ご近所さんから「うちで採れた野菜なんだけど、よかったらどうぞ」と手渡されたとき、思わず「お返しはどうしよう…」と頭をよぎったことはありませんか。実家から届いたお菓子、使わなくなった子ども服、旅行のお土産など、おすそ分けの形はさまざま。でも、いただくたびに「何かお返ししないと失礼かな」とモヤモヤしてしまう方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、おすそ分けへのお返しは基本的に必要ありません。大切なのは、感謝の気持ちをしっかり伝えること。それだけで十分なんです。
この記事では、おすそ分けをいただいたときの正しいマナーから、どうしてもお返ししたいときの渡し方、さらには「頻繁すぎて困る…」というときの上手な断り方まで、詳しく解説していきます。季節ごとの事例や、マンション・戸建てでの違い、子どもがいる家庭ならではの注意点なども紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそも「おすそ分け」ってどんな行為?
お返しのマナーを考える前に、「おすそ分け」という行為の本質を理解しておきましょう。ここを押さえておくと、どう対応すべきかが自然と見えてきます。
「おすそ分け」の語源と意味
「おすそ分け」という言葉、実は着物に由来しています。着物の「裾(すそ)」は下の端っこの部分で、「余った部分」「端のほう」という意味があります。つまり、自分のところで余ったものや、端っこの部分を誰かに分けてあげる――これが「おすそ分け」の本来の意味なんです。
現代では、実家から届いた野菜や果物、いただき物のお菓子で食べきれない分、子どもが成長して使わなくなったおもちゃや洋服など、いろいろなものがおすそ分けの対象になっています。共通しているのは、「自分のところでは余っている」「誰かに使ってもらえたらうれしい」という気持ちです。
贈り物やお祝いとは根本的に違う
ここがとても大切なポイントなのですが、おすそ分けは「贈り物」や「お祝い」とは性質がまったく異なります。
たとえば、お中元やお歳暮は「日頃お世話になっている感謝を形にする」という明確な目的があり、いただいた側もお返しをするのが慣習になっています。結婚祝いや出産祝いも同様で、内祝いという形でお返しをするのがマナーとされていますよね。
一方、おすそ分けの動機は「余ったから」「もったいないから」「喜んでもらえたらうれしいな」というもの。渡す側も受け取る側も、気軽にやり取りできることが本来の姿なんです。だからこそ、おすそ分けには「お返しをしなければ」と構える必要がないんですね。
おすそ分けにお返しは基本的に不要です
おすそ分けをいただいたとき、「何かお返ししないと…」と焦る必要はありません。むしろ、お返しをしないほうがマナーにかなっているケースのほうが多いんです。ここでは、その理由を詳しく見ていきましょう。
渡す側はお返しを期待していない
おすそ分けをする人の心理を考えてみてください。「たくさんあるから誰かにあげよう」「捨てるのはもったいないから使ってもらいたい」「喜んでくれたらうれしいな」――こんな気持ちで渡しているはずです。
つまり、渡す側は受け取ってもらえただけで満足しているんです。「お返しがほしい」なんて思っていません。むしろ、受け取った相手が「ありがとう、おいしかったよ」「子どもが喜んで遊んでるよ」と言ってくれたら、それだけで十分うれしいものなんですよね。
わざわざ買ってまでお返しするのは逆効果
「手元に渡せるものがないから、何か買ってお返ししよう」と考える方もいるかもしれません。でも、これは避けたほうがよいでしょう。理由はいくつかあります。
まず、わざわざ購入してお返しをすると、おすそ分けをした相手に「余計な気を遣わせてしまった」と思わせてしまいます。善意で渡したつもりが、結果的に相手に負担をかけてしまったことになり、かえって申し訳ない気持ちにさせてしまうんです。
さらに、「渡すたびにお返しが来る」となると、相手は気軽におすそ分けができなくなってしまいます。「またお返しが来ちゃうかな…」と考えて、次から渡しにくくなってしまうんですね。これでは、せっかくのご近所付き合いがギクシャクしてしまいます。
「お返しがほしいのかな」と誤解されるリスクも
お返しをすることで生じるもうひとつの問題は、相手に誤解を与えてしまう可能性があることです。
純粋な善意からおすそ分けをしたのに、お返しを受け取ると「もしかして、お返しがほしくておすそ分けしたと思われた?」と不安になることがあります。渡した側にとって、これは非常に残念なこと。こうした誤解を避けるためにも、おすそ分けには基本的にお返しをしないという姿勢が大切なんです。
感謝の気持ちを伝えることが何より大切
お返しをしない代わりに、ぜひ大切にしてほしいのが「感謝を伝えること」です。言葉で伝える感謝は、どんな品物よりも相手の心に響きます。ここでは、感謝を上手に伝えるコツをご紹介します。
受け取ったその場でまずはお礼を
おすそ分けをいただいたら、まずはその場で「ありがとうございます」としっかり伝えましょう。このとき、形式的なお礼ではなく、うれしい気持ちを素直に表現するのがポイントです。
「わあ、こんなにたくさん!うれしいです、ありがとうございます」
「ちょうど食べたいと思ってたんです。いいタイミングでいただけてラッキー!」
「うちの子、これ大好きなんですよ。喜びます!」
こんなふうに具体的なリアクションを添えると、相手も「渡してよかったな」と思ってくれます。
後日、感想を伝えるとさらに喜ばれる
感謝を伝えるのは、受け取ったときだけではありません。後日、実際に食べたり使ったりした感想を伝えると、相手の喜びはぐっと大きくなります。
「この前いただいたトマト、すごく甘くておいしかったです。サラダにしたら子どもたちがパクパク食べてました」
「いただいた絵本、うちの子がすっかり気に入って、毎晩読んでって言うんですよ」
「おもちゃ、さっそく遊んでます。ありがとうございました!」
こうした感想は、次にご近所で会ったときにさらっと伝えるだけで十分です。わざわざ訪問する必要はなく、道端で会ったときやゴミ出しのタイミングなど、日常の中で自然に伝えればOKです。
LINEやメッセージで伝える方法も
最近は、ご近所同士でもLINEでつながっていることが増えましたよね。直接会う機会が少なかったり、タイミングを逃してしまったりした場合は、メッセージで感謝を伝えるのもよい方法です。
「先ほどはおすそ分けありがとうございました!さっそく今夜いただきますね」
「いただいた○○、家族みんなでおいしくいただきました。ごちそうさまでした!」
こんな感じで、シンプルながらも温かみのあるメッセージを送りましょう。ただし、あまり長文になったり、何度もメッセージを送ったりすると、かえって相手に気を遣わせてしまうので注意してくださいね。
手書きのメモを添えるという選択肢
もう少しあらたまった形で感謝を伝えたい場合は、小さなメモやカードに一言添えて渡す方法もあります。「この前はありがとうございました」と書いた簡単なメモを、次に会ったときに手渡すだけで、気持ちは十分に伝わります。
普段あまり顔を合わせないご近所さんの場合は、こうしたメモが特に効果的です。受け取った相手は「わざわざ書いてくれたんだ」と、あなたの誠意を感じ取ってくれるでしょう。
どうしてもお返しをしたいときの上手な渡し方
「基本的にお返しは不要」とはいえ、「何もしないのは気が引ける」「いつもお世話になっているから何か渡したい」という気持ちもありますよね。そんなときは、以下のポイントを押さえて対応すると、相手に負担をかけずに気持ちを伝えられます。
すぐに返すのはNG!1~2週間以上空けよう
お返しをする場合に最も気をつけたいのが、タイミングです。おすそ分けをいただいてすぐにお返しをするのは、絶対に避けてください。
なぜかというと、すぐにお返しをすると「いただいたものが迷惑だった」「早く返してこの関係を終わらせたい」というメッセージとして受け取られてしまう可能性があるからです。せっかくの善意が否定されたように感じ、相手を傷つけてしまいかねません。
最低でも1~2週間、できれば1ヶ月くらい間隔を空けてから渡すのがベストです。時間が経てば「いつのおすそ分けに対するお返しなのか」が曖昧になり、「お返し」ではなく「こちらからのおすそ分け」という自然な形になります。
「お返し」という言葉は使わない
渡すときに「この前のお返しです」とは言わないようにしましょう。「お返し」という言葉を使うと、どうしても「借りを返す」というニュアンスが出てしまいます。
代わりに、こんなふうに伝えてみてください。
「実家から○○がたくさん届いたので、よかったらどうぞ」
「旅行に行ってきたので、ちょっとしたお土産です」
「いただき物なんですけど、うちだけじゃ食べきれなくて。お口に合えばうれしいです」
あくまで自分発信の「おすそ分け」や「お土産」という形にすることで、相手も気兼ねなく受け取れます。
渡すものの選び方と金額の目安
お返しとして渡すなら、どんなものがよいでしょうか。おすすめなのは以下のようなものです。
旅行や帰省のお土産が最も自然です。「○○に行ってきたので」という理由があるので、相手も受け取りやすいでしょう。地域の銘菓や名産品など、普段は買わないようなものを選ぶと喜ばれます。
実家から届いた野菜や果物も定番ですね。「たくさん届いたので」という理由であれば、相手に負担を感じさせません。
いただき物のお菓子なども同様です。「家族だけでは食べきれないので」と伝えれば、自然に渡せます。
金額についても気をつけたいポイントがあります。相手からいただいたものと同程度か、それより少し控えめな価格帯のものを選びましょう。明らかに高価なものを渡すと、「次からおすそ分けしにくいな…」と相手に思わせてしまいます。
おすそ分けをされる側としても知っておきたい「渡しやすいもの」
ここまでは「いただく側」の視点でお話ししてきましたが、逆に「おすそ分けをする側」になることもありますよね。どんなものが渡しやすく、相手にも喜ばれやすいのか、知っておくと便利です。
喜ばれやすいおすそ分けの定番
おすそ分けで喜ばれやすいのは、やはり「消えもの」です。食べたらなくなるもの、使ったらなくなるものは、相手の家に物が増えないので負担になりにくいんです。
野菜や果物は定番中の定番です。家庭菜園で採れたものや、実家から届いたものなど、「新鮮なうちに食べてほしい」という気持ちが伝わりやすいですね。
お菓子やスイーツも人気です。いただき物で量が多いときや、旅行のお土産を配るときなどに重宝します。
子ども用品も、お子さんのいる家庭同士ではよく行き来するものです。サイズアウトした服、使わなくなったおもちゃ、読み終わった絵本など、「うちでは使わないけど、まだ十分使えるもの」は喜ばれます。
渡す際に気をつけたいこと
おすそ分けをするときは、相手の負担にならないよう配慮することが大切です。
量は「ちょうどいい」くらいを心がけましょう。大量に渡しすぎると、相手は処理に困ってしまいます。「食べきれないかも」と思わせるほどの量は避けたほうが無難です。
鮮度や状態にも気を配りましょう。野菜なら新鮮なうちに、お菓子なら賞味期限に余裕があるうちに渡すのがマナーです。
相手の好みやアレルギーを把握していれば、それに合わせた選択ができるとベストです。普段の会話の中で「うちの子、これ好きなんですよ」といった情報をさりげなく覚えておくと役立ちます。
季節ごとのおすそ分け事情
おすそ分けには、季節ごとの「旬」があります。それぞれの時期にどんなものが行き来しやすいか、知っておくと便利ですよ。
春のおすそ分け
春は山菜や筍(たけのこ)のシーズンです。「実家の裏山で採れたから」「ご近所さんからたくさんもらったから」という理由で、筍やふきのとう、タラの芽などが回ってくることがあります。
新年度ということで、子ども用品のおすそ分けも増える時期です。入学・進級で使わなくなった学用品や制服が、次の学年の子どもがいる家庭に渡ることもあります。
夏のおすそ分け
夏は家庭菜園が最盛期を迎えます。きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ゴーヤなど、「採れすぎて食べきれない!」という野菜がご近所を行き交います。
この時期は、おすそ分けの頻度が高くなりやすいので、「また野菜が…」と感じることもあるかもしれません。そんなときの対処法は、後ほど詳しくご紹介しますね。
お中元シーズンでもあるので、「いただき物のお菓子やジュース」などがおすそ分けされることも多いです。
秋のおすそ分け
秋は果物の季節です。梨、ぶどう、柿、りんごなど、実家や親戚から届いた果物がおすそ分けされることが増えます。
また、栗や芋類も秋の定番です。「栗拾いに行ってきたから」「さつまいも掘りをしたから」という理由でいただくこともあるでしょう。
冬のおすそ分け
冬はみかんの季節ですね。「箱で届いたから」という理由で、みかんがおすそ分けされることが非常に多いです。
年末年始はお歳暮の時期でもあるので、いただき物のお菓子やハムなどが回ってくることも。また、お正月明けには「おもちが余ったから」というおすそ分けもあります。
マンションと戸建てで違うおすそ分け事情
住んでいる環境によって、おすそ分けの頻度や雰囲気は変わってきます。マンションと戸建て、それぞれの特徴を知っておくと、対応しやすくなりますよ。
マンションの場合
マンションでは、同じフロアや上下階のご近所さんとのやり取りが中心になります。エレベーターや廊下で顔を合わせる機会が多いので、そのタイミングでおすそ分けが行われることも。
マンションの場合、戸建てに比べておすそ分けの頻度は少なめなことが多いです。ただし、お子さん同士が同じくらいの年齢だったり、同じ階の人と仲良くなったりすると、頻繁にやり取りすることもあります。
マンションならではの注意点としては、他の住人の目があること。廊下で長話をすると通行の邪魔になることもあるので、手短に済ませるのがマナーです。
戸建ての場合
戸建ては、両隣や向かい、裏のお宅など、距離が近いご近所さんとの付き合いが密になりやすいです。庭先で話し込むことも多く、おすそ分けの頻度も高くなる傾向があります。
家庭菜園をしているお宅が多い地域では、夏場に野菜のおすそ分けラッシュになることも。「うちもトマト作ってるから大丈夫ですよ」とは言いにくいのが悩みどころです。
戸建ての場合、長年住んでいるご近所さんとの関係が深くなりやすいので、おすそ分けのやり取りも自然と増えていきます。良好な関係を維持するためにも、基本的なマナーを押さえておくことが大切です。
子どもがいる家庭ならではの注意点
お子さんがいるご家庭では、子ども用品のおすそ分けが多くなります。服、おもちゃ、絵本、ベビー用品など、子どもの成長とともに不要になるものは多いですからね。ここでは、子育て世帯ならではのポイントをお伝えします。
子ども用品をいただいたときの対応
子ども服やおもちゃをいただいたときは、「うちの子が使っている様子」を伝えると喜ばれます。
「いただいたワンピース、娘がすごく気に入って、毎日着たがるんですよ」
「このおもちゃ、うちの子にどんぴしゃでした。夢中になって遊んでます」
こんなふうに伝えると、おすそ分けをした相手は「渡してよかった」と心から喜んでくれます。
実際に使わなかった場合は?
正直なところ、いただいたものが必ずしも子どもに合うとは限りませんよね。サイズが合わなかったり、子どもの好みに合わなかったり…。
そんなときは、無理に「使ってます!」と嘘をつく必要はありません。相手がお返しを求めているわけではないので、いただいた時点でお礼を伝えていれば十分です。
使わなかったものは、別のお友達におすそ分けしたり、フリマアプリで譲ったり、地域のリサイクルに出したりしても問題ありません。ただし、おすそ分けをくれた相手に見えるところで売ったり譲ったりするのは避けたほうが無難です。
子ども同士のトラブルに発展しないように
子どもがいると、「うちの子もほしがってる」「あの子がもらってたのに、うちはもらえなかった」といったことが起きることもあります。
おすそ分けは基本的に「余ったもの」を分ける行為なので、全員に平等に配る義務はありません。ただ、お子さん同士が仲良しの場合は、あまり差がつかないように配慮できると、トラブルを避けられます。
また、子どもの前でおすそ分けをするときは、「これはおばちゃんからのプレゼントだよ」などと伝えて、お礼を言う習慣を教えるよい機会にもなりますね。
頻繁なおすそ分けを上手に断る方法
ありがたいおすそ分けですが、あまりに頻繁だと負担に感じることもありますよね。収納場所に困ったり、好みに合わないものが続いたり、お返しの気遣いが重荷になったり…。そんなときに、相手を傷つけずにやんわりと断る方法をご紹介します。
直接「いりません」と言うのは避けて
まず大前提として、「今後は結構です」「もういただかなくて大丈夫です」といった直接的な断り方はNGです。たとえ丁寧な言葉遣いであっても、相手の善意を真っ向から拒否することになり、関係に亀裂が入りかねません。
毎日顔を合わせる可能性があるご近所さんだからこそ、慎重な対応が必要です。一度壊れた関係は、なかなか修復が難しいものです。
「申し訳ない」だけでは伝わらない
「いつももらってばかりで申し訳ないです」と言って断ろうとする方も多いのですが、実はこの方法はあまり効果がありません。
なぜかというと、おすそ分けをする側は「いいのよ、気にしないで」と返すのが自然な流れだからです。日本人は謙虚な姿勢として「申し訳ない」という言葉をよく使いますが、相手からすると社交辞令と受け取られてしまうことがほとんど。本気で断りたいという意思は、この言い方では伝わりにくいんです。
効果的な断り方:高価なお返しを「すぐに」渡す
相手を傷つけずにおすそ分けを減らしてもらうには、ちょっとしたテクニックが必要です。最も効果的なのは、いただいたものよりも明らかに高価な品物を、あえてすぐにお返しすることです。
「え?さっきは『すぐにお返しするのはNG』って言ってなかった?」と思いますよね。通常のおすそ分けでは確かにそうなのですが、断りたい場合は例外です。
いただいてから数日以内に、相手が「え、こんな高いものを…」と恐縮するような品物をお返しすることで、暗に「これ以上は受け取れません」というメッセージを伝えることができます。
このとき、「いつもいただいてばかりなので」「お気持ちだけで十分ですので、今後はどうぞお気遣いなく」といった言葉を添えましょう。高価なお返しと合わせてこの言葉を伝えることで、相手は「これ以上は控えたほうがいいのかも」と察してくれるはずです。
状況別の断り方フレーズ
状況に応じて、以下のようなフレーズを使い分けると、角を立てずに断りやすくなります。
基本フレーズとして使えるのは、「いつもありがとうございます。でも本当にお気持ちだけで十分ですので、今後はどうぞお気遣いなく」です。高価なお返しと一緒に使うと効果的です。
物の種類によっては、「実は収納場所がなくて困っていまして…」という理由も使えます。特にかさばるものや、大量にいただいた場合には自然な断り文句になります。
食品の場合は、「家族が少なくて、いつも食べきれなくて無駄にしてしまうんです」という言い方も有効です。もったいないことをしているという罪悪感を伝えることで、相手も「それなら無理に渡さないほうがいいかな」と考えてくれます。
本当にアレルギーがある場合に限り、「アレルギーがあって…」という理由も使えます。ただし、嘘をつくと後々困ることになるので、事実に基づいた場合のみにしてくださいね。
断った後のフォローも大切
うまく断れたとしても、その後の関係性への配慮は欠かせません。おすそ分けが減ったからといって、急に態度が変わったように見えると、相手は「やっぱり迷惑だったのかな」と傷ついてしまいます。
断った後も、普段どおり挨拶を交わし、世間話をするなど、良好なコミュニケーションを続けることが大切です。おすそ分け以外の場面で変わらず親しく接することで、「断っても関係は変わらないんだ」と相手に伝えられます。
こんなときはどうする?よくあるケース別対応
おすそ分けに関する「これってどうすればいい?」という疑問に、ケース別でお答えします。
明らかに高価なものをいただいた場合
高級フルーツやブランド品など、「これはおすそ分けと呼ぶには高額すぎるのでは…」というものをいただくこともあります。
こんなときは、相手の意図を考えてみましょう。本当に「余ったから」なのか、それとも何か特別な感謝やお祝いの気持ちが込められているのか。後者であれば、それ相応のお返しを検討したほうがよいかもしれません。
判断に迷う場合は、まずはしっかりとお礼を伝え、後日さりげなくお返しをするのが無難です。
引っ越してきたばかりのご近所さんからいただいた場合
新しく引っ越してきた方からおすそ分けをいただいた場合、それは「これからよろしくお願いします」という挨拶の意味も込められていることが多いです。
基本的にはお返し不要ですが、今後の関係づくりを考えると、こちらからも何かの機会に手土産を渡すと、よいスタートが切れます。1~2週間後くらいに「こちらこそよろしくお願いします」という気持ちを込めて渡すのがおすすめです。
毎回同じものをいただいて困っている場合
毎週のように同じ野菜をいただくなど、同じものが続いて困ることもありますよね。
こんなときは、こんなふうに伝えてみてください。
「いつもありがとうございます。実は先週いただいた分がまだ残っていまして…」
「また食べきったらお声がけしますね」
消費ペースを伝えることで、今後の頻度を調整してもらえるかもしれません。ポイントは、感謝の気持ちを伝えつつ、現状を正直に伝えること。相手も、せっかくのおすそ分けを無駄にしてほしくはないはずです。
その場で受け取りを断ってもいい?
差し出されたものをその場で断るのは、できれば避けたいところです。相手の善意を目の前で拒否することになり、関係悪化につながりかねません。
まずは受け取って、後日の対応で頻度を調整してもらうようにしましょう。どうしてもその場で断りたい事情がある場合は、「すみません、今冷蔵庫がいっぱいで入らないんです」など、具体的な理由を添えると角が立ちにくくなります。
お礼を言いそびれてしまった場合
「そういえば、ちゃんとお礼を言えてなかったかも…」と気づくこともありますよね。でも大丈夫。遅くなっても、お礼を伝えることに意味があります。
「先日はありがとうございました。お礼を言いそびれてしまって」と一言添えて、次に会ったときやLINEで伝えましょう。時間が経っていても、感謝の気持ちは相手に届きます。
よくある質問
Q.
A.
Q.
A.
Q.
A.
Q.
A.
- おすそ分けのお返しは絶対に必要ですか?
-
基本的に必要ありません。おすそ分けは余ったものや不要になったものを分ける行為であり、渡す側はお返しを期待していないのが一般的です。感謝の気持ちを言葉でしっかり伝えることが、何よりも大切な対応です。
- お返しを渡すなら、いつ頃がいいですか?
-
おすそ分けをいただいてから、最低でも1~2週間以上、できれば1ヶ月程度空けてから渡すのがベストです。すぐに返すと「迷惑だった」という印象を与えてしまう可能性があります。
- お返しにはどのくらいの金額のものを選べばいいですか?
-
いただいたものと同程度か、それより少し控えめな価格帯のものを選びましょう。高価すぎるものを渡すと、相手が今後おすそ分けしにくくなってしまいます。
- 頻繁なおすそ分けを断りたいのですが、どうすればいいですか?
-
直接断るのは避け、いただいたものよりも高価な品物をあえてすぐにお返しする方法が効果的です。「今後はどうぞお気遣いなく」という言葉を添えることで、相手に察してもらえます。
- 受け取ったその場で断ってもいいですか?
-
差し出されたものをその場で断るのは、相手の善意を拒否することになり、関係悪化につながりかねません。まずは受け取り、後日の対応で頻度を調整してもらうようにしましょう。
- お礼を伝えるタイミングを逃してしまったのですが、どうすればいいですか?
-
遅くなっても、お礼を伝えることに意味があります。「先日はありがとうございました。お礼を言いそびれてしまって」と一言添えて、次に会ったときやLINEなどで伝えましょう。
- 子ども用品をいただいたけど、うちの子に合わなかった場合はどうすればいい?
-
無理に「使ってます」と伝える必要はありません。いただいた時点でお礼を伝えていれば十分です。使わなかったものは、別の方に譲ったり、リサイクルに出したりしても問題ありません。
まとめ
おすそ分けをいただいたときの対応について、ポイントを整理しておきましょう。
おすそ分けへのお返しは基本的に不要です。おすそ分けは「余ったもの」「使わなくなったもの」を分け与える行為であり、渡す側はお返しを期待していません。わざわざ購入してまでお返しをすると、かえって相手に気を遣わせてしまう結果になりかねません。
最も大切なのは、感謝の気持ちをしっかりと伝えることです。受け取ったときのお礼はもちろん、後日「おいしかったです」「子どもが喜んでいます」といった感想を伝えると、相手は渡した甲斐があったと喜んでくれます。
どうしてもお返しをしたい場合は、1~2週間以上の間隔を空けてから、「お返し」ではなく「おすそ分け」や「お土産」という形で渡しましょう。旅行のお土産や実家から届いたものなど、自然な理由をつけると相手も受け取りやすくなります。
頻繁なおすそ分けを断りたい場合は、直接断るのではなく、高価なお返しをあえてすぐに渡すことで、やんわりと意思を伝える方法が効果的です。「今後はお気遣いなく」という言葉を添えて、相手に察してもらいましょう。
季節ごとのおすそ分け事情や、マンション・戸建ての違い、子どもがいる家庭ならではの注意点など、さまざまな状況に応じた対応を知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。
ご近所との関係は、一度壊れると修復が難しいもの。おすそ分けという日常の小さなやり取りこそ、良好な関係を築く大切なきっかけになります。この記事でご紹介したマナーを参考に、気持ちの良いご近所付き合いを続けていただければうれしいです。

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