「最近、ふと気づくとあれを思い出している…」という経験はありませんか?
意識的でなくても、突然、ある人物や食べ物が頭に浮かぶことがあります。
これは潜在意識、いわゆる無意識の作用です。
潜在意識とは、自分の内にあるものの、意志でコントロールできない要素のひとつです。
本稿では、この神秘的な潜在意識について説明します。
意識とは?
まず、「意識」とは何でしょうか?
goo辞書の定義によると
[名](スル)
1 心が知覚を有しているときの状態。「‐を取り戻す」
2 物事や状態に気づくこと。はっきり知ること。また、気にかけること。「勝ちを‐して硬くなる」「彼女の存在を‐する」
3 政治的、社会的関心や態度、また自覚。「‐が高い」「罪の‐」
4 心理学・哲学の用語。 (ア)自分自身の精神状態の直観。 (イ)自分の精神のうちに起こることの知覚。 (ウ)知覚・判断・感情・欲求など、すべての志向的な体験。
5 《(梵)mano-vijnanaの訳》仏語。六識・八識の一。目や耳などの感覚器官が、色や声など、それぞれ別々に認識するのに対し、対象を総括して判断し分別する心の働き。第六識。
一般的には、個人の体験や心、感覚などを指します。
狭義では、後述する顕在意識を「意識」と呼びます。
顕在意識と潜在意識
意識には「潜在意識」と「顕在意識」の2つの種類があります。
この概念を初めて提唱したのは、有名な心理学者フロイトです。
フロイトは、自分がコントロールし、理解していると思う「理性的なもの」=顕在意識に対し、実際には本人が認識していない「本能的なもの」=潜在意識が存在し、この潜在意識によって無意識のうちに操作されていると主張しました。
顕在意識は、表面意識とも言われます。
一方、潜在意識は無意識とも呼ばれています。
潜在意識の種類
潜在意識には種類があると考えたのは、心理学者のユングです。
氷山の図を使って意識を説明したのがユングでした。
つまり、意識全体を大きな氷山に例えると、その大部分が海中に沈んでいる潜在意識であり、人間が自覚できる顕在意識は、海面に出ているごく小さな部分に過ぎないということです。
そして、この広大な無意識の部分には、以下の2つが存在するとしました。
一つは、個々の人が生まれてから現在までの経験によって形成された個人的無意識。
もう一つは、それよりも深い集合的無意識です。
集合的無意識とは、個人の経験を超えた、人類共通の無意識領域とされています。
潜在意識の力と可能性
潜在意識を味方につければ成功できるという考え方は、多くの啓発書や自己啓発書に見られます。
顕在意識だけでがんばるだけでは不十分というわけです。
ユングの氷山の例を考えれば、確かに顕在意識だけで大きな成功を収めるのは難しいと感じられます。
なぜなら、潜在意識の規模は顕在意識とは桁違いだからです。
潜在意識を活用することで成功を収めると唱えた最も有名な人物は、マーフィーかもしれません。
マーフィーは、「自分の願望を潜在意識に刻み込めば実現する」と述べました。
簡単に言えば、「自分が手に入れたいものがあれば、それをすでに手に入れた自分をイメージしなさい」ということです。
イメージする際には、「○○になりたい」や「○○が欲しい」という表現はNGです。
そのような表現を使うと、実現していない自分を現実化してしまうからです。
潜在意識を活用して成功する方法
マーフィーの説明以降、多くの人々が潜在意識を活用して成功する方法を提案してきました。
あなたもその方法を試したことがあるかもしれません。
この考え方の根拠は、以下のメカニズムに基づいています。
感覚器官から得た情報を分析・評価した後、行動に移しますが、行動の結果は顕在意識を通じて潜在意識に蓄積されます。
潜在意識は、巨大なデータベースの役割を果たしています。
顕在意識は、このデータベースにアクセスして、現在の状況に応じた行動を決定します。
データベースとして、潜在意識は批判や判断を行わず、現実と想像の区別もしません。
顕在意識の意志は、潜在意識の感覚的・感情的な意識よりも優先されます。
したがって、潜在意識に良いイメージを植え付けることができれば、成功へと導かれるというわけです。
潜在意識を活用するとどうなるか
潜在意識に良いイメージを植え付ける方法を紹介した書籍は数多くあります。
実際、顕在意識と潜在意識が一致すると、これまで不可能だと思っていたことが実現したり、望んでいたことが叶ったりします。
なぜでしょうか?
潜在意識に刻まれたイメージや願望は、無意識のうちに、それらを実現するための考え方や行動に導くようです。
結果として、これまで気づかなかった情報を得たり、物事への見方や考え方が変わったりして、それらの経験を積み重ねることで、潜在意識がさらに強化され、大きなチャンスや幸運を引き寄せるのです。
これらを活かしてさらに行動を起こすことで、チャンスが広がり、ポジティブなスパイラルが生まれます。
さらに深い潜在意識へのアクセス
このようにして、さらに深い潜在意識へのアクセスが可能になります。
つまり、集合的無意識を活用することです。
集合的無意識とは、個人を超えた、全人類に共通する無意識の領域でした。
この領域にアクセスすることで、「共時性」、つまり「シンクロニシティ」が発生すると考えられています。
「シンクロニシティ」とは、意味のある偶然の一致を指します。
必要な情報が偶然にも手に入ったり、思いがけない相手から連絡が来たりする経験は、あなたにもあるかもしれません。
これは、潜在意識に刻まれた夢などが、それを実現するために集合的無意識にアクセスし、まるで完璧なタイミングでシンクロニシティを引き起こすようです。
そして、これによって夢を実現させるのです。
絶体絶命のピンチでも、諦めずに強く願い続けると、天から助けが来るという話を聞いたことがありませんか?
クリエイティブな仕事をしている人や、大企業の経営者の話にもよく出てきます。
この天の助けが、集合的無意識の力によるものではないかと考えられています。
潜在意識の目指す方向
非常に興味深い話が展開されています。
これらが本当に起こるのであれば、潜在意識を活用してみたいと思うでしょう。
しかし、潜在意識は、自分のためだけに願う利己的な願望は受け入れないようです。
他人のため、みんなのため、人類全体のためといった気持ちが必要なようです。
うまくできていると思いませんか?
まとめ
いかがでしたか?
潜在意識は、とても大きな力に繋がっていることがわかりました。
自分だけでなく、周りの人々の幸せのために自分を活用する、そんな素晴らしい夢を潜在意識に刻み込んでいきましょう。
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