こたつのつけっぱなしは火事になる?原因6つと予防・消し忘れ対策

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寒い時期に欠かせないこたつ。暖かくてつい長居してしまい、「このままつけっぱなしで大丈夫かな」と不安になったことはありませんか。

結論から言うと、こたつは火を使わない暖房ですが、使い方を誤ると火災につながります。危ないのはつけっぱなしそのものより、布団や衣類がヒーターに触れたまま時間がたつことです。消費者庁やNITE(製品評価技術基盤機構)も、電気こたつの火災に注意を呼びかけています。

この記事では、つけっぱなしが危ない条件と電気代、火災が起こる6つの原因、今すぐできる予防法、焦げ臭いときや消し忘れたときの対処法までまとめました。正しく使えば、この冬も安心してこたつを楽しめます。

目次

こたつの火災は実際どれくらい起きている?

「火を使わないこたつで、本当に火事になるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、電気こたつでも火災は現実に起きています。

消費者庁が令和2年(2020年)1月に公表した資料によると、平成26年から平成30年までの5年間で、電気こたつが原因の火災は192件発生しています。同じ期間の電気ストーブによる火災(2,442件)と比べれば少ないものの、決してゼロではありません。

平成30年には電気ストーブと電気こたつによる火災が合わせて493件発生し、死者67人、負傷者213人が出ています。特に65歳以上の高齢者に被害が多い点も特徴です。

製品事故の調査を担うNITEも、2022年11月に注意喚起を出しました。2017年から2021年の5年間に、NITEへ通知された電気こたつと電気ストーブの事故は347件。そのうち26件は死亡事故でした。

NITEは、こうした冬の火災を大きく2つのタイプに分けて説明しています。どちらに当てはまるかを意識すると、防ぎ方が見えてきます。

  • ゼロ距離火災:布団や衣類などの燃えやすいものが、ヒーターに触れたり近づきすぎたりして起こる火災
  • ほったらかし火災:電源を切らずに放置したり、コードの傷みを放っておいたりして起こる火災

時期にも傾向があります。NITEによると、暖房器具の事故は11月ごろから増え、12月から1月にピークを迎えます。消費者庁も、電気こたつの火災は春先の4月ごろまで多く発生していると注意を促しています。

件数だけ見ると身近には感じにくいかもしれません。ですが、原因の多くは「ちょっとした油断」です。次の章では、まず気になる「つけっぱなし」の危険度から確認していきましょう。

こたつのつけっぱなしは危険?大丈夫な条件と電気代

正常なこたつを正しく使っていれば、つけっぱなしにしただけで、すぐ火事になるわけではありません。ただし、寝ている間や外出中のつけっぱなしは避けるのが基本です。

すぐ火事にならないのは、こたつのヒーターに温度を一定に保つ温度調節器(サーモスタット)が付いているからです。設定温度に達すると通電を止め、温度が下がると再び温める仕組みです。異常な高温になったときに電気を切る、温度ヒューズなどの安全装置を備えた製品も一般的です。

それでも、布団や衣類がヒーターに触れたままだと安心はできません。触れている部分が焦げ、発煙や発火に至ることがあります。NITEや東京消防庁の事例でも、布団や座布団の接触による火災が報告されています。「何時間で火事になる」という決まった時間はなく、時間の長さよりも「ヒーターに触れているものがないか」が重要です。

寝るとき・外出するときは電源を切る

危ないのは、異変に気づける人がいない時間です。就寝中は、寝返りで足が布団を押し込んだり、中に入れた物が動いたりしても気づけません。外出中なら、焦げ臭さや煙が出ても誰も対処できないでしょう。NITEが「ほったらかし火災」と呼んでいるのも、まさにこの状態です。

こたつで寝落ちしそうなときは、電源を切ってから布団へ移りましょう。家を出るときも、照明やエアコンと同じように電源を切るのが鉄則です。

つけっぱなしにしたときの電気代の目安

電気代がもったいなくて消すか迷う、という方もいるでしょう。こたつのヒーターは300〜600W程度の製品が多く、ほかの暖房器具より消費電力は小さめです。家電の電気代表示に使われる目安単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)で計算すると、次のようになります。

ヒーターの消費電力1時間あたり24時間つけっぱなし
300W約9.3円約223円
600W約18.6円約446円

これはヒーターが休まず動き続けた場合の数字で、いわば上限の目安です。実際には温度調節器が通電を止める時間があるため、「弱」や「中」で使えばもっと安く収まります。とはいえ、電気代が安くても無人のつけっぱなしは火災のリスクが残ります。使わない時間は消しておきましょう。

こたつで火災が起こる6つの原因

こたつの火災には、いくつか共通するパターンがあります。なかでも多いのは、布団や座布団、衣類などの燃えやすいものがヒーターに触れる「ゼロ距離」型です。まずは代表的な6つの原因を一覧で確認し、そのあと1つずつ詳しく解説します。

火災の原因注意すべきポイント
掛け布団・座椅子の接触布団やクッションをヒーターに触れさせない
こたつ内で洗濯物を乾かす衣類がヒーター部に触れると発火リスク大
ほこりの蓄積ヒーター部とプラグの定期的な掃除・点検が重要
コードの傷み踏んだり折り曲げたりして断線させない
ヒーターの故障サーモスタットの不具合は早めに修理
たこ足配線15アンペア(1500W)を超える使用は過負荷

(1) 掛け布団や座椅子がヒーターに触れる

こたつの掛け布団や、中に入れた座椅子・クッションがヒーター部分に触れ続けると、火災の引き金になります。布団を強く押し込んだ状態も危険です。

ヒーターに布や座椅子が密着すると熱が逃げず、じわじわと温度が上がっていきます。日頃から布団がヒーターに直接触れない配置を意識しておきましょう。

NITEの事故事例には、座椅子と一緒にこたつの中へ押し込まれた掛け布団から出火し、建物が全焼したケースもあります。ヒーターを取り付けている板が外れて落ち、座布団にヒーターが接したケースも報告されています。脚やネジにゆるみがないか、シーズンの初めに確かめておいてください。

布団の中で使う暖房グッズでは、使い捨てカイロにも発火に注意したい場面があります。

(2) こたつ内で洗濯物を乾かす

こたつ火災の典型的なパターンの一つが、こたつの中で洗濯物を乾かす使い方です。乾きにくい冬場につい入れたくなりますが、これは大変危険です。こたつの取扱説明書にも、やぐらの中で洗濯物を乾かさないよう注意書きがあるのが一般的です。

衣類がこたつ内部のヒーターに直接触れると、そこに熱がこもって高温になり、発火につながります。就寝中や外出中など、気づかないうちに衣類が落ちてヒーターに接触するケースもあります。

部屋干しで乾きにくいときは、サーキュレーターや除湿機を使いましょう。こたつの中に衣類を入れるのは絶対に避けてください。

(3) ほこりの蓄積

意外と見落としがちなのが、ヒーター部分に溜まったほこりです。ほこりが蓄積すると、それ自体が発火の原因になることがあります。

ストーブにフィルター掃除が必要なのと同じで、こたつも定期的なお手入れが欠かせません。シーズンの初めと途中で、ヒーターまわりのほこりを拭き取っておくと安心です。

もう一つ気をつけたいのが、コンセントに挿しっぱなしのプラグです。プラグとコンセントのすき間にほこりがたまって湿気を吸うと、そこに電気が流れて発火することがあります。これを「トラッキング現象」と呼びます。こたつは冬の間ずっと挿したままになりやすいので、ときどきプラグを抜き、乾いた布で拭いておきましょう。

(4) コードの傷み・断線

電源コードを折り曲げたり、テーブルの脚で踏んだりすると、コードに想定以上の負荷がかかります。内部が傷んで断線しかけると、その部分が発熱して火災につながります。

こたつに限らず、家電の電源コードは束ねたまま使ったり、家具で踏んだりしないよう気をつけてください。次のような様子が見られたら、コードが傷んでいるサインです。使うのをやめて点検しましょう。

  • コードやプラグの一部が熱い:触ったときに、ほかの部分より明らかに熱を持っている
  • 動かすと電源が入ったり切れたりする:内部の線が切れかけている可能性がある
  • 被覆が裂けたり変色したりしている:焦げたような跡や、中の線が見えている

(5) ヒーターの故障

こたつにはサーモスタットという、温度を感知して過熱を防ぐ仕組みが備わっています。ふだんはこれが安全装置として働いています。

ところが、このセンサーが故障するとヒーターが過熱し続け、火災につながることがあります。焦げ臭い、異常に熱いなどの違和感を覚えたら、使用を止めて早めに修理や買い替えを検討しましょう。

製品そのものに原因がある事故もあります。NITEの調査でも、原因が判明した電気こたつの事故の中に、製品の不具合によるものが含まれていました。お使いのこたつがリコール対象になっていないか、メーカー名と型番で消費者庁の「リコール情報サイト」で調べられます。

(6) たこ足配線による過負荷

複数の家電をまとめて使える電源タップは便利ですが、1つのコンセントに流せる電気の量には上限があります。一般的な家庭用コンセントは15アンペア(1500W)までです。

この上限を超えて家電をつなぐと、配線に過剰な負荷がかかり、発熱・発火の原因になります。こたつ自体の消費電力は大きくなくても、同じタップに電気ストーブ(800〜1200W程度)やドライヤー(1200W前後)をつなげば、合計はすぐに1500Wを超えます。たこ足配線は火災事例が多いため、こたつを使うコンセントには余裕を持たせましょう。

コンセントまわりの安全な使い方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

こたつの火災を防ぐ予防法

原因がわかれば、対策はシンプルです。日々のちょっとした心がけで、こたつ火災のリスクは大きく減らせます。今日から実践できる予防法を5つのステップにまとめました。

STEP
布団や座椅子をヒーターに触れさせない

火災の原因になりやすい「ゼロ距離」をつくらないための、いちばん大切なルールです。布団を押し込みすぎず、座椅子やクッションがヒーターに密着しない配置にします。座るときも足でヒーターを蹴らないよう注意します。

STEP
こたつの中に洗濯物を入れない

衣類がヒーターに落ちると、発火のおそれがあります。乾きにくい洗濯物はサーキュレーターや除湿機で乾かしましょう。

STEP
ヒーター部のほこりを定期的に掃除する

シーズンの初めと途中で、ヒーターまわりのほこりを拭き取ります。電源プラグを抜いてから作業すると安全です。

STEP
コードとコンセントを点検する

コードを家具で踏んでいないか、たこ足配線になっていないかを確認します。傷んだコードは無理に使わず、修理や買い替えを検討しましょう。

STEP
外出・就寝時は必ず電源を切る

人がいない時間はこたつを消すのが基本です。切り忘れが心配な場合は、後述するタイマー付きタップの活用がおすすめです。

同じ暖房家電では、オイルヒーターも電気代や安全な使い方に気をつけたいアイテムです。こたつとあわせて見直しておきましょう。

こたつを消し忘れたとき・焦げ臭いときの対処法

「外出先で、こたつを消したか思い出せない…」「こたつの中から焦げたにおいがする」というときは、放置せず早めに手を打つことが大切です。どの場合も、目標は「できるだけ早く電源を切ること」です。状況ごとの最初の一手を整理しました。

状況まずやること
家にいて焦げ臭い・煙が出た電源を切ってプラグを抜く
外出先で消し忘れに気づいた帰宅するか、家族に電源を切ってもらう
家族にも頼めない管理会社や電力会社に相談する

焦げ臭い・煙が出たときはすぐ電源を切る

焦げたようなにおいは、布団がヒーターのカバーに触れて焦げ始めているサインのことがあります。NITEも、押し込んだ布団がヒーターに接して焦げ、煙が出る例を挙げています。気づいたら、次の順番で対応しましょう。

  1. 電源を切ってプラグを抜く:濡れた手では触らないようにします
  2. 布団をめくって中を確かめる:焦げ跡や、ヒーターに触れている物がないかを見ます
  3. 火が出ていたら119番に通報する:家族に知らせ、身の安全を優先します
  4. 原因がわかるまで使わない:においの元が見つからなければ、メーカーや販売店に点検を相談します

ヒーターのカバーが変形している、コードやプラグが熱いといった異常があれば、故障も考えられます。電源を入れ直さず、そのまま点検に回してください。

帰宅するか、家族に電源を切ってもらう

消し忘れに気づいたときに、いちばん確実なのは、いったん帰宅して自分で電源を切ることです。難しい場合は、家にいる家族に連絡してこたつを消してもらいましょう。「スイッチを切って、プラグも抜いて」と具体的に頼むと確実です。

旅行中など、すぐに戻れないときも家族に頼むのが基本です。家族と連絡が取れない場合は、賃貸なら管理会社や大家さんに相談する方法もあります。鍵を管理していれば、事情を説明して電源を切ってもらえることがあります。

電力会社に相談して電気を止めてもらう

誰にも部屋に入ってほしくない場合は、契約している電力会社に連絡し、電気の供給を止められないか相談する方法もあります。対応できるかどうかや手続きは会社や設備によって異なり、すぐに止めてもらえるとは限りません。ほかに手段がないときの最終手段と考えておきましょう。

電気を止めてもらうと冷蔵庫の食材が心配になるかもしれませんが、火事のリスクと比べればやむを得ません。帰宅後は再開の手続きを確認し、ブレーカーを上げて使用を再開しましょう。

こたつの消し忘れを防ぐ習慣

そもそも消し忘れなければ、外出先で慌てることもありません。無理なく続けられる予防の習慣を紹介します。

外出や就寝の前に電源を切ることを習慣づけるのが、何より効果的です。出かける前に、戸締まりや持ち物と一緒に「こたつの電源」も確認する癖をつけましょう。次の3つは、今日からすぐ取り入れられます。

  • 布団を一部めくっておく:電源が入ったままかひと目で確認でき、通気性もよくなります
  • 玄関ドアにメモを貼る:「こたつ消した?」と書いておけば、出がけに必ず目に入ります
  • タイマー付き電源タップを使う:一定時間で自動的に電源が切れるので、消し忘れ自体を防げます

布団をめくっておくと「布団が元のまま=消し忘れかも」と気づきやすくなります。電源を切ったら布団をめくる、と2つの動作をセットにしておくのがコツです。

こたつ本体に、一定時間で電源が切れる「切タイマー」や、人がいなくなると電源を切るセンサーを備えた製品もあります。買い替えを考えているなら、こうした機能の有無もチェックしてみてください。

同じ「家電の消し忘れ・挿しっぱなし」で言えば、ドライヤーの扱いにも似た注意点があります。あわせてチェックしておくと安心です。

よくある質問

ペット用のこたつでも火災の心配はありますか?

あります。ペットが中で毛布を動かしてヒーターに触れさせたり、コードをかじって傷つけたりすると火災の原因になります。留守中はペット用こたつも電源を切るか、安全装置やタイマー付きの製品を選ぶと安心です。

古いこたつは買い替えたほうがいいですか?

年数だけで決めるより、状態で見極めるのが確実です。コードが傷んでいる、焦げ臭い、温度が安定しないといった症状が出たら、サーモスタットなどの故障が疑われます。無理に使い続けず、修理や買い替えを検討しましょう。長く使っているこたつほど、シーズン前の点検を念入りに行ってください。

ヒーターが壊れたら、こたつごと買い替えが必要ですか?

天板ややぐらがまだ使えるなら、取り替え用のヒーターユニットだけを購入して交換する方法もあります。取り付け寸法ややぐらの形に合うかを確認し、取扱説明書の手順に従って作業しましょう。自分で交換するのが不安なら、メーカーや販売店に相談するのが確実です。

焦げ跡がついたこたつ布団は、また使えますか?

焦げ跡は、布団がヒーターに触れていたサインです。穴があいている、焦げが広いといった場合は、新しい布団に替えるのが無難です。使い続ける場合も、焦げた部分がヒーター側に垂れ下がらないよう、敷き方や布団のサイズを見直してください。

まとめ:正しく使えばこたつは安心して楽しめる

こたつは火を使わない暖房ですが、使い方を誤ると火災につながります。最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。

  • 電気こたつの火災は平成26〜30年の5年間で192件発生しており、決してゼロではありません
  • 正常なこたつなら、つけっぱなしですぐ火事にはなりませんが、就寝中・外出中は電源を切ることが大切です
  • 火災の原因で多いのは、布団や衣類などの燃えやすいものがヒーターに触れることです
  • ほこり、コードの傷み、故障、たこ足配線にも注意し、焦げ臭いときはすぐプラグを抜きましょう

まずは「こたつの中に布団や洗濯物を押し込まない」ことから始めましょう。この一つを守るだけで、火災の原因として多いゼロ距離のリスクを大きく減らせます。正しい使い方で、この冬も安心してこたつを楽しんでください。

こたつを片付ける時期やお手入れのコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。

参考にした主な出典

  • 消費者庁「電気ストーブや電気こたつの火災に注意しましょう!」(令和2年1月)
  • 総務省消防庁 製品火災に関する調査結果
  • NITE(製品評価技術基盤機構)冬の暖房器具事故に関する注意喚起(2022年11月)
  • 東京消防庁 電気こたつ火災の事例資料
  • 全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」
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