【例文20選】子どもが習い事を辞めたいときの対応法│親・先生が納得する伝え方と円満退会のコツ

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「このままピアノを続けるべきか迷っている…」

「サッカーが楽しくなくなった子どもにどう声をかけたらいいだろう…」

「子どもが習い事を辞めたいと言い出したけど、どう対応すればいいのかわからない…」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。子どもが習い事を辞めたいと感じる背景には、単なる「飽きた」という気持ちから、より深刻な「精神的・身体的負担」まで、様々な理由が考えられます。

習い事は子どもの成長にとって重要な役割を果たしますが、全ての活動が全ての子どもに合うわけではありません。大切なのは、子どもの気持ちに寄り添いながらも、教育的な観点からの適切な判断を行うことです。

この記事では、習い事を辞めたいと考えている子どもとその保護者の方に向けて、親や先生に効果的に伝えるコミュニケーション方法と、さまざまな状況に対応した具体的な例文を20パターン紹介します。また、辞める前に考えるべきポイントや、辞めた後のフォローアップについても解説します。

この記事を読むことで、子どもの気持ちを尊重しながらも、お世話になった先生との関係を大切にする円満な「卒業」の方法が見つかるでしょう。それでは、一緒に考えていきましょう。

目次

子どもが習い事を辞めたいと感じる理由を理解しよう

子どもが「もう行きたくない」と言い出す理由は一人ひとり異なります。まずは、その背景にある本当の気持ちを理解することから始めましょう。

習い事を続けられなくなる一般的な7つの理由

子どもが習い事を辞めたいと感じる主な理由には以下のようなものがあります:

  • 興味や関心の移り変わり:子どもの好みは成長とともに変化するもの。以前は楽しんでいた活動でも、新しい興味が見つかると魅力を感じなくなることがあります。
  • 身体的な負担やストレス:特にスポーツ系の習い事では、体力的についていけなくなったり、成長期特有の体の変化で負担を感じたりすることも少なくありません。
  • 精神的なプレッシャーや不安:コンクール、大会、級の試験などによるプレッシャーが大きくなると、子どもは不安を感じやすくなります。
  • 人間関係の難しさ:指導者との相性や、同じ教室の子どもたちとの関係がうまくいかないケースもあります。時には、ライバル関係や競争が苦手な子どももいます。
  • 学業との両立が困難:学年が上がるにつれて学校の勉強が難しくなり、習い事に割く時間や気力が減ってしまうことがあります。
  • モチベーションや目標の喪失:上達を実感できない、楽しさを見いだせない、達成感が得られないなど、継続するための内的動機が失われることもあります。
  • 環境や生活の変化:引っ越し、家族構成の変化、学校生活の変化など、外的要因で今までの習慣を維持できなくなるケースもあります。

年齢や発達段階による「辞めたい理由」の違い

子どもの年齢や発達段階によって、習い事を辞めたいと思う理由や、親が理解しやすい理由は異なります。それぞれの年代の特徴を理解しておきましょう。

幼児期(3~6歳)の特徴

幼児期の子どもは好奇心旺盛ですが、同時に集中力が続きにくいという特徴があります。「もう飽きた」「お友だちと遊びたい」といったシンプルな理由で習い事に行きたがらなくなることが多いでしょう。

この時期は様々な経験を通じて自分の好きなことや向いていることを見つける「探索期」です。一つの活動に長期間取り組むというよりも、様々な体験をさせることを優先してもよいかもしれません。

親にとっては、「楽しくない」「行きたくない」という素直な気持ちを尊重してあげることが大切な時期です。ただし、「今日は疲れたから行きたくない」という一時的な気持ちと、本当に活動自体が合っていないのかを見極める必要があります。

小学校低学年(1~3年生)の場合

小学校生活に適応する時期であり、「学校と習い事の両方で疲れる」「体力が持たない」という理由が多く見られます。放課後の活動が負担になりやすく、特に週に複数回の習い事をしている場合は要注意です。

この年代では、体力的な負担を理由にすると親も納得しやすい傾向があります。また、「友達関係」も大きな要素となり始め、「友達が辞めた」「友達と遊ぶ時間がない」といった社会的な理由も出てきます。

小学校低学年は、基礎的な生活習慣や学習習慣を形成する重要な時期です。習い事による過度な負担が、基本的な生活リズムを崩すようであれば、見直しを検討する価値があります。

小学校高学年(4~6年生)の特徴と理由

この時期になると自我が芽生え、自分の意思で物事を選択したいという気持ちが強くなります。「自分には向いていない」「別のことをやりたい」といった理由が増えてきます。

また、学習内容が難しくなるため「勉強に集中したい」という理由も親に受け入れられやすくなります。習い事に対する視点も変化し、「上達が実感できない」「周りと差を感じる」といった自己評価に基づく理由も出てきます。

この年代の子どもは自分の得意・不得意や好みをより明確に認識するようになります。長く続けてきた習い事でも、本当に自分に合っているのか、今後も続ける価値があるのかを自分なりに考え始める時期でもあります。

中学生の悩みと辞める理由

中学生になると、部活動が始まり、時間の使い方が大きく変わります。「部活と両立できない」「受験勉強に集中したい」という理由は、親も先生も最も理解を示しやすい傾向があります。

また、友人関係や学校での立ち位置など、社会的アイデンティティを形成する時期でもあり、「自分のやりたいことが変わった」「将来の目標が明確になってきた」といった将来を見据えた理由も増えてきます。

思春期に入るこの時期は精神的な変化も大きく、「プレッシャーに耐えられない」「心理的な負担を感じる」といった内面的な葛藤を理由にする場合もあります。親はこうした心の声に特に敏感になる必要があるでしょう。

高校生の進路と将来を見据えた判断

進路選択や大学受験を控え、「受験に専念したい」「将来の目標が変わった」といった理由が最も多くなります。この年代になると自己決定権が強くなるため、親も子どもの意思を尊重する傾向が強まります。

長年続けてきた習い事であっても、将来の進路や目標に直接関係がなければ、優先順位を下げざるを得ないケースが多いでしょう。一方で、習い事が特技や進路に直結する場合は、むしろ強化する方向で検討されることもあります。

高校生は自分の将来と真剣に向き合う時期です。習い事を辞めるか続けるかの判断も、単に「好き嫌い」ではなく、自分の人生設計の一部として捉えるようになります。

子どもからのサインを見逃さないために

子どもが「辞めたい」と明確に言葉にする前に、いくつかのサインを示すことがあります。早い段階でこれらに気づくことで、適切な対応ができるようになります。

  • 準備や練習を渋るようになった
  • 「お腹が痛い」「頭が痛い」など、身体的な不調を訴える
  • 習い事の話題を避けるようになった
  • 以前は楽しそうだった表情が乏しくなった
  • 習い事の日になると機嫌が悪くなる
  • 「〇〇さんは辞めたよ」など、辞めた友達の話を持ち出す
  • 「まだ続けなきゃいけないの?」とよく聞くようになった

これらのサインが見られたら、「どうしたの?」と直接的に聞くのではなく、「最近の〇〇はどう?」「楽しいことや大変なことはある?」といった開かれた質問で、子どもが本音を話しやすい環境を作りましょう。

習い事を辞める前に考えるべき5つのポイント

子どもが「辞めたい」と言い出した時、すぐに結論を出すのではなく、以下のポイントについてじっくり考えることが大切です。

1. 一時的な気持ちなのか、本当に辞めるべきなのか

習い事に行きたくないと思うのは、一時的な壁にぶつかっているだけかもしれません。以下のチェックリストを参考に、本当に辞めるべきかどうか考えてみましょう。

  • 何か具体的なきっかけ(失敗体験や嫌な出来事など)があって辞めたいと思い始めたか
  • 「行きたくない」と思う頻度は?(たまになのか、毎回なのか)
  • 習い事自体は好きだが、環境や条件に問題があるのか
  • 少し休んだり、ペースを変えたりすることで続けられる可能性はあるか
  • 今の悩みや問題点は解決可能なものか
  • 以前は楽しめていたのに、最近楽しめなくなった理由は何か
  • 子どもの本音と建前(本当は別の理由があるのに言えない)はないか

一時的な気持ちと長期的な気持ちを区別するために、「1ヶ月後も同じように感じるか」「来年の今頃も同じ気持ちだと思うか」といった質問も効果的です。

2. 辞めることのメリットとデメリットを比較する

習い事を辞めることで得られるものと失うものを客観的に考えることも大切です。子どもと一緒にリストアップしてみると、より冷静な判断ができるでしょう。

【辞めることのメリット例】

  • 自由な時間が増え、好きなことに使える
  • ストレスや精神的・身体的負担から解放される
  • 新しい興味や活動にチャレンジする機会ができる
  • 学業や他の重要な活動に集中できる
  • 家庭の経済的負担が軽減される
  • 毎週のスケジュール管理が楽になる
  • 送迎の負担がなくなり、家族の時間が増える

【辞めることのデメリット例】

  • これまで培ってきたスキルや経験の積み重ねが途切れる
  • 習い事を通じた友人関係や所属コミュニティを失う
  • 将来役立つかもしれない能力を伸ばす機会を逃す
  • 「諦めてしまった」という後悔を感じる可能性がある
  • 目標達成の過程で得られる達成感や成長を経験できなくなる
  • 規則正しい生活リズムが崩れる恐れがある
  • 特に「継続力」「忍耐力」を養う機会が減る

3. 代替案や妥協点を探る

完全に辞めるという二択ではなく、様々な調整方法があることを考えましょう。以下のような代替案も一緒に検討してみてください。

  • レッスンの頻度を減らす(週2回→週1回など)
  • 同じ習い事でも、より負担の少ないクラスや教室に変更する
  • 短期間休会して、再度モチベーションを見つめ直す
  • 同じ分野でも別の形態の習い事に移行する(例:個人レッスン→グループレッスン)
  • 目標や到達点を見直し、プレッシャーを軽減する
  • 自宅での練習時間や方法を調整する
  • オンラインレッスンや自主学習形式に切り替える
  • 競争や試験を前提としない、楽しむことを主眼にした活動に変更する

これらの代替案を検討することで、「完全に辞める」以外の選択肢が見つかるかもしれません。また、「○月まで続けてみて、それから判断する」といった期限付きの約束も効果的です。

4. 子どもの自主性と親の期待のバランスを考える

習い事を続けるか辞めるかの判断には、子どもの自主性と親の期待や教育方針とのバランスが重要です。以下の点を踏まえて考えましょう。

  • 子どもの年齢に応じた自己決定権をどこまで尊重するか
  • 親が習わせた本来の目的は何だったのか(その目的は達成されたか)
  • 子どもの性格や特性に合った判断か(例:飽きやすい子に「継続」を強いることの意味)
  • 親の未実現の夢や期待を子どもに投影していないか
  • 子どもが本当に「辞めたい」のか、「休みたい」のか、それとも「変えたい」のか

特に、親が子ども時代に叶えられなかった夢を子どもに託している場合は要注意です。子どもの意思と親の期待のどちらを優先すべきか、冷静に判断しましょう。

5. 習い事から得られる価値と別の方法で得られる価値を比較する

習い事を通じて子どもに身につけてほしい価値やスキルは何でしょうか?それらは別の活動でも得られる可能性があります。

  • 「継続力」「忍耐力」→学校の勉強や家庭での責任ある役割でも養える
  • 「協調性」「チームワーク」→学校の班活動や地域のボランティアでも経験できる
  • 「創造性」「表現力」→別の芸術活動や自由研究などでも伸ばせる
  • 「体力」「健康増進」→家族での運動や日常生活での活動量増加でも補える
  • 「規律」「時間管理能力」→家庭でのルーティンや学習習慣でも身につけられる

子どもが習い事から得ていた価値を明確にし、それを別の形で補完できるかどうかを検討してみましょう。「辞める」ことが「放棄する」ことではなく、「別の形で継続する」という視点を持つことが大切です。

親に習い事を辞めたいと伝える効果的な方法

子どもにとって、親に「辞めたい」と伝えるのは勇気のいることです。以下のポイントを押さえて、効果的に伝えましょう。

親に伝えるベストなタイミングと環境

習い事を辞めたいと親に伝えるタイミングは非常に重要です。良いタイミングと避けるべきタイミングを知っておきましょう。

【避けるべきタイミング】

  • 習い事に行く直前(思いつきと判断される可能性が高い)
  • 親が忙しそうな時や疲れている時(十分に話を聞いてもらえない)
  • 親がイライラしている時や機嫌が悪い時(否定的な反応を招きやすい)
  • 家族の行事や特別な日(場の雰囲気を壊してしまう)
  • 親が仕事から帰宅した直後(リラックスする時間が必要)
  • 就寝直前(十分な話し合いの時間が確保できない)

【おすすめのタイミング】

  • 親子でリラックスしている週末の昼間
  • 夕食後の落ち着いた時間
  • 親が「今日の習い事はどうだった?」と尋ねてきた時
  • 成績表や通知表をもらった後(学業との両立が理由の場合)
  • 習い事の区切りとなる行事(発表会や試合)の後
  • 家族で将来や進路について話し合っている時
  • 親がポジティブな気分でオープンな会話ができそうな時

また、話す環境も重要です。テレビやスマホなどの注意を散らすものがない、静かな環境で、対話に集中できる状況を選びましょう。兄弟がいる場合は、個別に話す時間を作ることも大切です。

親に納得してもらいやすい理由と伝え方

親に習い事を辞めたいと伝える際、以下のような理由は比較的受け入れられやすい傾向があります。

  • 健康上の理由:「体力的にきつい」「疲れがたまって学校に集中できない」「睡眠不足になる」
  • 学業優先:「勉強に専念したい」「テストの点数が下がってきた」「受験に向けて時間が必要」
  • 別の習い事への集中:「○○に興味が湧いたので、そちらに集中したい」「自分に合った活動を見つけた」
  • 目標達成:「目標としていた○級を取得できたので区切りをつけたい」「一区切りつけて新しいことに挑戦したい」
  • 将来の目標との関連性:「将来の夢のために、別のスキルを身につけたい」「進路に役立つ活動に切り替えたい」
  • 時間的制約:「部活と両立が難しい」「勉強との両立でストレスを感じている」「友達と過ごす時間も大切にしたい」
  • 自己成長:「自分で選んだ活動に挑戦したい」「自分の適性や興味を探求したい」

親への効果的な伝え方の7つのコツ

習い事を辞めたいという気持ちを伝える際には、以下のポイントを意識するとうまくいきやすくなります。

  • 「I(アイ)メッセージ」を使う:「私は~と感じる」「私は~を考えている」という形で自分の気持ちを伝える
  • 感謝の気持ちを示す:「ここまで続けられたのは応援してくれたおかげ」など、親のサポートに感謝する
  • 理由を具体的に説明する:「辞めたい」だけでなく、なぜそう思うのかを具体的に説明する
  • 親の期待を理解していることを示す:「〇〇を学んでほしいという気持ちはわかる」と共感を示す
  • 代替案や今後の目標を提案する:ただ辞めるだけでなく、次にやりたいことや別の形での継続方法を提案する
  • 区切りとなる時期を自分から提案する:「発表会までは頑張る」など、責任ある終わり方を示す
  • 親の反応に耳を傾ける:一方的に主張するのではなく、親の考えや懸念にも耳を傾ける姿勢を見せる

また、一度の会話で結論を急がず、「今日はこの話を聞いてほしかった。また改めて話し合いたい」というアプローチも有効です。親も考える時間が必要かもしれません。

親が否定的な反応を示した場合の対応法

親に辞めたいと伝えても、すぐに理解を得られないことも少なくありません。そんな時は以下のような対応を心がけましょう。

  • 感情的にならず、冷静に対話を続ける
  • 親の懸念や心配に対して、具体的な解決策を提案する
  • 「全か無か」ではなく、妥協案(回数を減らす、一定期間休むなど)を提示する
  • 「今すぐ決めなくてもいい」と伝え、親に考える時間を与える
  • 「試しに1ヶ月休んでみて、その後考える」といった段階的なアプローチを提案する
  • もし可能なら、第三者(もう一方の親、担任の先生、親戚など)に間に入ってもらう

親の立場からすると、「子どものためを思って続けさせたい」「お金や時間を投資してきた」「簡単に諦めてほしくない」などの気持ちがあるかもしれません。そうした親の思いも理解した上で、粘り強く対話を続けることが大切です。

【例文10選】親に習い事を辞めたいと伝える具体的な言い方

年齢や状況に合わせた、親に習い事を辞めたいと伝える具体的な例文を10パターン紹介します。自分の状況に最も近いものを参考にしてみてください。

例文1:小学校低学年の子ども(体力的な理由)

子ども:「お母さん、水泳のこと話したいんだけど…」

親:「うん、どうしたの?」

子ども:「学校が終わってから水泳に行くのが、すごく疲れちゃうんだ。帰ってきたら宿題する元気もなくて…。次の級が取れたら、休みたいなって思ってる」

親:「そうなんだ。確かに最近疲れてるように見えるね」

子ども:「うん。次の級が取れるまで頑張るから、それからちょっと休んでもいい?」

親:「わかったよ。次の級を目指して頑張ってみようね。その後のことはまた考えよう」

例文2:小学校高学年の子ども(興味の変化)

子ども:「お父さん、ピアノのことで相談があるんだけど…」

親:「何かあったの?」

子ども:「実は、最近ギターにすごく興味があって。次の発表会が終わったら、ピアノからギターに変えてもいいかな?3年間ピアノを続けてきたけど、自分にはギターの方が合ってる気がするんだ」

親:「急に言われると驚くけど、理由を教えてくれる?」

子ども:「バンドの演奏を見て、ギターのかっこよさにハマったんだ。ピアノも楽しかったけど、今はギターで音楽を続けたいと思ってる」

親:「なるほど。発表会まではしっかり頑張れるね?」

子ども:「うん!最後の発表会だから、今までで一番練習して頑張るよ!」

親:「わかった。発表会の後で、ギター教室のことも調べてみようか」

例文3:中学生(部活との両立困難)

子ども:「お母さん、塾のことで話があるんだけど」

親:「どうしたの?」

子ども:「部活が忙しくなってきて、週3回の塾通いとの両立が難しくなってきたんだ。特に水曜日は部活の練習が長引くことが多くて、塾に間に合わないことがあるんだよね」

親:「部活と勉強の両方を頑張りたいってことね」

子ども:「うん。でも今のままだと両方中途半端になりそうで…。塾を週2回に減らすか、オンライン授業に変更できないか相談してみてほしいんだ」

親:「なるほど。完全に辞めるわけではなく、調整したいんだね」

子ども:「そう。勉強も大事だって分かってるから、続けたいんだけど、今のペースだと体力的にきついんだ」

親:「分かったわ。塾の先生と相談してみるね」

例文4:受験生(勉強に専念)

子ども:「最近思うことがあって…」

親:「何?」

子ども:「高校受験まであと半年だけど、英会話は3月まで続けるとなると受験直前まで時間を取られることになるんだ。模試の結果を見ても、もっと数学と理科に時間をかけないと志望校に届かない…」

親:「受験に集中したいのね」

子ども:「うん。英会話は6年間続けてきて楽しかったし、英検も準2級まで取れたから、ここで一区切りつけて受験に集中したいんだ。合格したら、また英語の勉強を別の形で続けたいと思ってる」

親:「よく考えたんだね。長く続けてきたものを一時中断するのは勇気がいることだけど、今は受験が優先だよね」

子ども:「ありがとう。2学期が終わったら辞めさせてもらっていい?」

親:「分かったよ。先生にはきちんと挨拶しようね」

例文5:習い事の雰囲気が合わない場合

子ども:「お父さん、ちょっと相談があるんだけど…」

親:「どうしたの?」

子ども:「サッカースクール、実は最近あまり楽しくないんだ。みんなすごく真剣で、試合に勝つことばかり考えていて…。僕は友達と楽しく運動したいだけなんだけど、合わない気がする」

親:「そうだったんだ。最近行き渋ってる理由はそれだったのか」

子ども:「うん。先生も厳しくて、ミスをするとみんなの前で怒られるし…。でも運動自体は好きだから、もう少しリラックスした環境で続けたいんだ」

親:「無理に続けることもないよね。代わりにどんな運動がしたい?」

子ども:「地域のスポーツクラブでやってる『みんなのサッカー』に友達が通ってるんだけど、そっちは楽しそうだなって思ってる」

親:「なるほど。今のスクールは今月いっぱいで区切りをつけて、新しいところを見学してみようか」

例文6:新しい習い事に挑戦したい場合

子ども:「お母さん、習字のことなんだけど…」

親:「うん、どうしたの?」

子ども:「最近、友達がプログラミング教室に通ってて、すごく楽しそうなんだ。僕も行ってみたいなって思うんだけど…」

親:「習字を辞めてプログラミングを始めたいってこと?」

子ども:「うん。習字は2年間頑張ったし、段も取れたから、今度は将来に役立ちそうなプログラミングを習ってみたいんだ」

親:「急に言われると驚くけど、プログラミングに興味があるのは知らなかったわ」

子ども:「前から気になってたんだ。これからの時代はプログラミングができる人が活躍するって先生も言ってたし…。でも習い事は2つも無理だと思うから、習字は次の席書大会まで頑張って、その後に変えたいな」

親:「わかったわ。席書大会まではしっかり練習するのね。終わったら、プログラミング教室の体験に行ってみましょう」

例文7:経済的な理由で複数の習い事を減らしたい場合

子ども:「お父さん、お母さん、ちょっと話があるんだけど…」

親:「何?」

子ども:「実は、スイミングと英会話と絵画教室の3つ全部続けるのが大変で…。特に習い事のある日は宿題をする時間も十分に取れないし、毎日忙しすぎて遊ぶ時間もないんだ」

親:「確かに最近疲れてるように見えるね」

子ども:「それに、習い事のお金もかかってるよね。僕のせいで家計が大変だったら嫌だなって…」

親:「そんなこと気にしなくていいんだよ。でも、確かに3つは多いかもしれないね」

子ども:「この中でどれか1つか2つに絞りたいんだけど…。一番続けたいのは英会話かな。それと、スイミングは夏休みまで頑張って、上級クラスに行けたら辞めようと思うんだ」

親:「自分で考えてくれたんだね。お父さんとお母さんで相談してみるよ」

例文8:オンライン授業への切り替えを提案する場合

子ども:「塾のことで提案があるんだけど…」

親:「どんな提案?」

子ども:「今通ってる塾、オンラインコースもあるんだって。毎週塾まで往復する時間がもったいないから、オンラインに変えてもいいかな?」

親:「教室で先生から直接教わる方が効果的じゃないかな?」

子ども:「オンラインなら質問もチャットでできるし、映像は繰り返し見られるから復習にもなるんだ。それに月謝も少し安くなるんだって」

親:「なるほど。でも自宅で集中して勉強できる?」

子ども:「うん、やってみるよ!もし集中できなかったら、また教室に戻ることもできるって」

親:「わかった。一度塾の先生と相談してみようか」

例文9:一時休会を提案する場合

子ども:「お母さん、ピアノのこと相談があるんだ」

親:「何かあったの?」

子ども:「最近、ピアノを弾く気持ちがわかなくて…。でも完全に辞めるのではなく、3ヶ月くらい休みたいんだ。少し距離を置いて、また弾きたいという気持ちになれるかなって」

親:「急に言われると驚くけど、何か理由があるの?」

子ども:「同じ曲を何度も練習するのが辛くなってきたんだ。でも7年も続けてきたから、すぐに辞めるのはもったいないと思って…。少し休んで、自分の気持ちを整理したいんだ」

親:「なるほど。確かに無理に続けても上達は難しいかもね」

子ども:「次のコンクールが終わったら、少し休んでもいい?その間は自分で好きな曲を弾いてみようと思うんだ」

親:「わかったわ。先生にも相談してみようね」

例文10:精神的な負担を理由に辞めたい場合

子ども:「お父さん、ちょっと話があるんだ…」

親:「どうしたの?真剣な顔をしているね」

子ども:「実は、最近バレエのレッスンに行くのが怖くなってきたんだ。発表会が近づいてきて、先生の指導が厳しくなってきて…ミスをするとみんなの前で厳しく注意されるし、プレッシャーで夜も眠れないことがあるんだ」

親:「そんなに辛い思いをしていたなんて知らなかった。もっと早く言ってくれれば良かったのに」

子ども:「言いづらかったんだ。お母さんがバレエを楽しみにしてくれてるのを知ってるから…。でも本当に辛くて、お腹が痛くなることもあるんだ」

親:「あなたの気持ちが一番大切よ。無理して続ける必要はないわ」

子ども:「本当に?でも発表会の練習が始まってるし、今辞めたら迷惑をかけるよね…」

親:「発表会のことは私から先生に相談してみるわ。あなたの健康や気持ちの方が大切だから、心配しないで」

子ども:「ありがとう…。発表会が終わったら辞めたいな。それまでは頑張るよ」

親:「わかったわ。でも無理はしないで。何か辛いことがあったらすぐに言ってね」

先生に習い事を辞めることを伝える効果的な方法

親の理解を得られたら、次は先生に伝える段階です。お世話になった先生との良好な関係を維持するためにも、丁寧な伝え方を心がけましょう。

親が先生に伝えるべき5つの理由

習い事を辞める意思は、基本的に親から先生に伝えるのがベストです。その理由として以下が挙げられます:

  • 子どもの精神的負担軽減:子どもが直接伝えると「もう少し頑張ろう」と引き止められることが多く、断る精神的負担が大きい
  • 大人同士の冷静な話し合い:大人同士の方が、感情に流されず、建設的な対話ができる
  • 的確な感謝の伝達:先生に対する感謝の気持ちを適切な言葉で表現できる
  • 複雑な事情の説明:経済的な理由や家庭の事情など、子どもが説明しづらい内容も適切に伝えられる
  • 円満な関係維持:先生としても、保護者からの正式な意思表示の方が「公式」と受け止めやすく、後々の良好な関係にもつながる

ただし、子どもの年齢や状況によっては、親が同席した上で子ども自身に感謝の気持ちを伝えてもらうことも大切です。特に中学生以上の場合は、自分の意思で区切りをつける経験として貴重な機会になります。

先生への伝え方の7つのポイント

先生に習い事を辞める意向を伝える際には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 事前連絡・アポイント:突然訪問するのではなく、「お話したいことがあります」と前もって伝え、面談の時間を作ってもらう
  • 感謝の気持ちを示す:これまでの指導への感謝を必ず伝え、子どもの成長にどう貢献したかを具体的に伝える
  • 理由は簡潔に、必要十分に:長々と説明せず、要点を簡潔に伝える。ただし、先生が理解できる程度の情報は提供する
  • 子どもの成長を強調:習い事で学んだことや成長した点に触れ、その経験が無駄ではなかったことを伝える
  • 辞める時期を明確に:「〇月末をもって」など期日を明確にし、最終レッスン日も伝える
  • 区切りを意識:発表会や大会、級の取得などの後に辞めると、教室側も受け入れやすい
  • 再入会の可能性に言及:「また機会があれば」「状況が変われば」と伝えると円満に終われる

また、教室やスクールの規定で、退会届などの書類提出が必要な場合もあります。事前に確認しておくと良いでしょう。

先生に伝える最適なタイミングと避けるべき時期

先生に習い事を辞めることを伝えるタイミングも重要です。適切なタイミングを選びましょう。

【理想的なタイミング】

  • 次の月謝や会費の支払い期限の2週間~1ヶ月前(教室側の運営計画に配慮)
  • 大きな発表会や大会の後(一区切りがついた状態)
  • 学期の区切り(春休み前、夏休み前など)
  • 級やベルトなど、ひとつの目標を達成した後
  • 教室が比較的落ち着いている時期

【避けるべきタイミング】

  • 発表会や大会の直前(準備に影響が出る)
  • 次の月謝を払った直後(教室側も対応に困る)
  • 教室が忙しい時期(新学期開始直後、イベント準備中など)
  • レッスン開始直前や終了直後の慌ただしい時間
  • 他の保護者や生徒が多くいる場面(個人的な話は場所を選ぶ)
  • 先生が体調不良や問題を抱えていると分かっている時

また、教室の規約で「退会は〇ヶ月前に申し出る」などの規定がある場合は、それに従いましょう。規約を守ることも、円満な関係を維持するための基本です。

先生に伝える際の適切な理由と避けるべき表現

先生に辞める理由を伝える際、以下のような理由は比較的受け入れられやすいでしょう。

【伝えやすい理由】

  • 学業優先:「学校の勉強が忙しくなってきた」「受験に専念したい」
  • 体力面:「体力的に厳しくなってきた」「疲れが取れなくなった」
  • 家庭の事情:「家庭の事情で」(具体的に説明する必要はない)
  • 別の活動:「部活動との両立が難しい」「他の習い事に専念したい」
  • 環境の変化:「引っ越しが決まった」「通学路が変わって通いづらくなった」
  • 目標達成:「目標としていた級を取得できたので、一区切りつけたい」
  • 子どもの意思:「子どもと話し合った結果、本人の意思を尊重したい」

【避けるべき表現】

  • 指導方法への不満や批判(「先生の教え方が…」)
  • 他の教室やスクールとの比較(「〇〇教室の方が…」)
  • 人間関係のトラブルの詳細(特に他の生徒に関すること)
  • 「つまらない」「面白くない」など、教室の価値を否定するような表現
  • 曖昧な理由(「なんとなく」「気分が乗らない」)
  • 嘘や作り話(後々関係が悪化する原因に)

※注意点:指導方法への不満や人間関係のトラブルが本当の理由であっても、それを直接伝えるのは避けた方が無難です。建設的な意見として伝えたい場合は、「こうしてほしかった」ではなく「こうだったら続けられたかもしれない」というような、将来の改善に向けた提案として伝えると良いでしょう。

【例文10選】先生に習い事を辞めることを伝える具体的な言い方

状況別に、先生に習い事を辞めることを伝える具体的な例文を10パターン紹介します。

例文1:基本的な辞め方(直接会って伝える場合)

親:「先生、いつもお世話になっております。本日は少しお時間をいただきたいことがあってお伺いしました」

先生:「はい、どうぞ」

親:「誠に申し訳ありませんが、子どもが学業に専念する必要が出てきましたので、3月末をもちまして退会させていただきたいと思います。これまで丁寧にご指導いただき、本当にありがとうございました」

先生:「そうですか。○○さんは上達してきていたので残念ですね」

親:「はい、子どもも先生のご指導のおかげでとても成長できました。本人も辞めるのは寂しいと言っていますが、今は学業を優先させたいと思います。また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします」

先生:「わかりました。最後までしっかり指導させていただきますので、3月までよろしくお願いします」

例文2:電話で伝える場合

親:「もしもし、○○教室の先生でしょうか。△△の母です」

先生:「はい、こんにちは」

親:「お電話で恐縮ですが、ご相談があります。実は家庭の事情で、来月末をもちまして退会させていただきたいのですが」

先生:「そうですか、残念ですね」

親:「はい。これまで大変お世話になり、ありがとうございました。今後のお手続きなどについて教えていただけますでしょうか」

先生:「はい、退会届を次回のレッスン時に持ってきていただければと思います。最終レッスン日はいつ頃をお考えですか?」

親:「来月の25日が最後のレッスンになるかと思います」

先生:「承知しました。それまでしっかりサポートさせていただきます」

例文3:メールやLINEで伝える場合

件名:退会のご相談

本文:

○○先生

いつもお世話になっております。△△の母です。

突然のご連絡で大変恐縮ですが、子どもが中学受験に向けて勉強時間を確保する必要が出てきましたため、誠に残念ながら3月末をもちまして退会させていただきたく存じます。

2年間にわたり熱心にご指導いただき、子どもも楽しく通わせていただきました。先生のおかげで、最初はまったくできなかった△△も、今では自信を持って取り組めるようになりました。心より感謝申し上げます。

退会に関する手続きなどございましたら、ご教示いただけますと幸いです。また、次回のレッスン時に直接ご挨拶させていただければと思います。

これからもご活躍をお祈り申し上げます。

敬具

△△の母 ○○○○

例文4:発表会後に辞める場合

親:「先生、発表会では大変お世話になりました。子どもも貴重な経験ができたと喜んでおります」

先生:「いえいえ、△△さんも頑張ってくれましたよ」

親:「実は、ご相談があります。今回の発表会を一つの区切りとして、退会を考えております。子どもも部活動が始まり、両立が難しくなってきましたので」

先生:「そうですか。確かに中学生になると忙しくなりますよね」

親:「はい。これまで5年間、丁寧にご指導いただき本当にありがとうございました。子どもも先生との時間をとても大切に思っています」

先生:「こちらこそ、長い間ありがとうございました。今回の発表会では素晴らしい演奏ができましたね。いつでも戻ってきたい時には声をかけてくださいね」

親:「ありがとうございます。退会の手続きなどございましたら、教えていただけますか」

例文5:子どもが先生と特に親しい場合

親:「先生、お時間よろしいでしょうか」

先生:「はい、どうぞ」

親:「実は子どもが中学受験を控えており、塾の宿題も増えてきましたので、今月末で教室を辞めさせていただきたいと思っております。子どもは先生のことをとても慕っており、自分から言い出せないでいるのですが…」

先生:「そうですか。確かに受験は大事ですね」

親:「はい。子どもも『先生に申し訳ない』と言っていて、本当は続けたい気持ちもあるようです。3年間、温かくご指導いただき、本当にありがとうございました」

先生:「こちらこそ、楽しく指導させていただきました。受験が終わったらまた来てくれると嬉しいですね」

親:「ありがとうございます。そのお言葉、子どもに伝えておきます。最後のレッスンの日に、子どもから直接お礼を言わせてもよろしいでしょうか」

先生:「もちろんです。待っています」

例文6:別の教室に移る場合

親:「先生、ご相談があります。子どもが最近、○○という分野に特化した専門教室に興味を持ち始めまして…」

先生:「はい」

親:「こちらの教室でも基礎をしっかり身につけさせていただいたおかげで、さらに専門的なことを学びたいという気持ちが芽生えたようです。そこで、来月からは専門教室に通わせたいと考えているのですが…」

先生:「そうですか。成長されたんですね」

親:「はい、先生のご指導のおかげです。本当に感謝しています。ただ、時間的に両立が難しいため、大変申し訳ないのですが、退会させていただきたいと思います」

先生:「わかりました。次のステップに進まれるのは嬉しいことです。何か相談があれば、いつでも連絡してくださいね」

親:「ありがとうございます。子どももここで学んだことを活かして頑張ると言っています」

例文7:経済的な理由で辞める場合

親:「先生、申し訳ありませんが、少しお話があります」

先生:「はい、どうぞ」

親:「大変心苦しいのですが、家庭の事情で来月から教室を辞めさせていただきたいと思っております」

先生:「そうですか、残念です。お子さんはとても上達されていたのに…」

親:「はい、子どもも続けたいと言っているのですが、諸事情により難しい状況です。1年間、温かいご指導をいただき、本当にありがとうございました」

先生:「こちらこそ、楽しく指導させていただきました。状況が変わりましたら、いつでも戻ってきてくださいね」

親:「ありがとうございます。子どもにも先生のお言葉を伝えます。最後のレッスンまで、どうぞよろしくお願いいたします」

例文8:子どもが続けたくないと言っている場合

親:「先生、恐縮ですがご相談があります」

先生:「はい、どうぞ」

親:「実は最近、子どもが習い事に対するモチベーションを失っているようで…。家でも練習を嫌がり、レッスンの日も行き渋るようになってしまいました」

先生:「そうでしたか。確かに最近、表情が硬いなと感じていました」

親:「はい。本人とも何度か話し合ったのですが、今は別の興味が出てきているようで…。無理に続けさせるよりも、子どもの気持ちを尊重した方がいいかと思い、今月末での退会を考えております」

先生:「わかりました。お子さんの気持ちを尊重されるのは大切なことですね」

親:「本当に申し訳ありません。これまで熱心にご指導いただき、ありがとうございました」

先生:「いえ、こちらこそ。最後のレッスンは楽しい内容にしますので、リラックスして来てくださいね」

例文9:休会して様子を見る場合

親:「先生、少しご相談があります。子どもが最近、習い事と学校の両立で疲れが出ているようなので、2~3ヶ月ほど休会させていただけないでしょうか」

先生:「そうですか。確かに疲れているように見えました」

親:「はい。完全に辞めるのではなく、少し休んで体力や気持ちを回復させた後、また再開できればと思っています」

先生:「わかりました。休会の手続きについてご説明しますね」

親:「ありがとうございます。休会中も、自宅でできる簡単な練習があれば教えていただけませんか?モチベーションを維持するためにも…」

先生:「もちろんです。お子さんのレベルに合った自宅練習メニューをお渡しします。復帰時期が決まりましたら、ご連絡ください」

親:「ありがとうございます。状況を見ながら、また相談させていただきます」

例文10:引っ越しなどの環境変化で辞める場合

親:「先生、重要なご報告があります。実は来月、転勤が決まり、引っ越すことになりました」

先生:「そうでしたか。どちらへ引っ越されるのですか?」

親:「○○県になります。距離的に通い続けることが難しくなるため、大変残念ですが今月末で退会させていただきたいと思います」

先生:「そうですね、残念ですが仕方ありませんね」

親:「本当に突然で申し訳ありません。子どもも『先生のレッスンが好きだった』と寂しがっています。2年間、素晴らしいご指導をいただき、心から感謝しています」

先生:「こちらこそ、楽しくレッスンさせていただきました。新しい環境でも、ぜひ続けてくれるといいですね」

親:「はい、引っ越し先でも良い教室があれば探してみようと思います。先生のような素晴らしい指導者に出会えたら良いのですが」

先生:「ありがとうございます。もし良い教室が見つからなければ、私から紹介できる先生もいるかもしれません。必要でしたらいつでもご連絡ください」

習い事を辞めた後のフォローアップと新しいスタート

習い事を辞めた後も、それまでの経験や学びを活かすためのフォローアップが大切です。また、新しい活動への円滑な移行を考えることで、子どもの成長をさらに促すことができます。

感謝の気持ちを形にする方法

お世話になった先生への感謝の気持ちを形にすることで、子どもも気持ちよく区切りをつけることができます。

  • 心のこもったお礼状:子どもが自分の言葉でお礼の手紙を書くことで、これまでの経験を振り返る機会になります。写真や思い出の品を添えるのも良いでしょう。
  • 感謝の気持ちを込めた贈り物:高価なものではなく、心のこもった手作りのものや、メッセージカードなどが喜ばれます。子どもと一緒に選んだり作ったりすると、より意味のあるものになります。
  • 最後のレッスンでの丁寧な挨拶:きちんと「ありがとうございました」と直接伝えることで、けじめをつけられます。可能であれば、具体的にどんなことが学べて良かったかを伝えると、より心に届きます。
  • 成長の記録を共有する:写真や動画でこれまでの成長の記録をまとめて、「先生のおかげでここまで成長できました」と伝えるのも良いでしょう。
  • 同じ教室の友達や保護者への挨拶:長く通っていた場合は、一緒に活動してきた仲間にも丁寧に別れの挨拶をすることが大切です。

学んだことを日常生活に活かす工夫

習い事で身につけたスキルや姿勢は、辞めた後も子どもの財産です。それを日常生活で活かす方法を考えましょう。

  • 家庭での継続と応用:例えば、ピアノを辞めても、家で好きな曲だけを弾く時間を作る。料理教室を辞めても、週末に家族の夕食を担当するなど。
  • 学校活動での発揮:習い事で培った能力を学校の活動(文化祭、運動会、クラブ活動など)で発揮する機会を探す。
  • 生活習慣への応用:習い事で身についた「集中力」「忍耐力」「時間管理」などを日常の勉強や生活に意識的に活かす。
  • 家族での楽しみ方:家族で一緒に楽しめる形で継続する(例:習字→年賀状を家族で書く、料理→家族の誕生日に腕を振るう)。
  • 趣味としての継続:競争や評価を気にせず、純粋に楽しむ趣味として続ける方法もあります。例えば、競技としての水泳からレジャーとしての水泳に切り替えるなど。

新しい活動や目標へのシフト

一つの習い事を辞めることで生まれた時間やエネルギーを、新たな挑戦や成長の機会に変えていきましょう。

  • 新しい習い事や活動への挑戦:子どもの興味や適性に合った新たな活動を探索する。「辞めた」という後ろ向きな気持ちではなく、「新しい出会いがある」という前向きな気持ちを育てましょう。
  • 自主学習の時間確保:特に受験生は、自分のペースで勉強できる時間として有効活用する。自己管理能力や計画性を養う機会にもなります。
  • 家族との時間を増やす:習い事で忙しかった分、家族で過ごす質の高い時間を意識的に作る。家族旅行や週末の特別な活動を計画するのも良いでしょう。
  • 地域活動やボランティア:社会性を育む別の形の活動に参加する。地域の清掃活動や高齢者施設訪問など、社会貢献の経験は子どもの視野を広げます。
  • 自分だけの特別プロジェクト:自分の興味や関心に基づいた個人プロジェクト(例:昆虫観察日記、家庭菜園、プログラミングなど)に取り組む時間を作る。

子どもの自己肯定感を高めるフォロー

習い事を辞めることで「失敗した」「諦めた」という否定的な感情を持つ子どももいます。そんな時は以下のようなフォローを心がけましょう。

  • 「辞める」ことも勇気ある決断であることを伝える:自分で考え、決断し、実行することの価値を認める
  • 辞めた理由を肯定的に言い換える:「合わなかった」→「自分に合うものを見つける勇気があった」など
  • 辞めた習い事で得たものに焦点を当てる:「〇年間続けて、〇〇というスキルが身についたね」と具体的に伝える
  • 「挑戦したこと自体」を評価する:結果ではなく、チャレンジした過程を称える
  • 新しい挑戦への期待を伝える:「次は何に挑戦したい?どんなことに興味がある?」と前向きな会話を促す

子どもの習い事は「結果」や「継続年数」だけが重要なのではありません。その過程で何を学び、どう成長したかが大切です。辞める際も、その視点を忘れずに子どもに伝えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 子どもが習い事を辞めたいと言った時、親はどう対応すべき?

A: まずは子どもの話をじっくり聞きましょう。「なぜ辞めたいのか」という本当の理由を理解することが大切です。一時的な気持ちなのか、本当に続けられない理由があるのかを見極め、子どもの気持ちを尊重しながらも、安易に辞めることの意味も伝えましょう。

子どもの年齢や習い事の種類、続けてきた期間によっても対応は変わります。幼い子どもの場合は、「今日は休んでもいいけど、次回は行ってみよう」という短期的な対応が有効なこともあります。一方、中高生の場合は、将来の目標と照らし合わせて一緒に考えることが大切です。

場合によっては「〇〇まで頑張ってみよう」と期限を設けることで、子どもも目標を持って取り組めます。最終的には子どもの意思を尊重しつつも、「物事を簡単に諦めない姿勢」も教えていきましょう。

Q2: 複数の習い事をしている場合、どれを辞めるべきか迷っています

A: 子どもと一緒に各習い事のメリット・デメリットを書き出してみましょう。「楽しさ」「将来役立つか」「体力的・時間的負担」「費用」などの観点から比較すると、優先順位が見えてきます。また、子ども自身がどの習い事に最もやりがいを感じているかも重要な判断材料です。

また、習い事を比較する際に以下の点も考慮すると良いでしょう:

  • 各習い事の目的(運動のため、学習のため、情操教育のためなど)のバランス
  • 週何回・何時間かかっているかの時間的負担
  • 送迎などの親の負担
  • 本人の上達度や教室での立ち位置
  • 友人関係やコミュニティとしての価値

迷う場合は、一時的に全ての習い事の頻度を減らして様子を見るという方法もあります。また、曜日や時間帯を調整して負担を軽減できないか、教室に相談してみるのも一案です。

Q3: 習い事を辞めた後、子どもが「やっぱり続ければよかった」と言い出した場合はどうすればいい?

A: 子どもの気持ちを否定せず、「また始めたい」という気持ちを尊重しましょう。ただし、すぐに再開するのではなく、なぜ続ければよかったと思ったのかをしっかり話し合い、本当に再開する意思があるのか確認することが大切です。

再開を検討する場合は、以下のポイントを子どもと一緒に考えましょう:

  • 辞めた理由は解消されているか(辞めた理由が「つまらない」だったのに、何が変わったのか)
  • 以前と同じ教室に戻るか、新しい環境で始めるか
  • ブランクがあることで生じる可能性のある問題(レベルの差など)
  • 再開する場合の具体的な目標や続ける期間

再開する場合は、「今度は簡単に辞めない」という約束をして、責任感を育てる機会にしましょう。ただし、環境が合わなかったなどの理由で辞めた場合は、必ずしも同じ教室である必要はなく、新しい環境で再スタートするのも一つの選択肢です。また、少し時間を置いてから始めることで、子どもの本当の気持ちを確認することもできます。

Q4: 子どもは辞めたいと言っているのに、先生が強く引き止める場合はどうすればいい?

A: 先生の熱心さには感謝しつつも、最終的には子どもと家族の決断を尊重してもらう必要があります。「子どもの気持ちと相談した結果」「家庭の事情として」という形で、丁寧にですが毅然と辞める意思を伝えましょう。

先生が引き止める背景には様々な理由があります:

  • 子どもの才能や可能性を見ているから
  • 教室や生徒数の維持を考えているから
  • 子どもとの関係を大切にしているから
  • 一時的な壁を乗り越えてほしいと思っているから

先生の引き止めが度を越す場合は、教室の代表者や運営会社に相談することも検討してください。ただし、先生の言葉に耳を傾け、本当に子どものためになるアドバイスであれば、再考する余地を残しておくことも大切です。

また、辞める意思が固い場合でも、「いつか状況が変われば戻ってくるかもしれない」という余地を残しておくと、関係を壊さずに辞めることができます。

Q5: 習い事を辞めることで、子どもが「諦める癖」がつかないか心配です

A: 単に「面倒だから」「ちょっと大変だから」という理由で簡単に辞めることを認めると、確かに諦める癖がつく可能性があります。しかし、しっかりと理由を考え、区切りをつけて辞める場合は、むしろ「自分で決断する力」や「優先順位をつける能力」を養うことになります。

「諦める癖」をつけないためのポイント:

  • 辞める過程で「最後まで責任を持つ」「感謝の気持ちを伝える」といった姿勢を教える
  • 辞める前に「〇〇までは頑張ってみよう」と期限や目標を設定する
  • 辞めた後も、別の形でその分野に触れる機会を作る
  • 別の活動で粘り強く取り組む経験を積ませる
  • 「辞める」ことと「諦める」ことの違いを伝える(「今はもっと大切なことを優先するための決断」など)

また、子どもが何かを「辞める」という経験自体が、成長過程では重要な意味を持ちます。すべてのことを中途半端に続けるよりも、本当に大切なものを見極め、そこに集中するという選択肢もあることを教えましょう。

Q6: 習い事を辞めたいと言う子どもと、続けさせたい親との対立はどう解消すべき?

A: この対立を解消するためには、まず双方の気持ちや考えを率直に話し合うことが大切です。子どもには「なぜ辞めたいのか」を具体的に説明してもらい、親は「なぜ続けてほしいと思うのか」という本音を伝えましょう。

対立解消のためのステップ:

  1. まず互いの意見や気持ちを否定せずに聞く時間を作る
  2. 子どもが考える「辞めたい理由」と親が考える「続けてほしい理由」をリストアップする
  3. 両者の妥協点を探る(例:「3ヶ月だけ休んでみる」「週の回数を減らす」「発表会までは続ける」など)
  4. 続ける場合は子どものモチベーションを高める工夫を一緒に考える
  5. 辞める場合は区切りの付け方や次の活動について前向きに話し合う

対話を通じて「親の期待」と「子どもの意思」のバランスを取ることが大切です。親の思いを一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちも尊重した上で、両者が納得できる解決策を見つけましょう。

Q7: 子どもが習い事で挫折や失敗を経験し、それが理由で辞めたいと言っています。どう対応すべき?

A: 挫折や失敗は成長の糧になる貴重な経験です。まずは子どもの感情を受け止め、話を聞きましょう。「失敗してつらかったね」「がっかりしたよね」と共感の言葉をかけることが大切です。

その上で、以下のようなアプローチが効果的です:

  • 失敗を乗り越えることで得られる成長や学びについて話し合う
  • 有名人や身近な人の挫折エピソードを共有し、挫折が成功への過程であることを伝える
  • 「失敗=終わり」ではなく「失敗=学びのチャンス」という考え方を教える
  • 小さな目標を設定し、少しずつ自信を取り戻す機会を作る
  • 必要に応じて先生と相談し、子どもに合ったアプローチを工夫してもらう

ただし、失敗体験が子どものメンタルヘルスに深刻な影響を与えている場合(極度の不安、睡眠障害、自己否定など)は、無理に続けさせず、専門家に相談することも検討しましょう。

まとめ

習い事を辞めることは、子どもの成長過程では自然なことです。ただし、円満に辞めることで、それまでの経験を価値あるものとして前向きに捉えることができます。最後に、習い事を辞める際に押さえておきたい7つのポイントをまとめます。

  1. 子どもの気持ちと理由を尊重する:本当の理由を理解し、子どもの意思決定を支援する。年齢に応じた自己決定権を与えることで、責任感も育ちます。
  2. 辞める前にしっかり考える時間を取る:「一時的な気持ち」なのか「本当に辞めるべき理由」なのかを見極め、代替案も含めて検討する。急な判断は避け、冷静に考えることが大切です。
  3. 区切りを意識した辞め方をする:発表会や級取得など、目標達成後に辞めることで達成感を持たせる。「最後だからベストを尽くす」という姿勢も身につきます。
  4. 感謝の気持ちを忘れない:お世話になった先生や仲間への感謝を伝える機会を作る。感謝の表現は、社会性を育む大切な学びとなります。
  5. 学んだことの価値を認める:習い事で身につけた能力や姿勢を肯定的に評価する。「〇年間続けて、〇〇が上手になったね」と具体的に伝えることで、子どもも自信を持てます。
  6. 次のステップへの橋渡しをする:辞めた後の新たな目標や活動に前向きに取り組む姿勢を育てる。「次は何にチャレンジしたい?」と新しい可能性を一緒に探りましょう。
  7. 親子で共に成長する機会にする:習い事を辞めるプロセスを通じて、コミュニケーション能力や決断力、責任感などを育む。子どもの決断を支え、共に学ぶ姿勢が大切です。

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