お正月によく耳にする「三が日」という言葉ですが、具体的にいつからいつまでを指すのか、ご存じでしょうか。
実はこの3日間には、日本人が大切にしてきた風習や、今も残る「やってはいけないこと」と言われるタブーがたくさんあります。知っておくと、新年の過ごし方がぐっと豊かになりますよ。
三が日とは、1月1日(元日)・2日・3日の3日間のこと。年神様をお迎えし、家族でゆったりと新年を祝う特別な期間です。
この記事では、三が日の意味や読み方から、由来、伝統的な過ごし方、現代でも気をつけたいタブーまで、わかりやすくまとめました。共働き家庭や忙しい方でも無理なく実践できる工夫も紹介します。

三が日とは?意味と期間をわかりやすく解説
三が日とは、お正月の最初の3日間を指す言葉で、1月1日から1月3日までの期間のことです。官公庁や多くの企業ではこの3日間が休日となり、1月4日から仕事始めとなるのが一般的です。
新年を迎えた家族が一緒に食卓を囲んだり、初詣に出かけたりと、日本の伝統的な行事が集中する大切な時期でもあります。
三が日の読み方は「さんがにち」
「三が日」は「さんがにち」と読みます。「さんがひ」や「みっかにち」と読んでしまう方もいますが、正しい読み方は「さんがにち」です。
漢字表記では「三が日」のほかに「三箇日」「三ヶ日」と書かれることもありますが、意味はすべて同じです。公的な文書や新聞などでは「三が日」の表記がよく使われます。
三が日の期間は元日・1月2日・1月3日の3日間
三が日は、1月1日(元日)・1月2日・1月3日の3日間を指します。1月1日だけを指す「元日」や、1月1日の朝を意味する「元旦」とは区別して使われる言葉です。
- 元日:1月1日の1日全体
- 元旦:1月1日の朝(「旦」は日が昇る様子を表す漢字)
- 三が日:1月1日〜3日の3日間
「松の内」との違いもおさえておこう
三が日とよく似た言葉に「松の内」があります。松の内は、門松などの正月飾りを飾っておく期間のことです。
関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされるのが一般的で、三が日よりも長い期間を指します。つまり三が日は松の内の最初の3日間、という関係になります。
三が日の由来と歴史
三が日の風習は、日本古来の「年神様(としがみさま)」信仰と、宮中で行われていた儀式に深いルーツがあります。単なる休日ではなく、新年の神様をお迎えして福を授かるための、神聖な3日間だったのです。
「年神様」を迎える3日間
お正月には、一年の幸せや豊作をもたらす「年神様」が各家庭にやってくると考えられてきました。門松や鏡餅、しめ縄などの正月飾りは、年神様を迎えるための目印であり、お供え物でもあります。
三が日は、この年神様をお迎えし、ゆっくりと家で過ごしていただくための期間とされてきました。だからこそ、年神様に失礼のないよう、さまざまな風習やタブーが生まれたのです。
平安時代の宮中行事「四方拝」がルーツ
やがて江戸時代になると、武家や庶民の間でも新年を祝う風習が定着し、三が日は家族で静かに過ごす日として広く根付いていきました。
三が日の伝統的な過ごし方
三が日には、日本ならではの伝統行事が数多くあります。どれも家族の絆を深め、新年の幸せを願う意味が込められたものばかりです。

初詣で1年の健康と幸せを祈る
三が日の代表的な行事といえば「初詣」です。神社やお寺に参拝して、新年の無病息災や家内安全、学業成就などを祈願します。
元日の早朝に出かける方もいれば、2日や3日に家族でゆっくり出かける方もいて、参拝のタイミングに決まりはありません。無理なく都合のよい日に出かければ大丈夫です。

おせち料理・お雑煮・お屠蘇を楽しむ
三が日は、年末のうちに作っておいたおせち料理を家族でいただく習慣があります。これは、年神様をお迎えしている間は台所で火を使うのを控えるという考えや、日頃家事をしている人が休めるようにという意味があります。
また、お餅の入った「お雑煮」や、邪気を払うとされる薬草入りのお酒「お屠蘇(とそ)」をいただくのも、三が日ならではの食文化です。
書き初め・年賀状・お年玉も三が日の楽しみ
1月2日に「書き初め」をする風習も古くから続いています。新年の抱負や目標を墨で書くことで、一年の決意を新たにする意味があります。
- 書き初め:新年の抱負や好きな言葉を墨で書く
- 年賀状:届いた年賀状を読んで返事を書く
- お年玉:子どもたちに新年のお小遣いを渡す
- 福袋・初売り:お店の初売りで福袋を買う
こうした行事を通して、家族や親戚が顔を合わせ、新年の挨拶を交わすのも三が日ならではの楽しみです。
三が日にやってはいけないこと6選
三が日には、古くから「やってはいけない」とされる行動がいくつかあります。どれも年神様に失礼のないようにという考えや、縁起を大切にする気持ちから生まれたものです。

えっ、こんなにタブーがあるの?全部守れるか心配…
すべてを完璧に守る必要はありませんが、由来を知っておくと、無理なく取り入れられるものが見えてきますよ。


(1)掃除をしない(年神様を追い払わないため)
三が日に掃除をしてはいけないのは、せっかく家に来てくれた年神様を、ほうきで掃き出してしまうと考えられているためです。
福を呼び込む神様を自らの手で追い払うことになるので、大掃除は年末までに済ませ、三が日はゆっくり過ごすのが良いとされています。
(2)水仕事を控える(福を流さないため)
洗濯や食器洗いなどの水仕事も、年神様が授けてくれた福を水で洗い流してしまうとして避けられてきました。
また、水を司る神様「水神様」も三が日は休んでいるため、水仕事で煩わせないようにという意味合いもあります。
(3)刃物を使わない(縁を切らないため)
包丁やはさみなどの刃物を使うことは「良縁を切る」ことにつながるとして、避けられてきました。新年早々に怪我をして縁起が悪い思いをしないように、という実用的な配慮もあります。
おせち料理が保存の利く調理済みの料理なのは、三が日に包丁を使わなくて済むようにする工夫でもあるのです。
(4)火を使う料理を避ける(荒神様を怒らせないため)
かまどや台所を守る「荒神様(こうじんさま)」も三が日は休んでいるとされ、煮炊きで煙を立てて怒らせないようにする、という考えが伝わっています。
これもおせち料理を事前に作っておく理由のひとつで、日頃家事をしている人を休ませる意味合いも込められています。
(5)四足の動物の肉を食べない(仏教由来)
牛・豚などの四足動物の肉を食べないという風習もあります。これは仏教の殺生を戒める教えや、古来日本で繰り返し出された肉食禁止の考え方が背景にあるとされています。
おせち料理やお雑煮に鶏肉が使われるのは、こうした四足動物の肉を避ける風習のなかで、鶏肉が比較的取り入れやすい食材として親しまれてきたためです。
(6)お金を使い過ぎない(散財を避ける)
「元日にお金を使うと、一年中お金が出ていく」といわれ、三が日の散財は縁起が悪いとされてきました。お賽銭や、家族への新年のお祝いなど、必要最低限にとどめるのが昔ながらの考え方です。
近年は初売りや福袋も正月の楽しみとして定着していますが、無駄遣いにならない範囲で楽しみましょう。
(1)掃除 (2)水仕事 (3)刃物 (4)火を使う料理 (5)四足の肉 (6)お金の使いすぎ
いずれも年神様を大切にする気持ちや、日頃家事をする人を休ませる知恵から生まれた風習です。
現代の三が日の過ごし方|無理なく縁起を守るコツ
共働きや核家族が当たり前の現代では、三が日のタブーをすべて守るのは現実的に難しい場面もあります。大切なのは、気持ちを込めて取り入れられる範囲で実践することです。
掃除・料理は大晦日までに済ませておく
三が日に掃除や料理をしない文化は、裏を返せば「年末までにしっかり準備をしておく」という習慣でもあります。大掃除を12月のうちに終わらせ、おせちや常備菜を年末に仕込んでおけば、自然と三が日はゆったり過ごせます。
初売り・旅行・映画も今や定番
現代では、三が日に初売りに出かけたり、家族で旅行や映画を楽しんだりする過ごし方も広く定着しています。古くからの「お金を使わない」という考え方とは異なりますが、家族との時間を大切にする点では共通しています。
特に外出先では、神社仏閣への初詣と合わせて楽しむご家族も多く、新しい正月のかたちとして定着しつつあります。
タブーを全部守れなくても大丈夫
赤ちゃんや小さな子どもがいるご家庭では、洗濯や食事の準備をしないわけにはいきません。どうしても必要な家事は普段通り行い、「気持ちだけでも静かに過ごす」と意識するだけで十分です。



タブーは知っているだけでも意味があります。今の生活に合わせて無理なく取り入れましょう。
三が日に関するよくある質問
- 三が日の仕事始めはいつですか?
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多くの官公庁や企業では1月4日が仕事始めとなります。ただし、1月4日が土日の場合は翌営業日となるため、カレンダーで確認するのが確実です。業種によっては三が日のうちから営業しているお店もあります。
- 三が日の挨拶はどうすればいいですか?
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「あけましておめでとうございます」「本年もよろしくお願いいたします」が基本です。三が日を過ぎても松の内(関東は1月7日、関西は1月15日まで)であれば同じ挨拶を使えます。それ以降は「寒中お見舞い申し上げます」に切り替えましょう。
- 三が日に洗濯をしても大丈夫ですか?
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厳密には「水で福を流す」として避ける風習がありますが、現代では気にせず洗濯をする家庭がほとんどです。気になる場合は、三が日のうち1日だけでも洗濯を控えてみる、など折衷案がおすすめです。
- 三が日は神社とお寺、どちらに行くのがよいですか?
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初詣は神社・お寺のどちらでもよく、好みで選んで構いません。日本では古くから神仏習合の文化があり、両方にお参りする方もいます。自宅から近い場所や、家族で代々参拝している場所を選ぶとよいでしょう。
- 三が日に喪中の場合、お正月はどう過ごせばよいですか?
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喪中の場合は、おせちやお屠蘇などの祝い事、初詣は控えるのが一般的です。ただし忌明け(四十九日)後であれば、初詣を含めて通常通り過ごして問題ないとされています。
まとめ|三が日は家族でゆったり過ごす日本の伝統
三が日は、1月1日から1月3日までの3日間を指す、お正月の大切な期間です。年神様を迎え、家族で静かに過ごすための時間として、日本で長く受け継がれてきました。
三が日は「1月1日〜3日の3日間」。掃除・水仕事・刃物・火・四足の肉・散財を控える6つのタブーは、すべて年神様への敬意と、日頃家事をする人を休ませる知恵から生まれたものです。
現代では、すべての風習を完璧に守ることは難しくなっています。それでも意味や由来を知っておくことで、毎年のお正月がより味わい深くなるはずです。
今年の三が日は、ご家族と一緒にゆったりとした時間を過ごしながら、日本の伝統の奥深さを感じてみてはいかがでしょうか。









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