毎日部活動で汗を流すお子さんの洗濯物の臭いに、頭を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。
「明日も使うから洗って!」と言われて洗濯をしてみても、なかなかニオイが取れない…。そんなご経験をお持ちの方は少なくないと思います。
私自身も中学生の野球部員の母として、泥と汗で汚れきったユニフォームを洗うたびに「うわ、臭い!」と驚くことがしばしばあります。
でも、この強いニオイは子どもが部活動を頑張っている証拠でもあるんですよね。
そこで今回は、部活動後の洗濯物に染み付く嫌な臭いの原因を細かく解き明かし、効果的な対策を幅広くご提案します。
お財布に優しい手軽な方法から、確実性の高い方法まで取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ部活後の洗濯物は臭いが強くなるのか:その意外な理由
汗の秘密:本来は無臭のはずが臭いを放つワケ
汗と聞くと「臭い」のイメージがあるかもしれませんが、実は汗そのものに強い臭いはありません。
にもかかわらず、部活でかいた汗がしみ込んだ服からきついニオイがするのは、汗腺の種類とその成分が原因となっています。
人間の体には大きく分けてふたつの汗腺が存在します。
全身にあるエクリン腺と、脇の下など特定の部位にあるアポクリン腺です。以下の表にざっくりまとめました。
エクリン腺 | アポクリン腺 |
---|---|
全身に分布し、主成分はほぼ水分で無臭 | 脇の下などに限られ、タンパク質を含む |
皮脂や垢と混ざると独特のニオイに変化 | 思春期から発達し、細菌の分解によって特有の臭いを発生 |
子どもが小学生の頃はあまり気にならなかった汗のニオイが、中学生になると急に強烈に思えるのは、このアポクリン腺が成長し始めるタイミングだからです。
うちでは、野球部に所属する中学生の息子と小学生の息子で、帰宅後のユニフォームの臭いがまるで違います。
もうひとつの見落としがちな原因:砂の存在
野球やサッカーなど屋外でプレーするスポーツでは、ユニフォームに付着した砂が臭いの原因となることも意外と多いのです。
砂は水に溶けないため、普通に洗濯しただけでは完璧に落とせず、繊維の奥深くにとどまってしまいがち。
その結果、汚れが蓄積されてしまい、洗濯中に砂が広がって逆に被害を広げることもあります。
すぐに実践できる有効な臭い対策
コストをかけずに行う基本的な方法
早めの洗濯を徹底する
もっとも重要なのが、「汗をかいた衣類をすぐに洗う」という習慣です。
放置するほど雑菌が増え、ニオイも強化されてしまいます。
わが家では、息子が帰宅してユニフォームを脱いだら、すぐ洗濯機に投入することを徹底しており、なるべく翌日まで放置しないように気をつけています。
砂の落とし方を工夫する
ユニフォームが乾いた状態で、洗濯ブラシを使って砂をしっかり払うだけでも、臭いを軽減できます。
泥汚れが湿っている場合は、まず乾かしてからブラッシングすると、より繊維に砂が入り込みにくくなるのです。
ちょっと手間はかかりますが、この工程をサボると臭いが取れづらくなるので注意しましょう。
少量洗いの徹底
臭いのきつい衣類は、できれば他の洗濯物と分けて洗うのが望ましいです。
洗濯物が多すぎると、落ちたはずの雑菌がほかの衣類へ移ってしまうことがあります。
うちでは野球部のユニフォームだけは単独洗いしていますが、その理由は息子には内緒です。
頑張った証を否定しないように、でも臭い移りだけは防ぎたいという親心ですね。
お風呂の残り湯はできるだけ使わない
節水のために浴槽の残り湯を利用するご家庭も多いと思いますが、臭いを減らすにはあまり適していません。
残り湯には皮脂や垢が大量に含まれており、それが雑菌の増殖につながってしまうのです。
すすぎを念入りにやってもニオイのもとを完全に除去しきれない場合があるので、清潔な水道水がおすすめです。
洗濯機自体のメンテナンスを怠らない
毎日洗剤を使っているから洗濯機は常に清潔だと思いがちですが、洗濯槽の裏にはカビや洗剤の残りカスが溜まっているケースも。
洗濯槽クリーナーを利用して、定期的に洗濯機をクリーニングしましょう。
洗濯機のメンテナンス手順例
- 槽に水を張る
- クリーナーを入れる
- 通常コースで洗濯機を回す
洗剤を使った効果的な対策
普段の洗剤を活かした方法
酸素系漂白剤(ワイドハイター、ブライトなど)の活用
臭い対策として非常に有名なのが酸素系漂白剤です。
ただし、最大限の効果を得るには正しい手順を守る必要があります。
◆手順のポイント◆
(1) 40~50度程度のお湯を用意
(2) 液体タイプなら洗濯1回分、粉末タイプなら大さじ2~3杯を目安に
(3) 約30分から1時間漬け置き
(4) 漬け置きした液ごと洗濯機へ入れる
(5) 通常通りに洗濯する
お湯が冷めると効果が薄れるので、温度をキープするのが大切です。
また、粉末タイプはウールやシルクなどデリケートな素材には使えない点にも注意してください。
重曹を使ったニオイ対策
重曹は掃除に使うイメージが強いかもしれませんが、洗濯の悪臭対策にも役立ちます。
40度前後のぬるま湯に小さじ1杯ほどの重曹を加え、約30分漬け置きしてから通常どおり洗濯するだけで、汗などのニオイをかなり軽減できます。
ただし、ウールやシルク、麻などの素材には不向きなので、使用の際は気をつけましょう。
専用製品を使った対処法
洗濯用消臭剤の利用
市販の消臭剤を洗剤と合わせて使うと、抗菌効果や洗浄力がさらに高まります。
ただし、600mlあたり600円程度など、コストが気になるものもあるので、継続使用する場合は家計との相談が必要です。
弱アルカリ性洗剤へ切り替える
中性洗剤から弱アルカリ性洗剤に変えるだけでも、皮脂汚れや汗汚れが落ちやすくなります。
ただし、素材によっては傷みやすいこともあるので、適量を守ることと、事前に目立たない部分でチェックすることが大切です。
乾燥方法を変えて臭いを残さないコツ
室内干しで気をつけるポイント
生乾き臭を防ぐ方法
梅雨や雨の日はやむを得ず部屋干しをすることも多いですが、その際には通気を確保して早く乾かす工夫が欠かせません。
洗濯物同士の間隔を開けたり、扇風機やエアコンを併用したりして、湿気を逃がすようにしましょう。
カーテンレールに干すとホコリや汚れが付着しやすいので、専用の物干しを使うのがおすすめです。
乾燥機の利用
乾燥機を使うと、天候に左右されず短時間でしっかり衣類を乾燥できます。
ガス乾燥機や電気乾燥機を自宅に設置できない場合は、コインランドリーの乾燥機も強力で便利です。
アイロンがけの活用
高温でアイロンをかけると雑菌を減らせるため、生乾き臭の防止に一定の効果があります。
ただし、毎回アイロンがけをするのは大変なので、特に気になる衣類だけに行うなど、負担にならない範囲で取り入れてみてください。
予防策:日常生活から臭いを防ぐ工夫
汗へのアプローチが基本
こまめに汗を拭き取る
汗を大量にかいたときは、濡れタオルやボディシートですぐに拭き取ると効果的です。
乾いたタオルだけでは臭い成分が取り切れない場合があるので、なるべくウェットシートを使いましょう。
足のケアも重要
足の裏は汗のかきやすい部位なので、しっかりとケアしておかないと靴下や靴から強い臭いを放つことがあります。
角質ケアや清潔な靴下の着用など、日常的に気を配ってあげると良いでしょう。
制汗剤を上手に使う
制汗剤にはスプレータイプやシートタイプ、ロールオンタイプなどがあります。
大量に汗をかいた後にはシートタイプでベタつきを拭き取り、ニオイ予防としてスプレーを使うなど、タイミングに合わせて使い分けるとより効果的です。
まとめ
部活動で汗を流す子どもたちの洗濯物の臭いは、多くの保護者にとって頭を悩ませる問題です。しかし、その原因を理解し、適切な対策を取ることで、効果的に臭いを防ぐことが可能です。
本記事のポイント
- 汗自体は無臭だが、皮脂や雑菌と混ざることで強い臭いが発生する。
- 屋外スポーツでは砂が繊維に入り込み、臭いの原因になることもある。
- 臭いを防ぐには、早めの洗濯、砂の除去、少量洗いの実践が重要。
- お風呂の残り湯は雑菌の繁殖を助長するため、なるべく避けるべき。
- 洗濯機自体の定期的なメンテナンスを行い、カビや汚れを防ぐ。
- 酸素系漂白剤や重曹を使うことで、臭いの除去効果を高められる。
- 乾燥時には生乾きを防ぐ工夫をし、しっかりと乾かすことが重要。
日々のちょっとした工夫で、部活後のユニフォームを清潔に保ち、嫌な臭いを防ぐことができます。
ぜひ今回紹介した方法を試して、快適な洗濯習慣を作っていきましょう!
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