リフレーミングと聞いて、ピンと来ますか?
リフレーミング(reframing)は、物事を一定の枠でとらえていた時に、その見方を変え、新たな枠で捉え直す思考プロセスです。
禅では「信疑一如」という考えがあり、自分の信じるものや見方に疑問を持ち、異なる視点に触れることで、深い理解が得られるとされています。
人生を豊かにするためには、視点を変えることが不可欠です。
そこで、異なる見方を用いて人生をもっと楽しむリフレーミングの技術をご紹介します。
半分の水が入ったコップ
リフレーミングのよくある例に、コップに入った水が半分の状況が挙げられます。
「もう半分しかない」と捉える視点と、「まだ半分もある」と捉える視点です。
前者の視点は欠乏を感じさせ、後者は満足や幸福を感じさせます。
リフレーミングには、内容のリフレーミングと状況のリフレーミングの二通りがあり、ここでの例は内容のリフレーミングに該当します。
内容のリフレーミングでは、「この状況が持つ別の意味は何か?」と考えます。
変えられない状況でも、意味の捉え方を変えることで、新しい見方が見えてきます。
半分の水の例で言うと、足りない水をどこから得るか、残っている水で何ができるかを考えることができます。
靴の販売員
マーケティングにおけるリフレーミングの有名な例として、アフリカの新興国での靴販売の市場調査があります。
靴メーカーの販売員二人がアフリカの新興国で調査を行った際、地元の人々がみな裸足であることに気付きました。
そのうちの一人は「ここでは靴は売れない」と絶望しましたが、もう一人は「全員に靴を提供する大チャンスだ」と興奮しました。
見方を変えることで、挑戦的な状況も自己成長や他者へのアピールの機会として捉え直し、積極的な姿勢を保つことができます。
鶏鳴狗盗
戦国時代の中国に孟嘗君という人物がいました。
彼は才能があればどんなものでも歓迎する方針で、数千人もの食客を迎え入れていました。
その中には、鶏の鳴き声を模倣する人や、犬のように敏速に盗む技術を持つ人など、一見すると実用性が低いように思える才能の持ち主もいました。
しかし、孟嘗君が危機に陥った際、これらの珍しい才能が命を救うことになりました。
「鶏鳴狗盗」という言葉は、些細な能力でも重要な役割を果たすことがあるということを示す例えですが、状況のリフレーミングにも適しています。
状況を変えることで成果を出すという視点が、この考え方の核心です。
こうした視点を持つことで、世の中には無用な人やものはほとんど存在しないと理解できるようになります。
立場の変更
リフレーミングを使い、人間関係の問題を解決する方法として立場の変更があります。
これは、争いがある時に相手の立場や第三者の立場から物事を見ることを意味します。
セラピーでのリフレーミングは、対象を異なる角度から見ることで、その意味を変え、感情をポジティブなものに変えることを目的としています。
立場の変更は状況のリフレーミングをさらに発展させたもので、感情の向上だけでなく、様々な視点から問題解決を図ることを目指します。
雪に折れない柳の枝
古くから日本では「柳の枝は雪に折れない」と言われています。
これは、柔らかくしなやかなものが、硬いものよりも強い耐性を持つことを意味します。
相手の短所と思われがちな特徴も、実は長所として評価される可能性があります。
これは「この状況にはどんな異なる意味が隠されているのか?」という内容のリフレーミングの素晴らしい例です。
相手の特徴をただの短所と見なさずに内容のリフレーミングを行い、長所として再評価することで、人間関係はより良いものに変わります。
まとめ
いかがでしたか?
一般的に知られている例を挙げて、内容と状況のリフレーミングについてご説明しました。
状況のリフレーミングで新たな特徴を見つけ、内容のリフレーミングでそれを肯定的、否定的両方の面から探ることができます。
これらの方法を生活に取り入れることで、人生をもっと楽しむことができるようになります。
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