家族や親族に不幸があった場合、喪中はがきを出して「今年は年賀状を控えます」と事前にお知らせするのが一般的なマナーですよね。でも現実には、葬儀や諸手続きに追われて準備が間に合わなかったり、年末ぎりぎりに不幸があって喪中はがきを出すタイミングを完全に逃してしまったりすることも珍しくありません。
そんなときに役立つのが「寒中見舞い」という選択肢です。寒中見舞いはもともと、寒さが厳しい季節に相手の健康を気遣って送る季節の挨拶状ですが、実は喪中であることを伝える手段としても幅広く活用されています。
この記事では、寒中見舞いを使って喪中をお知らせする際の正しい投函時期から、押さえておきたい書き方のマナー、そして状況別にそのまま使える文例まで、まるっと解説していきます。「喪中はがきを出しそびれてしまった」「年末に身内が亡くなって困っている」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
寒中見舞いで喪中を伝えられる期間はいつからいつまで?
喪中を寒中見舞いでお知らせしようと思ったとき、まず気になるのが「いつ出せばいいの?」という時期の問題ではないでしょうか。実は寒中見舞いには出せる期間がきちんと決まっていて、この時期を外してしまうとマナー違反になってしまう可能性があります。まずは正しい投函タイミングを押さえておきましょう。
投函できるのは1月8日頃から2月3日頃まで
寒中見舞いを出せる期間は「松の内が明けてから立春の前日まで」と決まっています。具体的な日付でいうと、1月8日頃から2月3日頃までがその期間にあたります。
「松の内」というのは、お正月に門松などの松飾りを飾っておく期間のこと。一般的には1月1日から1月7日までを指し、この間はまだお正月ムードが続いているため、寒中見舞いを出すのはふさわしくないとされています。つまり、松の内が明けた1月8日以降に届くように投函するのが正しいマナーなんですね。
一方、立春は毎年2月4日頃にあたります。立春を過ぎると暦の上では「春」になってしまうので、「寒中」という言葉が季節にそぐわなくなります。そのため、寒中見舞いは立春の前日である2月3日頃までに届くよう送る必要があるわけです。
郵便物の配達には通常1日から3日ほどかかることを考えると、遅くとも1月末頃までには投函を済ませておくのが安心です。特に遠方へ送る場合は、もう少し余裕を持って準備しておくとよいでしょう。
関西地方に送るなら1月16日以降を目安に
ここで注意したいのが、松の内の期間が地域によって異なるという点です。関東地方では1月7日までが一般的ですが、関西地方では今でも1月15日までを松の内とする地域が多く残っています。
もし関西地方にお住まいの方に寒中見舞いを送るのであれば、1月16日以降に届くように投函するのがベター。1月8日に届いてしまうと、相手の地域ではまだ松の内の真っ最中ということになり、「マナーを知らない人」と思われてしまうかもしれません。
送り先の地域の慣習がはっきりわからない場合は、念のため1月16日以降に届くようにしておくと無難です。
時期を過ぎたら「余寒見舞い」で対応できる
何らかの事情で寒中見舞いの時期を過ぎてしまったら、「余寒見舞い」として送ることができます。余寒見舞いは、立春を過ぎてもまだ寒さが続く時期に出す季節の挨拶状です。
余寒見舞いを出せる期間は、立春の2月4日頃から2月末頃までが目安。地域によっては3月上旬まで出しても問題ないとされることもありますが、あまり遅くなると季節感がなくなってしまうので、できれば2月中に届くようにするのがおすすめです。
余寒見舞いの場合は、冒頭の挨拶を「余寒お見舞い申し上げます」に変更するだけでOK。それ以外の書き方やマナーは寒中見舞いとまったく同じです。
そもそも喪中はがきと寒中見舞いは何が違う?
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに使う前に、それぞれの本来の目的と役割の違いを知っておくことが大切です。この違いを理解しておくと、より適切で心のこもった文面が作れるようになりますよ。
喪中はがきは「年賀状を出しません」という事前通知
喪中はがきの正式名称は「年賀欠礼状」といいます。文字通り、喪中のため新年のお祝いの挨拶を控えることを事前にお知らせするためのものです。
喪中はがきを出す適切な時期は11月から12月上旬まで。相手が年賀状を準備し始める前に届けることで、「この人には年賀状を送らなくていいんだな」と先方に知らせる配慮の意味があります。年賀状の郵便局での受付開始は12月15日からなので、それまでに届くように送るのがマナーとされています。
ただし、あまり早い時期、たとえば9月や10月に送ってしまうと、相手が喪中であることを忘れてしまい、結局年賀状を送ってしまう可能性も。11月中旬から12月初旬に届くように送るのが理想的です。
寒中見舞いは「相手を気遣う」季節の挨拶状
寒中見舞いは本来、一年で最も寒さが厳しい「寒の内」の時期に、相手の健康や安否を気遣って送る季節の挨拶状です。暑い時期に送る「暑中見舞い」の冬バージョンと考えるとイメージしやすいかもしれませんね。
寒の内とは、小寒(1月5日頃)から立春の前日(2月3日頃)までの約30日間のこと。この期間は一年で最も寒さが厳しくなる時期であり、「寒い時期ですが、お体は大丈夫ですか?」と相手を思いやって便りを出すという風習が生まれました。
つまり、寒中見舞いは本来「相手を気遣う」ことが主目的。だから喪中のお知らせに使う場合も、単に「喪中です」と伝えるだけでなく、相手の健康を願う言葉を添えるのがマナーなんです。
こんなときに寒中見舞いで喪中を伝えよう
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに使うケースとしては、いくつかの状況が考えられます。
まず多いのが、喪中はがきを準備する時間がなかったケース。不幸は突然訪れるものですし、葬儀の準備や各種手続きに追われているうちに、喪中はがきを出すタイミングを逃してしまうことはよくあります。
次に、12月中旬以降に身内に不幸があったケース。この時期になると、相手はすでに年賀状を投函してしまっている可能性が高いですよね。今から喪中はがきを出しても意味がないので、年が明けてから寒中見舞いで喪中をお知らせするのが適切です。
また、喪中はがきを出さなかった相手から年賀状が届いたケースもあります。喪中はがきは年賀状のやり取りをしている全員に送る必要はありませんが、送らなかった相手から年賀状をいただいた場合は、寒中見舞いでお礼とお詫びを兼ねて返信するのがスマートです。
さらに、故人宛に年賀状が届くケースも。故人の知人や友人で、訃報を知らせていなかった方から年賀状が届くことがあります。このような場合も、寒中見舞いで故人が亡くなったことをお知らせしましょう。
喪中の寒中見舞いを書くときの基本ルール
喪中の寒中見舞いには、守るべき書き方のルールがいくつかあります。これらは日本の伝統的な手紙の作法に基づいたもので、フォーマルな挨拶状では特に重要視されるポイントです。一つずつ確認していきましょう。
縦書きで書くのが正式なスタイル
喪中の寒中見舞いは、縦書きで書くのが正式なマナーです。最近は横書きのはがきもたくさん出回っていますが、横書きはどうしてもカジュアルな印象を与えてしまうため、弔事に関わる内容にはあまり向いていません。
手書きで書く場合はもちろん、パソコンで作成する場合も縦書きのレイアウトを選びましょう。印刷業者に依頼する場合も、縦書きのデザインを指定することをおすすめします。
文字の配置は、右から左へ、上から下へと読み進める形になります。日付や差出人の名前は、本文よりも下げた位置に書くのが一般的です。
頭語と結語は書かない
一般的な手紙では、冒頭に「拝啓」などの頭語を書き、最後に「敬具」などの結語を書くのがマナーですよね。でも喪中の寒中見舞いでは、この頭語と結語は省略します。
その理由は、寒中見舞いには「寒中お見舞い申し上げます」という決まった挨拶文が冒頭に来るから。この挨拶文自体が頭語の役割を果たしているので、改めて「拝啓」などを書く必要はないんです。
喪中はがきでも同様に、「喪中につき年末年始のご挨拶を謹んでご遠慮申し上げます」といった定型の挨拶文から始まるため、頭語と結語は不要です。
句読点は使わないのが伝統的なマナー
フォーマルな挨拶状では、句読点(「、」や「。」)を使わないのが伝統的なマナーとされています。喪中の寒中見舞いも例外ではありません。
この慣習の由来には諸説ありますが、一説には、句読点は明治時代に子供向けの教科書で読みやすさのために導入されたものであり、大人同士のやり取りで使うのは相手を子供扱いしているように受け取られる、という考え方があるようです。
また、「句読点で文章を区切る」ことが「縁を切る」ことを連想させるため、慶弔事の挨拶状では避けるべきとされているという説もあります。
句読点を使わない場合は、適度にスペースを空けたり、改行を入れたりすることで読みやすさを確保しましょう。
行頭の一字下げもしない
通常の文章では、段落の始まりで一文字分のスペースを空ける「一字下げ」を行いますが、喪中の寒中見舞いではこれも省略します。
一字下げも句読点と同様に、読みやすさのために学校教育で導入されたルールであり、フォーマルな手紙では本来不要とされています。すべての行を左端(縦書きの場合は上端)から揃えて書くことで、格式のある印象になります。
数字は漢数字で書く
縦書きの文章では、数字は漢数字で表記するのが正式です。日付や故人の年齢など、数字を使う場面では「1」「2」「3」ではなく「一」「二」「三」と書きましょう。
たとえば、「令和7年1月」は「令和七年一月」と表記します。故人の享年を記載する場合も「85歳」ではなく「八十五歳」と書きます。
二桁以上の数字の場合は、「十二月」「八十五歳」のように「十」「百」などの位を入れて書くのが一般的です。ただし年号については「令和七年」のように位を省略することもあります。どちらでも間違いではありませんが、一通の中では統一するようにしましょう。
喪中の寒中見舞いで使ってはいけない言葉
喪中の寒中見舞いでは、使ってはいけない言葉や表現がいくつかあります。うっかり使ってしまうとマナー違反になるだけでなく、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあるので、しっかり確認しておきましょう。
新年を祝う言葉はNG
喪中の寒中見舞いで最も注意すべきなのは、新年を祝う言葉を使わないことです。「年賀」「賀正」「謹賀新年」「おめでとう」「お慶び」といった言葉は、すべて新年を祝う意味を含んでいるため、喪中の挨拶状には不適切です。
特に気をつけたいのが「年賀状」という言葉。いただいた年賀状へのお礼を述べる際に、つい「年賀状をいただきありがとうございました」と書いてしまいがちですが、これは「賀」という祝いの言葉を使ってしまっています。
代わりに「年始のご挨拶」「お年始状」「年頭のご挨拶」「新年のお便り」といった表現を使いましょう。
忌み言葉にも気をつけて
忌み言葉とは、その場にふさわしくない、縁起が悪いとされる言葉のことです。弔事に関わる文章では特に注意が必要です。
死を直接的に表現する言葉は避けるべきとされています。「死亡」「死去」「亡くなる」といった言葉の代わりに、「永眠」「逝去」「他界」「旅立つ」といった婉曲的な表現を使いましょう。
また、不吉な連想をさせる言葉も避けてください。「去る」「失う」「落ちる」「終わる」「切る」「離れる」「流れる」「倒れる」「衰える」「枯れる」「壊れる」といった言葉は、マイナスのイメージを連想させるため、喪中の挨拶状にはふさわしくありません。
特に「去年」という言葉は日常的によく使いますが、「去る」という忌み言葉を含んでいるため、喪中の寒中見舞いでは「昨年」「旧年」と言い換えるのがマナーです。
重ね言葉も避けよう
重ね言葉とは、同じ言葉や似た言葉を繰り返す表現のことです。弔事では「不幸が重なる」ことを連想させるため、避けるべきとされています。
具体的には、「重ね重ね」「度々」「しばしば」「くれぐれも」「いよいよ」「ますます」「たびたび」「わざわざ」「次々」「日々」「時々」といった言葉が該当します。
これらの言葉は普段の会話や文章では自然に使ってしまいがちですが、喪中の寒中見舞いを書く際には意識的に避けるようにしましょう。たとえば「くれぐれもお体をお大事に」と書きたい場合は、「どうぞお体をお大事になさってください」などと言い換えます。
はがきと切手はどう選ぶ?
喪中の寒中見舞いでは、はがきや切手の選び方にもマナーがあります。適切なものを選ぶことで、相手への敬意と弔意をきちんと表すことができますよ。
年賀はがきは絶対に使わない
喪中の寒中見舞いに年賀はがきを使用することは、絶対に避けなければなりません。これは喪中かどうかにかかわらず、寒中見舞い全般に言えることです。
年賀はがきには「年賀」という祝いの言葉が印刷されており、切手部分のデザインもお祝いにふさわしい華やかなものになっています。喪中の挨拶に使用するのは完全なマナー違反です。
余った年賀はがきがもったいないと感じるかもしれませんが、寒中見舞いには通常の郵便はがきか私製はがきを使用してください。
官製はがきなら「胡蝶蘭」デザインがおすすめ
郵便局で販売されている通常の郵便はがき(官製はがき)を使用する場合は、切手部分のデザインに注目してみてください。
郵便はがきには複数の種類がありますが、喪中の寒中見舞いには「胡蝶蘭」のデザインが印刷されたものを選ぶのが一般的です。胡蝶蘭は落ち着いた上品なデザインで、弔事の挨拶状にふさわしいとされています。
一方、「ヤマユリ」や「山桜」のデザインは、どちらかというと一般的な用途向け。使用しても間違いではありませんが、胡蝶蘭の方がより適切とされています。
私製はがきに貼る切手の選び方
郵便局のはがきではなく、市販の私製はがきを使用する場合は、切手を貼る必要があります。このとき、切手の選び方にも注意が必要です。
喪中はがきの場合は「弔事用切手」を使用するのがマナーですが、喪中の寒中見舞いの場合は弔事用切手を使用しません。これは重要なポイントです。
寒中見舞いは弔事そのものではなく、あくまでも季節の挨拶状だからです。弔事用切手を使用すると、受け取った相手が驚いてしまったり、何か不幸があったのかと心配させてしまったりする可能性があります。
かといって、慶事用(お祝い用)の切手を使用するのも不適切。通常の切手の中から、落ち着いたデザインのものを選びましょう。花や風景など、季節感のある控えめなデザインがおすすめです。
全体のデザインも控えめに
はがき全体のデザインについても、派手なものや華やかなものは避け、落ち着いた雰囲気のものを選びましょう。
干支のイラスト、門松、鏡餅、羽子板など、お正月を連想させるモチーフは使用しません。また、赤や金色など、お祝いをイメージさせる色使いも避けるべきです。
喪中の寒中見舞いにふさわしいデザインとしては、雪景色、冬の草花(椿、水仙、福寿草など)、淡い色合いの抽象的なデザインなどがあります。グレーや紫、淡いブルーなど、控えめな色を基調としたものを選ぶと良いでしょう。
白無地のシンプルなはがきに、文章だけを印刷するのも一つの選択肢です。派手さはありませんが、最も無難で失礼のない方法と言えます。
【状況別】そのまま使える喪中の寒中見舞い文例集
ここからは、さまざまな状況に対応した喪中の寒中見舞いの文例を紹介します。ご自身の状況に近いものを選んで、必要に応じてアレンジしてお使いください。
喪中はがきが間に合わなかった場合
喪中はがきを出す準備が間に合わず、年賀状のやり取りをしている方に事前に喪中をお知らせできなかった場合に使える文例です。
文例1(基本形)
文例2(丁寧な表現)
文例3(簡潔な表現)
年賀状をいただいた方への返信
喪中はがきを出していたにもかかわらず年賀状をいただいた場合や、行き違いで年賀状が届いた場合に使える返信文例です。
文例1(基本形)
文例2(お礼を強調した表現)
文例3(故人との関係に触れた表現)
喪中はがきを出していない相手から年賀状が届いた場合
喪中はがきの送付リストに入っていなかった方から年賀状をいただいた場合の文例です。
文例1(基本形)
文例2(親しい関係向け)
文例3(ご無沙汰している方向け)
故人宛に年賀状が届いた場合
亡くなった方宛に年賀状が届いた場合、ご遺族から返信する際の文例です。故人の友人や知人に訃報をお知らせすることになります。
文例1(基本形)
文例2(感謝を込めた表現)
文例3(故人の人柄に触れた表現)
ビジネス関係者への文例
仕事上のお付き合いがある方への喪中の寒中見舞い文例です。ビジネスシーンにふさわしいフォーマルな表現を使用しています。
文例1(取引先向け)
文例2(上司や先輩向け)
文例3(同僚や後輩向け)
親しい間柄の方への文例
親戚や親しい友人など、気心の知れた間柄の方への文例です。堅苦しくなりすぎない、温かみのある表現を使用しています。
文例1(親戚向け)
文例2(友人向け)
文例3(恩師向け)
喪中の寒中見舞いに関するよくある疑問
喪中の寒中見舞いについて、多くの方が疑問に思われるポイントをまとめました。
喪中でも年賀状を受け取っていいの?
はい、喪中であっても年賀状を受け取ることにはまったく問題ありません。喪中はがきは「自分からは新年のお祝いの挨拶を控えます」という意味であり、「年賀状を送らないでください」という意味ではないんです。
年賀状を受け取った場合は、松の内が明けてから寒中見舞いでお礼と喪中のお知らせをするのがマナー。年賀状をいただいたことへの感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
寒中見舞いに写真を入れてもいい?
喪中の寒中見舞いには、原則として写真は入れない方が良いでしょう。特に家族写真や子供の成長記録など、お祝い事を連想させるような写真は避けるべきです。
通常の寒中見舞い(喪中でない場合)であれば写真を入れても問題ありませんが、喪中の場合は控えめなデザインにするのがマナーです。
喪中の寒中見舞いに近況報告を書いてもいい?
喪中の寒中見舞いには、基本的に近況報告は書きません。特に結婚や出産、昇進など、おめでたい内容を喪中のお知らせと同時に伝えることは避けるべきです。
受け取った相手は、お祝いの言葉を伝えるべきかお悔やみを伝えるべきか困惑してしまいます。良い近況をお知らせしたい場合は、時期を改めて別途報告するのが良いでしょう。
喪中はがきを出した相手にも寒中見舞いを出すべき?
喪中はがきを出した相手全員に寒中見舞いを出す必要はありません。喪中はがきですでに喪中であることはお知らせしているため、改めて寒中見舞いを出さなくても失礼にはなりません。
ただし、喪中はがきを出した相手から年賀状が届いた場合(行き違いなど)は、お礼を兼ねて寒中見舞いを出すと丁寧です。また、普段から年賀状だけでなく暑中見舞いなども交換している親しい間柄の方には、寒中見舞いを出しても良いでしょう。
喪中になるのはどの範囲の親族?
一般的に喪中とされる範囲は、二親等以内の親族が亡くなった場合です。一親等は自分の両親、配偶者、子供が該当します。二親等は祖父母、兄弟姉妹、孫が該当し、配偶者の両親(義父母)や兄弟姉妹なども二親等に含まれます。
ただし、喪中とするかどうかは個人の判断による部分も大きく、特に親しかった三親等の親族(叔父叔母、甥姪など)のために喪中とする方もいます。逆に、疎遠だった二親等の親族の場合は喪中としない選択をする方もいます。
喪中はがきを出すか寒中見舞いにするか迷っている
12月上旬から中旬にかけてのタイミングが最も判断に迷うところですよね。
目安として、12月15日までに届けられるのであれば、喪中はがきを出した方が良いでしょう。12月15日は年賀状の郵便局受付開始日であり、それまでに届けば相手が年賀状を準備する前にお知らせできる可能性が高いからです。
12月15日を過ぎてしまう場合は、無理に喪中はがきを出すよりも、寒中見舞いで対応する方が適切。届くタイミングが不確かな状態で投函すると、相手がすでに年賀状を投函した後に届いてしまい、かえって気まずい思いをさせてしまう可能性があります。
手書きとパソコン作成、どちらがいい?
手書きでもパソコンで作成しても、どちらでも問題ありません。
手書きの方が温かみがあり、相手に気持ちが伝わりやすいというメリットがあります。一方、枚数が多い場合や文字に自信がない場合は、パソコンで作成したり印刷サービスを利用したりしても失礼にはあたりません。
パソコンで本文を印刷した場合でも、差出人の名前だけは手書きにする、あるいは一言メッセージを手書きで添えるなどの工夫をすると、より心がこもった印象になりますよ。
夫婦連名で出す場合の書き方は?
夫婦連名で寒中見舞いを出す場合は、一般的に夫の名前を先に書き、妻の名前は夫の名前の左側(縦書きの場合は左、横書きの場合は下)に書きます。
故人との続柄は、差出人の代表者(通常は夫)から見た続柄を書きます。たとえば妻の父が亡くなった場合、夫婦連名で出すときは「義父○○」と書くのが一般的です。妻の単独名で出す場合は「父○○」となります。
親しい間柄であれば、家族全員の名前を連名にしても構いません。
メールやSNSで寒中見舞いを送ってもいい?
近年はメールやSNSでのやり取りが一般的になり、年始の挨拶をデジタルで済ませる方も増えています。親しい友人同士であれば、メールやLINEなどで寒中見舞いを送っても特に問題はないでしょう。
ただし、目上の方やフォーマルな関係の方には、やはりはがきで送る方が礼儀正しいとされています。また、喪中のお知らせという性質上、軽い印象を与えかねないデジタルメッセージよりも、きちんとしたはがきの方が適切な場合が多いでしょう。
相手との関係性や普段のコミュニケーション手段を考慮して判断してください。
まとめ
寒中見舞いは本来、寒さの厳しい時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶状ですが、喪中はがきを出せなかった場合の代わりとしても広く活用されています。
最後に、喪中の寒中見舞いを出す際のポイントを整理しておきましょう。
投函時期は、松の内が明けた1月8日頃から立春前日の2月3日頃までが適切です。関西地方では松の内が1月15日までの地域もあるため、1月16日以降に届くようにすると安心。2月4日以降になってしまった場合は余寒見舞いとして送りましょう。
書き方の基本ルールとしては、縦書きで書くこと、頭語と結語を省略すること、句読点を使わないこと、行頭の一字下げをしないこと、数字は漢数字を使うことがあります。
避けるべき言葉としては、「年賀」「謹賀」などの新年を祝う言葉、「死去」「去年」などの忌み言葉、「度々」「くれぐれも」などの重ね言葉があります。
はがきは年賀はがきを避け、官製はがきなら胡蝶蘭柄を選びます。私製はがきの場合は弔事用ではない落ち着いたデザインの切手を使用し、全体のデザインも干支やお正月モチーフを避けて控えめなものを選びましょう。
喪中はがきが年賀欠礼のお知らせに特化しているのに対し、寒中見舞いは相手の健康を気遣う言葉も添えるのが特徴です。状況に応じた適切な文例を参考に、心のこもった寒中見舞いを送ってみてください。
日本の伝統的な手紙の作法は、相手への敬意と思いやりの気持ちを形にしたものです。マナーを守りながら、大切な方々との良好な関係を築いていきたいですね。

コメント