「計算はすらすら解けるのに、文章題になると鉛筆が止まる」「本を開いてもすぐ飽きて最後まで読めない」「話を聞いても、何を伝えたいのかまとまらない」。小学生のお子さんを持つ保護者の方から、こうした「読解力」の悩みをいただくことが本当に多いです。
読解力は国語だけの力ではありません。算数の文章題、理科や社会の教科書、さらには大人になってからの仕事や人間関係まで、あらゆる学びと生活の土台になるスキルです。
この記事では、読解力の正体から、家庭で今日からできる7つの習慣、学年別のつまずき対策、おすすめの本の選び方、発達特性のあるお子さんへの寄り添い方、習い事の選び方までを一気通貫でまとめました。特別な教材は必要ありません。読み終える頃には、お子さん一人ひとりに合った「伸ばし方」が見えてくるはずです。
結論から言うと、読解力は「毎日の会話・音読・読書環境」という家庭のちょっとした工夫の積み重ねで、無理なく着実に伸ばせます。完璧を目指さず、できそうな習慣を一つ選ぶことが第一歩です。
読解力って何だろう?AI時代だからこそ必要な理由
「読解力」と聞くと、多くの方が「文章を速く読んで正しく理解する力」と捉えがちです。でも本当の読解力は、もっと奥行きのある力なんです。
OECDが実施する国際的な学力調査PISA(国際学習到達度調査)では、読解力を「自らの目標を達成し、知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」と定義しています。つまり、ただ読むだけでなく「使う」「考える」ところまで含む力なんですね。
もう少し噛み砕くと、読解力は次の3つのステップで成り立っています。
第一に「理解する力」。書かれている内容や情報を正確に読み取る力です。第二に「考える力」。読んだ情報をもとに「この意味は何だろう」「なぜこうなったんだろう」と思考を巡らせ、内容を吟味する力ですね。そして第三に「表現する力」。理解して考えたことを、自分の言葉で人に伝えたり、別の場面に応用したりする力です。
文部科学省も、これからの時代に必要な資質として「読解力」を重視しています。AIが一瞬で情報を集めてくれる今だからこそ、その情報を鵜呑みにせず、意味を深く考え、自分なりの考えを組み立てて他者と意見を交わす「人間にしかできない読解力」の価値が、これまで以上に高まっているのです。
もしかして読解力が足りない?見逃せないサインをチェック
「うちの子、読解力が弱いかも」と感じても、どこを見れば判断できるのか迷いますよね。まずは日常や勉強の場面に現れやすいサインを確認してみましょう。いくつか思い当たれば、対策を始める良いタイミングです。
- 気持ちを問う設問が苦手:登場人物の心情を答える国語の問題でつまずく
- 文章題で手が止まる:算数の文章題でどんな式を立てるか分からない
- 要点がつかめない:教科書のどこが大切なポイントか掴めていない
- 話があちこち飛ぶ:学校での出来事を尋ねても何が言いたいのか伝わらない
- 複数の指示で混乱する:「靴を脱いで、手を洗って、おやつ」で固まる
このほか、自分の意見を聞かれると「わからない」「別に」としか答えない、相手の言葉の背後にある意図を汲み取れない、使う言葉のバリエーションが少ない、長めの文章を極端に嫌がる、といった様子も読解力不足のサインです。
学年別に見る読解力のつまずきポイント
読解力の発達には段階があり、学年によってつまずく場所も変わります。まずは全体像を表で押さえてから、それぞれ詳しく見ていきましょう。お子さんの学年に合わせて理解しておくと、サポートがぐっと的確になります。
| 学年 | 主なつまずき | 家庭でのサポートの軸 |
|---|---|---|
| 低学年 (1・2年生) | 読むこと自体に精一杯で意味理解まで届かない。語彙が少なく知らない言葉で止まる | 音読で読みを滑らかに。読み聞かせと会話で語彙を増やす |
| 中学年 (3・4年生) | 行間を読む・気持ちを推測する抽象思考でつまずく。説明文の論理展開が難しい | 「なぜ?」「どう思った?」で推測を促す。主語と述語を意識させる |
| 高学年 (5・6年生) | 事実と意見の区別、複数情報の比較が必要に。文章量が増え要点把握の速さも求められる | 感想を語り合い意見を言語化。新聞やニュースで時事に触れる |
低学年(1年生・2年生)のつまずきポイント
低学年の時期は、ひらがな・カタカナ・簡単な漢字を読むこと自体に精一杯で、「意味を理解する」ところまで意識が回らないことが多いです。語彙も少ないため、知らない言葉が出てくるとそこで思考がストップしてしまいます。
この時期は、文字をスムーズに読めるようにすることと、日常会話で言葉のバリエーションを増やすことが大切です。絵本の読み聞かせを続けて、耳から豊かな表現に触れさせるのも効果的でしょう。
中学年(3年生・4年生)のつまずきポイント
中学年になると文章は読めるようになりますが、「行間を読む」「登場人物の気持ちを推測する」といった抽象的な思考が求められます。ここで大きくつまずく子が増えてきます。
教科書の文章も長くなり、説明文では段落構成や論理展開を理解する必要が出てきます。「主語と述語」「原因と結果」といった文章の仕組みを意識させながら読む練習が活きてくる時期ですね。国語そのものへの苦手意識が芽生えやすい学年でもあるので、早めのフォローが安心です。

高学年(5年生・6年生)のつまずきポイント
高学年では、筆者の意見と事実を区別したり、複数の情報を比較して考えたりする力が求められます。文章量も一気に増え、限られた時間で要点をつかむ「速読力」も必要になってきます。
抽象的な概念や比喩表現、論理的な文章構造など、より高度な読解スキルが要求される時期です。ここでつまずくと中学校の学習にも影響が出やすいため、しっかりした土台づくりが重要になります。
親がやりがちな、子どもの読解力を奪ってしまう関わり方
子どものためを思った行動が、実は読解力の成長を妨げているケースは意外と多いものです。良かれと思ってやっていないか、ご自身の関わり方を一度振り返ってみませんか。
話の途中で結論を言ってしまう
子どもが説明している最中に「つまりこういうことね」と先回りして要約したり、「それは違うよ」と途中で訂正したりしていませんか。子どもは話しながら頭の中を整理している真っ最中です。途中で遮られると考えをまとめるプロセスが奪われ、「どうせ聞いてもらえない」と話すこと自体をあきらめてしまいかねません。
「どうして?」の質問を流してしまう
子どもの「どうして?」「なんで?」は、知的好奇心が芽生えているサインであり、読解力を育てる貴重なチャンスです。「忙しいから後でね」「そんなことより宿題は?」と流すことが続くと、子どもは疑問を持つこと自体をやめてしまいます。物事の理由や背景を探ろうとする探求心こそが、読解の深さを生み出すのです。
親の考えや正解を一方的に示してしまう
「こうするべきだよ」「普通はこうするものだよ」と親の価値観や答えを押し付けていませんか。子どもが自分なりに考えて結論を出す前に正解を教えてしまうと、「親の言う通りにすればいい」と思考が止まってしまいます。答えを言う前に、まず子どもの考えを聞いてあげましょう。
曖昧な言葉で叱ってしまう
「ちゃんと考えて!」「もっとしっかり読んで!」といった抽象的な言葉では、何をどう改善すればいいのか子どもには伝わりません。どうすれば良いか分からないまま「自分はダメな子なんだ」と自己肯定感を下げてしまうだけです。「登場人物がどう思ったか、一行戻って探してみよう」のように具体的に声をかけてあげてください。
家庭が最高の教室に!遊びながら読解力を育てる7つの習慣
読解力は、特別な教材やドリルだけで身につくものではありません。家庭での何気ない日常の中にこそ、読解力をぐんぐん伸ばすヒントが隠れています。まずは7つの習慣の全体像を表で確認してから、一つずつ見ていきましょう。

| 習慣 | 育つ力 | かかる手間 |
|---|---|---|
| 1. 5W1Hで深掘りする会話 | 語彙力・論理的思考 | 毎日10分 |
| 2. 3ステップ音読 | 読みの正確さ・共感力 | 宿題の音読に追加 |
| 3. 要約ゲーム | 要点をつかむ力 | すきま時間 |
| 4. 戦略的な読書環境づくり | 語彙力・読書習慣 | 環境を整えるだけ |
| 5. お絵かき思考法 | 情報整理・因果理解 | 紙とペン |
| 6. 言葉コレクター | 語彙力・興味の広がり | 週末に調べる |
| 7. アナログゲーム | 論理的思考・先読み | 週末の家族時間 |
習慣1:会話の質を変えよう!5W1Hで深掘りする会話術
親子の日常会話は、読解力の土台となる語彙力や表現力を育てる最高のトレーニング場です。普段の会話に「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を意識した質問をプラスしてみてください。
たとえば「今日学校どうだった?」を、「今日の給食で何が一番おいしかった?」「休み時間は誰と何をして遊んだの?」といった具体的な質問に変えてみます。さらに効果的なのが「なんでそう思ったの?」と理由を尋ねる質問です。子どもは自分の考えや感情の背景を言葉にする練習ができ、論理的に思考する力が養われます。
親が聞き役に徹し、上手に質問を投げかけることで、子どもは自然と思考を整理し、表現する力を身につけていきます。夕食どきや寝る前の10分だけでも、こうした「質の高い会話タイム」を作ってみましょう。
習慣2:音読を最強の脳トレに変える3ステップ
学校の宿題で出される音読は、ただの作業ではありません。正しいやり方で取り組めば、読解力を大きく伸ばす脳のトレーニングになります。次の3つのステップで、いつもの音読をレベルアップさせましょう。
まずは詰まらずスムーズに読めることを目指します。文字と音を結びつける基礎トレーニングです。
物語のセリフを、登場人物の気持ちになって感情を込めて読みます。共感力や心情を推し量る力が育ちます。
説明文を、アナウンサーのように聞き手へ分かりやすく伝えるつもりで読みます。文章の構造や要点を把握する力が身につきます。
親が最初に楽しそうに読んでみせると、子どもも興味を持ちやすくなります。親子で交互に読み合うなど、ゲーム感覚で楽しむのがおすすめです。
習慣3:要約ゲームで情報を整理する力をつける
長い文章や話の中から、本当に大切なポイントだけを抜き出す「要約力」は、読解力の核となるスキルです。これも遊び感覚で鍛えられます。
見終わったテレビ番組について「今の話、おばあちゃんに3つのポイントで説明してくれる?」と促してみましょう。読んだ昔話について「もし桃太郎がSNSをやってたら、どんな投稿をするかな?」と考えさせるのも面白い練習になります。最初はうまくできなくても問題ありません。「一番大事だと思ったことは何?」「もう一つ大事なことはあった?」とヒントを出しながら、一緒に考えるプロセスこそが重要なのです。
習慣4:読書好きを育てる戦略的アプローチ
「読解力をつけるには読書が一番」と分かっていても、本が苦手な子に無理やり読ませるのは逆効果です。読書を好きになってもらうには、戦略的なアプローチが必要になります。
何より大切なのは、子どもが「面白い!」と思える本にアクセスできる環境づくりです。図鑑でも、迷路の本でも、なぞなぞでも、学習マンガでも構いません。「文字を読むって楽しい」という体験こそが何より重要です。リビングなど手の届く場所に本を置き、「読みなさい」と言わなくても自然と本が目に入る環境を作りましょう。
親自身が楽しそうに読書する姿を見せることも大切です。子どもは親の行動を真似します。親がスマホではなく本を開く時間を作ることが、実は一番の近道なんですね。なお、高学年になっても読み聞かせは効果的です。自分で読むのが苦手な子でも、耳から物語を楽しむことで豊かな語彙に触れられます。

習慣5:「お絵かき思考法」で頭の中を整理しよう
頭の中がごちゃごちゃして考えをまとめられない子には、「思考の見える化」が効果抜群です。物語の登場人物の関係や、出来事の流れを、簡単なイラストと矢印で描いてみるのです。
たとえば物語を読んだ後に大きな紙を用意して、登場人物の絵を描き、誰と誰が仲良しで、誰と誰が対立しているのかを線で結んでみます(相関図)。理科の実験手順や社会の出来事を、簡単な絵と矢印でフローチャートにするのも良いでしょう。書くことで頭の中が整理され、複雑な関係性や因果関係を視覚的に理解できるようになります。絵が苦手な子は、簡単な図形や記号だけでも効果があります。
習慣6:「言葉コレクター」になって語彙を増やそう
語彙力は読解力を動かすガソリンのようなものです。知らない言葉が多すぎると、文章を読んでも意味が分からず、すぐに疲れてしまいます。
「言葉コレクターゲーム」と称して、本やテレビ、街の看板などで面白い言葉や知らない言葉を見つけたら、親子で「言葉ノート」に書き留めましょう。「新しい言葉ゲット!」とゲーム感覚で集め、週末に一緒に意味を調べたり、その言葉で短い文を作ったりします。「似た意味の言葉(類義語)」や「反対の意味の言葉(対義語)」を一緒に探すのも、語彙のネットワークを広げるのに効果的ですよ。
習慣7:アナログゲームで論理的思考を鍛えよう
読解力と密接に関係しているのが「論理的思考力」です。物事を筋道立てて考える力は、文章の構造を理解したり、筆者の主張を読み解いたりするために欠かせません。この力は、相手の表情や反応を読む必要があるアナログゲームで効果的に育てられます。
戦略系のボードゲームは、相手の次の手を予測しながら駒を進めるため、論理的思考と先読みの力が養われます。ワード系のカードゲームは、手持ちのカードで言葉を作るため、語彙力と発想力を同時に鍛えられます。推理ゲームは、限られた情報から犯人を特定するため、情報整理能力と仮説検証の力を育むのに最適です。家族で楽しみながら、自然と「考える力」の土台を築いていきましょう。
7つすべてを一度にやる必要はありません。お子さんが楽しめそうなものを1つ選んで始めれば、それが読解力を伸ばす確かな一歩になります。
年齢別・おすすめの本のジャンルと選び方
読書を通じて読解力を育てるには、お子さんの年齢や興味に合った本を選ぶことが大切です。学年別におすすめのジャンルと選び方のコツを紹介します。
低学年(1年生・2年生)向けの本選び
この時期は「読む楽しさ」を体験させることが最優先です。文字が大きく、イラストがたっぷり入った絵本や児童書がおすすめです。繰り返しの表現やリズミカルな言葉が使われた本は、読みやすく記憶にも残りやすいでしょう。
昔話や民話、動物が主人公のファンタジー、身近な日常を描いた物語などが入門編に最適です。図鑑も大人気で、恐竜・昆虫・乗り物など「好き」に直結するものを選べば、自然と文字を読む練習になります。シリーズものは一度好きになれば続けて読んでくれるので、読書習慣づくりにぴったりですよ。
中学年(3年生・4年生)向けの本選び
文章を読むことに慣れてきたこの時期は、物語の世界観を楽しめる本へステップアップするタイミングです。少し長めの物語や、登場人物の気持ちの変化を丁寧に描いた作品がおすすめです。
冒険ファンタジーやミステリー、学校生活を舞台にした友情や成長の物語が人気です。伝記や歴史の読み物は社会への関心を広げ、科学や自然の読み物は知的好奇心を刺激してくれます。この時期は「自分で選んで読む」体験も大切。図書館や書店に一緒に行き、子ども自身に選ばせてあげましょう。親から見て簡単すぎる本でも、本人が選んだものなら最後まで読む可能性が高くなります。
高学年(5年生・6年生)向けの本選び
抽象的な思考ができるようになるこの時期は、テーマ性のある物語や、少し複雑な人間関係が描かれた作品にも挑戦できます。社会問題や環境問題を扱った物語、歴史小説、SF、ファンタジー大作など、読み応えのある本がおすすめです。新聞の子ども版や中高生向けの雑誌も、時事問題への関心を育てるのに役立ちます。
この年齢になると、マンガと小説のハイブリッドのような作品も増えてきます。マンガから入っても構いません。大切なのは「読むことが楽しい」という気持ちを持ち続けることです。親子で同じ本を読んで感想を語り合えば、読解力だけでなく、論理的に意見を述べる力や他者の視点を理解する力も育ちます。どんな本を選べばいいか迷ったときは、実際に難関校に合格した子の読書傾向も参考になります。

デジタル時代の味方!読解力を伸ばすアプリとツール
現代の子どもたちはデジタルネイティブ。タブレットやスマートフォンを上手に活用すれば、読解力トレーニングをより効果的に、楽しく進められます。
電子書籍サービスを使えば、いつでもどこでも本にアクセスできます。音声読み上げ機能がついていれば、読むのが苦手な子でも耳から物語を楽しめます。語彙学習アプリは、ゲーム感覚で新しい言葉を覚えられる工夫がされています。ニュース記事を子ども向けに要約してくれるアプリなど、種類もさまざまです。
ただし、デジタルツールはあくまで補助的なものです。親子の会話や紙の本を読む時間とバランスよく組み合わせることが大切ですね。使用時間を決めたり、一緒に内容について話したりして、メリットを最大限に活かしましょう。
発達に特性のある子への寄り添い方
発達に特性のあるお子さんの場合、一般的な読解力トレーニングだけでは難しいケースがあります。でも、お子さんの特性を理解し、その子に合ったアプローチをすれば、力は着実に伸びていきます。ここで紹介するのはあくまで家庭での寄り添い方の一例です。気になることがあれば、早めに専門機関へ相談すると安心です。
読み書きが苦手な子(ディスレクシアなど)へのサポート
文字を読むこと自体に困難がある場合は、無理に活字を読ませるのではなく、まずは「耳から聴く」ことを優先しましょう。オーディオブックや親の読み聞かせを通じて、物語の楽しさや語彙に触れられます。タブレットの音声読み上げ機能を活用したり、文字の大きさやフォントを変えられる電子書籍を試したりするのも有効です。文字を追いやすくするために、色のついた透明シートを使う方法もあります。
注意が続きにくい子(ADHDなど)へのサポート
長い文章を最後まで読むのが難しい場合は、短い文章から始めましょう。1ページだけ、1段落だけでも大丈夫です。少しずつ読める量を増やしていきます。タイマーで「5分だけ集中して読む」と区切る方法も効果的です。読んだ後に体を動かす時間を挟むなど、メリハリをつけるのも良いですね。興味のあるテーマなら集中が続きやすいので、本人の「好き」を最優先に選びましょう。
コミュニケーションが苦手な子(ASDなど)へのサポート
人の気持ちを推測するのが苦手な場合、登場人物の感情を読み取る問題に苦労することがあります。そんなときは、絵カードや表情カードを使って「この顔はどんな気持ち?」と具体的に教えていくのが有効です。物語の内容を図や表にして視覚化すると、理解しやすくなります。「誰が」「何をした」「どうなった」と情報を整理するフォーマットを作り、それに沿って読む方法もおすすめです。
いずれの場合も、焦らずお子さんのペースを尊重することが何より大切です。できたことをたくさん褒めて、小さな成功体験を積み重ねていきましょう。必要に応じて、学校の特別支援コーディネーターや、言語聴覚士・作業療法士などの専門家に相談することも検討してください。
それでも伸び悩んだら…習い事という選択肢を考える
家庭での取り組みだけでは限界を感じたり、もっと専門的な指導を受けさせたいと思ったりした場合、習い事は有効な選択肢になります。ただし、やみくもに始めても効果は期待できません。検討する際のポイントと、目的別の種類を見ていきましょう。
習い事は本当に必要?見極めるポイント
まずは、なぜ習い事が必要なのかをはっきりさせましょう。判断の軸になるのは、子ども自身が「習いたい」という意欲を持っているか、家庭では教えられない専門的なスキルを求めているか、共働きなどで家庭での学習サポートの時間を確保しにくいか、といった点です。
これらを考慮し、お子さん本人としっかり話し合った上で必要性を判断することが大切です。子どもが乗り気でないのに無理やり通わせても、お金と時間の無駄になるだけでなく、勉強そのものが嫌いになってしまう可能性もあります。
目的別・習い事の種類とそれぞれの特徴
読解力向上を目的とした習い事には、いくつかの種類があります。お子さんの課題に合ったものを選べるよう、特徴を表で比較してみました。
| 種類 | 向いている子 | 身につく力 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 国語専門塾 | 文章問題を体系的に学びたい | 読解・作文・文法を総合的に | 地域密着の小規模教室が多い |
| 作文・表現教室 | 書く・話すのが苦手 | 思考力と表現力 | 教室数が限られる。オンラインも検討 |
| 速読解力講座 | 読むのが遅くテストで時間不足 | 速く正確に読む力 | 開講している塾が限られる |
| プログラミング教室 | 筋道立てて考えるのが苦手 | 論理的思考・問題解決力 | 直接の国語力より思考の土台づくり |
失敗しないための3つの注意点
習い事を選ぶ際に、忘れてはいけない3つのポイントがあります。せっかくの機会を活かすために、始める前に確認しておきましょう。
- 子ども本人が楽しめるか:必ず体験授業に参加し、教室の雰囲気や先生との相性を子ども自身の目で確かめさせる
- 親の負担が大きすぎないか:月謝だけでなく、送迎の時間や労力も含めて長期的に続けられるか考える
- 辞め時を決めておく:「何年生まで」「次の目標を達成したら」とゴールを設定しておくとモチベーションを保ちやすい
もし子どもの興味が薄れたり、他のことに挑戦したくなったりした場合は、その気持ちを尊重し、話し合いの上で柔軟に判断しましょう。
読解力が伸びる家庭環境の作り方
読解力を育てるには、日々の習慣だけでなく、家庭全体の環境づくりも大切です。ちょっとした工夫で、お子さんが自然と本を手に取り、考える習慣を身につけられる環境を整えましょう。

リビングや子ども部屋に本棚を置き、いつでも手に取れる場所に本を並べます。「勉強部屋の奥」ではなく「日常の動線上」に本があることがポイントです。家族が集まるダイニングテーブルに辞書や図鑑を置いておくのも効果的。わからない言葉が出てきたとき、すぐ調べられる環境が知的好奇心を後押しします。
テレビやゲームの時間をルール化し、「読書タイム」や「家族で話す時間」を意識的に作ることも大切です。「毎晩8時から30分は読書」「週末の朝は新聞を読む」といった習慣を作ってみてください。そして親自身が読書や学びを楽しむ姿を見せること。「この本面白いよ」「ニュースでこんなこと知ったよ」と学ぶ楽しさを共有する姿勢が、子どもの好奇心を刺激します。

小学生の読解力に関するよくある質問
- 読解力を育てるのは何歳から始めればいいですか?
-
特別な「開始年齢」はありません。読み聞かせや親子の会話は、未就学の頃から読解力の土台になります。小学生なら、今いる学年に合わせて会話の質を上げたり音読を工夫したりするところから、いつ始めても効果があります。
- 読書が嫌いな子はどうすればいいですか?
-
無理に活字の本を読ませず、図鑑・学習マンガ・なぞなぞなど「本人が面白いと感じるもの」から入るのがコツです。「文字を読むって楽しい」という体験が積み重なれば、少しずつ読める本の幅が広がっていきます。読み聞かせで耳から物語を楽しむのも有効です。
- ゲームや動画ばかりで心配です。読解力に悪影響ですか?
-
すべてが悪いわけではありません。戦略系ゲームは論理的思考を、物語性のある作品は共感力を育てる面もあります。大切なのは時間のルールを決め、「今の話どうだった?」と内容を言葉にする時間をセットにすること。会話や読書とバランスを取れば、過度に心配する必要はありません。
- 読解力はどのくらいで伸びますか?
-
読解力は一朝一夕には身につかず、数か月から年単位で少しずつ育つ力です。すぐにテストの点数に表れなくても、会話が論理的になった、本を最後まで読めたといった小さな変化が伸びのサインです。焦らず、できたことを褒めながら続けることが結果的に一番の近道になります。
まとめ:完璧を目指さず、できることから始めよう
この記事では、小学生の読解力を家庭で育てる習慣から、学年別のアプローチ、本の選び方、発達特性への配慮、習い事の選び方まで幅広くお伝えしてきました。最後に要点を振り返ります。
- 読解力は「理解・考える・表現する」の3つの力で、すべての学びの土台になる
- 学年によってつまずく場所が変わるので、年齢に合ったサポートを意識する
- 家庭でできる7つの習慣は、会話・音読・読書環境づくりが中心で特別な教材はいらない
- 発達特性のある子も、その子に合った方法で着実に伸ばせる。困ったら専門家に相談を
そして最も大切なのは、完璧を目指さないことです。7つの習慣を明日から全部やる必要はありません。まずは「これなら自分にもできそう」と思えるものを一つだけ選んでみてください。
いつもの「学校どうだった?」を「今日の休み時間、何が一番楽しかった?」に変えてみる。それだけで、お子さんの頭の中では「思い出し、整理し、言葉を選ぶ」という読解力に直結する活動が始まります。寝る前の5分、一緒に本を読む。週末に図書館へ行く。そんな小さな一歩の積み重ねが、やがて「わかった!」「できた!」という自信につながっていきます。
読解力は毎日のほんの少しの工夫と、お子さんへの温かいまなざしがあれば必ず育ちます。今日できる一つから、お子さんのペースで一緒に楽しく始めていきましょう。

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