側がなくても、飾る場所には困りません。リビングの出窓、窓際のサイドボード、テレビ台の端などが使いやすい場所です。ベランダに出す場合は、風でススキが倒れないように重めの瓶を使い、夜の間だけ出しておくと安心です。
小さな子どもやペットがいる家庭では、手の届かない高さに置くことも大切です。団子は食べ物なので、ベランダに長時間出したままにすると虫や鳥が寄ってくることがあります。月を眺める時間だけ外に出し、あとは室内に戻す方法もおすすめです。
月見団子の数と積み方
月見団子の数は、十五夜なら15個、十三夜なら13個にするのが代表的です。数え方にはいくつかの説があり、地域によっては別の数を供えることもあります。
十五夜は15個・十三夜は13個が基本
もっとも広く知られているのは、行事の名前の数字にあわせる方法です。十五夜は15個、十五夜のおよそ1か月後の十三夜は13個を供えます。
ほかに、1年の月の数にちなんで12個(旧暦でうるう月がある年は13個)とする地域もあります。また、数を簡略化して十五夜は5個、十三夜は3個にする飾り方もあります。家族の人数や食べきれる量に合わせて選んでかまいません。
| 行事 | 基本の数 | 積み方の例 | 簡略版 |
|---|---|---|---|
| 十五夜 | 15個 | 下段9個・中段4個・上段2個 | 5個 |
| 十三夜 | 13個 | 下段9個・上段4個 | 3個 |
15個・13個をきれいに積むコツ
15個の場合は、まず下段に3個×3列で9個を並べます。その上の、4個の団子のくぼみに1個ずつ乗るように、中段に2個×2列で4個を置きます。上段の2個は、正面から見て縦(手前と奥)に並べるのが一般的です。正面からは1個に見えるため、全体がきれいな三角形に見えます。
13個の場合は、下段の9個の上に4個を乗せて2段にします。団子を手作りするなら、同じ大きさにそろえることがきれいに積むいちばんのコツです。生地をはかりで量って等分すると、大きさのばらつきが減ります。直径3〜4cmほどにすると崩れにくく、食べるときも扱いやすいでしょう。
作りたての柔らかい団子は、重みでつぶれて崩れやすくなります。少し冷まして表面が落ち着いてから積むと、形が安定します。市販のパック入り団子を使う場合も、下段を平らに詰めて並べてから上を乗せると失敗しにくくなります。

団子の数は「十五夜は15個・十三夜は13個」を目安に、食べきれる量へ減らしてもかまいません。大切なのは数より、実りに感謝して月を眺める気持ちです。
ススキと秋草の用意の仕方
ススキは、花屋やスーパーの花売り場、道の駅で手に入ることが多いです。お月見の時期が近づくと、ススキと秋の花をセットにした「お月見用」の花束が並ぶお店もあります。
ススキはどこで手に入る?
確実なのは花屋です。十五夜の直前は品薄になることもあるので、数日前に確認しておくと安心です。スーパーの花売り場やホームセンターの園芸コーナー、農産物直売所でも扱っていることがあります。
空き地や河原に生えているススキを見かけることもありますが、他人の土地や公園の植物を無断で刈り取るのは避けましょう。自宅の庭や、許可をもらえる場所のものを使うようにしてください。本数に厳密な決まりはなく、1〜5本ほどで見栄えがします。
ススキがないときの代わりの草花
ススキが見つからないときは、秋の草花で代用できます。ススキは「尾花(おばな)」という名前で秋の七草にも数えられており、同じ七草の萩(はぎ)や桔梗(ききょう)、女郎花(おみなえし)などを飾るのも季節感があります。
花屋で手に入りやすいものなら、ススキに姿の近いパンパスグラスや、穂の形が似たネコヤナギなども使えます。季節の枝ものや、庭に咲いた秋の花を一輪挿しにするだけでも十分です。100均の造花のススキを使えば、毎年くり返し飾れます。

穂が散らないように扱うコツ
ススキの穂は、開ききると綿毛が飛んで部屋が散らかりやすくなります。買うときは、穂がまだ閉じ気味でつやのあるものを選ぶと長持ちします。飾る前に穂に軽くヘアスプレーをかけておくと、綿毛が飛び散りにくくなります。
ススキの葉は縁がとても鋭いので、扱うときは軍手をつけると安心です。子どもが触れやすい高さに飾る場合は、葉を少し落としておくと手を切る心配が減ります。
100均と家にあるもので揃える
三方や専用の飾りがなくても、お盆・平皿・空き瓶があればお月見の飾りは作れます。100円ショップにも、時期になると季節の飾りコーナーにお月見向けの小物が並ぶことがあります。
三方の代わりになるもの
三方とは、神様へのお供えものをのせる白木の台のことです。お月見の団子も、本来は三方に白い紙を敷いてのせます。家にない場合は、次のようなもので代用できます。
- 丸いお盆や木製のトレー
- 白い平皿や高さのある脚付きの器(ケーキスタンドなど)
- 木箱や空き箱を逆さにして布をかけた台
- まな板や鍋敷き(団子の下に紙を敷いて使う)
どれを使う場合も、団子の下に半紙やクッキングシート、白い懐紙を敷くと、ぐっとお供えらしくなります。紙はひし形になるように斜めに置き、角が台の縁から少し垂れるようにすると見栄えがよくなります。
子どもと作る手づくり飾り
子どもと一緒に準備すると、お月見がぐっと身近な行事になります。折り紙のうさぎや、黄色い画用紙を丸く切った満月は、小さな子どもでも作りやすい飾りです。窓に満月を貼り、その下にうさぎを並べるだけで、お月見らしい窓辺になります。
ススキの代わりに、茶色や黄土色の紙を細く切って束ねた「紙のススキ」を作るのも楽しい工作です。作りながら「月にうさぎがいると言われるのはなぜかな」と話してみると、行事の意味にも自然と興味がわきます。
- 月見団子(市販・手作りどちらでも)
- ススキ、または秋の草花・造花
- 秋の収穫物(里芋・栗・果物など)を1〜数種類
- 団子をのせる台(お盆・平皿など)と白い紙
- ススキを挿す花瓶や空き瓶
- 子どもと作る場合は折り紙・画用紙・はさみ・のり
飾るのはいつから?片付け方とお下がり
お月見の飾りは、当日の夕方に飾り、翌日には片付けるのが一般的です。ススキや置物は前日から飾っておいてもかまいませんが、団子や果物は食べ物なので、当日に用意するのがおすすめです。
飾り始めと片付けのタイミング
月が昇り始める夕方までに飾りを整えておくと、慌てずに月を迎えられます。当日が曇りや雨で月が見えなくても、飾りはそのままで大丈夫です。雲の向こうの月を思って楽しむことを「無月(むげつ)」、雨で見えないことを「雨月(うげつ)」と呼び、昔から風情のあるものとされてきました。
片付けは翌日で問題ありません。十五夜のあとは十三夜(2026年は10月23日)が控えているので、ススキや置物は取っておき、団子と収穫物だけを入れ替えて再び飾ることもできます。十五夜だけを祝って十三夜を祝わないことを「片見月(かたみづき)」と呼び、避けたほうがよいとする言い伝えもあります。
お供えした団子や果物の食べ方
お供えしたものは、お月見のあとに家族でいただく「お下がり」にします。月の恵みを分けてもらうという意味があり、捨てずに食べきるのが本来の楽しみ方です。
一晩置いた団子は、表面が乾いて固くなっていることが多いです。そのまま食べるより、焼いてみたらしだれやきな粉をからめたり、お汁粉やぜんざいに入れたりすると、やわらかく食べられます。室温に長く置いた場合は、状態をよく見てから早めに食べきりましょう。
地域によっては、子どもたちがお月見の夜に近所のお供えものを持っていってよいとされる「お月見泥棒」という風習も残っています。持っていかれるほど縁起がよいとされてきた、おおらかな行事です。
9月はお月見のほかにも、お彼岸や秋の味覚など楽しみの多い月です。季節の過ごし方は次の記事にまとめています。

よくある質問
- お月見の飾りは玄関に置いてもいいですか
-
置いてもかまいません。ただし本来は月に向けて供えるものなので、月の見える窓辺に置けるならそちらがおすすめです。玄関にはススキや季節の花だけを飾り、団子は窓辺に置くという分け方もできます。
- 月見団子は市販のものでも大丈夫ですか
-
大丈夫です。和菓子店やスーパーでは、お月見の時期に積みやすい大きさの月見団子が売られています。数が15個に足りない場合は、手持ちの数で飾ってもかまいません。
- 団子の代わりに洋菓子やおまんじゅうを供えてもいいですか
-
決まりはないので、家族が好きなお菓子を供えても問題ありません。丸い形のものを選ぶと、満月に見立てる意味にも合います。関西では、里芋の形に似せてあんこを巻いた細長い月見団子が一般的など、地域でも形が違います。
- 飾ったススキは捨ててもいいですか
-
自治体のルールに従って処分してかまいません。十三夜にもう一度使う場合は、穂が開きすぎないよう水を替えながら飾っておきましょう。ドライにして来年まで取っておく家庭もあります。
- お月見の飾りに向きや方角の決まりはありますか
-
厳密な決まりはありません。月が昇る東の空に向けて置くと、お月見らしい飾り方になります。左右の配置は、月から見て左に自然のもの、右に団子を置く方法がよく紹介されています。
まとめ|3つの飾りを窓辺に並べて月を眺めよう
お月見の飾りは、特別な道具がなくても家にあるもので十分に楽しめます。最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 飾りの基本は、月見団子・ススキ・秋の収穫物の3つ
- 置く場所は月が見える窓辺。こちらから見て左に団子、右にススキや果物が目安
- 団子は十五夜なら15個(下段9・中段4・上段2)、十三夜なら13個が代表的
- ススキがなければ秋の草花や造花で代用でき、三方はお盆や平皿で代わりになる
- 当日の夕方に飾り、翌日に片付けて、お供えは家族でお下がりとしていただく
形式にこだわりすぎず、手に入るもので月を迎える準備をしてみてください。十五夜のあとは十三夜もあるので、秋の夜長に二度のお月見を楽しめます。

コメント