毎年夏が近づくと「今年のお盆はいつお墓参りに行こうかな」と頭をよぎる方も多いはず。ご先祖様の霊が帰ってくるとされるお盆は、家族で故人を偲び感謝を伝える大切な期間です。
とはいえ、いざ準備を始めると「具体的にいつ行けばいい?」「午前中じゃないとダメ?」「何を持って行けば?」と疑問が次々と出てきますよね。とくに初めての方や久しぶりにお参りされる方は、わからないことが多いものです。
この記事でわかること
2026年のお盆期間と地域差/お墓参りに行くベストな日と時間/服装・持ち物・お供えのマナー/正しいお参り手順/行けないときの供養方法
結論からいうと、お盆のお墓参りに「この日でなければダメ」という厳格なルールはありません。とはいえ、伝統的に丁寧とされる日や、服装・持ち物の基本マナーを押さえておくと安心です。2026年のお盆期間や地域ごとの違いもふまえて、迷わずお参りできるよう順番に解説していきます。
お盆とお墓参りの意味|なぜこの時期にお参りするのか
具体的な方法をお話しする前に、まずはお盆という行事の意味を整理しておきましょう。背景を知ることで、お参りの一つひとつの動作にも自然と心が込められます。
お盆の由来|盂蘭盆会から続く先祖供養の伝統
お盆は正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれ、仏教の教えに根ざした伝統行事です。年に一度、ご先祖様の霊が浄土から現世に里帰りし、家族と一緒に過ごすとされています。日本の仏教と古来の祖先崇拝の信仰が結びついて、現在のかたちに発展してきました。
お盆期間中、私たちはご先祖様の霊を心を込めてお迎えし、日頃の感謝を伝え、手厚く供養します。そして期間の最後には、再び安らかに浄土へとお帰りいただきます。お墓参りは、この一連の行事の中でも中心的な役割を果たすのです。
現代では宗教的な意味合いが薄れている家庭もあります。それでも家族が集まり、命のつながりを感じる貴重な機会として、多くの方に大切にされている行事ですね。
2026年のお盆期間はいつ?新盆(7月盆)と旧盆(8月盆)の違い
「お盆」と一口にいっても、地域によって期間が違うことをご存じでしょうか。明治時代の改暦(旧暦から新暦への移行)の影響で、主に「新盆(7月盆)」と「旧盆(8月盆)」の2つに分かれています。
2026年のそれぞれの期間と主な地域をまとめると、次の通りです。
| 呼び方 | 2026年の期間 | 主な地域 |
|---|---|---|
| 新盆(7月盆) | 7月13日(月)〜7月16日(木) | 東京都心部、神奈川県の一部、静岡県の一部、北海道の一部など |
| 旧盆(8月盆) | 8月13日(木)〜8月16日(日) | 上記以外のほぼ全国(一般的な「お盆休み」の時期) |
| 旧暦盆 | 2026年は8月25日(火)〜8月27日(木) | 沖縄県、奄美地方など(旧暦7月13〜15日に基づく) |
お盆のお墓参りはいつ行く?最適なタイミング
ここからは、いよいよ本題の「いつ行くべきか」という疑問にお答えします。実はこの問いには、ちょっと意外な答えが用意されています。
結論:決まった日はない|お盆期間中なら自由に
まず結論からお伝えすると、お盆のお墓参りに「この日でなければならない」という厳格なルールはありません。最も大切なのは、ご先祖様を想う気持ちと感謝の心です。ご家族の都合がつく日、心穏やかにお参りできる日を選んで全く問題ありません。
とはいえ「より丁寧とされる時期」や「一般的に選ばれることの多いタイミング」は確かにあります。それらを知っておくと、お参りの計画も立てやすくなりますね。
迎え盆(13日)のメリット|伝統的に最も丁寧とされる理由
お盆期間の中で特に丁寧とされているのが、迎え盆にあたる13日のお墓参りです。この日はご先祖様の霊をお迎えする準備の日とされ、多くの方がお墓の清掃と供養を行います。
13日に行くメリットは、なんといっても「ご先祖様をお迎えする心の準備ができる」ことです。午前中にお墓をきれいに清め、お花やお線香をあげることで、「これからご自宅にお連れします」という気持ちを自然に表せます。お盆期間の始まりということもあり、心も新たに供養に向き合えるのも魅力ですね。
実用面では、13日は他の日と比べてお墓が比較的空いていることが多いのもポイント。ゆっくりと清掃やお参りができるという、現実的なメリットもあります。
中日・送り盆でも問題なし|家族の都合を優先しよう
13日にお参りできない場合でも、心配は要りません。お盆の中日にあたる14日や15日、ご先祖様をお送りする送り盆の16日にお参りしても、全く問題ありません。
働いている方や遠方にお住まいの方にとっては、週末や祝日に重なる日程の方が都合をつけやすいことも多いはず。家族や親戚が集まりやすい日を選んでみんなでお参りするのも、立派な供養のかたちです。
また、お盆期間を少し過ぎてしまった場合でも問題はありません。8月下旬や9月上旬にお参りする方も珍しくなく、ご先祖様への気持ちに変わりはないはずですよね。
よくある疑問|お盆中は霊が家にいるからお墓は留守?
「お盆の間、ご先祖様の霊は家の仏壇にいるのだから、お墓に行っても留守で意味がないのでは?」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これについても、心配する必要はありません。
仏教の考え方では、お墓は単に故人の遺骨が納められている場所ではなく、ご先祖様と私たちをつなぐ大切な礼拝の対象、いわば「仏様そのもの」として捉えられています。たとえご先祖様の霊が一時的に家に帰ってきていたとしても、その拠り所であるお墓を清潔に保ち、手を合わせることは大きな意味のある供養なのです。
現実的に考えても、お盆期間中にお墓をきれいにしておくことで、ご先祖様が戻ってこられた時にも気持ちよく過ごしていただけますよね。
初盆(新盆)のお墓参りで注意したいポイント
故人が亡くなって四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆は、特別な意味を持ちます。ここでは、初盆の方が知っておきたいポイントを紹介します。
初盆とは|通常のお盆との違い
初盆(はつぼん)または新盆(にいぼん・あらぼん)とは、故人が亡くなってから四十九日の忌明けを過ぎた後に初めて迎えるお盆のこと。ただし、四十九日前にお盆を迎える場合は、翌年が初盆となります。
初盆は故人の霊が初めて家族のもとに帰ってくる特別なお盆とされ、通常のお盆よりも手厚く供養するのが習わしです。多くの地域では、親族や故人と親しかった方々を招いて法要を営み、僧侶にお経をあげてもらいます。
また、初盆では家の軒先や仏壇の近くに「白紋天(しろもんてん)」と呼ばれる白無地の提灯を飾ることが多いです。これは、故人の霊が道に迷わず家に帰ってこられるよう、目印として置くものですね。
初盆のお墓参りで心がけたいこと
初盆のお墓参りでは、通常のお盆以上に丁寧な供養を心がけましょう。以下のポイントを参考にしてください。
まずは、できる限り家族や親族が揃ってお参りできるよう、事前に日程を調整しておくのがおすすめです。故人にとって初めての里帰りですから、みんなでお迎えできれば、きっと喜んでくださるでしょう。
お墓の清掃も、いつも以上に念入りに行います。墓石だけでなく、周りの雑草取りや落ち葉の清掃も丁寧に行い、故人が気持ちよく過ごせる環境を整えましょう。お花やお供え物も、故人が生前好きだったものを中心に、いつもより豪華に用意するのが良いですね。
お参りの際は、故人への感謝とともに、「これからも私たちを見守ってください」というお願いの気持ちも込めて手を合わせます。初盆は、故人との新しい関係の始まりでもあるのです。
初盆ならではの提灯や香典、法要の進行については、こちらの新盆・初盆ガイドで詳しくまとめています。

お墓参りの日程・時間に関するよくある質問
ここからは、お墓参りの日程や時間について多くの方が疑問に思うポイントを、Q&A形式で解説していきます。
- 六曜(仏滅・友引など)は気にしなくて大丈夫?
-
全く気にする必要はありません。
カレンダーに記載されている「大安」「仏滅」「友引」「先勝」「先負」「赤口」といった六曜は、もともと中国で生まれた占いの一種で、仏教の教えとは直接的な関係がありません。お墓参りや法事の日程を六曜で決める必要は全くないのです。
「仏滅」という名前から仏教と関係があると思われがちですが、これは後から当てられた漢字で、本来は「物滅」と書いていました。「友引」についても「友を引く(あの世に連れて行く)」と解釈されることがありますが、これも根拠のない俗信です。
ご自身の都合がつく日、家族が揃える日、心穏やかにお参りできる日を選ぶのが一番の供養。六曜を気にして日程を延ばすよりも、思い立った時にお参りする方がずっと意味があります。
- 午前中がベスト?時間帯の選び方は?
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午前中がおすすめですが、午後がダメということはありません。
お墓参りの時間についても厳格なルールはなく、一般的には午前中が良いとされています。その理由は主に2つあります。
1つ目は、ご先祖様への敬意を示すため。一日の始まりに、他の用事よりも先にご先祖様へのご挨拶を優先するという姿勢は、敬意の表れとして受け取られます。「大切な人に会う時は、その人のために時間を空ける」という人としての基本マナーと同じですね。
2つ目は、とても現実的な理由です。とくに夏場は日中の気温が非常に高くなり、熱中症のリスクが心配されます。比較的涼しい午前中のうちにお参りを済ませることで、体への負担を減らし、お墓の清掃作業も楽に行えます。
お仕事の都合や家族のスケジュールで午前中が難しい場合は、午後にお参りしても全く問題ありません。大切なのは時間ではなく、ご先祖様を想う気持ちです。
- 夕方や夜のお参りが推奨されない理由は?
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安全面から、明るい時間帯でのお参りを強くおすすめします。
「夕方や夜にお墓に行くと霊に取り憑かれる」といった話を耳にすることがありますが、これは科学的根拠のない迷信です。ご先祖様が愛する家族に害をなすとは考えにくく、そのような心配をする必要はありません。
それでも夕方以降のお墓参りが推奨されない理由は、純粋に安全面の配慮からです。まず、足元が暗くなることで、石段での転倒や墓石でのケガのリスクが高まります。墓地は段差の多い場所が多く、昼間でも注意が必要なのに、暗くなってからでは危険性が格段に上がってしまうのです。
また、夕方以降は蚊などの虫が活発になったり、場所によっては野生動物との遭遇リスクも考えられます。防犯上の観点からも、人通りが少なくなる時間帯の墓地への立ち入りは避けた方が賢明ですね。
お墓の清掃や細かい作業も、明るい時間帯の方が丁寧に行えますし、お花の生け直しなども安全に作業できます。
お墓参りの服装と持ち物|準備を万全にしよう
お墓参りに行く際の服装や持ち物について、迷われる方も多いのではないでしょうか。ここでは、基本的なマナーから実用的なアドバイスまで詳しく解説します。
服装選びの3つのポイント|平服でOKだが配慮は必要
法要などが伴わない一般的なお墓参りの場合、服装は「平服(普段着)」で問題ありません。ただし、ご先祖様への敬意を表す場でもあるため、次の3つのポイントを心がけましょう。
1. 落ち着いた色味を心がける
黒、紺、グレー、白、ベージュなど、上品で落ち着いた色合いの服装を選びましょう。赤、黄色、ピンクといった鮮やかな原色や、キラキラとした装飾の多い服は避けるのが無難です。パステルカラーの薄い色合いなら問題ありません。
2. 清潔感を最優先に
シワや汚れのない、清潔感のある服装を心がけます。古い服でも構いませんが、きちんとお手入れされていることが大切です。靴も汚れを落とし、できれば磨いておくと良いでしょう。
3. 過度な露出は避ける
タンクトップ、キャミソール、ショートパンツ、ミニスカートなど、肌の露出が多い服装は避けましょう。神聖な場所への訪問にふさわしい、品のある装いを意識してください。
夏場はとくに注意が必要です。暑いからといって薄着になりがちですが、虫刺されや日焼け防止の観点からも、長袖・長ズボンがおすすめ。通気性の良い素材を選べば、暑さ対策と服装マナーの両方を満たせます。
足元については、お墓の清掃作業もあるため、スニーカーなどの動きやすい靴が実用的です。ヒールの高い靴やサンダルは、安全面からも避けた方が良いでしょう。
持ち物チェックリスト|お参り用・清掃用・お供え物
お墓に到着してから「あれを忘れた!」と慌てないよう、事前に持ち物をチェックしておきましょう。用途別に整理した一覧を参考に準備してください。
お参り用の基本アイテム
- 数珠(念珠)
宗派に合わせたものを用意します。貸し借りはマナー違反とされているので、できれば一人一つ持参しましょう。 - お線香
束になったものを持参します。風で消えにくいタイプも販売されています。 - ろうそく
お線香に火を点けるために使います。風よけ付きのものが便利です。 - ライター・マッチ
風に強いタイプのライターがおすすめです。念のため予備も持参しましょう。
お墓清掃用の道具
- 手桶・ひしゃく
墓地で借りられる場合もありますが、混雑時は不足することがあるので持参すると安心です。 - スポンジ・たわし・歯ブラシ
墓石の材質を傷つけないよう、柔らかめのものを選びましょう。細かい部分には歯ブラシが便利です。 - 雑巾・タオル
墓石を拭き取るために、清潔なものを数枚用意します。 - ほうき・ちりとり
落ち葉や砂埃を掃くために使います。小型で軽いものが扱いやすいです。 - 軍手・ゴム手袋
清掃作業でのケガ防止や手荒れ防止に必要です。 - ゴミ袋
出たゴミは必ず持ち帰るのがマナーです。大きめのものを数枚用意しましょう。
お供え物・装飾用品
- 供花(切り花)
トゲや毒のある花は避け、菊・りんどう・トルコキキョウなど暑さに強く日持ちするものを選びます。 - お菓子・果物
故人が好きだったものや、季節のおいしいものを用意します。 - 飲み物
故人が愛飲していたお茶やお酒などがあれば持参しましょう。
風で消えにくい線香や、コンパクトにまとめられる墓参り用の道具セットなど、便利な商品も増えています。毎年お参りするご家庭は、専用の持ち運びバッグを一式用意しておくと、毎回の準備がぐっと楽になりますよ。

お供え物の選び方|五供(ごくう)の基本と避けるべき物
お供え物は、故人への感謝と愛情を表す大切なもの。基本的には「五供(ごくう)」と呼ばれる5つの要素を揃えるのが理想とされています。
| 五供 | 具体例 | 意味 |
|---|---|---|
| 香(こう) | お線香 | 心身を清め、仏様の食事となる |
| 花(はな) | 供花(菊・りんどうなど) | ご先祖様への感謝と美しさの表現 |
| 灯燭(とうしょく) | ろうそくの灯り | 暗闇を照らす仏様の智慧を表す |
| 浄水(じょうすい) | 清らかな水 | 心を洗い清める |
| 飲食(おんじき) | お菓子・果物・飲み物 | 故人への思いやりの表現 |
これらの基本に加えて、故人が生前愛用していたお菓子や好きだった果物、愛飲していた飲み物などをお供えすると、より心のこもった供養になります。季節のおいしい果物や、みんなで分けて食べられるお菓子なども喜ばれるでしょう。
避けるべきお供え物
一方で、お供え物として避けた方が良いものもあります。肉や魚といった「なまぐさもの」は、仏教の殺生を戒める教えから避けるのが一般的。日持ちしないものや、汁気が多くて墓石を汚すおそれがあるもの、動物に荒らされやすいものも適しません。
正しいお墓参りの手順|5ステップで覚える作法
お墓参りには、昔から受け継がれてきた作法があります。難しく考える必要はありませんが、基本的な流れを知っておくことで、より心を込めたお参りができますね。ここでは、5つのステップに分けて解説します。
お墓に到着したら、まず手桶に水を汲みに行きます。次に、お墓の前に進み、いきなり掃除を始めるのではなく、まずはご先祖様にご挨拶を。軽くお辞儀をし、心の中で「今日はお参りに来させていただきました。これからお掃除をさせていただきます」と伝えましょう。墓石にいきなり水をかける前に、挨拶から始めるのがより丁寧とされています。
挨拶が済んだら、感謝の気持ちを込めてお墓と周りを清めていきます。まず敷地内の雑草を抜き、落ち葉やゴミをほうきで掃き集めましょう。墓石の清掃は上から下へ向かって、たっぷりの水をかけながらスポンジや柔らかい布で優しく洗い流します。文字が彫られた部分は歯ブラシを使って丁寧に。洗剤の使用は墓石のシミの原因になることがあるため、基本は水だけで清掃するのがおすすめです。仕上げに清潔なタオルで水気をしっかり拭き取りましょう。
清掃が完了したら、お墓を美しく飾りつけます。花立に新しい水を入れ(古い水は捨ててから注ぎ直し、量は8分目程度が適量)、持参した供花を生けます。お花の向きはお墓側ではなく、お参りする私たち側に向けて飾るのが一般的。これは「仏様が私たちの方を向いてくださっている」という意味合いがあります。水鉢にきれいな水を注ぎ、お菓子や果物などのお供え物を風で飛ばされない安定した場所に置きましょう。
いよいよお参りの核心部分です。ろうそくに火を灯し、その火からお線香に火を移します。お線香の火は口で「フッ」と吹き消すのではなく、手であおいで消すのが正しい作法。仏教では口は汚れたものとされているため、息で火を消すのは不敬とされています。火のついたお線香を香炉に立てます(地域や宗派によっては横に寝かせる場合もあります)。数珠を左手にかけ、胸の前で静かに合掌し、ご先祖様への感謝や近況報告、お願い事などを心の中で伝えましょう。
お参りが終わったら、きちんと後片付けをして、感謝の挨拶でお参りを締めくくります。お供えした食べ物や飲み物はすべて持ち帰り、使用した道具やゴミも忘れずに。ろうそくの火が完全に消えていることを必ず確認しましょう。墓地の手桶を借りた場合は、きれいに洗って元の場所に戻します。すべての片付けが終わったら、もう一度お墓に向かって一礼し、「ありがとうございました。また来させていただきます」と心の中で挨拶してからその場を離れます。

お墓参りに行けない場合の供養方法
遠方に住んでいたり、体調の都合があったりと、どうしてもお盆にお墓参りに行けない場合もあるでしょう。そのような状況でも、ご先祖様への想いを伝える方法はあります。
距離や事情で行けないときの心構え
まず大切なのは、お墓参りに行けないことで罪悪感を抱く必要はないということです。ご先祖様は私たちの事情を理解してくださるはずで、最も大切なのは供養する場所ではなく、心の持ちようなのです。
「お墓参りに行けない=供養していない」ということではありません。日々の生活の中でご先祖様に感謝し、故人を偲ぶ気持ちがあれば、それは立派な供養です。
また、お盆の期間中に行けなくても、後日都合がついたときにお参りすれば全く問題ありません。ご先祖様は、私たちがいつ来ても温かく迎えてくださるはずですよね。
「行きたいのに行けない」という気持ちが強くなるときは、こちらの記事も参考になるかもしれません。

自宅でできる4つの供養の方法
お墓参りに行けない場合でも、自宅でできる供養の方法がいくつかあります。状況に合わせて取り入れてみてください。
1. 仏壇での供養
ご自宅に仏壇がある場合は、いつもより丁寧にお手入れをし、新しいお花やお供え物を用意して手を合わせましょう。普段以上に時間をかけて清掃し、心を込めてお参りすることで、お墓参りと同じような供養ができます。
2. 遺影への供養
仏壇がないご家庭でも、故人の遺影がある場合は、その前にお花やお供え物を置いて手を合わせることができます。故人が好きだった音楽を流したり、生前の思い出話をしたりするのも良い供養になりますね。
3. 方角を向いての供養
遺影もない場合は、お墓のある方角に向かって静かに手を合わせ、心の中でご先祖様への感謝を伝えましょう。場所や形にとらわれず、純粋な気持ちで故人を偲ぶことが何より大切です。
4. 家族での思い出の共有
お盆の期間中、家族が集まって故人の思い出話をすることも、素晴らしい供養の一つ。故人がどんな人だったか、どんなことが好きだったか、どんな思い出があるかを語り合うことで、故人の魂は生き続けるのです。
お盆のお墓参りで知っておきたい豆知識
ここからは、お盆のお墓参りをより良いものにするための、ちょっとした豆知識をご紹介します。知っておくと役立つ情報ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
地域による習慣の違い(関東・関西・沖縄・東北)
お盆の習慣は、地域によって驚くほど違いがあります。たとえば、お線香の供え方一つをとっても、関東では香炉に立てるのが一般的ですが、関西では横に寝かせる地域が多くあります。
お供え物についても地域差があります。沖縄では故人の好きだったお酒をお供えすることが一般的ですし、東北地方では白いお団子をお供えする習慣のある地域もあります。沖縄では旧暦7月13〜15日にお盆(旧盆)を行うため、2026年は8月25日〜27日に相当します。本土とは時期が違う点に注意しましょう。
もしお墓のある地域と現在お住まいの地域が違う場合は、事前にその地域の習慣を調べておくか、地元の方や親戚に尋ねてみると良いでしょう。地域の習慣に合わせることで、より心のこもったお参りになります。
お墓の種類別の注意点(石墓・樹木葬・納骨堂・合祀墓)
現代では、従来の石のお墓以外にもさまざまな形態のお墓があります。それぞれに適したお参りの方法があるので、簡単にご紹介します。
一般的な石墓
これまで説明してきた通りの方法でお参りします。石の材質(御影石、大理石など)によって清掃方法を調整することもありますが、基本的には水とスポンジで十分です。
樹木葬
樹木をシンボルとするお墓では、その樹木の根元付近にお花をお供えします。ただし、生態系に影響を与える可能性があるため、食べ物のお供えは避け、お花も自然に還る種類を選ぶのが一般的です。
納骨堂
屋内の納骨堂では、各施設のルールに従ってお参りします。お線香やろうそくの使用が制限されている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
合祀墓・永代供養墓
複数の故人が合祀されているお墓では、個別のお供えではなく、共用の花立やお供え台を使用することが多いです。管理者に確認してからお参りしましょう。
お参り後の家族時間の過ごし方
お墓参りが終わった後の時間も、大切な供養の一部と考えることができます。とくにお盆期間中は、家族が集まる貴重な機会でもあるので、有意義に過ごしたいものですね。
故人の思い出話
お参りの帰り道や家に戻ってから、故人との思い出を家族で語り合うのは素晴らしい供養になります。子どもたちに先祖の話を伝える良い機会でもあります。
故人ゆかりの場所を訪れる
時間に余裕があれば、故人が好きだった場所や思い出の場所を訪れてみるのも良いですね。故人を身近に感じられる特別な時間になるはずです。
故人の好物を囲んで食事
お墓参りの後、故人が好きだった料理を家族みんなで食べることも、心温まる供養のかたち。「おじいちゃんもきっと喜んでくれているね」などと話しながらの食事は、故人との絆を強めてくれます。
まとめ|心を込めた供養が一番大切
ここまで、お盆のお墓参りについて詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。
お盆のお墓参り 重要ポイント
厳密な日にちの決まりはなく、お盆期間中であればいつでもOK。安全面から明るい午前中がおすすめ。六曜は気にしなくて大丈夫。初盆は通常より丁寧に、家族そろってお参りを。落ち着いた色の平服で清潔感を重視し、お供え物は必ず持ち帰る。
- 時期:2026年の新盆は7/13〜7/16、旧盆は8/13〜8/16。期間中ならいつでも可
- 時間帯:安全面から明るい午前中がおすすめだが、都合に合わせて選択
- 六曜:仏滅などを気にする必要はない
- 初盆:通常のお盆よりも丁寧に、家族そろって供養
- 服装:落ち着いた色の平服で、清潔感を重視
- 持ち物:事前にチェックリストで確認
- お供え物:故人を想う気持ちを込めて選び、必ず持ち帰る
- 作法:5つのステップで心を込めてお参り
- 行けない場合:自宅での供養も立派な供養
お墓参りには守るべきマナーや作法がありますが、すべてはご先祖様への感謝と敬意を表すためのもの。完璧を目指す必要はありません。大切なのは、故人を偲び、感謝の気持ちを込めてお参りすることです。
お盆は、忙しい日常を離れて、ご先祖様や故人とのつながりを感じる貴重な時間。家族と一緒に過ごし、命の大切さやつながりの深さを改めて実感する機会でもあります。形式にとらわれすぎず、心からの想いを大切にして、清々しい気持ちで2026年のお盆をお迎えください。
新盆・初盆を初めて迎える方や、お盆前後の暑中・残暑見舞いの準備をしたい方は、あわせてこちらの記事もご覧くださいね。



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