雛人形はどう処分する?供養から再利用まで6つの心を込めた手放し方

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春の訪れとともに迎える桃の節句。毎年3月3日になると、日本中の多くの家庭では、女の子の健やかな成長と幸せを願って華やかな雛人形が飾られます。艶やかな衣装をまとったお内裏様とお雛様、三人官女に五人囃子など、伝統的な雛人形の姿は日本の文化の美しさを象徴していますね。

そんな雛人形ですが、子どもが成長して節句のお祝いをしなくなった後、どうしていますか?「押し入れの奥にしまったまま」という家庭も多いのではないでしょうか。

「子どもも成長したし、そろそろ雛人形を処分しようかな…」

「でも、思い出がたくさん詰まった雛人形。ただのゴミとして捨てるのは忍びない…」

「粗大ゴミで出しても問題ないの?もっと丁寧な方法はあるの?」

このような悩みを抱える方は決して少なくありません。大切に飾ってきた雛人形だからこそ、最後のお別れは心を込めて行いたいものですよね。

この記事では、雛人形の文化的な意味を振り返りながら、心を込めて雛人形と別れるための6つの方法を詳しくご紹介します。また、処分前に行っておきたいお手入れ方法もご説明しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

雛人形を処分する前に知っておくべき基本知識

雛人形との別れを考える前に、まずは雛人形の文化的な意味や価値について改めて知っておきましょう。雛人形が持つ本来の役割を理解することで、より心のこもった処分方法を選ぶことができます。

雛人形は普通のゴミとして捨ててもいいのでしょうか?

結論から言うと、法律上は雛人形を粗大ゴミとして処分することも可能です。お住まいの自治体のルールに従って申請し、指定された日に出せば回収してもらえます。

しかし、ここで少し立ち止まって考えてみてください。雛人形は単なる「モノ」とは違います。家族の愛情が込められ、女の子の成長を見守ってきた特別な存在です。多くの方が「ただのゴミとして捨てるのは心が痛む」と感じるのは、そのためでしょう。

雛人形と長い間過ごしてきた思い出や、贈ってくれた方への感謝の気持ちを大切にするなら、単なるゴミとしてではなく、もう少し丁寧な方法で手放すことも検討してみませんか?

雛人形に込められた深い意味と日本の伝統

雛人形には、女の子の健やかな成長と幸せな未来を願う、深い思いが込められています。その歴史は平安時代にまでさかのぼり、もとは「流し雛」という風習から始まったと言われています。子どもの厄や災いを人形に移して川に流すことで、無病息災を願うという考え方でした。

時代が下るにつれ、人形を川に流す代わりに飾って楽しむようになり、江戸時代には現在の形に近い雛人形が広く庶民にも普及するようになりました。

現代の雛人形は、女の子の幸せな結婚生活を願う意味合いが強く、理想的な結婚式の様子を表現したものと言われています。内裏雛(お内裏様とお雛様)を中心に、三人官女、五人囃子、右大臣・左大臣などが配されるのは、宮中の儀式を模したものです。

また、雛人形は通常、祖父母や両親から女の子への愛情を形にした贈り物でもあります。「大切な孫や娘に最高のものを」という思いで選ばれ、家族の絆の象徴として代々受け継がれることも少なくありません。

このように、雛人形には深い文化的意味と家族の思いが込められています。処分を考える際には、こうした背景も踏まえた方法を選ぶと良いでしょう。

雛人形を手放す6つの方法を徹底解説

ここからは、雛人形を手放す際の6つの方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。あなたの状況や思いに最も合った方法を見つける参考にしてください。

1. 専門業者による人形供養サービスを利用する

「大切にしてきた雛人形だから、最後はきちんと供養してあげたい。でも忙しくて神社やお寺に行く時間がない…」

そんな方におすすめなのが、人形供養を専門に行う業者によるサービスです。宅配便で送るだけで、専門の神職による供養を代行してくれます。忙しい方や、供養の儀式に参加する時間がない方にぴったりの選択肢です。

代表的な人形供養代行業者をご紹介します。

一般社団法人日本人形協会

日本全国から集められた人形を、毎年10月頃に東京大神宮で開催される「人形感謝祭」で供養してくれます。神主による厳かな儀式で、多くの人形とともに感謝の気持ちを込めて供養されます。

  • 受付方法:電話またはホームページからの申し込み
  • 受付期間:1年中いつでも可能
  • 料金:一箱につき5,000円(箱のサイズは縦+横+高さの合計が170cm以内、重さ30kg以内)
  • 供養方法:東京大神宮での「人形感謝祭」による供養

花月堂

人形のみの供養、ガラスケース付きの供養、雛壇も含めた全ての供養など、3つのコースから選べるのが特徴です。状況に応じて最適な方法を選べるので、使い勝手が良いサービスと言えるでしょう。

  • 受付方法:電話またはウェブサイトからの申し込み
  • 受付時間:朝9時から夜8時まで
  • 料金:選択するコースによって異なります
  • 供養方法:年に4~6回開催される人形供養祭での供養

人形だけを供養したい場合は日本人形協会、雛壇やガラスケースも含めて処分したい場合は花月堂が適していると言えるでしょう。あなたの予算や状況に合わせて選んでみてください。

2. 神社やお寺で直接供養してもらう

「大切な雛人形の最後を自分の目で見届けたい。由緒ある神社やお寺で、心を込めて感謝の気持ちを伝えたい」

そんな思いをお持ちの方には、人形供養を行っている神社やお寺に直接持ち込み、供養してもらう方法がおすすめです。実際の供養の儀式に参加することで、より心に区切りをつけることができるでしょう。

全国各地には人形供養を行う有名な神社やお寺がたくさんあります。代表的な場所をいくつかご紹介します。

廣田神社(青森県青森市)

  • 住所:青森県青森市長島2-13-5
  • 受付時間:毎日午前8時30分から午後4時30分まで
  • 受付方法:郵送または直接持ち込み
  • 供養日:毎月15日 午後4時から
  • 料金:1件につき5,000円(10体を1件としてカウント)

病気平癒のご利益で知られる神社で、りんごや雪の結晶をモチーフにした御朱印も人気です。観光も兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか。周辺には美味しい海鮮料理店も多く、旅行を兼ねた思い出作りにもなります。

本寿院(東京都大田区)

  • 住所:東京都大田区南馬込1-16-2
  • 受付時間:毎日午前9時から午後6時まで
  • 受付方法:郵送または直接持ち込み
  • 供養日:毎月第2日曜日 午前9時開式
  • 料金:箱の大きさによって異なります
    • 縦+横+高さの合計が70cm以内:5,000円
    • 縦+横+高さの合計が140cm以内:10,000円
    • 縦+横+高さの合計が280cm以内:20,000円

仏師として有名な「円空」が受戒したと伝えられる歴史あるお寺です。写経体験や座禅体験など様々な文化イベントも開催されていますので、人形供養と一緒に参加すれば、より充実した時間を過ごせることでしょう。都内にあるので、アクセスも便利です。

大樹寺(愛知県岡崎市)

  • 住所:愛知県岡崎市鴨田町字広元5-1
  • 受付時間:毎日午前9時から午後4時まで
  • 料金:標準的な雛壇飾りで3,000円~5,000円程度
  • 供養日:毎年5月第3土曜日と日曜日

徳川家康ゆかりのお寺として知られ、徳川家の菩提寺でもあります。歴代将軍の等身大の位牌が安置されており、歴史ファンにはたまらないスポットです。供養と一緒に岡崎城や八丁味噌の工場見学など、周辺観光も楽しめます。

四天王寺(大阪府大阪市)

  • 住所:大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
  • 受付方法:直接持ち込みのみ
  • 料金:3,000円
  • 供養日:毎年11月第1土曜日

聖徳太子によって建立された日本最古の官寺で、歴史教科書にも登場する由緒正しいお寺です。国宝や重要文化財に指定されている建物も多く、歴史的価値の高い場所で供養できます。大阪観光のついでに立ち寄るのも良いでしょう。

淡嶋神社(和歌山県和歌山市)

  • 住所:和歌山県和歌山市加太118
  • 受付条件:仏滅の日、12月20日から1月3日、2月2日から3月3日は受付不可
  • 受付時間:毎日午前9時から午後4時まで
  • 受付方法:直接持ち込みのみ
  • 料金:ポリ袋約1杯分で焼却委託料1,500円と別途供養料

「雛流し」の行事で全国的に有名な神社で、女性の健康や安産のご利益があるとされています。社殿内には全国から奉納された何万体もの人形が所狭しと並べられ、その光景は圧巻です。人形供養の聖地とも言える場所で、一度は訪れる価値があります。

和布刈神社(福岡県北九州市)

  • 住所:福岡県北九州市門司区門司3492
  • 受付時間:毎日午前9時30分から午後5時まで
  • 受付方法:郵送または直接持ち込み
  • 料金:段ボールのサイズによって異なります
    • 縦+横+高さの合計が100cm以内:3,000円
    • 縦+横+高さの合計が150cm未満:5,000円
    • 縦+横+高さの合計が200cm未満:7,000円

西暦200年頃の建立と伝えられる歴史ある神社です。名前の由来は「わかめを刈る」という意味で、毎年わかめを刈り取って神前に供える珍しい祭典が行われています。関門海峡を一望できる絶景スポットとしても人気があり、供養と観光を兼ねて訪れる方も多いです。

神社やお寺での供養は、ただ雛人形を手放すだけでなく、御朱印集めや観光も一緒に楽しめるのが魅力です。週末を利用して家族で訪れれば、雛人形との思い出を振り返りながら、新たな家族の思い出も作ることができるでしょう。

3. 支援団体に寄付して再利用してもらう

「まだ十分使える状態の雛人形。できれば誰かに使ってもらいたい。捨てるのではなく、社会の役に立てられたら嬉しい」

そんな思いをお持ちの方には、雛人形を寄付して再利用してもらう方法がおすすめです。寄付先の団体によっては、経済的な理由で雛人形を購入できない家庭に橋渡ししたり、国際支援活動の一環として活用したりと、様々な形で社会貢献に役立てています。

代表的な寄付先団体をいくつかご紹介します。

ワールドギフト

発展途上国や児童養護施設などに寄付することで、必要としている方々に再利用してもらう活動を行っている団体です。供養した後も廃棄せず、寄付・リユースによって国際支援や社会支援に役立てることができます。

  • 受付方法:ホームページにある申し込みフォームから
  • ホームページ:https://world–gift.com/
  • 料金:
    • 供養なしの場合
      • 3辺の合計が120cm以内で30kg以下:2,400円
      • 3辺の合計が140cm以内で30kg以下:2,900円
      • 3辺の合計が160cm以内で30kg以下:3,700円
    • 供養ありの場合
      • 3辺の合計が120cm以内で30kg以下:3,900円
      • 3辺の合計が140cm以内で30kg以下:4,400円
      • 3辺の合計が160cm以内で30kg以下:5,200円

セカンドライフ

大切にしてきた雛人形を次に必要とする誰かのために再利用する支援活動を展開しています。受け入れた雛人形は供養した後、発展途上国などで再利用されます。また、寄付1箱につき1人分のポリオワクチン募金も行っており、国際医療支援にも貢献できる点が特徴です。

  • 受付方法:ホームページの申し込みフォームから
  • ホームページ:https://www.ehaiki.jp/second/
  • 料金:
    • 3辺の合計が120cm以内(供養代を含む):3,100円
    • 3辺の合計が160cm以内(供養代を含む):3,600円

一般社団法人障がい者アート協会

寄付された雛人形は、次に必要としている方への再利用や、障がい者アート活動の支援金として役立てられます。状態によって再利用できない場合でも、提携しているお寺で丁寧に供養してもらえるので安心です。障がい者の芸術活動を支援する社会貢献にもつながります。

  • 受付方法:インターネットからの申し込み
  • ホームページ:https://www.borderlessart.or.jp/
  • 料金:1体につき10,000円(段ボール3辺の合計が100cm以内)

寄付という形で手放すことで、大切にしてきた雛人形に新たな価値を与えることができます。環境にも優しく、社会貢献にもつながる選択肢として、特に状態の良い雛人形をお持ちの方は検討してみる価値があるでしょう。

4. ネットオークションで販売する

「状態が良く、デザインも素敵な雛人形。捨てるのはもったいないし、本当に欲しい人に譲りたい。できれば少しでも対価があると嬉しい」

そんな方には、メルカリやヤフオクなどのネットオークションやフリマアプリでの販売がおすすめです。状態の良い雛人形や、有名作家の作品、珍しいデザインのものなどは、思わぬ高値で取引されることもあります。

ネットオークションで雛人形を出品する際のポイントをいくつかご紹介します。

出品のコツとポイント

  • 写真は多角度から丁寧に撮影する:全体像だけでなく、お顔のアップや細部の装飾など、様々な角度から撮影することで、購入を検討する方に詳細な情報を提供できます。
  • 詳しい説明文を心がける:サイズ、購入時期、素材、保管状態、製作者(わかれば)などを詳しく記載すると、購入検討者の不安を減らせます。
  • 梱包・発送方法を事前に検討しておく:雛人形は繊細なため、輸送中の破損を防ぐ適切な梱包材や発送方法を考えておくことが大切です。
  • 部分的な出品も検討する:雛人形一式ではなく、人形だけ、雛壇だけ、道具だけなど、部分的に出品することで売れやすくなることもあります。

また、ネットオークションでの販売に不安がある場合は、リサイクルショップでの買取も選択肢の一つです。特にアンティーク品を扱うお店では、状態の良い古い雛人形を高く評価してくれることもあります。

「誰かに使ってもらいたい」という思いと「少しでも価値に見合った対価を得たい」という気持ちを両立できる方法として、検討してみる価値があるでしょう。

5. 雛人形のお祭りやイベントに寄付する

「大切な雛人形をできるだけ多くの人に見てもらいたい。最後は華やかなイベントで花を添えてほしい」

そんな願いを叶えてくれるのが、全国各地で開催される雛人形のお祭りやイベントへの寄付です。多くの観光客や地域の人々の目に触れ、喜びを与えることができる素敵な選択肢です。

代表的な雛人形イベントをいくつかご紹介します。

埼玉県鴻巣びっくりひな祭り

日本一高いとされる31段、高さ約7メートルのひな壇に約1,800体もの人形が飾られる壮大なお祭りです。ショッピングモール内で開催されるため、買い物客や観光客など多くの人の目に触れる機会があります。

  • 受付:電話での申し込みのみ(先着300名様限定)
  • 開催時期:毎年1月10日から1月20日頃まで
  • 参加協賛金:5,000円(持ち込みまたは郵送、送料は自己負担)

千葉県勝浦ビッグひな祭り

勝浦市内の様々な場所に、合計約30,000体もの雛人形が飾られる大規模なお祭りです。特に遠見岬神社では、60段の石段一面に約1,800体の雛人形が飾られ、その光景は圧巻の一言です。

  • 受付:電話での申し込みのみ
  • 開催時期:4月10日から(人形の受け付けは9月から開始)
  • 参加協賛金:5,000円(持ち込みまたは郵送、送料は自己負担)

南紀勝浦ひなめぐり

2011年の台風災害からの復興を願って始まったお祭りで、那智の滝(落差133m)にちなんだ13,300体もの雛人形が飾られた実績もあります。観光地としての復興支援の一環として寄付することで、地域活性化にも貢献できます。

  • 受付:電話での申し込みのみ
  • 開催時期:例年2月下旬から3月上旬まで
  • 参加協賛金:5,000円

イベントへの寄付は、参加協賛金と送料などのコストがかかりますが、多くの人に喜んでもらえる形で雛人形の「引退式」を飾ることができます。また、イベント終了後は主催者側が丁寧に供養してくれることが多いので安心です。

募集要項は毎年更新されることが多いため、参加を検討する際は事前に公式ホームページや電話で最新情報を確認するとよいでしょう。

6. 遺品整理業者に依頼する

「雛人形だけでなく、家全体の整理も一緒に進めたい。プロの手で丁寧に処分してほしい」

そんな方には、遺品整理業者への依頼がおすすめです。最近では「生前整理」の需要も高まっており、亡くなった方の遺品だけでなく、生きている間に不用品を整理するサービスも充実しています。雛人形を含めた様々な思い出の品を、一括して専門家に依頼できるのが魅力です。

遺品整理業者を選ぶポイント

  • 複数の業者から見積もりを取る:料金体系は業者によって大きく異なるため、必ず複数の業者に見積もりを依頼して比較検討しましょう。
  • 人形供養の対応の有無を確認する:中には人形の供養まで行ってくれる業者もあります。大切な雛人形なら、単に廃棄するだけでなく供養までしてくれる業者を選ぶと安心です。
  • 実績や口コミをチェックする:信頼できる業者かどうか、インターネットの口コミサイトや知人の紹介などで事前に評判を調べておくことが大切です。
  • 処分方法の透明性を確認する:回収後の処分方法について明確に説明してくれる業者を選びましょう。単に「処分します」と言うだけでなく、リサイクルや供養など具体的な方法を説明してくれるかどうかがポイントです。

遺品整理業者への依頼は、手間をかけずに処分したい方や、大量の不用品をまとめて整理したい方に向いています。特に高齢の方や、遠方に住んでいて実家の整理をしたい方にとっては、便利なサービスと言えるでしょう。

雛人形を手放す前に!感謝を込めたお手入れ方法

長年大切にしてきた雛人形を手放す前に、最後のお手入れをして感謝の気持ちを表しましょう。正しいお手入れ方法を知ることで、雛人形を美しい状態で次の旅路に送り出すことができます。

お手入れの基本:清潔な手で優しく扱う

雛人形のお手入れで最も大切なのは、清潔な手で優しく扱うことです。手の汗や皮脂が付着すると、シミやカビの原因になってしまいます。

お手入れを始める前に、必ず石鹸でしっかりと手を洗い、完全に乾かしてから作業に取りかかりましょう。特に人形の顔や手は白い部分が多く、汚れが目立ちやすいため、触れる際は細心の注意が必要です。

人形の正しい持ち方

雛人形は非常に繊細な作りのため、持ち方にも注意が必要です。頭や手、袖口などをつまんで持つと、破損やゆがみの原因になってしまいます。

正しい持ち方は以下の通りです:

  1. 片手で胴体を後ろから前方に向かって支えます
  2. もう一方の手で下から全体を支えます
  3. 赤ちゃんを抱くような感覚で、優しく丁寧に持ち上げます

この方法で持つことで、人形への負担を最小限に抑え、破損を防ぐことができます。雛人形は重心がやや前に傾いている場合が多いので、バランスに注意しながら扱いましょう。

顔のお手入れ方法

雛人形の顔は最も繊細で重要な部分です。以下の手順でお手入れしましょう:

  1. 綿棒を使って、目や鼻のくぼみに溜まったホコリを優しく取り除きます
  2. 乾いたガーゼや柔らかい布で顔全体を軽く拭きます(強くこすらないようにしましょう)
  3. 絶対に湿った布は使用しないでください(水分がカビの原因になります)

特に注意したいのは、濡れた布の使用です。顔は吸湿性の高い材料でできていることが多く、水分を含んだ布で拭くと、顔が水分を吸収してカビや変形の原因になります。必ず乾いた清潔な布を使用しましょう。

衣装のお手入れ方法

雛人形の華やかな衣装は、その魅力の大きな部分を占めています。以下の方法でお手入れしましょう:

  1. 人形専用のハタキがあれば、それを使ってホコリを落とします
  2. ない場合は、清潔な筆や柔らかい刷毛などでホコリを丁寧に取り除きます
  3. ホコリを取り除いた後は、風通しの良い場所で自然乾燥させます(湿気対策として重要です)

衣装のお手入れを行う際は、装飾品(かんざしや小物)が取れたり、糸がほつれたりしないように注意しながら作業を進めましょう。特に金襴(きんらん)や錦(にしき)などの豪華な生地は、強くこすると傷んでしまうことがあるので、優しく扱うことが大切です。

丁寧なお手入れを施すことで、雛人形への感謝の気持ちを表すとともに、次に引き継ぐ方や供養する際にも、美しい状態で送り出すことができます。長年の感謝を込めた最後のお手入れとして、心を込めて行ってみてください。

雛人形の処分方法まとめ:あなたにぴったりの選択肢は?

ここまで、雛人形の6つの処分方法について詳しく解説してきました。それぞれの特徴をまとめて、あなたに最適な方法を見つけるヒントをご紹介します。

処分方法の比較表

処分方法メリットデメリットおすすめの人
人形供養代行業者・手間がかからない
・確実に供養してもらえる
・時間を気にせず依頼できる
・費用がかかる
・供養の様子を直接見られない
・感謝の気持ちを直接伝えられない
忙しくて時間がない人
手軽に供養したい人
地方に住んでいて供養できる神社やお寺が近くにない人
神社・お寺での供養・直接供養の様子を見られる
・感謝の気持ちを直接伝えられる
・観光も一緒に楽しめる
・時間と手間がかかる
・遠方の場合は交通費もかかる
・供養日が限られている場合がある
供養の様子を見届けたい人
思い入れが強い人
旅行を兼ねて供養したい人
団体への寄付・社会貢献になる
・再利用してもらえる
・供養も一緒にしてもらえる場合が多い
・費用がかかる
・状態によっては受け付けてもらえない場合がある
・次の行き先が明確でない場合も
社会貢献したい人
再利用してほしい人
国際支援に興味がある人
ネットオークション・収入が得られる可能性がある
・必要としている人に直接譲れる
・状態の良い雛人形が活かせる
・梱包や発送の手間がかかる
・売れない可能性もある
・価格設定が難しい
状態の良い雛人形を持つ人
梱包や発送の手間をかけられる人
少しでも対価を得たい人
お祭り・イベントへの寄付・多くの人に見てもらえる
・思い出に残る形で手放せる
・地域振興に貢献できる
・時期が限られる
・参加協賛金が必要
・申し込み枠が限られている場合も
思い出に残る形で手放したい人
地域貢献したい人
多くの人に雛人形を見てもらいたい人
遺品整理業者への依頼・他の不用品と一括で処分できる
・手間がほとんどかからない
・家全体の整理もできる
・費用が比較的高い
・業者によってはサービス内容にばらつきがある
・思い入れの強いものには向かない場合も
他の不用品も一緒に処分したい人
体力的に自分で整理するのが難しい人
遠方に住んでいて実家の整理をしたい人

あなたにぴったりの処分方法を選ぶポイント

雛人形の処分方法を選ぶ際は、以下のポイントを考慮するとよいでしょう:

  • 思い入れの強さ:代々受け継がれてきたものや、特別な思い出があるものなど、思い入れが強い場合は、供養式に参加できる神社・お寺での供養がおすすめです。
  • かけられる時間と手間:日々の忙しさやライフスタイルに合わせて、手間をかけられるかどうかも大切な判断基準です。時間に余裕がない方は、人形供養代行業者や遺品整理業者の利用が便利でしょう。
  • 雛人形の状態:比較的新しく状態の良いものは、ネットオークションでの販売や支援団体への寄付が適しています。逆に古く傷みのあるものは、供養を中心に考えるとよいでしょう。
  • 社会貢献の意識:次の世代や必要としている方々に役立ててほしいという思いが強い場合は、団体への寄付やお祭りへの寄付が最適です。
  • 費用面:処分にかけられる予算も重要な要素です。費用を抑えたい場合は、自治体の粗大ゴミ収集やネットオークションなどの選択肢を検討してみましょう。

大切にしてきた雛人形だからこそ、自分の思いに合った処分方法を選びたいものです。ここでご紹介した6つの方法の中から、あなたの状況や気持ちに最も合った方法を見つけていただければ幸いです。

まとめ

雛人形に込められた「女の子の健やかな成長と幸せを願う」という美しい思いを振り返りながら、6つの処分方法について詳しくご紹介してきました。

最後におさらいすると:

  • 雛人形は法律上、粗大ゴミとして処分することも可能ですが、より丁寧な方法で手放すことも検討してみましょう
  • 人形供養代行業者や神社・お寺での供養は、感謝の気持ちを込めた丁寧な処分方法です
  • 支援団体への寄付やお祭りへの寄付は、社会貢献や文化継承にもつながる有意義な選択肢です
  • ネットオークションは、状態の良い雛人形を必要としている方に橋渡しする方法として効果的です
  • 遺品整理業者は、他の不用品と一緒に一括処分したい方に便利なサービスを提供しています
  • 手放す前には、感謝の気持ちを込めて丁寧にお手入れすることで、区切りをつけることができます

雛人形は単なる「モノ」ではなく、家族の愛情や女の子の成長を見守ってきた特別な存在です。長い間家族の一員として大切にしてきた雛人形との最後のお別れは、感謝の気持ちを込めて丁寧に行いたいものですね。

この記事が、あなたと雛人形との素敵なお別れの参考になれば幸いです。どのような方法を選ぶにせよ、これまで見守ってくれた雛人形に「ありがとう」の気持ちを伝えながら、次の旅立ちを見送ってあげてください。きっと、あなたの思いは雛人形にも届いていることでしょう。

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