取引先から非常に厳しい納期の注文が来ることは珍しくありませんよね。
また、上司から「大切なお客様だから何とかしろ。」と言われると、「これは絶対に無理です!」と強く断りたくても、なかなかそうは言えないこともあります。
そんな時に上手な返答ができると良いですよね。
「難しい」「無理」「手強い」といったネガティブな言葉を、ポジティブな言葉に変えることで、やりとりがスムーズかつ建設的になることがあります。
日本には「言霊」という言葉がありますが、これも無視できません。
人間の脳は意外に言葉に引きずられやすく、否定的な言葉が思考を否定的にしてしまうこともあります。
そこで、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換える方法があります。
その一例として「ネガポ辞典」という書籍やスマホアプリも存在します。
今回は「ネガポ辞典」を参考にしながら、以下の内容を紹介します。
- 「難しい」「できない」「厳しい」のポジティブな言い換え例
- 「失敗」「クレーム」「反省」のポジティブな言い換え例
これらの前向きで心地よい表現を、さまざまなビジネスシーンで活用してみましょう。
「難しい・できない・厳しい」のポジティブな言い換え例
「無理です」「できません」「厳しいです」といった言葉をポジティブに言い換えるための3つの例を以下に示します。
- 「可能性が全くないわけではありません。」
- 「ご要望にはお応えできません。」
- 「最大限の努力が必要です。」
これらの言い換えを効果的に使うためには、
「ポジティブな言葉 + But + 代替案の提示・問題解決のための提案」
という構文をお勧めします。
【例文】「大変」をポジティブに言い換えるビジネス文例
例えば、次のような状況を考えてみましょう。
明日のイベントで配布予定の大量のパンフレットにミスが見つかりました。
販売促進チームの全員が作業しても、修正シールの貼付が終わらなそうです。
しかし、課長からは強く対応を要求されています。
この場合、次のように伝えるのが良いでしょう。
【例文】「できない」をポジティブに言い換えるビジネス文例
ここでは、取引先とのやり取りの例を見てみましょう。
たとえば、突然「今日中に製品を発送してもらえないか」と依頼されたとします。
当初の計画では、製品は明日完成し、明後日の便で発送する予定でした。
残業すれば今夜中に製品を完成させることは可能ですが、輸送業者の受付が終了しているため、本日中の発送は難しい状況です。
この場合、次のように伝えると良いでしょう。
【例文】「厳しい」をポジティブに言い換える文例
ここでは、学校の先生が使えるフレーズの例を紹介します。
生徒が志望校を記入した紙を提出しましたが、現在の学力と志望校のレベルが一致しない場合があります。
「合格は厳しい」と直接伝えると、生徒のモチベーションが下がるかもしれません。
その場合、次のように伝えると良いでしょう。
ネガティブな言葉が浮かんでも、ポジティブに言い換えることで、より前向きで心地よい対応が可能になりますよね。
自分の短所もポジティブに変換!短所を長所に変える方法
自分の短所をポジティブに言い換えて、「長所」に変えることができます。例えば、
- 短気 → エネルギッシュ
- 頑固 → 忍耐力がある
- せっかち → 行動が早い
- 大雑把 → 大らか
- うるさい → 活発
- おっちょこちょい → おおらか
- しつこい → 熱心
- わがまま → 自分の意見を持っている
- めんどくさい → 細かいところに気を配る
これらの短所とされる特徴も、言い換え次第で「魅力的な特徴」として捉えることができます。
次に、「失敗」「クレーム」「反省」のポジティブな言い換えについてもご紹介します。
「失敗・クレーム・反省」をポジティブに変える方法
ここでは、ネガティブな表現である「失敗」「クレーム」「反省」をポジティブな表現に言い換える方法をご紹介します。
以下のフレーズは、「ネガポ辞典」からの引用です。
- 失敗 → 成功へのステップ / 大成功に一歩近づく
- クレーム → 社内改善のヒント
- 反省 → 次の挑戦への準備 / 次のプロジェクトの戦略会議
具体的な例を見てみましょう。
例えば、生産過程で機器の不具合が発生し、不良品が市場に流通してしまったケースです。
結果として、回収作業に追われ、カスタマーセンターでは苦情対応を行っています。
検品チームは不良品の見落としについて深く悩んでいます。
この状況を次のように伝えると良いでしょう。
理想的な上司が表現する場合、次のようになります。
「クレーム」を「お客様のご指摘」、「失敗」を「成功へのステップ」と捉え、また「反省」を生かして次の挑戦に進む姿勢を示すことで、社員にポジティブな印象を与え、前向きな気持ちで業務に取り組むことができます。
言葉の使い方ひとつで、人の気持ちは大きく変わることがありますね。
まとめ
以前の職場では、クライアントの無理な要求に対して何でも受け入れる姿勢が一般的でした。
しかし、すべてをお客様の言いなりにすることが必ずしも良い仕事とは限りません。
仕事のクオリティが低下したり、中途半端な結果になったりすることもあります。
そのため、厳しい状況に対して適切にお断りする能力や、実現可能な代替案を提案するコミュニケーションスキルが重要です。
無理だとか厳しいという言葉を使わずに、ポジティブな表現を効果的に利用することで、より良いビジネス関係を築くことができます。
「ネガポ辞典」は、ユーザーが考案した様々なポジティブな言い換え例が掲載されており、眺めるだけでも楽しめます。ぜひ、活用してみてください。
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