お子さんやお孫さん、あるいは親しい友人のお子さんが、いよいよ新しい学校生活をスタートさせる――そんな嬉しい知らせを受けたとき、「入学祝い」の準備を始める方も多いのではないでしょうか。
そこでふと気になるのが「のし袋」のこと。せっかくなら、ちょっとかわいいデザインののし袋でお祝いの気持ちを伝えたい。でも、「マナー的に大丈夫なのかな?」「そもそも正しい書き方ってどうだったっけ…」と不安になることもありますよね。
この記事では、そんなお悩みをまるっと解決します。入学祝いに使う「のし袋」について、選び方のコツから正しい書き方、金額の相場、購入できる場所まで、知っておきたい情報をわかりやすくお伝えしていきます。最後まで読めば、自信を持って入学祝いの準備ができるようになりますよ。
そもそも入学祝いに「かわいいのし袋」を使っても大丈夫?
まず最初に、多くの方が気にしている疑問からお答えしましょう。
結論からいうと、入学祝いにデザイン性のある「かわいいのし袋」を使うことは、まったく問題ありません。むしろ、受け取るお子さん本人にとっては、華やかでかわいいデザインの方が嬉しいことも多いんです。
ただし、ここで一つだけ押さえておきたいポイントがあります。それは「誰に贈るか」によって、デザインの選び方に少し気を配る必要があるということ。具体的には「贈る相手との関係性」と「お子さんの年齢」、この2つを意識するだけで、より喜ばれるのし袋選びができるようになります。
のし袋選びで大切なのは「フォーマル度」のバランス
のし袋には、大きく分けて2つのタイプがあります。一つは、伝統的な水引(みずひき)がついた格式高いデザイン。もう一つは、キャラクターや花柄などがあしらわれたカジュアルなデザインです。
伝統的なのし袋は、贈る相手のご家庭に対して「きちんと礼儀を尽くしました」という敬意を示すもの。一方、カジュアルなデザインのものは、お子さん本人に「入学おめでとう!」という親しみを直接伝えるものといえます。
どちらが正解というわけではありません。あなたと贈る相手との関係性に合わせて、ちょうど良いバランスを選ぶことが大切です。次の章から、具体的な選び方を詳しく見ていきましょう。
失敗しない!入学祝いのし袋の選び方【3つのポイント】
のし袋選びで迷わないために、チェックすべきポイントは3つあります。「贈る相手との関係性と年齢」「包む金額」「購入場所」です。この順番で考えていけば、最適なのし袋にたどり着けます。
ポイント1:贈る相手との関係性と年齢で選ぶ
のし袋のデザインを決める上で、最も重要なのが「誰に贈るか」です。関係性が近ければ近いほど、デザインの自由度は高くなります。
孫や甥・姪など、親しい身内に贈る場合
気心の知れた身内へのお祝いなら、マナーを気にしすぎる必要はありません。お子さん本人が喜んでくれるデザインを優先して選びましょう。
小学校低学年のお子さんには、好きなキャラクターや動物、乗り物などが描かれた、カラフルでポップなデザインがおすすめです。水引の代わりにリボンがついているものや、開くとイラストが飛び出す仕掛け付きのものも人気があります。
小学校高学年から中学生になると、少しずつ大人びてくる年頃。キャラクターものを卒業して、好きな色(パステルカラーなど)や流行のモチーフを取り入れた、ちょっと洗練されたデザインが喜ばれます。
高校生や大学生以上になると、シンプルながらもセンスの良いデザインが好まれるようになります。人気ブランドのロゴが入ったものや、金箔押しのスタイリッシュなデザイン、布製で後から小物入れとして使えるタイプなども気の利いた選択です。
友人や同僚のお子さん、遠い親戚に贈る場合
丁寧な印象を与えたい間柄では、お子さんへの親しみと、ご家庭への敬意のバランスを取ることがポイントです。
小学生のお子さんへ贈る場合、キャラクターものでも問題ありませんが、誰もが知っている国民的なキャラクターなど、万人受けするものを選ぶと安心です。キャラクターを避けるなら、かわいらしい動物や乗り物、上品な花柄などがおすすめ。
中学生・高校生以上のお子さんには、キャラクターものは避けた方が無難です。上質な紙を使ったシンプルなデザインや、落ち着いた色合いの幾何学模様、和柄をモダンにアレンジしたものなどを選ぶと、「一人の大人として尊重しています」というメッセージが伝わります。
年齢別おすすめデザイン早見表
迷ったときの参考に、年齢と関係性別のおすすめデザインを表にまとめました。
| 年齢 | 親しい身内へ | 友人・同僚の子どもへ |
|---|---|---|
| 小学校低学年 | 好きなキャラクター、カラフルなもの、仕掛け付き | 国民的キャラクター、動物・乗り物柄、上品な色合い |
| 小学校高学年 | 好きな色やモチーフ、少し大人びたキャラクター | パステルカラー、チェック柄、花柄 |
| 中学生 | 流行のモチーフ、シンプルなロゴ風デザイン | 幾何学模様、ストライプ柄 |
| 高校生以上 | ブランドロゴ入り、金箔押し、布製 | 上質な和紙製、モダンな和柄、素材感の良い無地 |
ポイント2:包む金額に合わせて「袋の格」を選ぶ
意外と知られていないのですが、のし袋には包む金額に応じた「格」があります。中身と外見のバランスが取れていないと、ちょっとちぐはぐな印象を与えてしまうこともあるので、ここは押さえておきたいところです。
1万円程度までを包む場合は、水引が印刷されているシンプルなデザインで十分。100円ショップで手に入るものでもOKです。逆に、少額なのに豪華すぎる袋を選ぶと、中身が見劣りしてしまうので注意しましょう。
1万円から3万円程度を包む場合は、印刷ではなく実際に紅白や金銀の水引が結ばれている、少し格の高いものを選びます。この価格帯が最も一般的で、デザインの選択肢も豊富です。
3万円以上を包む場合は、水引がより大きく立派なものや、和紙の質感にこだわったものなど、見るからに高級感のあるのし袋を選ぶのがマナーです。
ポイント3:購入場所ごとの特徴を知っておく
のし袋はさまざまな場所で購入できますが、それぞれに特徴があります。目的や状況に合わせて、上手に使い分けましょう。
100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)は、とにかく手軽に済ませたい人におすすめ。品揃えは限られますが、シンプルで使いやすいデザインが揃っています。入学シーズン前には、季節限定のかわいいデザインが並ぶこともありますよ。
文具専門店(ロフト、東急ハンズなど)は、デザインにこだわりたい人にぴったり。トレンドを押さえたおしゃれなものから、ユニークなものまで、選択肢が豊富です。実際に手に取って質感を確かめられるのも嬉しいポイント。
百貨店・デパートは、品質と格式を重視する人向け。価格は高めですが、フォーマルで高級感のある商品が揃っています。贈答のプロである店員さんに相談できるのも心強いですね。
大型スーパーは、日常の買い物のついでに購入したい人に便利。品揃えは少なめですが、実用的で万人受けするデザインが手に入ります。
ネット通販(Amazon、楽天など)は、珍しいデザインを探したい人や、忙しくて買いに行く時間がない人におすすめ。品揃えは圧倒的に豊富で、ニッチなデザインも見つかります。ただし、実物を確認できないので、レビューをしっかりチェックしてから購入しましょう。
| 購入場所 | 品揃え | 価格帯 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 100円ショップ | 少なめ | 安い | 手軽に済ませたい人 |
| 文具専門店 | 豊富 | 標準 | デザインにこだわりたい人 |
| 百貨店・デパート | 標準的 | 高め | 品質と格式を重視する人 |
| 大型スーパー | 少なめ | 標準 | 買い物ついでに済ませたい人 |
| ネット通販 | 非常に豊富 | ピンキリ | 珍しいデザインを探したい人 |
これで完璧!のし袋の正しい書き方
のし袋を選んだら、次はいよいよ中身の準備です。書き方のマナーは、あなたの常識や品格が表れる部分。ここでしっかりマスターしておきましょう。
まず準備するもの:筆ペンを用意しよう
のし袋に文字を書く際は、毛筆または筆ペンを使うのが正式なマナーです。ボールペンや万年筆、普通のサインペンはマナー違反とされているので注意してください。
「筆に自信がない…」という方も大丈夫。最近は筆先のコシが強く書きやすい「硬筆筆ペン」や、インクの出が良いサインペンタイプの筆ペンも販売されています。文具店で実際に試し書きして、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
インクの色は必ず「濃い黒」を選んでください。薄墨(グレーがかった黒)は弔事(お葬式など)用なので、お祝い事には絶対に使ってはいけません。
表書きの書き方:お祝いの名目と名前を書く
のし袋の表面には、水引の上段に「お祝いの名目」を、下段に「贈り主の名前」を書きます。それぞれ中央に、楷書で丁寧に書きましょう。
お祝いの名目のバリエーション
入学祝いの表書きは「御入学祝」が最も一般的ですが、実は他にもいくつかの書き方があります。
「御入学祝」は、どの学校種別にも使える万能な表現です。迷ったらこれを選べば間違いありません。
「祝 御入学」という書き方もあります。これは、4文字を「死文字」として避ける慣習がある地域で使われることがあります。
「御祝」は、入学以外のお祝いにも使える汎用的な表現。シンプルに済ませたいときに便利です。
「小学校御入学祝」「中学校御入学御祝」のように、学校名を入れる書き方もあります。より丁寧な印象を与えたいときにおすすめです。
名前の書き方:パターン別解説
のし袋の下段には、贈り主の名前を書きます。贈り方によって書き方が異なるので、それぞれ確認しておきましょう。
個人で贈る場合は、中央にフルネームを書きます。
(例)
鈴木 一郎
夫婦連名で贈る場合は、中央に夫のフルネームを書き、その左側に妻の名前のみを書きます。
(例)
(中央)鈴木 一郎
(左側)花子
家族一同で贈る場合は、「○○家一同」と書くか、代表者のフルネームの左に「家族一同」と書き添えます。
(例)
鈴木家一同
(例)
(中央)鈴木 一郎
(左側)家族一同
会社の同僚など3名以下の連名で贈る場合は、役職や年齢が上の人を右から順に書いていきます。役職がなければ五十音順でOKです。
(例)
(右)山田 太郎
(中央)鈴木 次郎
(左)佐藤 三郎
4名以上の連名で贈る場合は、代表者のフルネームを中央に書き、その左に「外一同」と少し小さく書き添えます。全員の氏名を書いた紙(白い便箋など)は、中袋に入れておきましょう。
(例)
(中央)山田 太郎
(左側)外一同
中袋の書き方:金額と住所を記入する
お金を入れる中袋(中包み)にも、きちんと記入が必要です。これは、受け取った方が後でお祝いを整理するときに必要な情報になります。
表面には金額を書く
中袋の表面中央に、包んだ金額を縦書きで記入します。このとき、数字は「大字(だいじ)」と呼ばれる旧漢字を使うのが最も丁寧な書き方です。
なぜ大字を使うのでしょうか?これは、後から金額を改ざんされるのを防ぐための昔からの慣習なんです。たとえば「一」は一本書き足せば「二」や「三」にできてしまいますが、「壱」は他の字に変えられません。
下の表を参考に、金額に応じた書き方を確認してください。
| 金額 | 漢数字 | 大字(最も丁寧) |
|---|---|---|
| 5,000円 | 金五千円 | 金伍阡圓 |
| 10,000円 | 金一万円 | 金壱萬圓 |
| 20,000円 | 金二万円 | 金弐萬圓 |
| 30,000円 | 金三万円 | 金参萬圓 |
| 50,000円 | 金五万円 | 金伍萬圓 |
| 100,000円 | 金十万円 | 金拾萬圓 |
親しい間柄であれば、通常の漢数字(一、二、三…)でも問題ありません。ただ、丁寧な印象を与えたい場合は、大字を使うことをおすすめします。
裏面には住所と氏名を書く
中袋の裏面左下には、自分の住所と氏名を記入します。郵便番号も忘れずに書いておきましょう。これにより、受け取った方は誰からいくらもらったのかを正確に把握できます。
お札の準備と入れ方
お祝い事には、新札(ピン札)を用意するのが鉄則です。これには「この日のために、前もって準備していました」という気持ちが込められています。使い古したお札を入れるのは失礼にあたるので、必ず銀行の窓口や両替機で事前に準備しておきましょう。
お札を中袋に入れる向きにも決まりがあります。中袋の表面側から見て、お札の肖像画(顔)が上に来るように揃えて入れてください。複数枚ある場合は、すべてのお札の向きを完全に揃えます。こうすることで、袋を開けたときに肖像画がすぐに見えるようになります。
入学祝いの金額相場はいくら?
「いくら包めばいいの?」というのは、入学祝いで最も悩むポイントかもしれません。金額の相場は、贈る相手との関係性や、お子さんの進学先によって異なります。
以下の表は一般的な目安です。ご自身の経済状況や、これまでの付き合いの深さを考慮して、無理のない範囲で決めましょう。
| 贈る相手 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学・専門学校 |
|---|---|---|---|---|
| 孫 | 10,000〜50,000円 | 10,000〜50,000円 | 30,000〜100,000円 | 50,000〜100,000円 |
| 甥・姪 | 5,000〜20,000円 | 10,000〜30,000円 | 10,000〜30,000円 | 30,000〜50,000円 |
| 友人・知人の子 | 3,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 | 10,000〜30,000円 |
| 隣人・近所の子 | 3,000〜5,000円 | 3,000〜5,000円 | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 |
金額を決めるときの注意点
お祝い事では、縁起の悪い数字は避けるのがマナーです。「4(死を連想)」や「9(苦を連想)」が付く金額、たとえば4,000円や9,000円は避けましょう。
また、以前にお祝いをいただいたことがある相手には、同程度かそれ以上の金額を包むのが一般的です。いただいた金額を忘れてしまった場合は、少し多めに包んでおくと安心です。
よくある疑問Q&A
ここまでの内容で基本はバッチリですが、実際に準備を進めていると細かい疑問が出てくることもありますよね。よくある質問にお答えします。
- お祝いはいつ渡すのがベスト?
-
入学式の1か月前から、遅くとも1週間前までに渡すのが理想的です。入学準備にお金がかかる時期なので、早めに渡してあげると喜ばれます。
直接手渡しできるのが最も丁寧ですが、難しい場合は現金書留で郵送しても問題ありません。その際は、お祝いのメッセージカードを添えると気持ちが伝わりますよ。
- 書き損じてしまったらどうする?
-
修正テープや二重線で訂正するのは絶対にNGです。残念ですが、新しいのし袋を用意して書き直しましょう。
書き損じに備えて、のし袋は1枚多めに買っておくと安心です。余った分は次の機会に使えるので、無駄にはなりません。
- 相手の家庭が喪中の場合は?
-
四十九日が過ぎていない「忌中」の場合は、お祝い事全般を避けるのがマナーです。
四十九日を過ぎた「喪中」であれば、時期を少しずらしたり、相手に配慮を伝えたりした上でお祝いを贈ることは可能です。ただ、判断に迷う場合は、ご家族に意向を確認するのが確実。その際は、紅白の水引がついた派手なのし袋は避け、白無地の封筒を使うなどの配慮も大切です。
- 図書カードやギフト券を贈る場合は?
-
現金の代わりに図書カードやギフト券を贈る場合も、のし袋に入れて渡して問題ありません。表書きは「御祝」や「文具料」などとすると良いでしょう。
中袋には「図書カード壱萬円分」のように、中身がわかるように記載しておくと親切です。
- 兄弟姉妹が同時に入学する場合は?
-
基本的には、一人ひとりに別ののし袋を用意するのが最も丁寧です。それぞれの名前で別々にお祝いすることで、一人ひとりを大切にしているという気持ちが伝わります。
ただし、小学生の兄弟など年齢が近い場合は、一つののし袋にまとめても良いとされています。その場合は、金額を合算し、表書きには二人の名前を連名で記載しましょう。
- のし袋に中袋がついていない場合は?
-
100円ショップなどで購入したのし袋には、中袋がついていないことがあります。その場合は、白い無地の封筒を中袋の代わりに使っても構いません。
または、文具店で中袋だけを別途購入することもできます。少額のお祝いであれば、中袋なしでお札を直接入れても問題ないとする考え方もありますが、できれば中袋を用意した方が丁寧です。
まとめ:マナーを押さえて、心を込めたお祝いを
入学祝いの「のし袋」について、選び方から書き方、金額の相場まで詳しくお伝えしてきました。
かわいいデザインののし袋は、お祝いの気持ちを華やかに演出してくれる素敵なアイテムです。贈る相手との関係性や年齢に合わせて選べば、マナー違反になることはありません。
大切なのは、形式的なルールを守ることだけではなく、「おめでとう」という気持ちを込めて準備すること。この記事を参考に、あなたらしい素敵な入学祝いを届けてくださいね。

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