こんにちは、小学生や中学生の皆さん!
いよいよ夏休みが始まりましたね。
楽しい時間を過ごしながらも、宿題に頭を悩ませることもあるかもしれません。
特に自由研究や読書感想文は、どう取り組むか迷うことが多いですよね。
「興味が持てるテーマが見つからない」とか「調査方法がわからない」といった悩みを抱えているかもしれませんが、身近な対象である植物や昆虫は調査しやすいテーマです。
昆虫に興味がない方も、その生態を調べることで新たな関心が生まれるかもしれませんよ。
今回は昆虫の中でも、トンボに焦点を当てて調査してみましょう。
- トンボはどこに生息しているのか
- トンボにはどんな種類があるのか
- ヤゴとは一体何なのか
よく見かけるものの、意外と知られていないことが多いかもしれません。
さっそく調べてみましょう。
トンボの生息地と種類について
トンボはヤゴの時期を水中で過ごし、成虫になると一旦水辺を離れます。
成虫になったトンボは、産卵のために再び水辺に戻りますが、その場所は自分が生まれた水辺ではなく、卵を安心して産むことができると判断した場所です。
子孫を残すために最適な場所を選びます。
トンボが好む水辺は、流れのある川などの流水域と、流れのない池や沼などの止水域に大別されます。
この区分けの理由は、水中の酸素量と水温にあります。
流水域は水流があるため、酸素が豊富で水温も約20度程度に保たれます。
一方、止水域は水流がないため酸素が少なく、水温も高くなりがちです。
また、時には干上がってしまうこともあります。
そのため、止水域で見かけるトンボが流水域で見つかることはありますが、その逆は稀です。
例えば、川に生息するトンボが池や沼に卵を産むと、生まれたヤゴは生存できません。
流水域に生息するトンボは、その環境を見分ける能力があると考えられています。
流水域(川)
川の中でも特に中流域はヤゴの生息が多く、周囲に草や樹林があることが条件です。
中流域の流れが緩やかで砂が多い場所では、砂に潜むヤゴを見つけることができます。
止水域(池・沼)
緑豊かな止水域には多くのトンボが集まります。
例えば、ギンヤンマが代表的です。
木々が生い茂る池や沼、湿地帯では、暗い場所を好むヤゴも見られます。
田んぼ
一見すると田んぼはトンボにとって適した環境に思えますが、実際には生息するヤゴの種類は限られます。
5月に田植えが行われ、水が張られた後も、秋になると稲刈りで水がなくなってしまうからです。
そのため、赤トンボと呼ばれる種類の中には、この環境に適応しているものがいます。
秋に乾燥した土に卵を産み、冬を土の中で越し、翌年水が張られると孵化してヤゴになります。
トンボの種類について知ろう
トンボの種類は非常に多様で、全世界で約5,000種類、日本国内だけでも約200種類が確認されています。
この驚くべき多様性には驚かされますね。
私たちの身近で見かけるトンボは、その中のほんの一部に過ぎません。
珍しいトンボを探して湿地帯を探検してみるのも、面白い体験になるかもしれません。
リュウキュウハグロトンボ
リュウキュウハグロトンボは、奄美群島や沖縄本島の中部から北部にかけて生息しています。
卵から孵化してから約2~3週間でヤゴとなり、その後ヤゴの状態で越冬します。
ヤゴの期間は約1年で、主に川の上流から中流域で見かけることができます。
一般的なハグロトンボとは異なる種類です。
オニヤンマ
オニヤンマは、日本最大のトンボで、全長が10㎝を超えることもあります。
体色は黒と黄色で、目は緑色です。
非常に強力な顎を持ち、スズメバチを捕食することもあります。
そのため、採集時には十分な注意が必要で、人間が噛まれると出血することもあるので、取り扱いには気を付けましょう。
ギンヤンマ
ギンヤンマは、よく見かける「○○ヤンマ」として知られています。
全長は約7㎝で、大型のトンボです。
卵から孵化するまでに1週間から3週間かかり、ヤゴの状態で越冬します。
ヤゴの期間は2ヶ月から8ヶ月で、開放的な池や沼、人工池などに生息しています。
ダビドサナエ
ダビドサナエは、全長約4㎝~5㎝で、サナエトンボ科の中では比較的小型のトンボです。
卵から孵化するまでに2週間から1ヶ月かかり、ヤゴの状態で越冬します。
ヤゴの期間は約2年で、主に川の中流域に生息しています。
タベサナエ
タベサナエは、全長約4㎝で、準絶滅危惧種に指定されています。
卵から孵化するまでに2週間から3週間かかり、ヤゴの状態で越冬します。
ヤゴの期間は約2年で、木々に囲まれた池や沼、湿地帯に生息しています。
アキアカネ
アキアカネは、全長約4㎝で、鮮やかな赤色が特徴のトンボです。
6月ごろに羽化し、暑さを避けるために涼しい山へ移動します。
秋になると再び下りてきて、その間に体の色がオレンジから赤に変わります。
卵で越冬し、ヤゴの期間は約3ヶ月から6ヶ月程度です。
田んぼや池、沼、湿地帯に生息しています。
トンボの幼虫「ヤゴ」の生態について
ヤゴはトンボの幼虫で、「ヤンマの子」を略して「ヤゴ」と呼ばれています。
他にもタイコムシやワラジムシという名前でも知られています。
ヤゴの形状は種によって様々で、お腹が丸いものや細長いものが見られます。
また、ヤゴはエラを持ち、呼吸のために水面に出ることはありません。
水中で生活する昆虫の脚は泳ぐのに適していることが多いですが、ヤゴの脚は水底を歩くのに適しており、泳ぐのはあまり得意ではありません。
多くのヤゴはしっかりとした足取りで歩きます。
ヤゴの生活期間は、数週間から数年に及ぶことがあります。
ヤゴの生息地
ヤゴは主に水中で生活しており、水草の陰や砂、泥の中に隠れることが多いです。
網を使うと比較的見つけやすいですが、必ずしも水辺にいるわけではありません。
トンボが飛んでいる水辺には、必ずヤゴも生息しています。
ヤゴを見つけたい場合は、そのトンボが見られる水辺を探してみると良いでしょう。
ヤゴの食事
ヤゴは肉食性で、成虫のトンボも同様です。
ヤゴが小さいうちはボウフラ(蚊の幼虫)やミジンコを食べますが、成長するとオタマジャクシやメダカなどの小魚も捕食します。
ヤゴには「折り畳み式の下唇」と呼ばれる顎があり、この顎を瞬時に伸ばして獲物を捕まえます。
そのスピードと精度は水中昆虫の中でも非常に高く、非常に巧妙なハンターです。
羽化の過程
ヤゴが食事をしなくなると、羽化が近いサインです。
羽化には2つのタイプがあり、種類によって異なります。
倒垂型
草の茎や棒に掴まり、後ろに大きく反り返る方法です。
セミや蝶の羽化と似ています。簡単に言うと、ぶら下がりの姿勢です。
倒垂型で羽化する種類:
- ムカシトンボ科
- エゾトンボ科
- トンボ科
- ヤンマ科
- オニヤンマ科
直立型
地面や石の上で羽化し、這いつくばった状態から立ち上がるポーズです。
直立型で羽化する種類:
- モノサシトンボ科
- イトトンボ科
- サナエトンボ科
- ムカシヤンマ科
- カワトンボ科
- ミナミカワトンボ科
- アオイトトンボ科
- ヤマイトトンボ科
羽化の失敗
羽化の過程では失敗することもあります。
ヤゴにとって羽化は非常に危険なプロセスで、失敗すると奇形になることがあります。
翅がシワシワになったり、脚やお腹が曲がったりすることがあります。
羽化中は無防備なため、アリや鳥などに襲われることもあります。
さらに、ヤゴは羽化の際にエラ呼吸から肺呼吸に切り替えます。
落下して水中に落ちると呼吸ができなくなるため、羽化を成功させるためには最後まで落下せずに羽化する必要があります。
まとめ
- トンボは羽化後、一時的に水辺を離れることがありますが、産卵期になると再び水辺に戻ってきます。
- 異なる種類のトンボには、それぞれに適した水辺があります。
- 日本には約200種類のトンボが生息しており、その中には準絶滅危惧種も含まれています。
- ヤゴはトンボの幼虫で、成虫になるためには特別な成長過程を経ます。
- ヤゴの羽化は非常にリスクが高く、命がけのプロセスです。
トンボについては身近に感じるかもしれませんが、実際には多くのことを知らないかもしれません。
自由研究をゼロから始めるのは大変かもしれませんが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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